多様なバックグラウンドを持つメンバーが働くつむぎ株式会社。価値観も働き方も異なる3名が、「つむぎのしゃべり場」で本音を語ります。第2回のテーマは「ほめられて嬉しいのは過程?成果?」です。
パネリスト
HR事業部 村田 愛
カケハシ事業部/広報担当 高橋昂希
カケハシ事業部 デザイナー 菊池優里
モデレーター・文責
カケハシ事業部 紡ぎ手 大川祥子
成果は出して当たり前。だからこそ過程を見られると嬉しい
今回のテーマについて、私(大川)は、「成果を褒められる方がうれしい」という人は、ある種の現実主義者なのではないかという仮説を持っていました。成果は目に見える事実として捉えやすいですが「過程を褒める」という行為には、努力や気持ちを汲む側面があります。そのため事実を重視する現実主義者ほど、成果による評価を好むのではないかと考えていたのです。
そこで、まずはつむぎ一のリアリストである高橋さんに問いました。
大川:常にリソースと理想のバランスを測りながら数多くの実務をこなしている高橋さんは、成果を褒められる方がうれしいのではないですか?
高橋:僕は過程を褒められる方がうれしいですね。というのも、達成できない目標は立てないから。絶対に実現できそうなことにしか基本的には着手したくないんです。中途半端な状態で投げ出してしまうのがとても嫌なので。
今、つむぎ内では有志による「GRITプロジェクト」が動いているでしょう。なかなか達成が難しそうな目標を立ててチャレンジするOKRに取り組むものです。あれは僕とは相性が悪いんです。70%でも「よく頑張った」とは思えない。やると決めたことは100%達成したいですし、そうしています。成果は出て当たり前。だからこそ、過程を見てもらえることはうれしいですね。
大川:自分では評価していない部分を見てもらえることがうれしいんですね。
努力だけでは成果が出ない世界では、過程を重視するように
音楽大学でクラリネット奏者を目指し、その後、保険外交員を経てデザイナーになった菊池さん。音楽の世界では、努力や実力がそのまま「仕事を得る」という成果に結びつくとは限りませんでした。
大川:どれほど真剣に音楽に向き合ったとしても、それだけで身を立てていくことは非常に困難だと思われます。楽団に入りたいと願い、十分な実力を身につけていたとしても、希少なその「席」が空いていなければ夢を叶えることは難しいですよね。
菊池:そうなんです。その座を射止めるためには、コミュニケーション能力だったり人脈づくりだったりといった独特の社会性を求められることがあります。コンクールについても似た面があり、演奏が上手なだけでは食べていくことは難しい世界ですね。
大川:努力がそのまま成果につながらないとなると、成果そのものを褒められる機会は限られますよね?
菊池:知人などに「あの演奏はよかったよ」と定性的な評価を得ることはありますが、目に見えてわかりやすい形で成果を得ることは困難ですね。なので自然と過程を重視するようになりました。
大川:実力だけでは評価されないことを、どのように感じていましたか?
菊池:やるせなさを感じた時期もありましたが、同じように頑張っている仲間がいたことに加え、少しずつ「自分は自分」と考えられるようになり変わっていきました。
大川:その後、保険外交員やデザイナーとして経験を積まれますが、考え方は変わりましたか?
菊池:根本的な答えは変わっていないと思います。目標は遥か彼方にあり、なかなか到達しえないもの。だからこそ、達成することそのものよりもずっとそこに向かい続けていくことや、自分がどうありたいかを重視しているのだと思います。
過程を褒められても、結果が出なければ受け取れない
HRや経営のコンサルタントとして活躍してきた村田さんはどう考えているのでしょう。
村田:私は多分、成果を褒められることが一番うれしいと思います。過程が重要ではないという話では全くありません。ただ、これまで6、7年間の社会人経験の中で「結果をお客様に提供できないとだめだ」というような考え方があって。そこに行くまでのロードマップや進め方は、最初に計画を立てたとしても、途中でかなり変えます。明らかに結果が出ないと分かったら、すぐに変えるので、進め方そのものにはこだわりがないんです。
大川:コンサルティングの仕事は相手が実際に動いてくれなければ完結しません。一生懸命取り組んでも、相手が動かなくてゴールできないこともありますよね。
村田:お客様が「取り組みます」と言って、実際にはやっていない。その結果、施策が全部後ろ倒しになったり、中止になったりすることは実際にあります。でも、お客様に動いてもらえなかったのは、自分のやり方が悪かっただけ。乗り気にさせられなかったことやリマインドが足りなかったことはこちらの問題です。
大川:「村田さんは本当によくやってくれました」と言われても、成果が出ていなければその言葉は受け取れないですか?
村田:「でも、結果は出ていないんだよな」と本心では思われているのではないかと考えてしまい、素直には受け取れません。だから私は自己評価がすごく低いんです。
大川:とても苦しい状況だと思いますが、何が村田さんを支えているんですか。
村田:成果を出せたときの一発の効果がすごく大きいです。10回チャレンジしたうちの1回でも成功したら、それが自分の支えになる。「これが成功事例だから、次は横展開すればいい」と思えるので、その一発に懸けています。
高橋:まるでギャンブラーですね(笑)
大川:成果が出るまでの努力量は、喜びの多寡に影響しますか?
村田:苦しんで達成したときのほうが達成感は大きいですが、楽に進められる要素が生まれたことも、自分の運ではあるので「運も実力のうち」かなと思います。
3人とも過程を軽視しているわけではありません。しかし、過程を褒められたときの受け取り方は大きく異なります。高橋さんは「成果は出して当たり前」だからこそ過程を見てもらえることを喜び、菊池さんは努力や実力が必ずしも成果に結びつかない経験から過程そのものを重視する。一方、村田さんは、過程を評価されても成果が伴わなければ素直に受け取れません。 ところがそんな3人も「人を褒める側」になると、揃って過程を重視するようです。
褒めるときは相手の成長を意識。だからこそ過程を見る
大川:では、人を褒めるときは何を重視していますか?
村田:人を褒めるときは、絶対に過程を重視します。結果だけを評価して「頑張っていたとしても結果は出ていないですよね」と言うのは、相手を潰しかねない。その人に合う方法を探しながら進めたいので、最初は絶対に過程を重視します。
大川:村田さんを褒める人も、同じことを考えているかもしれませんよね。
村田:そうなんですよね。それはわかりつつ、受け取れないんですよ。表面上は「ありがとうございます」と言うんですけど、内心では第三者の私が「いや、これは違うよ」と言っている。哀しきモンスターです……。
大川:その居心地の悪さは、自分の成長には大事だと思っていますか。
村田:そうですね。結局、この仕事をするにあたっては、やっぱり結果を出さないといけない。お金をもらっている意味がなくなってしまう。この苦しさは苦しいけど、これが多分、私にとっての仕事のあり方であり、やりがいなのかなと思います。
高橋:村田さんの気持ちはよくわかります。だからこそ、自分は達成できる目標しか立てたくないんです。明確に自分がどのように役に立っているのかをきちんと感じていたい。目標を高く持ちすぎてしまい、それが達成できなければやっぱり自分も哀しきモンスターになってしまうと思います。
褒めるときの「言語化」の鍵
大川:菊池さんは、人を褒めるときはどちらを重視していますか?
菊池:圧倒的に過程ですね。成果に至るまでが結果につながると考えているので。私はデザインの講師の仕事もしているのですが、「これはどうしようもない」というデザインが出てきたとき、提出されたタイミングが遅くなければ「着手できて素晴らしい」と姿勢を褒めます。色使いがきれいなら、色使いを褒める。要素を分解して、少しでも光るものがあれば伝える、という感じです。
大川:高橋さんはどうでしょう。
高橋:事実ベースで、相手の行動を褒めるようにしています。ただし、成果物に対しては厳しい評価をすることがよくあります。
大川:行動を褒めるには、語彙力が求められると思いますが、どのように褒めていますか?
高橋:チャットやミーティングでの言動をよく見ていれば、褒めるポイントはみつかるので、あとは言葉にすれば良いだけです。
「言語化がうまい」というのは、単に語彙が豊富だということではないのかもしれません。細部に気づき、それをすくい取って言葉にできるかどうかも、大きな鍵になりそうです。
高橋:自分は言語化するとき、内容の70%ぐらいが伝わればいいと思っているんです。それくらいなら、一般的な言葉で対応できます。あとは自分の中で想像してシミュレーションする。この行動はこういう結果につながり、会社にとってはこういう意味がある、と整理できれば、それを伝えればいい。
村田:私は「この人は、何を言ったらテンションが上がるだろう」「どうしたら動いてくれるだろう」と、何となく直感的に感じて話すことが多いですね。
大川:観察と想像が大切なんですね。
人を褒めるときに3人に共通していたのは、相手をよく見ることでした。高橋さんは、その行動がどのような結果につながり、会社にとってどんな意味を持つのかまで想像して言葉にする。村田さんは、相手が何を言われれば動きやすくなるのかを考える。褒めることは、単に「すごい」「よかった」と評価することではなく、相手を観察し、その意味を言葉にする行為でもあるようです。
「何を褒められるとうれしいか」だけでなく「どんなときなら、その言葉を受け取れるのか」。そこには、それぞれの仕事観が表れていました。一方、人を褒めるときには、その人の行動や特徴を捉え、成長につながる言葉を探していることが3人に共通しています。
自分に向けられた褒め言葉には厳しくても、人に向ける褒め言葉には、その人が前に進むための意味を持たせる。褒める側と褒められる側、それぞれに3人の仕事への向き合い方が表れた「つむぎのしゃべり場」第2回となりました。
インタビュー&執筆:大川
企画・ディレクション:川合
いかがでしたか?
違和感は、ときに見ないふりをしたくなるものです。しかし、言語化したり、自分を開いたり、できることから行動したりすれば、現状から踏み出すきっかけになります。
違和感は、ときに見ないふりをしたくなるものです。けれど、それを言葉にしたり、自分を少し開いてみたり、できることから行動に移したりすることで、今いる場所から一歩踏み出すきっかけになることがあります。
「いい違和感」とは、違和感そのものではなく、その先の行動につなげることで生まれるものなのかもしれません。
違和感の見つけ方も、向き合い方も人それぞれ。その違いを否定せず、互いの言葉に耳を傾ける時間となった、「つむぎのしゃべり場」第1回でした。
カジュアル面談しませんか?
この記事を通して、つむぎの人や考え方、働き方に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか?
カジュアル面談では、つむぎでの仕事や働き方はもちろん、気になっていることや、今感じているモヤモヤも含めて、ざっくばらんにお話しできたらと思っています。