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【世界を知る】アメリカ企業の買収劇!!

こんにちは、Gozioki代表の吉田です。Goziokiでは『〜世界とGET INVOLVED〜』をテーマに掲げ、世界との繋がりを大切にしています。今日は私がアメリカで働いていたときに体験した「アメリカ企業の買収劇」について書いていきたいと思います。

(↑S社で働いている頃の筆者)

私は2014年の6月から8月までの3カ月間、アメリカのミシガン州デトロイト近くにあるS社(アメリカ製鉄会社)でインターン生として働いていました。アメリカ企業では、インターンとして働いて、その間のパフォーマンスが評価されれば、無事に会社への内定がもらえるという就職ルートがあります(もちろんインターンを経る以外の就職ルートもあります)。当時大学院生であった私は、アメリカで普通に就活を行い、そしてS社からインターン内定をもらったところでありました。

[13:00] 突然の買収発表

私が働いていた2014年7月に、なんとS社が別の製鉄会社であるA社に買収されます。企業買収は一夜にして成り立つものではないので、当然そこに至るまでの間に、数多くの交渉や資産評価といったことが行われていたことになります。ただそれらは経営幹部が水面下で進めていたため、社員の大部分は、企業買収が対外発表されるのとほぼ同じタイミングでその事実を知らされることになりました。

(↑S社で働いている頃の筆者のデスク周辺)

2014年7 月某日午後、パソコンの前に座りいつも通り仕事をしていると、当時のCEOから全社員宛にメールが送られてきます。そこには、「S社はA社に買収されることになりました。経営主体は変わりますが、我々の日々の業務が何か大きく変わるということはありません。今後はA社主導の下で新しいことにもチャレンジしていけるようになるので、プラスの面が限りなく大きいと思っています。今日この後A社の社長がさっそく来社して、15:00からオフィスの大ホールで、16:00からは工場の方で挨拶があります。新社長のメッセージを直接聞く良い機会ですので、是非みなさんご参加ください」というような内容が書かれていました。

[15:00] オフィスでの新社長挨拶

その日15:00になり、会社の大ホールに行きました。旧社長以下、(これからA社になろうとしている)S社の全社員が集合しています。そこに、スーツ姿でビシッと決めた新社長が、A社幹部数名と共に現れます。まずは新社長の挨拶です。「S社の皆さんと仲間になれたことを大変嬉しく思います。最初にお伝えしたいのは、A社に買収された後も、皆さんの日々の業務は何も変わらないということです。ご安心ください。これからは”新生A社”として、共に頑張っていこうではないですか」という趣旨のメッセージと共に、簡単な今後の事業プランに関する説明が行われました。

冒頭挨拶に引き続き、S社の全社員が誰でも新社長に対して質問できる質疑応答の時間が設けられました。ここで、私にとっては大変印象に残る出来事が起きます。営業チームの女性部長が、ここぞとばかりに新社長に対してアピールを始めました。「こんにちは、営業の◯◯と申します。新社長の事業プランは大変納得感のあるものです。私としては、これからは◯◯が大切と考えておりますので、新社長の事業プランに沿う形で、◯◯の時間軸でしっかりと取り組んでまいります。よろしくお願いいたします」と。全社員が居る前で力強い口調で語りかけたこの女性部長は、間違いなく新社長の印象に残ったと思いますし、当然それが彼女の狙いであったとも思います。彼女もほんの1-2時間前に買収自体を知らされた訳ですが、しっかり相手を選んで自分の存在感を出していこうとするところに、「機転の良さ」や「自己主張の強さ」というアメリカ文化の要素を垣間見ることができました。

(↑S社で働いている頃の筆者。経営幹部に対して事業プランを説明中)

[16:00] 工場での新社長挨拶

S社は製鉄会社であったので、オフィスと、そこから車で5分ぐらいの距離にある製鉄工場と、職場は2カ所に分かれていました。私は普段オフィスで過ごす時間が多かったですが、毎日1-2回は工場の方にも行って、生産管理や安全性に関する打ち合わせに参加したりしていました。

買収された日、15:00からのオフィスでの新社長挨拶は無事に終わり、オフィス側で働く私としてはその話が聞けたことで充分であったのですが、ふと「新社長は工場ではどのような挨拶をするのだろう?」と気になり、16:00からの工場での挨拶にも参加してみることにしました。そうしたら、そこには衝撃の結末が待っていました。

オフィスで働くのはホワイトカラー労働者が中心であるのに対して、工場はブルーカラー労働者が中心となります。私は車を走らせ工場に行き、新社長が現れるのを待っていると、何とそこに登場したのは、先ほどとは全く異なる雰囲気の人物でした。オフィスでの挨拶の際は、スーツでビシッと決めていた新社長ですが、工場ではジャケットを脱いでいて、ネクタイも外していて、代わりに赤いジャンパーを着て(赤はA社の会社カラー)、工場の現場監督のような見た目になっていました。

そして挨拶が始まったのですが、語り口調も先ほどとは全く異なるものでした。オフィスでは、冷静に、ロジカルに、淡々と話をしていたのに対して、工場では、とにかく情熱的に語っていました。「A社とS社が一緒になったことで、本当に大きなことが達成できると信じている!是非みんなの力を貸してほしい!」と。新社長は、オフィスと工場でそれぞれオーディエンスを意識し「話し方」を変えていたのですが、「話している内容」は根本的には変わっていなかったので、その点では一貫性を感じることが出来、私として大変好印象を抱いたのを覚えています。やはり一貫性を持ったリーダーは、人々の心をちゃんと掌握できるのでしょうね。

Gozioki

以上が、アメリカでの企業買収の現場に居た私の体験記です。この体験も、直接的か、間接的かは分かりませんが、この先Goziokiの活動の中で何かしらの形で活かされるものと信じています。世界との繋がりを大切にするGoziokiでは、多様な経験をお持ちの皆様をお待ちしています。必ずしもグローバルな経験である必要はありませんし、働いてきた期間も特に問いません。皆様にご自身の価値観を持ち込んでもらえれば、それが必ずやGoziokiにとっての戦力となります。どうぞよろしくお願いいたします!

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