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和田衆議院議員に聞く、スタートアップと政治【Smartround Academiaイベントレポート】

本記事は2021年4月26日に開催したSmartround Academia番外編 スタートアップ経営者限定!「和田衆議院議員にいろいろ聞く&お願いする会」のイベントレポートです。

イベントでは、スタートアップ推進議員連盟 事務局次長、和田衆議院議員をお招きし、日本のスタートアップ・エコシステムの現状や課題、活性化のための道筋など、和田衆議院議員とスタートアップ経営者の皆様がインタラクティブに意見交換できる機会をつくりました。(※役職等につきましては対談時点のものです。)

スタートアップ推進議員連盟とは?
スタートアップ推進議員連盟は、スタートアップ振興のための政策の提言とその強力な推進のため、自民党の衆参国会議員により2019年10月に発足されました。スタートアップ企業の成長に向けて国と企業、大学間の連携の後押しを行っています。
(スタートアップ推進議員連盟Facebookページ

イベントを開催した詳しい背景についてはこちらも併せてご覧ください。

目次

  1. 和田議員の経歴
  2. スタートアップが望んでいる方向に政治が動くまでの4つのステップとは!?
  3. 政策決定の場にステークホルダーがいることの重要性
  4. 政治家とのつながりの作り方
  5. 「スタートアップが関与していない、スタートアップの会議」への問題意識
  6. スタートアップが活躍できる環境に向けて
  7. イベント開催日以降のスタートアップに関する政策の動向
  8. ①自民党の提言に「未上場株のセカンダリーマーケット創設」が盛り込まれました
  9. ②経済産業省から「スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス」が公開されました
  10. 【6/16開催】Smartround Academia特別編『スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス』解説

和田議員の経歴

砂川大氏(以下、砂川):今回は和田衆議院議員をお迎えして、スタートアップがどのように政治に働きかけていくべきかについて積極的に話す会となっております!スタートアップに関わることが多い皆さんにとって、「こんなふうに法律や政治が変わればいいのにな」と思うことがいっぱいあると思います。僕もその一人です。これは非常に大きな問題だと思っていて、これを打破するためにも、スタートアップが政治にアプローチできる環境を作っていく第一歩として、この機会をつくりました。
まずは、和田先生、自己紹介をお願いします。

和田義明氏(以下、和田):まずは、今日このような機会を作っていただいた砂川さん、参加していただいている皆様、本当にありがとうございます。私は現在、内閣府の大臣政務官という役職の2期生でございます。ちょうど一昨日(2021/04/24時点)で国会議員になって5年が経過しました。
前職は砂川さんと同じ三菱商事に20年間勤め、発展途上国で車の販売会社を作ったり、ディーラーネットワークを作ったりなど、ありとあらゆる自動車関連の仕事をやってきました。会社を辞める前の最後の大きな仕事がインドでのプロジェクトで、5年間インドに駐在していました。後半の3年間は国内にディーラーネットワークを作るということで、約20件のディーラーを作りました。「ディーラーを作る」とは何をやるのかというと、まずマーケットのあるインドの主要都市に行って、ライオンズクラブやロータリークラブの目ぼしいメンバーを調べます。そして、自動車事業に関心のありそうな人に「三菱のディーラーをやりませんか」と営業をしにいきます。興味があるとなったら、一緒に事業計画を作って、いけそうかどうかなどを確認したり、一緒に不動産を回ってどこのロケーションにディーラーを設置するのがいいかなどを考えたり、時には一緒に銀行にお金を借りにいくということもありました。そういう意味では、三菱商事という大きな会社には勤めていましたが、個人事業主の方と一緒に伴走して、新しい事業を立ち上げる楽しさというのを三菱商事では経験できたと思っています。

砂川:ありがとうございます!僕が和田議員と同期だからというわけではないんですが、たぶん、和田議員ほどビジネス側にしっかり精通している人はなかなかいないと思います。スタートアップの窓口になっていただくという意味では、和田議員は適任ですね。

スタートアップが望んでいる方向に政治が動くまでの4つのステップとは!?

砂川:我々スタートアップの側からすると、自分たちが現在置かれている状況から、実際に望んでいる状況に変化するまでに、どのようなプロセスで政治が動くのかが理解しづらいです。例えば、法改正や規制緩和が達成されるまでに、どのようなプロセスがあるのでしょうか?

和田:まず、政治家という言葉を聞いた瞬間に「わけわからん」という方がいらっしゃると思います。政治家を他の言葉に置き換えるとしたら、基本的に行政や立法に関するコンサルタントだと思ってください。ただ時には皆さんに代わって、政治の分野、行政の分野において営業もやる存在であるというイメージをもっていただけたらと思います。
本題に戻ると、例えば、スタートアップ周りの税制を変えたい、または法律を変えたいというご要望があったとしましょう。その際にまず議員連盟を組織するケースが非常に多いです。この組織の中で、スタートアップのコミュニティにとって必要なことが洗い出され、役所とも議員連盟の会議の中ですり合わせて、「これを実現しましょう!」というストーリーが固まるとしましょう。そうするとこの議論された中身が政務調査会のなかで議論されるようになります。
この政務調査会の勉強会で議論されるということは、自民党が本気で取り組んで、政府から必要なものを取りに行く体制が整った、ステージ的にグレードアップしたということになります。そして、毎年6月に政府で骨太の方針、成長戦略というのをつくるのですが、これは、来年度の予算、政府の基本方針に盛り込むための前哨戦になっています。法改正が必要であれば、こういう形で改正しましょうということがこの段階で決まります。最終的にこれが国会で提案されて、承認されるという流れになっています。
つまりプロセスとしては、①議連 ②自民党の政務調査会の勉強会 ③骨太の方針、成長戦略 ④国会での審議決断 雑駁ですが、このような流れになっていることが多いと考えております。

政策決定の場にステークホルダーがいることの重要性

砂川:では、参加者から頂いた質問を読み上げていきます!
「日本はロビー活動にも法改正にも、アカデミアの意見を重視して、企業の意見を聞きにくいという風土があると思います。これどうにかしないとと思うのですが、先生のご意見はどうでしょうか?」

和田:私はアカデミアの意見が必ずしも強いとは思わないです。ただ、政策決定の場にステークホルダーがいることは重要です。経団連のように大きい企業の団体はあるのですが、残念ながら、スタートアップの団体というのがまだまだ少なく、そのような方々が意思決定のプロセスに入っているケースも限られていると思います。スタートアップがどんどん政治の世界に入り込んで、他の団体の人たちに対して、「その意見は違う!」ということを主張し、意見を戦わせることがブレークスルーを産むきっかけになると私は信じていますし、そのような環境を作っていきたいと思っています。

砂川:そうですね。一般論としては、何かの委員会が立ち上がると必ずどこかの大学の先生が委員として参加されるわけなんですが、イノベーションを大事にする分野ではそういった方々のみが適任かと言われるとそうではないんですよね。ただ委員会に参加するときに、ある程度名前が通った人じゃないと、委員会に呼ばれないじゃないですか。そこが僕らの辛いところなので、僕たちみたいな人をあえて拾っていただけると、我々スタートアップ側の意見も通りやすくなるのかなと思いますね。また、例えば、すでに大きく成長した会社の代表の方が発言いただくのもとても素晴らしいことなんですが、正直ステージが全然違う会社だったりします。出だしはスタートアップだったかもしれませんが、スタートアップの意見を代表しているかと言われると、必ずしもそうではないですよね。

和田:そうなんですよね。だからやっぱり新たな団体が必要だと思いますね。

政治家とのつながりの作り方

砂川:では次の質問です!
「もともとつながりがない場合、政治家とコミュニケーションするためのチャネルの作り方はどうすればいいのでしょうか?」

和田:これは難しいですね。ないものをどうしたらいいかということは分かりませんが、例えば、私と砂川さんみたいにたまたま三菱商事の同期で、このように仲良くさせてもらっているというのがあるので、人間関係をとことん使い倒して頂けたらなと思います。僕も別に砂川さんとお友達でないと、お付き合いしませんみたいなケチなことは言いませんから、気軽にお声掛けいただいて構いません。逆に自分の身の回りに「こういうことやりたいんだけど、政治家の知り合いいない?」という方がいたら、和田という政治家がいるよということを言って頂いても構いません。

砂川:ありがとうございます。今日はまさにそれをやるための会だと思っていて、最終的には和田先生ではなくてもいいと思うんですが、和田先生みたいな方とのつながりの場として、皆さんにご紹介させて頂いています。

「スタートアップが関与していない、スタートアップの会議」への問題意識

砂川:次の質問です!
「スタートアップ推進議連では具体的にどのような取り組みをされていて、そのなかでスタートアップはどのように関与されているのでしょうか」

和田:スタートアップは関与していないですね。ただ、片っ端からスタートアップの方々に来ていただいて、その場でご要望を述べていただいて、それに対してアドバイスできることはアドバイスをする。議連として政府に要望活動する場合は要望活動をするといったことをやっています。

砂川:なるほど、ありがとうございます!その辺りについて少し補足をさせていただければと思うんですが、僕も実はこれについて問題意識をもっていて、「スタートアップが関与していない、スタートアップの会議ってなんぞや」といつも思っていたんですね。先ほども言った通り、スタートアップの話を聞く時に、皆さんベンチャーキャピタル協会に意見を聞きに行くんですよね。それって一部利益相反する可能性があると感じていて、今はあくまでもアイデアの段階なんですが、スタートアップに関与している人だけが入れる、一般社団法人スタートアップ協会みたいなものを作って、そういうところから政治にアプローチできればいいんじゃないかなと思います。

スタートアップが活躍できる環境に向けて

砂川:では、最後にスタートアップの方々に向けて一言よろしいでしょうか!

和田:改めて、今日は貴重な機会をありがとうございました!正直まだまだ政治家の中でも、スタートアップに対する認識が不足していますし、スタートアップの支援というのはまだ始まったばかりだと思います。そういった意味では、スタートアップ支援のお役に立てるような政治の体制を構築していく必要があると思います。皆様のお知恵やアドバイスも必要になってきます。ですので、力を合わせてスタートアップがより活躍できるような環境を作っていき、個々の良い商品、サービス、技術が日の目を見て、そこにちゃんとお金がついてきて、事業をやっている方もハッピー。商品・サービスの利益を享受する人もハッピー。そういった日本を作っていけたらなと思います。これからもどうぞ引き続きよろしくお願い致します!

砂川:和田議員、本日はありがとうございました!

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イベントレポートは以上です。

以下に、イベント開催日以降のスタートアップに関する政策の動向を2点まとめました。関連したイベントの開催も予定しております。
ぜひご確認ください!

イベント開催日以降のスタートアップに関する政策の動向

①自民党の提言に「未上場株のセカンダリーマーケット創設」が盛り込まれました

今年3月末に自民党の提言に「未上場株のセカンダリーマーケット創設」が、自民党の提言に盛り込まれました。

代表砂川のTwitterでの投稿


②経済産業省から「スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス」が公開されました

今年4月に、経済産業省から「スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス」が公開されました!

『スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス』とは?
未上場時からIPO後までを通じた11の課題とその課題に対して検討すべきポイントを各項目ごとに、有識者の意見をとりいれながら解説したガイドラインです。
イノベーションの担い手となるスタートアップのさらなる成長を後押しするため、ファイナンスの全体像を提示し、経営者やCFOが長期的な成長イメージを持って頂くことを目的とし、スタートアップファイナンスの全体像を解説しています。

【6/16開催】Smartround Academia特別編『スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス』解説

スマートラウンドは、本ガイダンスをより多くの方に活用いただきやすくするため、その内容を解説する「Smartround Academiaの特別編」を開催いたします!
イベントでは、ガイドラインを策定した経済産業省 経済産業政策局の安藤氏、委員を務めたシニフィアン共同代表の朝倉氏、アドバイザーを務めたスマートラウンド代表の砂川が参加いたします。

【こんな方へおすすめ】
・スタートアップ経営者の方
・スタートアップ支援者の方
・スタートアップファイナンスに関心がある方

【プログラム内容】
17:00-17:15 安藤氏による『スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス』の概要説明
17:15-18:00 朝倉氏・安藤氏・砂川による各項目の解説

【イベント概要】
日時:6/16(木)17:00~18:00 
場所:オンライン開催
主催:株式会社スマートラウンド
共催:株式会社ファイナンス・プロデュース
お問い合わせ先:cs@smartround.com

▼申込はこちらから

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