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塾講師から比内地鶏農家へ。新たな挑戦を続ける髙村さんの物語。

日本三大地鶏である比内地鶏の本場「比内町」の養鶏農家に弟子入りし、退任後の独立に向けて養鶏を学ぶ髙村さんにインタビューしました。

自己紹介をお願いします。

ー私は東京の世田谷区出身で、大学卒業後は地元の塾に塾講師として勤務していました。当時勤務していた塾は規模が小さかったため、塾長からもっと大規模な塾で挑戦するよう勧められていました。そして30歳の時、首都圏の大手学習塾に転職し、千葉を拠点に5年間塾講師をしていました。

塾講師から就農の道へ。なぜ協力隊に?

ーもともと動物が好きで、自然に関わる仕事に興味がありました。転職を考えていた際に、中学からの親友に協力隊の制度を教えてもらい、活動内容の柔軟さや自由度の高さに惹かれてチャレンジしようと思いました。

協力隊の良いところは、就農してみて合わなければやめてもよい点や、農家にならなくてもその後の道が開けている点です。地方移住の際に利用できる制度は様々あり、農家に特化した就農研修を設けている自治体もありますが、それでは移住後の選択肢が就農しかなくなってしまいます。

自分が就農することについて具体的なイメージを持っていない中で、農家の選択肢しかないというのは不安が大きいものです。しかし、協力隊であればチャレンジしてみて合わなかったとしても別の道に進むことができる点に惹かれました。

なぜ大館市を選ばれたのですか?

ー正直なところ、待遇面が大きいです。笑

協力隊の予算は国が決めたものなので、給料などの待遇面は自治体によって大差がありません。その中で、大館市は公用車を柔軟に利用できるところに惹かれました。地方移住の際にいきなり自分で車を持たなければいけないのはハードルが高いため、活動を通じて様々なシーンで車を利用させてもらえるのが決め手になりました。

実際に大館に移住してみてどうですか?

ーイメージしていた田舎そのものという印象です。自然豊かな場所で、見渡す限りの山々や綺麗な川、豊かな田園風景が広がります。

一方で、大館の市街地では生活に必要なものが一通り揃い、利便性にも優れています。首都圏へのアクセスも良く、大館能代空港まで車で30分ほど、飛行機で羽田まで1時間、池袋まで夜行バス一本で行けます。そのため、自然と利便性が共存した住みやすい街だと感じています。

活動してみてどうですか?

ー良くも悪くも自分の裁量次第でチャレンジできると感じています。市役所の職員や地元の農家さんは協力隊の意見を取り入れて、やりたいことを応援してくれる文化があります。協力隊としてやる気のある人が来ても、提案が採用されずモチベーションが下がることがよくありますが、大館では周囲の方々が非常に協力的で、やりたいことにチャレンジできる環境が整っています。

また、都市部では感じられなかった、人との深い繋がりを魅力に感じています。特に養鶏の師匠である小畑さんとの出会いは運命的でした。小畑さんは地元の農家の中でもパイオニア的存在で、新しいことにどんどんチャレンジする方です。

もし他の農家さんに弟子入りしていたら、養鶏を仕事にしようとは思わなかったかもしれません。生き物を扱うのはリスクも大きいですが、今は養鶏が楽しくて仕方ありません。

また、養鶏以外に副業として家庭教師もしています。農業一本ではリスクもありますが、これまでのキャリアを活かしながら新しい挑戦ができる点も、協力隊の魅力だと考えています。

協力隊に応募してみようと思っている方にメッセージをお願いします

ー気負わずにチャレンジしてほしいです。自然豊かな環境で自然とともに生きることを人生の選択肢に入れてほしいと思います。その際に協力隊の制度を活用することを選んでみてはどうでしょうか。

愛国心というほど大げさなものではありませんが、消滅可能性自治体が消えていくと住める場所が少なくなり、自然に触れられる場所が減っていくことに危機感を抱いています。日本の社会課題の解決のために、自分たちにできることから取り組んでいきましょう。

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