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目標は3年以内に業界No.1になること。「若者の就活」に潜む社会課題にHRテックで挑む【代表対談インタビュー】

就職活動の選考プロセスが評価される社会の実現を目指す「ABABA」。

リリースからわずか3年で1,200社を超える企業に導入。直近でも累計5.7億円のシリーズAの資金調達を完了し、就活生ユーザーは昨年度比4倍増の成長をしています。

レッドオーシャンと言われる新卒採用市場に新たな切り口で挑んでいる、代表の久保さん、中井さんにお話を伺い、対談していただきました。

久保さん(左) 中井さん(右)

起業のきっかけは優秀な友人の「不採用通知」

ーーまずは事業内容について、教えてください。

久保:当社は、最終面接まで進んだ学生だけにアプローチできるスカウト型サービス「ABABA」を提供しています。

サービスのコンセプトは「就職活動の過程が評価される社会の実現」です。

ユーザーの企業さまには、残念ながら最終選考で採用に至らなかった学生に対して送る不採用通知(お祈りメール)の中で、『ABABA』への登録を促して頂きます。

これを「お祈りエール」と名付けており、「採用できなかったけど、あなたにはもっと輝く企業があり、その企業との出会いを応援させてください」というメッセージを学生に送ります。

不採用となってしまった立場の学生からすれば、落ちてしまったもののそれまでの選考の頑張りが評価され、その企業の最終面接まで進んだお墨付きをもらうことができます。

その後、『ABABA』を利用している企業(最終面接まで進んだ企業の類似企業やライバル企業)から、スカウトを受けられる仕組みとなっています。

ーー人事になぜABABAはウケているのですか?

中井:採用の効率化と再現性を実現できるからです。

人事からすればライバル企業の最終面接まで進んだ学生にアプローチができるので、現状94%を超える企業が選考フローをカットしてくれています。

最低限のスクリーニングをする選考を実施する必要がないからですね。

ABABAは採用枠を埋めるためだけのサービスではなく、従来の採用サービスと比較したときに、大幅に採用効率化が図れており、まさに「企業同士が連携した採用」を実現できています。

少しずつですが、「この企業の最終面接まで進んだ学生であれば、選考フローの60%をカットしよう」「いきなり最終面接でもいいね」といった事例も出てきており、データドリブンで企業同士の採用の相性度合いなども可視化されつつあります。

ーーお二人はどのようなきっかけで出会い、ABABA創業に繋がったのですか?

久保:二人とも関西大学の出身で、共通の友人を介して知り合いました。お互いに共通の話題は多かったのですが、ある留学から帰ってきた友人の話を私がしたのです。

その友人は留学から帰ってきてからとにかく英語を話す機会がないと嘆いており、お金もないので駅前留学もできないと。じゃあどうしてるんだと聞くと、金閣寺の入り口で外国人を待ち伏せして「今から無料でツアーするよ!その代わり英語でいっぱい喋ろう!」と声を掛けているんだと。

大学生にもなってそんな解決策か!と話が盛り上がって、解決策を模索しているうちに企画して最初にリリースしたサービスが、訪日外国人と学生のマッチングサービス「GUIBO(ガイボ)」です。

中井:ターゲットが「お金を払ってでも英語を話したい」日本人学生なので、訪日外国人のツアー参加費は無料にし、参加ハードルを下げた上で、満足度に応じたチップを払う料金形態にしました。

また、日本人学生がツアー(いつどこ集合でどんな名所を巡って〜)を作れるとは思えなかったので、ツアーの型は自社で作り、数百もの観光・体験施設との連携もしました。

これにより、日本人学生は「このツアーなら私も案内できそう!」と日程を提示し、その日程に旅行客がブッキングすればマッチングし、同時に観光施設の予約も入るという形で、「英語を話すことにユーザーが集中できる環境」を提供することができるようになっています。

ありがたいことに、在学時にこのビジネスで起業家甲子園全国大会準優勝なども果たし、日本に旅行したい外国人をターゲットとしたFacebookグループで、当時、日本で3番目に大きいグループを運用していたのですが...。残念ながらリリース直前でコロナ禍になってしまい、クローズすることになってしまいました。

久保:事業としては失敗してしまいましたが、失敗から多くの学びがある事業でした。

中井:サービスを思いついたその日にANAさんに電話して、「面白い事業思いついたので投資してくれませんか!?」と電話したのはいい思い出です笑

久保:笑。怖いもの知らずで動いた方が結局学びが多く、前に進みますからね笑

中井:その後、一つ事業を挟んだ後、ABABAを作ることになるのですが、共通の優秀な友人が大手の最終面接で不採用となり、その過程が一切評価されずにまた1から就職活動を再開した様子を見て「なぜだ」と思ったんですよね。

頑張って最終面接まで残っても、不採用になればそれまでのプロセスは水の泡。そこで久保とディスカッションし、就職活動のプロセスが評価されることに価値があるのかを検証していきました。

ーーサービスリリースまでにどんな困難がありましたか?

久保:僕はとにかくヒアリングを重ねて、サービスへの印象などを蓄積し続けました。

100人近くはヒアリングしたのですが、実はほとんどの意見が「落ちた学生なんか誰が採用したいと思うんだ。」「学生は落ちたことなんか恥ずかしくて隠したがるだろう。」といった否定的なものばかりで。

ただ、唯一肯定的だったセグメントが、実際のユーザーになり得る人事と就活生でした。

僕らにとってバイブルだった「起業の科学(著者:田所氏)」にも、万人がいいと思うサービスは誰かがもう既にやっているので、ほとんどの人に否定され、ターゲットだけに刺さるサービスを作ろうという考えにまさに沿うもので、ヒアリング結果は散々でしたが、逆にイケるのでは?という思いが募っていきました。

中井:僕はヒアリング結果をもとに、市場分析〜プロダクト設計を行いました。

実は当時、HRportという会社が同じようなサービスでシードの資金調達も実施していたのですが、すぐにクローズしたんです。

分析したところ、選考で落ちてしまった全就活生をターゲットにしており、採用側の人事にメリットが作れていないと分かりました。

ABABAは就活生と人事の両者がwin-winになるような設計を意識し、最終面接まで進んだ学生だけに登録を限定するような形でプロダクトを設計し、ここがうまく市場にハマった形です。

ABABAの急成長を支えている4つのValue

ーー会社が掲げているValueには、どのような想いを込めたのでしょうか?

久保:会社のCore Valueである「隣人を助けよ」は、今まで立ち上げたすべての事業が「誰かの困りごとを解決すること」から始まったことに起因しています。

『GUIBO』は「英語を話せる環境がない」と困っている友人から相談を受け、プラットフォームを作って提供したのがきっかけでした。「ABABA」も同様ですが、いつも近くの友人・大切な人の困りごとを解決しようとして、ビジネスチャンスが生まれています。

最初は「ひとりの困りごと」からスタートした事業ですが、解像度が高まるほどその友人の後ろに「同じ課題を抱えている多くの人」がいることに気付かされ、世の中の課題解決にもつながります。

こういったビジネスを作り続けることで、いつか課題が世の中からなくなり、より良い世の中を作れるという信念をこのバリューには込めています。

中井:さらにCore Valueに紐づいて、3つのValueもあります。

1つめは「いいザコでいよう」。かなり強い言葉でびっくりする方も多いんですが、これは自分に向けたメッセージから生まれたものなんです。私は学生起業した身ですので、就業経験もなく、これと言って実務に強みがあるわけではありません。

そのような自分をザコだと認識し、その反面自分ができないことをできる人を信頼し、任せることで、メンバーは成長し、事業も成長する。これを全メンバーができるようになれば、より一層、事業が加速度的に成長すると思い、作ったバリューです。

実際に、当社のリーダーはこの精神を強く持っており、メンバーが急成長する環境を作ることが出来ています。

2つのValueは「尖ろう」です。

人それぞれの持つ強みは異なります。他者よりも秀でたところを見つけて尖らせば、成長スピードも早まります。ABABA設立時のメンバーは、全員の強みが全く違いました。

数字、プロダクト、広報、エンジニアリング…それぞれが異なるからこそ、信頼し、任せることができており、この体験を、言語化しました。

リーダーは尖ったメンバーを受容し、強みを活かすマネジメントができる必要性はありますが、強みを存分に活かせる組織になれば会社自身も強くなると確信しています。

久保:3つめは「10倍成長思考」です。安牌な目標を立てるのは簡単ですが、「今より10倍の業績成長を目指す」という目標を立てた時、実際のアクションはかなり変わります。

相当、工夫しなければ達成できない目標設定になりますよね。しかしながら、そうした思考がないと、スタートアップ企業は市場で生き残っていけないと思います。絶対に無理だと言われるところから逆算して達成に向かう思考が、「10倍成長思考」。

圧倒的に強い競合に打ち勝つためにも、常にこの意識を組織全体で持つことができれば、業界No.1になることも夢物語ではなくなると思っています。

ーーシリーズAの資金調達も実施しましたが、今後の展望は?

久保:今後はよりプロダクトの拡張性を高めていきたいです。

これまでは就活後半時期に効率良く採用できるチャネルでしたが、ABABAには最終面接で採用しなかった就活生・内定辞退された就活生のデータが年々蓄積されていることを活用し、これをキャリア採用での候補者としてアプローチできるようにし、第二新卒市場へのシームレスな連携を図っていきます。

既にこのサービス(アバクル)はリリースし、縮小しつつある新卒採用チャネルに変わる、若手人材登用チャネルの第二新卒採用を強化する大手企業を中心に活用の場を広めています。

中井:また、スタートアップ企業はもっと自由に複数の事業を展開し、事業価値を最大化していっても良いですよね。新卒・中途採用にまで領域を広げるのは当然の路線ですが、他領域にもコングロマリット的に事業を進めてみたいです。

私たちが実現することは、誰かの課題を解決し続けることです。この「隣人を助けよ」を継続し続けることで、いつか世の中からあらゆる課題を無くしたいと思っています。

ーー最後に、どんな方と一緒に働いてみたいと思っていますか?

中井:「勝ち馬にできるタイプ」ですね。このようなタイプには、上場が現実的になってくるシリーズB〜 Cよりも前のフェーズでしか会えない、仲間になってもらえないので。

常に競合会社を意識し、どう競合に差をつけ、勝つか。これを普段の業務の中でも意識できるような人だと最高ですね。ちなみに、現状のABABAのメンバーのほとんどがこれを実行できています。本当に彼らのことを尊敬しています。

また、最も重要な素養だと思うんですが、誰かのために何かをしたい、してあげたい方ですね。

今、活躍している社員は「目の前のお客様を幸せにするには、どうすべきか」が意識できるフォロワー気質の方ばかり。

誰かに貢献する幸せを自然に感じて、形にできる方であれば、きっとValueにも共感できるはず。綺麗事でいいんです。ヒーローはおせっかいでいいんです。

一次面接・カジュアル面談は全て僕が担当しておりますので、ABABAに少しでも興味を持ってくださった方がいればぜひお話しさせてください。





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