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自分のやりたいこと、センスを信じてクルマが最大限カッコいい動画を

こんにちは。マツダ株式会社のブランドスタイル統括部で、動画ディレクター(正式にはクリエイティブエキスパート)として働く松井貴宏です。

ディレクターといえば一般的に「監督/指揮者」というイメージですが、弊社ではディレクターが実際に手を動かして動画を制作しています。

仕事は、おそらく想像されている通り…(笑)忙しいです。

そうは言っても、この仕事の面白さや達成感はこの上ないでしょう。自分が制作した動画やビジュアルが、世界中に拡散されるのですから!

意欲にはなるべく応えてくれる社風

まず、私の経歴から紹介します。

1992年に入社し、クレイと呼ばれる粘土でクルマの模型を製作するクレイモデラーという業務からスタートしました。次に、クレイからデジタルにツールを変えてデジタルデザインモデラ―としての経験を積みながら複数のプロジェクトにも参加しました。その後オーストラリアへ渡り2年半、初めての海外生活、異文化体験の刺激をうけながら、デジタルデザインの経験を積みとても充実した時間を過ごしました。帰国後はデジタルデザイナーへ転向し、モーターショーで展示するコンセプトカーや、未だ世の中に走っていない未来のクルマ(=乗り物)をデザインしました。

その頃、会社では「マツダ」のブランドイメージの確立に注力するようになり、会社が発信する全てのものにブランドイメージを統一させるために発足したのが、現在所属するブランドスタイル統括部でした。当時私はデジタルデザイナーと兼任で動画制作などを行っていましたが、2021年から正式にブランドスタイル統括部の一員として動画ディレクター(クリエイティブエキスパート)を担うことになりました。

…と、話が長くなりましたが、これまでさまざまなデザイン業務経験し、デザイン本部の中でも職種/職歴経験は多い方だと思います。実はこれらのほとんどが自ら希望したものです。

大企業では自分のやりたい仕事ができない、融通が利かないなどのイメージがあるかもしれませんが、マツダのデザイン部門でそう感じたことはありません。

やってみたいという意欲には、しっかりと応えてくれると感じています。

特に、現在所属するブランドスタイル統括部には、私のようにクルマのデザインをしていた人、グラフィックデザインを担当していた人など、さまざまな経歴の社員がいます。

それぞれが「自らやりたい仕事を考え、希望を出し、全力で取り組む。」そんな職場です。

部署の存在感を高め成長中!

昨今、ブランドデザインがいかに重要かということを身に染みて感じています。クルマのデザインがどれだけカッコ良くても、伝える力がないと、魅力が伝わりきらない…。それってすごく悔しいことですよね。

だから、「マツダ」というブランドイメージを上げるための「ブランドスタイル統括部」という存在は、本当に重要です。

ブランドスタイル統括部が立ち上がったばかりの頃は、社内でもなかなかその価値を認めてもらえない部分がありました。私たちが作るのはデザインだけで完結するようなものではなく、マーケティング部門や広報部門など他部門との連携が必要なものばかりで、それらの部門の協力は不可欠です。

ブランドスタイル統括部の連携により、販売会社の店舗デザインやその他さまざまなイベントでのビジュアル的表現を通じてより良いブランドイメージを醸成できるという成功体験の積み重ねや、直接工場(=車両の生産現場)へ赴いて、ブランドデザインの重要性について説明会を行うなどして、発足から約3年、ようやく社内で存在価値を認めてもらえるようになったと実感しています。

今では、さまざまな部門から声がかかるようになり、これまで一緒に仕事をする機会がなかった部門から相談を受けることもあります。例えば「工場に看板を作りたいけど、これもブランドデザインに沿ったものにしないといけないよね?」等。これって社員一人一人の意識が変わらないとそういった声は挙がってこないですよね、ブランドデザインの価値を理解してくれている証拠だとうれしく思っています。

海外ロケでも自分の感覚を信じて貫く

“誰もが目にしたときに感動できるようなものを作る”には、クリエイターとしてこだわり抜くことが大事。考えを固め過ぎたり決めつけたりしないことも意識しています。これは今の仕事だけではなく、自分がこれまで培った全ての仕事に共通するポリシーです。

ただし、動画に関してはCGを使わず実際に撮影しているため、時間が無限にあるわけではありません。短い期間でベストなものを創るためには、素早い判断と事前の準備が重要です。結果、クオリティの高い写真と映像を撮ることが出来ます。海外でのロケも多く、以前行ったイタリアでのロケでは一週間という短期間で必要な映像を全て撮影する必要があり、帰国した後では、映像を再び撮ることも取り直すことも出来ない。とにかくこの一週間で全てを、というプレッシャーの中、正直…本当に大変でしたね(笑)。

私が動画クリエイターに求めるのは、「マツダ」のデザイン哲学に、自分のセンスを入れられることです。動画ひとつとっても、誰がクリエイションを務めるかによって仕上がりが大きく変わってきます。制約がある中でも、自分の中でキラリと光るものを表現してもらいたいですね。

私は常に、どうすればクルマがカッコ良く見えるかということを考えています。通勤中でも、「いつも見る車でもこういう風な見え方をするとやっぱりいいよね」とか(笑)。

これは一種の職業病ですね。恐らく私以外の方もきっと同じだと思います。ブランドスタイル統括部マネージャーの寺田もTVCMやSNSのPRムービー等を見ると、光の使い方や空間の取り方等、画面の構成が気になってしまうようです。

価値ある動画を作る充実感

クルマの魅力がどう伝わるかは、クルマがカッコいいということと同じぐらい重要なこと。

動画を見ることで、「マツダ」というブランドのイメージが上がったり、印象が変わったり…。動画にはそれほど大きな影響力があります。だから責任を感じるのと同時に、価値ある動画を作るという喜びも大きいです。

人の心を動かすことを突き詰めていく仕事なので当然忙しいですが、仕事と休日はしっかり分けています。

休日には、バイクに乗ったり、ゴルフをしたり、ギターを弾いたり、最近ではBリーグというプロバスケットチーム「ドラゴンフライズ広島」にハマっていて、試合観戦をしたり、と、こちらも大忙しです(笑)。

休日をしっかり楽しむことが新しい感覚のインプットになり、仕事のパフォーマンスも上がると思います。

自らアピールしてやりたい仕事を!

仕事をする環境ですが、デザインのためのインプットとして何かを観に行きたいなどの要望も通りやすく、自主性を尊重する気風があり、働きやすいと思います。

また何事も真剣に取り組む人や、何でも得意な分野がある人など、人を活用してアウトプットしていくという風土なので、自分がやりたいこと・得意なことを普段からアピールしておくことが重要です。

部下の考えを聞いて、やる気を引き出してくれる上司も多くいると思います。コストや効率ばかりにフォーカスするのではなく、プレイヤーやクリエイターとしてのプライドや想いを持って仕事に向き合っています。私もそういう仕事人であり続けたいと思っています。

最後にもう一度お伝えします。動画は一般の方が広く目にするものなので、クルマより大きな反響を得られたりします。自分が製作した動画をきっかけに、そのクルマに興味が湧いた、好きになった、という声を聴くと本当にうれしく、何にも代えがたい達成感を得られますよ!

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