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地域に育ててもらった彼が思うまちづくりの「核」とは何か?

宮﨑 泰地(Miyazaki Taichi)

四万十team / KeyMan
福岡県宗像市出身。高校卒業後1年の浪人を経て九州大学共創学部に入学。1年次より地域のまちづくりに興味を持ち、団地再生プロジェクトへの参加やまちづくりの学生団体の立ち上げを経験。地域活動で子供たちと関わる中で「教育」を通してまちづくりに関わりたいという思いをもちFoundingBaseに参加することを決意。2021年4月より町営塾「じゆうく。」でスタッフとして活動している。

「地域に育てられた」幼少期

物心ついた時から私の記憶はいつも地域の人たちと一緒にあります。
年上のお兄さんたちと公園に大きな穴を掘って怒られたり、近所のおじいさんと一緒にグラウンドゴルフの大会に出たり、老人会に勝手に乗り込んでお菓子をたくさんもらったりしたこともありました。
父はPTA会長として地域の活動に積極的に参加していて、母は地域のまちづくりNPOの一員としてまちづくりに関わっていたこともあって、たくさんの地域の人と一緒になる機会がありました。
当時はかなり騒がしい子供だったようで、近所の人からは外が騒がしくなってきたと思ったら「たいちが帰ってきたな」と分かるほどでした。
今でも地元に帰って道ですれ違うと「元気にしとるね。」「大きくなったねぇ。あげん泣きよったとに。」と多くの人から声をかけられます。
親身に世話してくれた上級生や、やさしく厳しく可愛がってくれた地域の大人たちに育てられたと言っても過言ではないと思っています。

「地域のお兄ちゃん」になりたくて

大学入学後すぐに、地元の団地再生を中心としたまちづくりのプロジェクトが動き始めて、運よくそこに関わることができました。
私は、かつて小学校で行われていた地域のお化け屋敷を復活させ、その過程でまちづくりの学生団体の立ち上げを経験しました。
学生として地元に関わる中で私が大事にしていたことが2つあります。
ひとつは「憧れの循環を作り出すこと」です。
地元の小学校のお化け屋敷では6年生が企画運営をして下級生がお客さんでした。
お化け屋敷を作り上げる6年生の姿を見て「かっこいい」「おれもこんなふうになりたい」と憧れて自分が6年生になったときにそれを見て下級生が「かっこいい」と思う。ある種の循環がそこにはありました。
当時は深く考えたことはなかったのですが今考えるとすごく良い循環だなと思っていて、その循環が地域の愛着につながっていくと思っているのでそれを作り出すことを目標に置いていました。
もうひとつは「地域のお兄ちゃんになること」です。
小中学生に地元で会うと「たいち、おにごっこしよう!」と言われて遊んだりすることがあります。
この「近さ」がすごく大事だったなと思っています。
大人と子供のちょうど中間にいる大学生がいることで、地域で活動をしている大人の存在やそこに興味がある子供の思いをつなぐことができるのではないか。そう思い思い活動していました。

自分のまちづくりの「核」はなにか

大学生として、地域住民としてまちづくりに参加することに楽しさや面白さを感じる中で、漠然と私の中で「将来はまちづくりを仕事にしたい」という思いが醸成されていきました。
一方で同じ時期に壁にぶつかりました。
まちづくりをしている大人はみな、「核」を持っているな、と感じたのです。
まちづくりに関わる人には、「教育」「建築」「芸術」などの武器を持っている人が多いのですが、私の場合は所属している学部の特性上明確な武器を提示しづらく、それがある種のコンプレックスでもありました。
私にとって何がまちづくりの「核」になりうるか、分野を問わずいろんな人の話を聞いたりイベントに参加したりして探し続けた大学3年間でした。
その過程で小中学生の授業に参加したり子供向けのワークショップを行うことが増えて、教育をとおして地域の次世代を担う人たちにもっと自分の住む地域のことを知ってほしい、自分の住む地域を好きになってほしいという思いが強くなっていきました。
また自分が地域で活動していく中で、大学生や地域住民の立場で活動していくことには満足してはいましたが、どこかでそれに対する孤独感や煮え切らない気持ちがありました。
同じような思いを持った人たちとともに、企業という新しい立場から地域の共創に関わりたいという思いもあってFoundingBaseで教育に関わることを決めました。

地域が好きな人を増やしたい

私は教育を学問的に学んだわけではありません。かといって何かものが作れたり、素敵な絵が描けたり、音楽をつくれるようなスペシャリストでもありません。ですが、まちの中からおもしろい火種をみつけて燃え上がらすことは、人よりも得意だと思っています。
生徒が「じゆうく。」を卒業してそれぞれの道を進んで行った先で、ふとした瞬間に四万十町のことを思い出して帰ってこようと思えたり、帰ってこなくても何らかの形で応援したり協力したりしたいと思えるような、自分が今住んでいる地域が好きだと思える人を増やしたいと思っています。
そのために自分のできることを増やし、挑戦を続けることをやめないでいたいと思います。
今自分がここにいられることに対する感謝を忘れず、全力で取り組んでいきます。

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