FinTをお手伝いしてる大柴です。界隈では「しらべるおさん」と呼ばれたりしてましたが、最近は普通に本名で呼ばれることも増えてきました。それはさておき、2年前に「あさみん」のインタビュー記事を書いた際、「これから不定期でFinTのメンバーを紹介していこうと勝手に思ってます」と書いたのですが、あさみん以降書いてなかったことに気づきました。というわけで、ひさしぶりに書かせていただこうと思います。
先日、FinTのリーダー合宿なるものに参加させてもらったので、そのレポートと、そこに参加した石本亮さん(SNSマーケティング事業部長・通称 おりょう)、田中隼輔さん(メディア事業部長・通称 ぽいぽい)へのインタビューの全3回をお届けします。まずは初回。FinTリーダー合宿レポートです。
トップの想いが全て
隔週で行っている経営会議。そこで何となく経営陣と現場との意思の乖離を感じるコメントが増えているように感じた。気づいたら60人を越えるメンバーになっていたFinT。経営陣の想いが現場に完璧に伝わりきらなくなるフェーズだ。それによる小さな事故やトラブルもポツポツ起きていた。
スタートアップにとって、トップの想いというのはとても重要だと僕は思っている。FinTで言えばゆいちゃん(代表の大槻祐依)の想いが全てだ。そしてすでに60人規模の会社になっているFinTにおいて、ゆいちゃんが直接一人一人に想いを伝えるのは難しくなってきている。必然的にリーダーの役割が重要になってくる。
しかし僕の中で「リーダー陣がゆいちゃんの想いを完璧に理解しているのだろうか?想いを伝える機会をちゃんと作っているのだろうか?」という疑問がわいてきた。そこで「一度、リーダー合宿みたいのを開催してはどうか?。経営陣とリーダーの意思統一をした方がいいかもしれない」と提案した。
FinTは部門が多く、小さなチームがたくさん存在する。そしてそれぞれにリーダーがいる。そんなわけで、今回のリーダー合宿には11人もの「リーダー」が参加した。
FinTはロジカルで体育会系な組織
前述のような経緯で合宿が開催されることになったので「リーダー陣と経営陣の親睦がメイン」と勝手に認識していたのだが、予想に反してめちゃくちゃ体育会系プログラムが組まれていた。取締役の山下くん中心に企画され、がくと(HRリーダー)などの協力を得ながら作ったプログラム。
外部からどのように見られているかわからないが、FinTは結構体育会系組織である(ゆいちゃんは中高時代、バスケ部の部長をやってたらしい)。今回のプログラムもある意味FinTらしい。
あるお題をもとに、条件を満たす新規事業を考えるというもので、11人の参加者が3チームに分かれて行う。窓の外は暗闇が広がっていた。事業案の発表は翌日の11時。間に合うのか?!
代表のゆいちゃんと取締役の山下くん、そして数ヶ月前から業務委託としてFinTの経営戦略などを手伝ってくれてる”ノリさん”と僕の4人がメンターとして各チームを巡回しながら、新規事業案の完成を目指した。
(ざっくり言うと)目標数値から逆算して考え、事業プランの実現性など考えていくように指示を出すノリさん。一方、「その事業、FinTらしいかな?」と問い続ける僕。ゆいちゃんから「ノリさんと調べるおさん(僕のこと)のアプローチが全然違うのが良かった」と言われたが、まぁたしかにそうかもしれない。ちなみにFinTのメンバーはロジカル型が多い。
圧倒的に若く、タフなチーム
メンターのコメントも参考にしながら、チーム内で議論を進め、二転三転しながらも事業案を練り上げていく各チーム。時間が無いからと安易に妥協することもなく、課題に真剣に取り組む参加者。FinTの文化なのかもしれないが、メンバーの意見を尊重しながら、建設的に議論を進めていっていた。これは各チームに共通していた。
時間が経っていくにつれて、チーム内での役割分担も明確になっていったように見えた。議論を仕切る人、調べる人、まとめる人など。自然と役割分担がなされていった。意外な人物が重要な役回りをしている様を発見したり、巡回しながら興味深く眺めた。
晩御飯の時間になり、皆で食卓を囲む。そして温泉。束の間のリラックスタイムだが、それが終わると再び部屋で議論を進める。みんなタフである。僕とノリさんは40代だが、その他の13人は全員20代。最年長は26歳だという。圧倒的に若い。40代コンビのメンタリングは深夜3時くらいまで続いた。おじさんにはなかなか厳しいスケジュールだったが、若者はまだ議論を続けていた。
リーダーとしてのタイプ、強み、足りない部分を知ることが重要
早朝から各チーム追い込みで議論、資料作成し、11時の発表の時間を迎えた。勝ったのは、おりょう(SNSマーケティング事業部部長)、がくと、そして『Sucle』を担当するまるもちゃんのチーム。こういったチーム戦の場合、人数が少ない方が有利だったりするので、そういうアドバンテージもあったとは思うが、3人がバランス良く能力を発揮できた結果の勝利なんじゃないかなと思う。
とは言え、この勝ち負けは重要ではなかったりする。ワークを通じて、自分のリーダーとしてのタイプ、強み、足りない部分を知ることが重要なのだ。まだまだ全員未完成なリーダーではあるが、これを契機に進化していって欲しいなと思う。
チームをより良い方向に導くのがリーダーの役割ではあるが、より良い方向が自分勝手な「良い方向」では会社としてはおかしな方向にいってしまう。トップの想いを正確に汲み取って、それをメンバーに落とし込むのが重要。マネジメントやオペレーションが上手にできたとしても、正確に伝える能力が無いのは致命的。その辺の重要性も理解して欲しいなと思う。
真面目で優秀、そして良い奴が多いFinT
当日の総評でも述べたが、総じて予想以上の事業プランを発表してくれたなと思った。一晩でこれだけの実行可能なプランを練り上げてくるのはなかなかできない。素直に賞賛に値する。各人の能力の高さとチームワークの良さの賜物だと思う。
ノリさんと帰りの電車で「みんな優秀だよなー。すごいわ。」と話した。もっともノリさんは疲れからか、すぐに座席で眠りについたのだが。
FinTはゆいちゃんが早稲田ということもあり、早稲田出身のメンバーが多い。また、大手企業から転職してきた、いわゆる「第二新卒」も多い。今回の合宿もそんなメンバーがほとんど。学歴や社歴を抜きにしても、みんな真面目で優秀。そして良い奴が多い。これからもFinTメンバーは「良い奴」がたくさんいる組織でいて欲しいなと思う。
真面目で優秀、素直で良い奴が集うFinTだが、それは代表であるゆいちゃんがそういうタイプだからだと思う。BASE鶴岡さんや株主でもあるEV太河さんからも「大槻は良い奴だから上手くいく!」と言われてるのだが、やはり良い人の周りには良い人が集まると思うんですよ。なので、ゆいちゃんが今後も良い奴だったら、FinTメンバーも良い奴が集まり続けるんじゃないかなと思ってる。
それにしてもゆいちゃんは今年とても成長したように感じる。今回の合宿で驚いたことが2点あるのだが、1点目はリーダー達が想像以上に優秀だったことで、2点目がゆいちゃんの成長。合宿の総評でゆいちゃんがコメントしてたが、その内容が素晴らしく、大社長感あった。前述のBASE鶴岡さんの姿がよぎった。それくらい進化を感じた。もちろん全然まだまだな部分が多いのだが、このままグングン成長していって欲しい。
ポジションが人を育てる
ゆいちゃん、山下くんの経営陣の想いとしては「現状のリーダー陣が成長して、真の幹部になって欲しい」というとこだろう。一方で、ノリさんのような実績、実力ある「大人」の存在の重要性も感じていると思う。両者のハイブリットな組織が理想だろうが、若い世代が活躍できる組織にし続けるのは重要だなと感じる。
現在も20代前半のメンバーがバリバリと活躍しているFinTだが、まだまだ頭数が足りない。ゆいちゃん、山下くんも現在のポジションについた時は全然未熟だったが、そのポジションで頑張ったからこそ、今の成長がある。そういう機会があるのはスタートアップならでは。ポジションは人を育てると僕は思っているのだが、責任あるポジションはたくさんあるので、我こそは!という20代はぜひ挑戦してもらいたい。
【次回はリーダー合宿に参加したメンバーへのインタビューを公開します】