様々な仕事があるハルメクグループの働き方をご紹介するインタビューシリーズ、今回は編集者です。
編集者を目指す方の中には編集者ってどのように1日の業務を行ているのか、イメージしにくい方々も多いのではないでしょうか。そこで今回は、編集者の1日の流れをご紹介したいと思います。
通販カタログ「ハルメク おしゃれ」編集者とは?編集者 玲奈さんの1日
部署:ファッション課
担当:通販カタログ「ハルメク おしゃれ」
肩書:編集者
リポーター:ハルメクは、「ハルメク 健康と暮らし」「ハルメク おしゃれ」と2つの通販カタログを発行しています。今回登場するのは「ハルメク おしゃれ」編集部から、若手のホープ玲奈さんです!
玲奈さん(以下玲奈):若手でしょうか?(笑) よろしくお願いします。
私は生まれた商品を、より魅力的にかつわかりやすくお客さまにお届けするために、企画や撮影を行い、誌面作りをしています。
リポーター:月にどれくらいのページを担当されているんですか?
玲奈:「ハルメク おしゃれ」はファッションとビューティーの2分野のカタログで、120ページほどあります。そのうち、ファッション部分は約60ページ。わたしは、毎月12ページ程度を担当しています。
密着!1日の業務の流れ
玲奈さんのとある1日~撮影の日バージョン~
リポーター:朝4時に起床! お子さんがいて、生活がきちんと回っていることに尊敬です!
玲奈:撮影の日は特にバタバタですね。埼玉に住んでいるので始発は4時57分。移動中のロケバス内で朝ごはんを食べています(笑)。
この日は、11月号のモデル撮影。とても楽しかったです!
リポーター:活気あふれる現場感が伝わってきますね。
メイクさんやスタイリストさんと一緒に、撮影カットをモニター画面でチェック中。
玲奈:撮影時はまず「この写真ではどこを見せたいか」を説明します。服がきれいに見えているか、自然な動きか……などをチェックして、「OK」を出すのが編集の仕事です。
私、撮影の日が一番好きなんです。
ラフを描いて、カメラマンさんやスタイリストさんがどう見せるかを一緒に考えてくれて。そして、いざモデルさんがカメラの前に立っている姿を見たら……(涙)。
第一線で活躍されているプロの力が集結するって本当にすごいなぁ、と毎回感動しています。
ランチはモデルさんやスタッフと一緒に、おいしいロケ弁♪ チームの士気もUP!
リポーター:一つのチームとして、和気あいあいなんですね。
玲奈:ツンツンしているモデルさんも、怒るカメラマンさんもいません(笑)。みんなハッピーで、笑っている現場。撮影中はモデルさんがかわいすぎて、「かわいい~」って叫んでます。
スタイリストさんが集めてきてくれるバッグや小物。コーディネートを盛り上げてくれる重要な存在です。
リポーター:スタイリングは、ファッション編集者の腕の見せ所。どう進めていくのか教えてください。
スタイリストさんと、コーディネートの打合せ中。
玲奈:スタイリング前に、メインとなるアイテムをどのモデルさんに着てもらうか、というところまではある程度決定済み。
会議室などで、その月号で使用する商品を全部出してきて、「洋服をどんなふうに見せたいか」「どこに着ていくのか」などを話し合いながら、服の組み合わせや合わせるバッグと靴を決めていきます。
リポーター:ファッションセンスが重要そう!
玲奈:正直、センスはまったく自信ありません!(笑) だからこそ、ファッションのプロであるスタイリストさんやMDさん、編集部メンバーに知恵をいただきながら進めている感じで、日々勉強中です。
「定番服セット」が新しい視点でヒット、裏側に迫る!
玲奈さんが担当した2004年2月号の企画(計10P)。売上が前年と比べ1.4倍もアップしたヒット企画に辿り着くまで……。その紆余曲折をお聞きしました!
【プロセス01】企画始動「リーダーからの課題」
「定番服セットはそもそも鮮度アップが必要な商品。新規のお客さま、そしてできれば若めの層に響くために、どんな新しい見せ方ができるか? を考えてもらえたら嬉しいです」(リーダー)
【プロセス02】企業秘密!「作戦シート」
ハルメクが目指すのは、モノを売るだけではなく、買っていただいたモノによって、お客さまの生活や人生がいかに豊かになるかということ。私たちはこれを「ライフスタイル提案」と呼んでいます。
ここがブレないように、顧客の実態調査を丁寧に行い、訴求メッセージ、作戦タイプ(共感・興味など)などを決めていきます。それを具体的にシートに沿って落とし込み、ロジカルにまとめます。
【プロセス03】ニーズを探る「タイトルアンケート」
ビジュアル・コーディネートは、新規や若年層に響くように……。しかし、タイトルに関しては、興味を持って読み込んでもらえるよう、タイトルを8案作って、訴求ワードのニーズを調査。
■選ばれたのは<体型変化>!
“体形に、肌に、変化を感じ始めたら……まずは「ベーシック服」を見直そう! 若々しく、無理せず、品よく見えるハルメクの定番品”
【プロセス04】ビジュアルを明確化「ラフ」
■通販らしからぬ見せ方とは?
タイトル確定後、ラフを作成していきます。
今回は新しい見せ方を模索し、毎日どんなふうに着回せるか「1週間コーデ」のようなイメージで作りました。
1コーディネートは、トップスをインナーとして着用。「商品をこんなに隠していいの?」と当初は言われ、通販としては異例の写真の撮り方に挑戦しました。
【プロセス05】MTGやスタイリングを経て撮影「誌面」
ラフをベースに、誌面レイアウトデザイナー(AD)、スタイリスト、カメラマンとの打合せを経て、撮影。撮影現場でもスタッフ・モデルとよく話し合いアイディアを出し合いながら、試行錯誤!
【プロセス06】お客さまと作る誌面「グループインタビュー」
月に1度、8名程度のお客さまを社にお呼びして、その月号の印象に残ったページ・イマイチだったぺージをヒアリングしています。リアルなお声を聞ける、大切な機会です。
玲奈さんの仕事にかける思い
ハルメクに入社した理由
リポーター: 2019年11月、転職してハルメクへ。前職は何をされていたんですか?
玲奈:大好きなファッション誌があって、ファッションの編集に携わりたいと思っていました。……が、入社したのは、男性向け育児雑誌を主に作っている小さい出版社。
仕事はハードだったけれど、撮影で会うお子さんたちがかわいくて。その影響もあって、気づけば20代前半で結婚、出産していました。現在は10歳の男の子と、6歳の女の子、2児の母です。
リポーター:子育てもお忙しい中、30歳でハルメクへの転職を決めた理由とは?
玲奈:結婚して子育てをするなかで、これまでのガムシャラな働き方を変えたくて転職を考えていたんです。
その中で「ハルメク おしゃれ」と出会い、大人ならではの悩みに寄り添って、それを服でプラスに変えてしまおう! という姿勢に惹かれました。
「私のやりたかったファッションの仕事ってこういうことかも!」と、もともとはファッションの編集を目指していたのもあり、ここで新しくチャレンジしたいと思いました。
それに私も、まだ先のこと思いつつ、結婚して子どもも生まれ、これからどんなふうに生きていきたいかを考えるタイミングでした。長い人生を見据えたとき、ハルメクは50代からの豊かな生き方を応援してくれる、私の先輩のような存在。
ここなら、50代の理想の自分に向かって成長し続けられると思ったんです。
コンプレックスを前向きに
リポーター:玲奈さんはハルメク世代より若いですが、この世代のファッションにどう取り組んでいますか?
玲奈:私自身ずっとコンプレックスがたくさんあって、さらに妊娠や出産で10キロ以上増えて、体形もずいぶん変わり、着られる服がどんどんなくなって……。
それをファッションで隠しながら生きてきたんですよね。だから悩みは共感できるんです。
ハルメク世代の方は、体型が変化したり、更年期で温度に敏感になったり。コンプレックスに感じる体の変化がおしゃれに影響するので、着ていて自然体に若々しく、そして楽しい気分になっていただける洋服をお届けしていきたいです。
玲奈さんの今後のキャリアについて
子育てとの両立がしやすい環境
リポーター: まだ小学生のお子さんが2人。子育てと仕事の両立は、難しいところもあるのではないでしょうか?
玲奈:下の子が小学1年生になり、保育園への朝の送りがなくなって楽にはなりましたが、夏休みは学校給食がないから毎日お弁当を作らないといけないのが大変! でも手は離れてきたかな、と感じます
玲奈:フレックス通勤なので、出社帰社時間は融通がききます。子どものお迎えがあるので、みなさんより早く帰ることが多いです。もちろん私も残業することもありますが、メリハリのある働き方ですね。テレワークも週に半分くらいできるので、子育て世代にはとても働きやすい環境だと思います。
目標は編集チームの先輩!
リポーター:今後のキャリア形成について教えてください。
玲奈:ハルメクの読者もどんどんスマホ世代になり、これからの時代EC(ネット通販)が重要になると考えています。ファッションアイテムも、EC先行販売がスタート。今後はどうECとカタログが上手に連携していくかも課題ですね。
そして最後に……私個人としての目標は、自身も「ハルメク世代」を迎えながら働いている編集の先輩たち。とにかく仕事ができて、新しいチャレンジ企画でヒットを飛ばす。それでいて気配りができてやさしくて、気さくで面白い……。私にとってはスーパーマンみたいな存在です。
私は今チームで一番若手ですが、最近ではコラボや別冊など大きな企画も任せてもらえるようになりました。そんな先輩の背中を追いかけながら、いつかはチームの要として頼られる存在となれるようにがんばりたいです。
私がハルメク世代になった時、ハルメクはどうなっているのかなと考えたりもします。だからこそ私も「ハルメク おしゃれ」と一緒に成長し続けたいですし、その時に見えるものは何なんだろうと今から楽しみです。