三重県を拠点とする旅する温泉道場では、新卒メンバーが2023年度に2名入社しています。現在、おふろcafé 湯守座で働く新卒1年目の山本未歩さんに、入社から約4カ月経った今、インタビューをさせていただきました。
――いまどんなお仕事をしていますか?
おふろcafé 湯守座の店舗運営に関わる業務を担当しています。
湯守座は、三重県四日市市にある「現代の芝居小屋」がコンセプトのスーパー銭湯です。「和」を基調としているけれど、渋すぎないおしゃれな施設で、大衆演劇やアイドルライブも楽しめる、そんな施設です。フロントに立ってお客さまの接客をしたり、館内の清掃をしたりしています。SNSに関しても、最近新卒1年目の私たちに任されることになりました。私は主に、お食事や大衆演劇の演目などの投稿を担当をしています。
――どんなときにやりがいを感じますか?
幅広い年代のメンバーとお店を運営しているときですね。スタッフの年代が幅広いということは入社前から聞いていたのですが、高校生から70代まですべての年代がいらっしゃって、とてもびっくりしました。まさかこんなにも年代の多様性がある中で働くことができるとは思っていなかったです。
――逆に、課題はどういった部分で感じていますか?
マイペースすぎるところでしょうか… 注意散漫で、「これをしよう」と思っていたのに別のことをしてしまうことがあります。また、例えば館内着をたたむなどの業務のスピードも、既定の時間に間に合わないこともあります。先輩にアドバイスをいただきながら、克服していきたいなと思っています。
――山本さんが、湯守座でもっとやってみたい仕事って何ですか?
ワークショップの企画をしてみたいです。湯守座では様々なワークショップが開催されています。5月には「伊勢茶フェア」で「伊勢茶飲み比べワークショップ」が行われていました。
いろいろやってみたいことはあるのですが、例えば、三重県の焼き物を紹介するワークショップがあったら面白いのではないかと思っています。個人的な小さな夢で、「土鍋でご飯を炊きたい」というものがあったのですが、ついに最近四日市の伝統的な工芸品「萬古焼」(ばんこやき)の土鍋を手に入れたんです。
それから、「土鍋で炊いたご飯を食べよう」「萬古焼から三重を知ろう」というようなワークショップができたら楽しいだろうな、と考えていました。
三重県に「焼き物」のイメージはあまりないと思うんです。実際に私も、全く知りませんでした。ただ、内定者時代に、会社で三重を巡るツアーがあったのですが、そこで地場産品にたくさん触れて… 土鍋もたくさん置いてありました。それがきっかけで、三重の焼き物文化を知ることができました。
文化に触れて、「いいな」と感じて、実際に生活に組み込まれていく。そういう経験がすごく素敵だと思うんです。なので、湯守座でも三重のこと、地域のことを知ってもらいたいです。「実はこんな魅力がある」ということを伝えたいと思っています。
――学生のころは、どんなことに興味を持っていましたか?
食やコミュニティ、人と人のつながりに興味がありました。
大学3年生の時に、築130年のある古民家で行われた、琵琶湖のお魚をさばくイベントに参加しました。そこは、SNSで見つけてふらっと行ったのですが、「おばあちゃん家」みたいな雰囲気で、とても居心地がよかったんです。
当時はコロナ禍真っ只中で、大学生活も「どうして今わたしはここにいるんだろう」というようなことも感じていました。でもその古民家にいると、誰かと一緒にご飯を食べたり、お話をしていたりと楽しくて、入り浸っていました。「いつでもおいで」と言っていただけて、とても居心地がよかったんです。
もともと私は広島県出身で、大学進学で初めて滋賀県に来ました。それまでは滋賀のイメージは正直「琵琶湖」しかありませんでした。大学1,2年生のときもずっと、滋賀県の魅力を知るきっかけがないままで。でも、その古民家には本当にいろいろな方が出入りするんです。琵琶湖の漁師さんの船に乗せてもらったり、農家さんを訪問して収穫を手伝ったり、旅人の方と一緒にご飯を食べたりして、世界が広がっていく感覚がありました。それから、特定のことに興味を持つ、というより流れに身を任せていろいろなところへ行き、様々な経験をするようになったんです。
――そんな中で、「旅する温泉道場」に入社した理由を教えていただけますか?
友達が、湯守座で行われている説明会のことを教えてくれたんです。「説明会に参加したら無料でお風呂に入れるよ」と教えてもらって…
もともと「温泉道場」という名前は、聞いたことがありました。でも湯守座には訪れたことがなかった。なんとなく「行ってみようかな」という気持ちになり、行くことにしました。おふろcaféは行ったことがなかったのですが、おもしろい企画をとてもやっているんだなと感じました。
もともと、「素の自分でいられる場所」で、働けたらいいなと思っていました。いろいろな方とお話する中で、「自分の意見を伝えることができ、聞いてもらえる」会社に入りたいと考えていたんです。人間は、自分の頭で考えて、発言し、行動することができる生き物だと思うので、自分の本心に従って生きていきたいと思っていました。ただ、同時にそれが可能な場所は見つかるのだろうかという不安もずっと感じていました。
湯守座で面接をした時も、極力素を出して臨みました。実は面接の時に、真っ青な爪をしていたんです。というのも、そのころ1か月くらいある集落で藍染めをしていました。爪までも真っ青に染まってしまっている状態で、お風呂に入ったり、手を洗ったりしてもとれない。そのため、致し方なくその状態で面接に参加しました。なぜ爪が青いのかも面接の中でお話しましたし、私服で、一番お気に入りの服を着ていきました。
そんな素の自分で臨んだ面接で内定をいただくことができたので、入社を決意しました。
――入社して、ギャップに感じる部分はありましたか?
思ったより自分が自由に使える時間がある、ということですかね。会社員になったら、遊びに行く時間がなくなるのでは、と思っていたのですが、意外と時間がありますね。楽しい生活を送っています。
最近は、三重県の多気町のVISONという場所に遊びに行きました。食文化をテーマに温浴施設や宿泊施設、セレクトショップなどがあるのですが、全国から美味しいものが集まっていて、終始興奮しっぱなしでした。
――読んでくださった方に、メッセージをお願いします!
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。自分がどうしたいかは、自分の心に問いかけると少しずつですが見えてくると思います。迷ったら楽しそうな方に進んでみるのもいいのではないでしょうか。
――ありがとうございました!!