新しく入った社員が入社後に活躍し、バリューを発揮していくために欠かせない「オンボーディング」。
コーナーでは、「難易度の高い課題と向き合えるフィールドセールス」の育成に向けたオンボーディングの設計に力を入れています。今回は、そのコンテンツの一部をご紹介します。
コーナーのフィールドセールスとして“ありたい姿”から逆算し、新たに設計したオンボーディングコンテンツ
前期に多くの新しい仲間が増え、フィールドセールスの育成に向けて、これまでもオンボーディングに取り組んできましたが、業務のインプットがメインとなっておりました。そこで、今後も中長期でコーナーが大事にしているスタンスなどを継承していくために、今一度、内容を見直すことにしました。
まずは今後どれだけ組織が大きくなったとしても変わらず大事にしたい「コーナーのフィールドセールスの共通項」を言語化し、「入社時点で入社メンバーが持っていると想定される知見・スキル」との乖離を埋められるようコンテンツを設計。
具体的には、社内で「高い生産性とバリューが発揮できた行動を取っている」メンバーの共通項をすべて洗い出しました。共通項を洗い出す際には、活躍している現役のフィールドセールスの売上、顧客満足度調査のデータ分析、さらに業務フローに至るまでを細かくヒアリング。商談前の準備段階から商談後日のフォローに至るまで「どのようなコミュニケーションを取っているか」について詳しく調べました。そのヒアリングを基に、入社メンバーが活躍するフィールドセールスと同じレベルに到達するために必要な知見・スキルを言語化しました。
フィールドセールスの業務内容
コーナーのフィールドセールスは、3つの役割を担っており、それぞれに異なるスキルが求められます。
①アカウントセールス
必要なスキル:顧客の事業や組織を、網羅的に把握し、課題を発見する(仮説立てする)力
②プロジェクトデザイン
必要なスキル:人・組織に関する”潜在課題”を特定し、解決策を提案する力
③プロジェクトマネジメント
必要なスキル:課題解決のための実行をする力
よりフィールドセールスの仕事内容がわかる記事はこちら!
コーナーのフィールドセールスとしてありたい姿
なぜ「フィールドセールスのありたい姿」を追求し、オンボーディングに力を入れているのでしょうか。
それは「難易度の高い課題を扱っている」といった単純明快な理由があるためです。コーナーのフィールドセールスは「課題発見」を自らのスタンスに置いて、業務に取り組んでいます。
出典元:https://schoo.jp/biz/column/780
例えば、組織が直面している“目の前の課題”が採用だとしても、クライアントの現状からファクトを抽出し、そこに紐づいた教育制度、人事制度、組織体制についてはもちろん、事業モデルや経営方針も含めて総合的に全体を把握。その上で仮説を立てて解決策を提案します。「見えている課題を解決」するだけではなく、「その先にある課題を発見」する必要があります。
ただの"マッチング"だとこのようなスキルは必要ないのですが、弊社のパーパスを叶える上で必要不可欠なスキルとなってきます。コーナーのパーパスは『人事を変え、組織を変え、世界を変える』ということ。クライアントが抱えている組織の本質的な課題を、クライアント・コーナー・パラレルワーカーの三位一体で解決することを目指しています。フィールドセールスには、このパーパスの体現を期待しているのです。
こうした「フィールドセールスとしてありたい姿」を明確にした状態でオンボーディングを実施することで、バリューが発揮されやすくなり、育成スピードも加速していくのではないかと考えています。そしてこのプログラムを経ることで、入社者と各メンバーが同じ目線や共通言語でコミュニケーションが取れるようになる効果もあると考えています。
オンボーディングコンテンツを一部ご紹介!
では、新たに設計されたオンボーディングコンテンツを、実際に見ていきましょう。フィールドセールスに求められるスキルを、以下の細かい業務プロセスに分けて学べるようになっています。
- 商談前
- 初回商談
- 案件化(具体的な案件ニーズをいただくこと)
- パラレルワーカーの人材選定・クライアントへの推薦
- 面談・クロージング
- プロジェクトマネジメント
新たなオンボーディングにおいては、上記の業務プロセス別にそれぞれ2〜5つのコンテンツを用意しました。今回はその中でも、「商談前」のフェーズに活かせる「仮説設計能力」を伸ばす2つの研修を抜粋しご紹介します。
1|経営者・人事の実態理解
経営者や人事(管理職・メンバー)の「実態」について理解を深める研修です。
組織内の各レイヤーにいる方が、何を考え、どのような立ち回りをしているのかについて学びます。例えば「人事は関わる部署が多く、それぞれのレイヤー(CxO、部長・課長、メンバーなど)ごとの視点で何を考えているのか」が分かれば、相手が必要としている情報が何かを予測しやすいでしょう。
クライアントのふわっとした課題を要件定義し具体的な案件へと繋げること、それを解決できるパラレルワーカーの方をきちんとアサインできるフィールドセールスは、クライアントの相対する方が「どういう立場で何を考えているのか」「どういう情報を必要としているのか」「何に悩んでいて自身はどういうパートナーであると役に立てそうか」など、あらかじめ商談相手の特性を把握し、仮説を立てます。
その上で知識・情報を複合的に組み合わせれば、クリティカルな提案もできるようになります。「課題をクライアントと一緒に見つけ解決していく」パートナーとして、クライアントをリードできる存在になるための仮説設計能力が高まるような仕組みを、研修内に埋め込んでいます。
2|ビジネスモデル/マネタイズモデル研修
世の中にある事業のパターン(ビジネスモデル)と、パターンごとに起こりやすい人・組織課題の理解を深める研修となっています。
- どこの市場で事業をするか(国内/海外、成長/衰退産業)
- 誰が顧客か(コーナーの顧客が接している顧客)
- 誰がお金を払うか(富裕層/全方位、都市部/地方、高齢者/若者)
- どんな価値提供をしているのか(商品、提供する付加価値)
- どのように提供しているのか(課金ポイント、販路、売り方)
上記の観点でクライアントの理解を整理し、その中でも「どのように提供しているのか(課金ポイント、販路、売り方)」のHowであるビジネス/マネタイズモデルの解像度を上げるための基礎知識をインプットします。そして、いくつかの典型的なビジネス/マネタイズモデルと起こりやすい人・組織課題をインプットすることで、ある程度の仮説を立てやすくなり、提案のヒントが掴みやすくなります。
なぜ「育成」にここまでしっかり向き合うのか
コーナーがここまで育成に力を入れている理由は、「難易度の高い課題に向き合い、パーパスを本気で達成すること」に尽きます。上述した通り、人事課題を持っているクライアントとプロ人事であるパラレルワーカーの方の"マッチング"だけだとここまでのオンボーディングプログラムは必要ないと考えます。ただ、マッチングだけで人事や組織を変えれるほど甘くはないことも事実。
入社後すぐは、経営者のモノの見方について100%理解することは難しいでしょう。経営者がどんな情報に触れ、何を求めているのか。まずはその知識を体系立ててインストールします。未経験であっても実務を通じて経験学習を繰り返し、スキルアップできる点は、コーナーならではの強みではないでしょうか。
共通言語として共有されているポイントが理解できれば、組織の成長スピードも加速していきます。難易度の高い課題に向き合える人材を育成することが、結果としてコーナーの目指す世界の実現にもつながっているのです。