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【代表インタビュー】高校中退、パーソルを経た代表が語る"人材会社から逸脱した"今後の構想とは

「人材会社の定義を変えたい」という思いから、株式会社デザイナーを設立された泉澤さん。大学を卒業してから、大手人材会社に携わり、人材会社のあり方に疑問を抱いていたのだと言います。

その違和感は一体どのようなものだったのか、またそれを解決するために株式会社デザイナーでは現在どのようなことをし、今後はどこへ向かっていくのか、詳しく伺いました。

泉澤恵一朗 / 代表取締役

2018年、桃山学院大学卒業後、パーソルキャリア株式会社(旧インテリジェンス)に入社。 インサイドセールスの立ち上げに携わり、その後、媒体新規開拓営業、大手既存営業の3部署を経験し、独立。 採用、営業領域において、社員数500名規模の中小企業から社員数10名のベンチャー企業の顧問に従事。その後、株式会社デザイナーの代表取締役に就任。

学生時代から”お金を稼ぐ”経験を通して学んだ「ビジネスの仕組み」


ーー泉澤さんの歩まれてきた学生時代からの経歴を教えてください。

高校中退から始まり、人とは違う経歴をたどってきました。

部活のトラブルで、高校をたった数か月で中退したんです。その後、高卒認定は取得しておきたかったので定時制の高校に入り、土木工事の仕事と週1,2回の学校に通う生活を送っていました。定時制の学校ということもあって、自分の身を守る目的でジム通いと土木作業の仕事を始めました(笑)。高校に通っている友達とは時間も合わず遊べなかったので、ひたすら体を鍛えてお金を稼ぐ生活でしたね。

高校3年生からは、大学受験をするために塾に通い始めました。元々実家が裕福な方ではなく、お金に対して人一倍憧れがあったため、「お金持ち=大卒で大きな会社に勤める」という考えも持っていました。土木作業員をしていた頃は月20万円ほど稼いでいたので、そのときの貯金で塾に通って高校3年間の勉強を一気に取り戻しました。勉強が苦手だったのでかなりハードでしたが、人生を変えたい思いで相当頑張った時期ですね。

ーーどのような大学生活を過ごしていましたか?

無事に大学に合格した後は、サークル活動に打ち込みつつ、空いている時間でブランド物の転売をしていました。先ほども伝えましたが実家が裕福ではなかったので、自分でお金を稼がなければならなかったんです。高校時代に稼いだ貯金を元手に商品を入荷して販売していました。転売をして学んだのは、「ビジネスのほとんどは仕入れと売値の差分でできている」ということです。ビジネスの根本の考え方はここで身に付けたような気がしました。どの仕事も、提供したサービスや労働時間に対してお金をもらうといった仕組みです。この学生という早期の時期に気付けたのは自分の人生において大きかったと思います。

ーー大学生時代はサークルとビジネスに打ち込まれていたんですね!

それに並行して、もともと大学に入学した理由でもある「大企業に入り安定した収入を得る」という理想を叶えるため大学2回生から就職活動を始めました。人と同じことをしていても大企業には入れないと考えた結果、人より早く就活を始めることにしたんです。世の中の名が知れている大手の会社はほとんどエントリーしていたと思います。

就活で学んだことは、その会社で働きたいという熱の源泉である志望理由の大切さです。150社応募し、80社面接を受けたにも関わらず、内定をもらったのはパーソル1社だけでした。最終面接までは進んでも、「それなら、ほかの会社でもいいのでは」と言われてしまうんですよね。大手でお金をたくさん稼げればどこでもいいという思いだけでは厳しいということを身をもって知りました。

ベースは自力で稼ぐために身に付けてきた「関係づくり」と「巻き込み力」

ーーパーソルに入社してからはどのような業務を担当してきたのですか?

始めはインサイドセールス、その後異動して中小企業の新規開拓営業をしていました。新規開拓営業になってからは、8か月連続目標数値100%以上を達成していて、採用支援大賞という賞をいただくなど成果もあげていました。成果を出せたのは、自分の強みを活かせる職種だったことが大きかったと感じます。逆に、アポイントを取るところから受注までを一貫して、非対面で行うインサイドセールス時代は1年ほどまったく成果を出せない人材でしたから。

ーーその中で身に付けたことはありますか?

パーソルで身に付けたのは、「関係づくり」と「巻き込み力」です。

担当エリアが大阪だったのですが、大阪は関係が築けると営業がしやすいという特徴があるエリアだと感じています。ですので、まずは関係づくりに主眼をおき、事前に顧客研究をしっかりして共通点を探し、お客様のタイプに合わせた営業を行っていました。担当者のFacebookを見て、出身地などは必ず調べていましたね。それくらい、共通点探しは重要だと感じています。

同時に、部署をまたいで紹介してもらうことも意識的に行っていました。同期に「こういう成果を出したいから、紹介してほしい」と直接素直に言葉にして伝えたり、他部署の事業部長クラスの先輩に飲み会に連れて行ってもらい、紹介を頂く関係性をつくったり。ほとんどの方はLINEや社内のすれ違いざまに”軽く紹介を依頼する”程度なのですが、僕のように足を運んでしっかり時間をかける人は少なく、このアプローチが功を奏したと感じています。そんな形で自分の部署とまったく関係ないところから受注することもあったので、直属の上司は混乱することも少なくありませんでした(笑)。

ーー営業で成果を出してかなり順調そうですが、その後退職して起業したのはなぜですか?

退職して起業したのは、「一緒に起業しよう」と焚きつける同期の存在がきっかけです。

10年は勤めようと思って入社していたし、起業したいなんて考えてもいなかったのですが、同期の話を聞いているうちに心を動かされてしまったんですよね。結果、彼は転職することになったので一人で起業したのですが。

起業した株式会社デザイナーでは、採用支援の事業と、起業支援の事業(VC事業)をしています。長期の目線で投資関係のサポートをし、短期目線で人材・採用の支援をしている座組みです。

「教師であれ。」愛を持って、本当のホスピタリティを顧客に

ーーHR領域で起業されたのはどのような理由からなのでしょうか?

前職や顧問として携わっていた人材事業を間近で見ていた頃、ノルマのために求職者を転職させるということにずっと違和感を覚えていました。

キャリアアドバイザーは人の人生に関わる仕事です。キャリアアドバイザー次第で、求職者の転職先、ひいてはその人の人生が変わってしまいます。ビジネスモデル上、仕方ないことかもしれませんが、本当に誠実な対応をしているキャリアドバイザーは少ないように感じました。

まずはそれを解決したいと思って、HR領域で起業することを選びました。

ーーデザイナー社のビジョンを教えてください。

「人材会社の定義をリデザインする」です。

人材会社ができる本当に誠実な対応とは、求職者には入社後に活躍できる企業を、企業には入社後に活躍できる人材を紹介することだと考えています。人材紹介会社の中には、儲けるためにビジネスをやっている会社も少なくありません。

資本主義社会の中ではそれも間違っていませんが、採用の本質からはズレています。入社後の活躍人材の創出こそが採用の本質です。

デザイナーは、その本質をとことん追求している人材会社です。

ーー会社を運営する中でどのような価値観を大切にされていますか?

顧客に対して愛を持って、本当の意味でのホスピタリティを提供することです。つまり企業や求職者が最適な未来を歩めるようにコミットしきること、その未来にいち早く辿り着けるように支援しきることを大切にしています。

そのために、企業や求職者に言いづらいことまで踏み込んで伝えることもあります。

ーーなるほど。企業や求職者のためであればネガティブなことも伝えるということですか?

そうです。メンバーに対しては「教師であれ」という表現をするのですが、企業や求職者の課題ははっきりと伝えるように自分も意識していますし、メンバーにも意識してもらっています。希望を聞いてその言いなりになってしまっていては、キャリアアドバイザーとは言えません。「こうした方があなたの向かう未来にいち早く到達できます」というこちらからの提案もしっかり行ってこそ、初めてキャリアアドバイザーとしての価値が提供できると思います。

これは今までに自分が周りに言われて気付かされることが多かった経験から得た教訓です。自分に向き合ってくれて、課題を伝えてくれた人たちがいたおかげで、成長スピードが格段に早くなりました。

成長するにはそれ相応の痛みが伴うものです。課題を伝えるには勇気が必要ですが、企業や求職者の成長のために、弊社では積極的に伝えるようにしています。

ーーそちらのほうが企業にとっても、求職者にとってもベストな選択ができそうですね。

「三方よし」の考え方ですね。自分と相手と社会、この3つ全てにプラスになることをしたいと思っています。

本当の意味でのホスピタリティを提供していれば、結果は伴ってくるでしょうし、企業や求職者のためにもなるはずです。また人材業界がよりクリーンなものになるので、社会のためにもなります。今後も新規事業を立ち上げる見込みですが、「三方よし」の考え方は忘れずにいたいと思っています。

人材紹介事業は一歩目。3つのSTEPを叶える100人体制の組織を目指して

ーー現在、HR系のスタートアップは増えていると感じています。他社とデザイナー社の違いはどのような点でしょうか?

多くの人材会社はWebマーケティングを苦手としていますが、デザイナーではLP作成やリスティング広告などに強みを持っています。

例えば、特定の専門職求人でリスティング広告を運用し、PV数や集客数などを測ります。そして、そのようなテストマーケティングの結果から、一定の反応があるものに関しては、専門職特化の媒体を作っていく予定です。インサイドセールス専門、ベンチャー特化、施工管理職特化、医療系特化などの媒体を構想しています。

現在メインで行っている人材紹介事業をSTEP1という位置づけにするならば、特化型の求人媒体を作る事業はSTEP2となります。

ーー先程、起業支援や事業支援も行っているというお話があり、これも他社にはない点だなと思いました。

そうですね、差別化につながっていると思いますし、もはや"人材会社"という括りからは逸脱していくと思います。ちなみにですが起業支援や事業支援を行う事業としてVC(ベンチャーキャピタル)事業を行っていく予定なのですが、STEP3という位置づけとなります。

資金面でのサポートだけではなく、M&Aやプロダクト開発は、HR TechやEd Techなどの教育分野に力を入れていきたいと思っています。

ーーおっしゃる通りもはや“人材会社”ではないですね、、、今後の目標を教えてください。

5年後には、100名以上の組織にしたいと考えています。

専門職特化の媒体を作るにしろ、VC事業を行うにしろ、それを任せられる責任者が現在は足りていません。専門職特化の媒体は、来年には5つぐらいテストマーケティングを行い、1つは実際に運営していきたいと考えています。2年後には2つの媒体を動かしているのが理想ですね。

ーー責任者が不足しているのが課題なんですね。

そうですね、100名以上の従業員がいたとしても、マネジメントができる層がいないと新規事業を行うのは難しいですから。

新規事業は、やりたいと手を上げてくれた人に任せたいと考えています。デザイナーのビジョンに共感してくれる人が来てくれるのももちろんありがたいですが、各々が将来の目標を持って、それを実現していける組織にしていきたいです。そのために今いるメンバーに対しては、毎月必ず1on1で振り返りを行っています。各々が向かいたいところをヒアリングしながら、デザイナーでそれをどうやって実現していくのか一緒に考えています。

ーーVC事業(起業支援 / 事業支援)は社内の人たちに対しても行うということでしょうか?

おっしゃる通りです。もしメンバーが起業をしたい、新しい事業を立ち上げたいと思ったときに、デザイナーから投資や事業支援ができるのが理想です。そのような個人的な目標を持って、その実現に向けて一緒に頑張れる人と働きたいと思っています。

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