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「本質を見抜く」という普遍的な信念を貫きブランドをアップデート

はじめまして。マツダ株式会社のブランドスタイル統括部で、ビジュアルディレクターを務めている山田陽平と申します。私は2018年2月に中途採用で入社し、クリエイティブエキスパート松井貴宏の部下として日々業務にあたっています。

前職は、東京の画像制作会社でCG ディレクターとして、化粧品スポーツメーカーなど様々なクライアントとお仕事をさせていただいていました。扱う業種が幅広くいろいろな経験を積むことができるという充実感はありましたが、どうしても広くて浅い関わりになってしまう…。次第に違和感を覚えるようになり、一つの業界を突き詰めていく仕事がしてみたいと転職を考えるようになりました。

マツダは、以前一緒に仕事をする機会があり、デザインに対する想いや姿勢に共感を抱いていました。元々クルマ好きだったこともありますが、日本で唯一、クリエイターとして好きなことをできている会社なのではないか…と感じ、転職を決めました。


動画技術も身に付けディレクターに

前職での業務は静止画中心で、写真をレタッチしてイメージを作っていましたが、世の中の流れは3Dの技術が必要不可欠。動画も同様に、この先クリエイターとして仕事していく上で勉強する必要があると感じていました。ですから入社後、動画制作の技術を磨く機会を与えられたことは、私にとってプラスでした。

さらに、ディレクターというポジションに就くと、自分の手を動かすこと以上にディレクション能力が求められます。商品をきちんと理解した上で、どのような表現で魅力を伝えていくか、これまでの経験から得た知識や技術をディレクション能力に発展させていきます。

これは入社するまであまり意識していなかった領域でした。自分は静止画ベースの技術力を買われたから、画像のチェックなどテクニカルな仕事が中心になると思っていたのです。入社後経験を積んで徐々にディレクターとして任せられる仕事の幅が広がっていき、着実にステップアップできていることを実感しています。


企画から関わることで創造性が向上

現在は、エージェンシーと共に新しい車種のメッセージハウスをつくるところから関わることもあり、企画の仕事が多くなってきました。まだクルマのコンセプトが決まっていない段階から関与することが多く、クリエイターとしての発想力が求められます。

これまでで印象に残っているのは、「MX-30」のローンチムービー(コンセプト映像)を創る活動です。デザイン本部の中でアイディアを出し、ラフスケッチを描いて、ビデオコンテを描いて…と、企画するところから制作会社のような立ち回りをするところまで担当しました。それはもう大変でした(苦笑)。

さらに、企画の仕事とテクニカルな仕事は頭の使い方が違うため戸惑いもあり、慣れるまでは苦労しました。ユーザーターゲットはどこなのか、コンセプトは何なのか…。企画から携わることで商品への理解が深まり、根本が分かれば当然、表現方法も変わります。

結果、表現・編集に関する技術への理解も深めることができ、クリエイターとしても成長することができたと感じています。


自分らしさはデザインの隠し味に

「MX-30」のローンチムービー(コンセプト映像)制作は大変だっただけに、ようやく形になり世の中に出ていったとき、この瞬間が一番感激します。

ブランドスタイル統括部では、社内の販売部門が商品導入時に全世界の市場に配布して活用する静止画も監修しており、そこから得る反響もうれしいです。

「この写真を見てカッコいいと思ったから購入を決めた、というお客様がいらっしゃって、販売ディーラーの方が喜んでいたよ」などの声をいただけると本当にモチベーション向上に繋がります。

私たちはクリエイターで、扱っているのは商業デザインです。お客様に受け入れられてなんぼの世界です。さらにマツダデザインにはガイドラインがあり、使える色やビジュアル表現についても細かい規定があります。

デザイン制限のある決められた枠の中で、いかにクオリティの高いものを創造し、自分のオリジナリティを発揮していくか。自身のポリシーを貫いた上で、自分がつくったビジュアル効果でそのクルマがお客様に選んでいただけること、喜んでいただけること、そういうお客様との接点や繋がりを地道に拡大させていくことが、今掲げている目標です。


マツダブランドを築く責任と誇り

一つひとつの画像や動画を作る、ブランドスタイル統括部の仕事の面白さは、なんといっても、クリエイター気質の仲間たちとチームを組み、マツダブランドの魅力を構築していくこと。自分で言うのもなんですが、その一員になっていることをとても誇りに感じます。

入社当時は「すごいところに入っちゃったけど大丈夫かな…」とビビってましたが…(笑)。ブランドをつくるやり甲斐は非常に大きいです。

ブランドデザインは、時代に合わせて常にアップデートしていく必要があります。技術の向上によって商品の質が上がれば、打ち出していくメッセージも変えていかなくてはなりません。今、時代の変化のスピードが速い中、他社の動向も研究しながら、マツダブランドの方向性を常にアップデートするイメージを持って仕事しています。


モノゴトの本質を捉えることの大切さ

マツダで働くことで、一人の人間として成長できた点があります。弊社の考え方に「本質を考え抜く」という言葉があります。マツダは以前、経営的に厳しい時期がありました。そのときに自分たちが本質的に創りたい車、お客様に求められる車に車種を絞ることで経営を再建させたと聞きました。私はこれが「本質を考え抜く」ということであり、すべての仕事やモノゴトに通じる考え方だと思っています。

いつの間にかこの考えが沁みついていて、デザインするときに「この色、本当必要?」「この表現は必要?」と、一旦立ち止まって見直すクセがつきました。本質を見抜けるようになったと思います。不要なものを削っていくことで、大事なことにフォーカスさせるという考え方ができるようになったことは、大きな収穫でした。


自然豊かな広島でプライベートも充実

最後に、働く環境について。

弊社は自動車メーカーなので従業員も多く、堅いイメージもありますが、時間管理がきっちりしているので、いくら忙しくてもワークライフバランスを保てます。私はスノーボードやゴルフ、キャンプなどアウトドアな遊びが好きで、広島は自然が多く、山もゴルフ場も近いため最適です。広島に来て本当に良かったと思っています。

勤務形態もフレックスタイム制が導入されているため、出勤時間を規定時間内で変更することもできます。私は基本的に朝が弱いので…(笑)すごく助かりますね。

さらに、ブランドスタイル統括部は、シニアマネジメントと話す機会が多く、現在のマツダデザインの方向性を定め力強くけん引してきたカーデザイナー・前田育男(現シニアフェロー ブランドデザイン)に直接企画を持っていくこともあります。少しでも可能性があれば柔軟にそのアイディアを吸収してくれます。

信念を持って仕事に取り組みたい方、 マツダの哲学に共感できる方なら、ここでの仕事を思い切り楽しめるはずです。

新しい価値観を持ち、新しい風を吹かせてくれる人が仲間に加わることで、デザインがより活発になると思います。そんな仲間と一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

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