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創業1年目、30人しかいないのに、2つの事業を掛け持ちするってどうなの?クラフトバンクのHead of Businessがメリデメをぶっちゃけます

こんにちは。田久保(たくぼ)です。クラフトバンクのビジネスサイドを統括しています。

クラフトバンクは建設会社からスピンアウトしてできた、建設スタートアップです。会社は1年目ですが、事業は既に4年目を迎えています。

このような特殊な事情ゆえに、「4年目の落ち着き」と「1年目のスタートアップらしさ」が混在しています。カルチャーも独特な何かがあると自負しています。

洗練されたセールス&オペレーションの「協力会社紹介」事業

たとえば、クラフトバンクが3年間取り組んできた、発注者と受注者をつなぐ「協力会社紹介」。PDCAを繰り返し、今や500km離れた工務店と工事会社をマッチングできるまでになりました。業界の常識でもある「半径10kmの会社としか取引できない」という制限を突破しつつあります。

事業メンバーは、代表の韓や取締役の前島、2度の起業経験がある田中など、エンタープライズセールスのスペシャリストだらけです。そしてオペレーションには業界経験者が揃っています。 サッカーに例えると、常に数的優位を作り続け、ポゼッションで相手を圧倒するスタイルです(サッカーに興味のない方、ごめんなさい)。

猪突猛進型のVertical SaaS事業(β)

他方、創業した4月に構想がスタートしたSaaS事業は、1年目のカオスを絵に描いたような状態です。笑

全国に200,000社以上ある専門工事会社の現場外業務は、紙・ホワイトボード・Excel・LINEなど非効率に分散しており、それらをオールインワンで管理できるVertical SaaSを提供しています。

5月にMVPができ、6月からユーザーヒアリングを開始、8月にβ版をクローズドリリース、11月までに50社が導入、という目まぐるしい進捗をしてきました。

事業メンバーは、武田(25歳)や田久保(こう見えて27歳)など若手が多く、「私が/俺がやってやる」のカルチャーが強い傾向にあります。 サッカーで言うと、ハイプレスからのショートカウンター、という感じです(わからない方ほんとうにごめんなさい)。

「選択と集中」という原則に反している

…と、30人弱の小さな組織でありながらクラフトバンクでは2つの事業が走っており、当然「協力会社不足」と「専門工事会社の生産性向上」という異なる課題に向き合い、どちらも全力で取り組んでいます

これはつまり「クラフトバンクの事業成長のセンターピンは2つあります」と言っているようなものです。

私は「選択と集中」という原則を大事にしていて、課題解決への最短距離を行くうえで最も重要な原理原則だと考えています。逆に言うと、この原則に背くことでリソースの分散が起きてしまい、短期的な成長スピードという面ではデメリットもあるかもしれません。

ただ私は、複数の事業を運営しているからこそ得られるメリットも大きいと考えています。

① 業界の解像度が指数関数的に上がる

前提として建設業は、ブラックボックス度合い=ペインの深さが他のレガシー業界よりもさらに一回り大きいと考えています。

私も前職で放送業界や水産業界など、様々なレガシー業界の課題に向き合うことがありましたが、商流や慣習の複雑さ、そしてマーケットの大きさは段違いです。バーティカルなのかホリゾンタルなのか、たまによくわからなくなります笑

2つの事業があることで、エンタープライズの発注者とSMBの工事会社の双方の課題に向き合うことになります。その結果、社内には指数関数的に業界ナレッジが蓄積され、不確実な意思決定の確度が著しく上がったように感じます。

② (むちゃくちゃ大変だけど)個のレベルアップが早い

特にビジネスサイドのメンバーは、全員がメイン事業に軸足を置きつつ、20%はもう一方の事業にかかわることが奨励されています。

建設業の課題を解決するには、メンバー一人ひとりが、あふれ出てくる一次情報を抽象化し、それを現場に還元するというサイクルを、相当なスピードとクオリティで回していく必要があります。

最初から2つの事業を並行して経験することが、新しいメンバーが本質的にオンボーディングとレベルアップをするための最短経路だと思っています。

③ 「色を持たない」というカルチャー

これは事業ドメインが複数あることのメリットというよりは、その土壌であるカルチャーの話になりますが、代表の韓はよく「色を持たないことにこだわりたい」と口にしており、それがクラフトバンクのカルチャーとして浸透しています。

採用基準は「いいやつかどうか」。創業1年目なのに、決裁権はほぼすべて委譲。よく「権限委譲してます」という社長がいますが、韓はちょっと度を越えて委譲しており、「本当にこれで大丈夫なのか?」と思うこともあるくらいです。笑

個人的には、短期的に強い組織を作りたいのであれば、このカルチャーはベストではないと考えています。メンバー全員の価値観を近づけようとするスタイルの方が瞬間最大風速は出るのだろうと思います。

ただ、建設業という複雑で巨大な業界で構造変革を起こし続けるには、勢いだけではなく柔軟性、耐久力やレジリエンスも必要です。私は入社して以来、日に日に強くそう感じています。

クラフトバンクは、メンバーの多様性にかけてはどこにも負けない自信があります。
私自身もNPO出身で、この会社に来るまでITはおろか、ビジネス経験すらありませんでした。
ロビイング担当として入社し、今ではSaaSプロダクトのスケールに挑戦しています。

たまたま見つけた下の写真も、左からカフェ経営者、大工職人の息子、メガベンチャーで新卒教育を担当していたエンジニア、そして私、とかなり多様なバックグラウンドです。

一人ひとりがメンバー全員の考え方・思考回路をリスペクトし、柔軟に変化していくこの風潮こそが、複数の事業運営を機能させている一番の要因かもしれません。

クラフトバンクは事業も組織も、いわゆるスタートアップとは一風変わっています。この、ある種独特な環境を「おもしろいかも」と思っていただけた方、逆に「どうなん?」と思われた方、ぜひカジュアルにお話ししましょう!

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