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次の世代に良い循環を作りたい。「任せる」マネジメントで開発をリード

ピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)には、現代社会が抱える課題を解決する様々なアイデアを形にするためのプロジェクトがいくつも存在しています。その中で、プロダクトのローンチに向けて多くのメンバーが職種を超えて密に連携して動いていることが、PxDTで働く面白みのひとつだと考えています。

今回は、現在PxDTで最も多くのメンバーが関わっている、難聴者向けコミュニケーション支援プロジェクトの開発グループリーダーを担当する西村に、PxDTへの入社のきっかけや、どのように開発チームをリードしているのかを聞きました。

「なぜやっているのか?」を意識し、0から設計に携わりたい

ーこれまでの経歴について教えてください。

大学院で理工学研究科の博士課程まで学び、その後、総合電機メーカーの研究所へ就職しました。

博士課程まで進んだのは、アカデミックな領域で次の世代を育てるような仕事に携わりたいと思ったからです。

大学で研究をする中で、研究したものを世に出すことの大切さを感じました。そこで、会社で研究開発したものを世の中に出していく仕事に携わりたいと思い、就職しました。

ーPxDTへ入社したきっかけについて教えてください。

転職する直前は自動運転の外界認識アルゴリズム開発を行っていました。

大企業では、細分化された組織の中で仕事をするため、一つの領域に関してとても深く仕事ができるというメリットがあります。

一方で、私はプロジェクト全体の中で自分の与えられた業務の立ち位置を見失うことがあり、「なぜやるのか?」を意識し、システム全体を設計できる人になりたいと思い、転職活動を始め、ご縁がありPxDTへ入社することになりました。

PxDTでは0から作り上げるのでやりがいもありますし、「なぜやっているのか?」をメンバー一人ひとりが語れるので、プロジェクトを語る言葉に魂が宿るように感じています。

職種を超えてスムーズに連携できる環境

ープロジェクトの概要と担当領域について教えてください。

弊社独自のマイクを用いた難聴者向けコミュニケーション支援サービスを開発しています。

マイクのハードウェア・エッジ処理から、サーバー、表示アプリケーションと、多岐に渡る開発をチームで行っております。このマイクは小さくて持ち運びもしやすく、複数人との会話でも、誰が何を話しているかを見える化できるのがサービスの特徴です。現在、同様の技術を用いたスマートグラスの開発も進めております。

私はその中で、開発グループリーダーとして主に音声信号処理アルゴリズム開発を担当しながら、プロダクトとサービスのローンチに向け、開発チームをリードしています。

ーどのような課題意識から開発に着手することになったのでしょうか。

難聴者の社会的な交流を増やし、様々な分野でさらに活躍して頂くことをめざして開発をスタートしました。

難聴者の場合、認知症の発症リスクがおよそ2倍になるというデータがあります。難聴者は会話のコミュニケーションに入りづらいため孤独を感じやすく、認知症につながりやすいと言われています。しかも難聴者の8割は補聴器をつけないそうです。補聴器は費用も高い上に、複数人との会話では誰が何を話しているのか分かりづらく、使いづらいと言われています。

そうした課題に対し、音声情報から「誰が何を話したのか」という視覚情報に変換し提供することで、難聴の方を含めた皆がコミュニケーションを楽しめるものを開発しようとしています。

ーどのような体制・メンバーで進めているのでしょうか。

ビジネスサイド3名、エンジニア15名です。

エンジニアに関しては、回路設計、アルゴリズム、サーバーのインフラ・バックエンド、フロントエンド、モバイルアプリ・・・と、少数精鋭で様々な専門領域を持つエンジニアが在籍しています。

おそらく、社内のプロジェクトで最もエンジニアのバラエティに富んでいると思います。

というのも、マイクを作るだけでなく、プロダクトを含めたIoTのサービスになるため、ソフトウェアの技術も必要になるからです。

ーエンジニアだけでなくビジネスサイドなど、様々な職種のメンバーと関わると思いますが、どのように連携を進めているのでしょうか。

情報はすぐに共有するようにしています。

週一で開発定例会議をしているのですが、ビジネスサイドのメンバーにも参加してもらい、開発の状況を、良いこと悪いこと含め包み隠さずタイムリーに共有しています。

ビジネスサイドからの要望もその場で出てくるので連携しやすく、コミュニケーションもスムーズだと感じています。

物理的にも心理的にもとても距離が近く、日頃からコミュニケーションを取れているので、開発計画の変更を余儀なくされたり、どの開発を進めるべきか確信が持てない状態で進めてしまうことが全くないのは良さだと感じています。



目線はあわせつつ、細かくマネジメントをしない

ーチームで開発する上で大切にしていることを教えてください。

「聴者含めた皆が楽しく使えるものを開発する」ことを意識しています。

現在、およそ100名の難聴者の方にデモを体験頂いています。開発初期に体験者の方から頂いた「難聴者の方だけでなく、その周りの人も便利だと使ってもらえるようにしないと普及しないですよ」という言葉が印象に残っており、開発する上で大切にしております。

たとえ難聴者ご本人が便利だと感じていても、周りの人がその分不便さを感じてしまうのであれば、我々が開発したサービスを使い続けてもらうことは難しくなってしまいますよね。難聴者だけではなく、誰もが楽しんで使えて、コミュニケーションの中に本サービスが溶け込む世界を作りたいと思い取り組んでいます。

ー開発チームをリードする立場として意識していることを教えてください。

細かくマネジメントをしないようにしています。

特にこのプロジェクトには幅広い技術が必要ですが、それを全て知っている人は世の中にごくわずかだと思います。

私はこれまでアルゴリズムの開発をやってきましたが、やはり全てに精通しているわけではないので、各分野の専門性を持つメンバーの経験や意見を尊重して任せるようにしています。ただ、その中でも大事にしているのは「目線」です。「どういうものを作りたいのか」を共有し、少しずれていると感じたら方向修正するようにしています。

他にも、各エンジニアメンバーのキャリア志向を意識するようにしています。めざすキャリアパスは、メンバーによって様々なので、コミュニケーションをとりながら、仕事をお願いするようにしています。

ー働く中で、「PxDTならでは」と思う特徴があれば教えてください。

先程の話と少し重複する部分がありますが、「距離が近い」ことだと思います。

ビジネスサイドとエンジニアの距離もそうですが、現場ともかなり距離が近いです。

難聴者支援のプロジェクトでは100名近い難聴の方にデモを体験してもらい、生の声を頂き、開発にフィードバックするようにしています。

一般的には、マネジメントの立場になると現場から離れることが多いと思いますが、現場感を持ちながら開発をマネジメントできるのは有難いです。会社としても、どのプロジェクトでも現場に行くことを大事にしていて、代表の落合もそういう志向です。

未来のお客様の生の声を聞くことができ、「自分が生きているうちに、こんなデバイスが出てくるとは思わなかった!」と想像以上に喜んで頂けるのを見ると、心が震えるような感覚がありますし、開発の励みにもなります。

また、開発の全工程を体験できることもPxDTならではではないかと考えています。このプロジェクトも最初は先行研究から始まりました。そこから技術を育て、量産まで行き着くのに様々な障壁があります。この障壁をチームメンバーと一緒に乗り越えてきた経験は私にとってかけがえのない財産となっています。

次の世代に良い循環を作りたい

ー今後挑戦していきたいことについて教えてください。

最初に話した通り、元々教育に興味があったので、人を育てていきたいというところに思いがあります。

このプロジェクトを成功させて事業を拡大させていきたいですし、新しい事業を作っていくこともやりたいと思っています。また、PxDTの特徴として産学連携もあるので、積極的に関わっていきたいです。

PxDTでのこのような活動を通して、次の世代に引き継ぐ、良い循環を作ることができたらと思っています。


今回のストーリーをお読みいただき、少しでもピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)のカルチャーや携われる領域の広さ、そして多様なバックグラウンドを持つメンバー達と働く面白みにワクワクしていただけていましたら嬉しいです。ご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひエントリーをお待ちしております。

◆直近のニュースリリースはこちら
https://pixiedusttech.com/news/

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