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【第2回ABIRA Talks開催報告】



こんにちは!北海道安平町であびら教育プランを進めている松岡です!

そもそも、あびら教育プランって?


今回はこのあびら教育プランにおける「挑戦学習」の部分のメインコンテンツであるABIRA talksについてご紹介いたします!

【ABIRA Talksって?】

やりたいことやアイデアを持った「チャレンジャー」が目標金額を設定して熱い想いを発表し、賛同した「町民サポーター」から出資を募るイベントです。


あびら教育プランでは遊育事業、そして公営塾あびらぼで子どもたちの世界を拡げる活動をしています。そうした中で子どもたちは「こんなことをやってみたいかも!」「こういうことが僕は好きかもしれない!」といった小さな想いを持つことがあります。ABIRA Talksでは、そんな子どもたちが一生懸命想いを整理してプレゼンをする。そしてそれを町の大人たちが本気でジャッジして応援する。このような「町に住む子どもたちの挑戦プラットフォーム」を昨年からスタートさせ、少しずつ町に「挑戦と応援の文化」を根付かせようと頑張っています。

【当日の様子】
①オープニング


まずは担当スタッフからABIRA Talksの趣旨とルールを説明します。
ここで重要なことは「参加者のスタンス」をできるだけ整えることです。そもそも10代の小中高生がこの場に立ってプレゼンして大人のジャッジを受ける、それをやろうと思って行動したその勇気をまずは称えたいと思っています。その上で、大人のスタンスとして「子どもの夢を潰すためにこの場にいるのではなく、子どもの夢を応援するためにこの場にいるのだ」という認識を持ってもらうことを意識します。しかしながら、この認識が意味するのは「彼らに甘いジャッジをして欲しい」ということではありません。「彼らの想いをより良い形で叶えるためにはどうしたら良いのか?」を本気で考えるということです。本気で考えた結果、「もっとあの部分を◯◯して◯◯が明確になれば投資できるよ」「あの方法は◯◯という考え方もできるね。そこをもう少し考えたら投資できるよ」などと投資を見送ることもあり得るのです。
このような場の設定をして、ついに登壇者のプレゼンが始まります。

②子どもたちのプレゼン

今回の登壇者は2名です。
小学校6年生のアート大好き藤森くんは「巨大な抽象画アートを描いてみたい!」
高校1年生の本大好き井上くんは「コミュニティスペースにふれあい本棚を作りたい!」
それぞれの想いをプレゼンしてくれました。
まずは小学校6年生の藤森くんのプレゼンです。


彼のプロジェクトは、180×90のベニヤ板に、ポスカとアクリル絵の具を使って本格的な抽象画作品を完成させたい!というものです。プレゼン全体を通して非常にロジカルで、想いや世界観がしっかり伝わってきました。
特に印象的だったのは「絵画には無限の可能性があり、自分も感情や伝えたいことを絵で表現したいと思った」という動機から「変化と進化」というタイトルの作品を作ろうとしたことです。彼は普段何かをモチーフにしたイラストを描くことが多かったので、抽象的なものを表現しようと思ったことが驚きでした。
ここは推測ですが、昨年実施した公営塾あびらぼのアート編の授業でカメラが登場して以降、さまざまなアーティストたちが新しい絵画の表現を追い求め「カメラにはできない新しいアートの価値」に挑んできた姿を紹介し、それに触発された部分も大きいのではないかと考えています。


彼の描いたラフがこちらです。
彼の考える「変化と進化」についてかなり詳細に説明してくれました。大人も考えさせられる世界観には正直脱帽でした。
また、なぜ大きい絵である必要があるのか?という問いに対してもピカソの「ゲルニカ」を例に出して説得力のある説明を展開し、非常に面白かったです。

質疑応答でも彼のアートに対する思いが存分に発揮されて、的確に回答する姿に大人のこちらが「すごいなぁ」と感心してしまいました。

次は高校1年生の井上くんのプレゼンです。


彼のプロジェクトは会場であるコミュニティスペースENTRANCEに本棚を作り、決められたテーマの本をみんなで持ち寄ってふれあいを作り出すというものです。何より非常に堂々と熱量込めて説明している姿が印象的でした。


ふれあいを作り出す方法として「レビューシートや本について語り合えるコミュニテぃペーパーを用意し、本を通しての人と人のつながりを作り出したい!」や「図書館や本屋さんにはできないことをこのコミュニティスペースの性質を使って自分が展開していきたい!」など面白そうなアイデアに心が躍る瞬間がたくさんありました。


しかしながら、「アイデアはものすごく良いし応援したいのだが、運営のルールや本棚周知の方法などもう少し企画を詰めた方が良いのではないか?」という意見も質疑応答では散見されました。

③ジャッジペーパーの記入


それぞれのプレゼンが終了した後に参加者はジャッジペーパーを書きます。
ここには投資金額を書く欄があり、なぜその金額になったのか?プレゼンはどうだったか?プロジェクトへのアドバイスを書いてもらいます。このペーパーは終了後にチャレンジャーに渡されるので、子どもたちはこれを見てさらに良いプロジェクトを作っていくことができます。


大人たちは子どもの熱量に触れているので、どの方も本当に真剣に向き合って真摯に書いてくれました。
ちなみに投資金額はルールがあって、チャレンジャーの目標金額とその日の参加人数によって一人当たりの投資上限が決まります。
今回は藤森くんは一人700円まで、井上くんは一人500円まででした。

④結果発表

参加者の投資を集計し、最後は結果発表です!
今回の結果は、、、

藤森くんのアートプロジェクトは、
目標金額:5442円 調達金額:9200円
ということで大成功!!


参加者の期待を背負いながら、彼の世界観を存分に発揮して素敵な作品を完成させて欲しいです!

そして井上くんの本棚プロジェクトは、、、
目標金額:3580円 調達金額:0円(合計が3450円で不成立なので0円)
ということで僅かに届かずに不成立・・・。


たった130円。されど130円。本人は本当に悔しかったはずです。
ここで素晴らしいなと思ったことは、彼が下を向かなかったことです。
「悔しくて涙が出そうになった。でも今回、学校では絶対に学べないことを学ぶことができた。次回のABIRA Talksでリベンジする!」と再チャレンジの決意を固めていました。諦めず自分をアップデートしながら挑戦し続ければ、いつかきっと今日の痛みが「良き学び」に昇華され、「あの時挑戦して良かった」と心から思える日が来ると思います。つまり今日の「失敗」が「学び」に変わる日が来るということ。

大人たちは彼の可能性を心からを信じているからこそ、厳しい判断を下した。
彼はそんな大人の想いをしっかりと感じ、これを学びに昇華する新たなフェーズへと進んだ。

こうして地域に住む応援してくれる大人たちに出会えた彼らはきっと前に進み続けることができるはずです。
現代社会ではどうしても「失敗をさせないように」「自分も失敗しないように」という意識が強いと感じています。でも失敗から立ち上がる方法や、失敗を学びに昇華させる方法を学ぶこと、こういった学びがきっと不確実な社会の中で求められている気がしてなりません。

そういった観点で、ABIRA Talksでは「やりたいことに果敢に挑戦していく子どもたち」を育成し、「子どもの学びを支える大人たち」が出会える場所であってほしいなと心から思います。

そして最後に、今回会場にいた誰もが感じたことを書いて締めくくりたいと思います。
彼らのプレゼンを見て、

「自分たちはあの二人に恥じない挑戦や努力を重ねられているのだろうか?」
「あの二人のようにワクワクし、熱量をもった毎日を送れているのだろうか?」

こんなことを大人たちは考えさせられました。
僕らは子どもたちに何かを教えたりアドバイスしたりもするけれど、子どもたちからも多くの学びや気づきをもらっている。そんなことを思い知らされました。

これからも子どもたちにとっても、大人にとっても学び多きABIRA Talksになるよう、これからも北海道で挑戦を続けていきたいと思います!

(松岡)

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