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Sayaka Tanaka(Senior Manager of Business Development & Marketing)
1997年に起きた、あの少年による連続殺傷事件。田中の一つ目の転機です。彼女は事件以来「子どもによる犯罪」に強い問題意識を抱き続け、高2で「家庭裁判所調査官」を志し、必要な知識を取得するべく大学では心理学を専攻。まさに目標へと一直線!…と思いきや、彼女は「家庭裁判所調査官」への道を選びませんでした。それからFracta Leap入社に至るまでの物語を、今日はお伝えします。
社会貢献につながる仕事がしたい。彼女のその想いは高校時代から変わりません。
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(もくじ)
CHAPTER1:「長年の目標」を捨てた日
CHAPTER2:就職浪人経由、修行の道へ
CHAPTER3:さすらい女の転職ジャーニー
CHAPTER4:ついに実感、社会貢献
CHAPTER5:紆余曲折を経て出会った、仲間とテーマ___________________________________________________________
CHAPTER1:「長年の目標」を捨てた日
早朝から靴磨きをして生活費を稼ぐ、
小さな子の姿を見ました。捨てたのは、その日です。
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大学3年の時に、ネパールに行ったんですよね。
チベット難民キャンプの幼稚園にボランティアに行ったと聞きました。
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田中:
そうなんです。期間は3週間と短期間でしたが、難民キャンプでホームステイさせてもらって、そこを拠点として活動し、子どもたちに英語や日本の歌を教えていました。
難民キャンプは、未整備な面はたくさんありましたが、大人も子供も、みんな笑顔がきらきらしているのが印象的で。でも、難民キャンプ外で、忘れられない光景を目にしたんです。
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ホームステイ先の家族と一緒に、朝の巡礼に行った際、
早朝から靴磨きをする小さな男の子の姿を見たんですよね。
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田中:
ものすごく衝撃を受けました。別の場所では、おそらく両親に命じられて物乞いに来た、幼い姉妹にも遭遇しました。そして、それ以降、心のどこかでずっと引っかかっていたんです。
ネパールはライフラインが整っておらず、教育も平等には受けられない。自分が当たり前だと思っていた生活がそうではないことを目の当たりにして、ずっともやもやしていた気がします。
それまでは、本で読んだ世界、テレビで見た世界であって、どこか現実味がなかったんですよね…。
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「かわいそう」などと哀れむ気持ちではないのは、明らか。
そして自分の非力さを、彼女が痛感したのも、明らかでした。
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田中:
限られた自分の力を、私はどちらに注ぎたいか?答えは明白でした。犯罪を犯してしまう日本の子どもたちの未来か?それとも、5歳から靴磨きをする子どもたちの未来か?当然、どちらも重要で大切だし、比較して優先順位が決められるようなものではありません。ただ、ネパールの子どもたちの姿が脳裏に焼き付いて離れなかった。それだけなんです。
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こうして「家庭裁判所調査官」という道を捨てた田中。
さあ、ここからが、長い紆余曲折のはじまりです。
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CHAPTER2:就職浪人経由、修行の道へ
就職浪人を経て、困り果てた私に「修行の道」が舞い込みました。
経験ゼロから「プログラマ」へ。
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力を注ぎたい方向は見えても、地図はないし技術もない。
「社会貢献」というぼんやりとした概念の枠組みの中で、
やりたい仕事は何か、それに向かうための技術や経験は何なのか・・・
悩みながらも就職活動に精を出す田中でしたが、ことごとく失敗。
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田中:
「ボランティアではなく仕事として、社会貢献に全力を注ぎたい」。ただ、その「仕事」とはなんなのか、どんな技術や経験が必要なのか、わかりませんでした。今思えば、なんて無謀な…という状況です。結果はもちろん、すべてダメでした(笑)。
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大学卒業を迎えた田中は、いわゆる「就職浪人」に。
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田中:
大学を卒業すると、新卒でも中途でもない。就職イベントにも入れないんですよ(笑)。どの身分にも該当しない、どこにも所属していない不安と焦りがありました。
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困り果てていた田中に、大学時代から所属していた
吹奏楽団の先輩が声をかけてくれたのです。「うちに来ない?」
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田中:
「やりたい仕事とは違うかもしれないけれど、”核となるなにか”を身につけることができるかもしれない」と、とあるソフトウエアベンダーを勧めてくれて。有難かったです。飛び込むしかない、と思いました。選択肢は営業職かプログラマ職。私にとっての「なにか」は技術力だと思い、プログラマ職を選択しました。
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チャンスの引き寄せ力もすごいけど、プログラミング知識がゼロなのに
「プログラマ職」を明確に希望した田中の強さもまた、すごい。
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田中:
どこでも通用する「技術力」は強みになるかなと。それに、文系ですが、元々数学は好きだったし、大学時代は統計ソフトも抵抗なく使っていたので、経験がなくても、努力すればどうにかやれるはずだと考えていました。
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「でも、1年目は完全に、お荷物どころかゴミでした」
そう、田中は話します。でもゴミ期もしっかり乗り越えたのもまた事実。
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田中:
自分で選んだ道なのに、できない現実に理由をつけて甘えていたんです。でも、少数チームへ異動になり、変わりました。何もできない、役に立たないことが本当に悔しくて。いろんな方に叱咤激励いただきながら、3年間でC、C++、JAVAの3言語を習得しました。当時、今はなきSun Microsystemsの勉強会やセミナーに行くことが一番の楽しみだったので、そのころはプログラミングに燃えていた時期ですね。
その次の3年間はSEとして、より上流の業務に携わるようになりました。1社目はまさしく、私のキャリアの原点です。育ててくれた方々に本当に感謝しています。
CHAPTER3:さすらい女の転職ジャーニー
「ネパールで抱いた志に近づけているか?」
「この仕事を続けて、目標に近づけるか?」
そう考えながら、新天地を探していました。
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そして田中は、ちょうどリーマンショック後に、2社目の人材紹介会社へ。
そこで2年弱、社内SE兼Webマーケターとして携わったのち、
アクセンチュアへと転職します。
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田中:
一度目の転職の目的は、自分の「核」となるスキルの構築で、まだ「社会貢献」を目指せる状態にありませんでした。
二度目の転職の際は、少しだけ自分に自信がつき、SEスキルをベースに社会貢献度の高い仕事がしたい、という思いで活動していました。
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聞けば聞くほど、信念で道を切り開いてきたのがわかります。
ちなみに、アクセンチュアへはどんな動機で応募を?
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田中:
きっかけは、当時、日本のアナリティクス組織を統括していた方のインタビュー記事でした。「アナリティクス×社会貢献」をビジネスにする、この方の下で働きたい!と応募したんです。
CHAPTER4:ついに実感、社会貢献!
自分の提案が、地域振興につながる。笑顔と自信が満ちていく。
貢献できている実感が湧きました。
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なんと、記事に載っていたご本人が二次面接で現れ、感動のまま選考が進んで、見事合格。
運命というか努力というか、どっちもというか。
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田中:
2次面接は、私はほとんど話した記憶がなく…(笑)、ただただ、ラッキーでした。
入社後の仕事も充実していて、当時の最先端といえる技術や考え方に触れ、習得することができましたし、何より「社会に貢献できている実感」を、はじめて抱くことができたんです。
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彼女が携わったプロジェクトは、外国人観光客向けの誘客サービス。
データ分析の結果から、各地域の観光戦略を導き出し、
全国各地の自治体を駆け回っていたそう。
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田中:
今思えば信じられないくらい働いていたのですが…、全く苦ではなかったです。データから導き出したことを、自治体の方々、地域の観光業を営む方々とディスカッションすることが、本当に楽しくて。みなさん、自分たちの先にいる人の笑顔を想像しながら、真剣に取り組んでいらっしゃって、そこに関われることが嬉しかったです。実際にその地域に足を運んだ外国人の方の話を聞くと、さらにうれしさが増していました。
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それくらい楽しい仕事だったのに、Fracta Leapに転職を。
何があったんですか?
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田中:
実は、数年前、ネパールでお世話になったホームステイ先の家族と、15年ぶりに再会したんです。その再会で、改めて自分の原点に立ち返ることができて。私が目指していることって何なんだっけ、ということを、事あるごとに考えるようになりました。
そして、もういろんなタイミングが重なった、としか言いようがないのですが、転職しよう、と決意した直後に、Fractaに出会ったんです。
CHAPTER5:紆余曲折を経て出会った、仲間とテーマ
なぜ、こんなにも惹かれたのか。
より良い世界を作りたくてたまらない、
そういう人たちの集まりだからです。
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知人からFractaを紹介され、すぐに北林、羽鳥、村井と
立て続けに話をされたそうですが。
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田中:
私、人見知りなので、初対面の人と話が盛り上がることってほぼないんです。でも、彼らとはなんの違和感もストレスもなく、自分の考えや価値観についてさらけ出すことができました。もちろん、私の原点ともいえるネパールでの経験も含めて。気づいたら2時間以上話していたことに、自分でもびっくりしました。
面談を通して、この人たちと働きたい!と心の底から思ったことが、入社の大きな決め手の1つです。
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「人柄に強く惹かれた」と、田中は話します。
きっとそれは、社会貢献に本気で向き合う人間どうしだからこそ、
自然と共鳴したのだろうと思います。
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田中:
みんな良い意味で突き抜けていて、羽鳥のインタビューにもあるように、自らの技術で世の中を変えたい、というメンバーばかりです。社内でディスカッションする度に、チーム全員で社会インフラに寄与する未来を目指しているんだなと感じます。
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ちなみに、今はどんな仕事を?
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田中:
市場調査、プロダクト化の構想、採用広報など幅広く関わっています。ただ、どれも専門分野ではなく、加えて水処理の知識もゼロなので、日々格闘しています。社会人1年目のころのように、私ゴミだなぁと毎日思ってます(笑)
でも、自分がずっと目指してきた「社会貢献×ビジネス」を「社会インフラ」という、人々の生活と切り離せないフィールドで挑戦できるのだから、挫けていられない。
それに、Fracta Leapのメンバーは、それぞれが日々新たなことに挑戦しています。フアンのインタビューにもあったように、みんな、常に自分をアップデートしているんですよね。だから私も、守備範囲を広げて、組織を支えられるようにならなきゃ、と悪戦苦闘しています。
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日々新たな挑戦を。きっと目まぐるしい変化があるんでしょうね。
最後に、最近社内でワクワクしたことを教えてください!
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田中:
村井が進めているプロジェクトチームで、ゼロイチを生む、という楽しさを知った瞬間です。何もないところからスタートして形にしていく過程は、プロダクトを一から構想する、という経験のなかった私にはとても新鮮でした。
何が課題で、どんな機能があればそれを解決でき、どうすれば新たな価値を生み出せるのか。まずはこれを、現場を巻き込んで徹底的に考える。案が出来たら、プロトタイプを作ってみる。それを現場に提示してフィードバックをもらい、プロトタイプの精度を上げていく。また、検討ステージが変わるごとに、どんどんドメインの異なる専門家を巻きこんでいて。それによって生まれるシナジーや、熱意が伝播していく様、そして、それらが相まって形になっていくのは、こんなにも楽しくてワクワクするものなんだな、と。
私はほんの一部をお手伝いしたのみですが、技術者としてプロジェクトに入り込むと、さらなるワクワクがあることは、想像に難くないですよね。
「もっと本気で社会を変える仕事がしたい」「社会基盤に貢献している、という実感を得られる仕事がしたい」「挑戦することにワクワクする」など、Fracta Leapメンバーのインタビューをお読みいただいて、少しでも心に引っ掛かった方は、ぜひご連絡ください!
彼女が転職ジャーニーの末に出会った最高の仲間たち。
あなたも、人生という旅の途中に、Fracta Leapに立ち寄ってみませんか。
次回からはまた、技術者インタビューの再開です!
個性派ぞろいの続編を、乞うご期待!