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【職種紹介】消防設備士が語る「形が残らない仕事」のやりがい、そして、それを支える「ゆとりある生活」の話。

創業以来40年以上、株式会社テックビルケアは顧客のニーズに寄り添いながら、物件の保守管理を核に多様な事業を展開してきました。

今回は、テックビルケアの消防事業部でリーダーを務める牧野さんに、業務内容やお仕事の魅力についてお話しを聞きました。


牧野慎也 / 消防事業部 リーダー

前職では憧れていた空港消防士の職に就くも、労働環境の厳しさから転職を決意。直接的にも間接的にも人命を救うことに携われるテックビルケアに新天地に選び、現在は消防事業部のリーダーを務める。趣味はキャンプ・筋トレ・愛犬との散歩。

感じたのは「若い可能性」と「消防設備士のやりがい」

ーーまずは、簡単に入社の経緯についてお話しください。

実は当社に転職する前は、とある空港で空港消防士として働いていました。短い期間ではありましたが、その前も消防設備士として仕事をしていて、「どうしても消防士という職業を諦められない」という思いで一度消防士になり、その後テックビルケアへ転職しました。

ーーもともと消防の仕事をされていたんですね。

そうですね。もともと「人の命を直接守る仕事」をしたいと考え、消防士の仕事をしていました。今は、消防設備士の仕事は直接的にも間接的に人の命を守ることができる職業だと、魅力を感じています。

ーー差し支えなければ、消防士からの転職理由についても教えていただけますか?

実は空港消防士の給与制度は年次によって決まっているんですが、私の場合は32歳で空港消防士になったため、新卒くらい年齢が若い人たちと同じ、年齢や経験の割には低い給与水準でキャリアがスタートしました。

それでも憧れていた仕事だったので、給与には納得して働き始めたのですが、入社一ヶ月後に用意される予定だった寮が半年経っても用意されず、交通費も一部しか出なかったため、結果的に通勤時間の長さと労働時間の長さで体調を崩してしまい、退職を決意しました。

ーー転職先にテックビルケアを選ばれた理由はどういった理由でしょう。

私が見てきた限りですが、消防設備業界は年配の方々が多い会社がほとんどなんです。その中で当社のホームページを見て、「若い力」や「勢い」を感じました。これは、他の会社にはない特別な魅力でした。また、実際に電話で問い合わせをした際も、誰が応対しても明るく丁寧で、とても印象が良かったんです。

ーーそれでは、消防事業部の基本的な業務内容についてお教えください。

消防事業部では、7時45分から8時までの間に出勤と準備を済ませ、簡単なミーティングを行います。現場に出発する前に、行き先や注意点、気がかりなことなどを共有する時間です。例えば、特定の現場で気をつけるべきポイントがあれば、事前に確認しておきます。

8時半以降は各自が現場に向かいます。午前中から作業を開始し、12時に昼食、午後3時から4時頃に現場を終えて事務所に戻ってきます。戻った後は、その日に対応した現場の報告書や見積書をまとめて、5時から5時半の間に退社するというのが基本の流れです。

また、毎週金曜朝には「理念の共有」を目的とした全体ミーティングも行っています。会社の理念やビジョン、ミッションについて確認し、全員が再認識する時間です。理念をしっかり理解している人は会社全体のほんの数パーセントとも言われているので、浸透のための取り組みが欠かせないと考えています。

ーー消防設備の保守業務とは、一般の方が普段目にしない設備も多そうですね。

確かに普段は目にしない設備もありますが、例えば消火器や非常口の誘導灯など、誰もが目にするものを点検することも多く、特に注意して点検しています。

日常生活の中で消防設備を意識する機会は少ないと思いますが、有事の際には、説明書がなくても、誰もが消防設備を安心して使える状態を維持することを目指しています。

ーー具体的にイメージしやすい案件のお話しがあればお教えください、

例えばライブハウスなどでしょうか。火災発生時には非常放送が流れるものですが、ライブ中に音楽が大音量で流れていると放送が聞こえないですよね。

実はあのような会場は、非常放送設備が作動するとスピーカーの電源が強制的にオフになるような仕組みになっているんです。

スピーカーがオフになれば、たとえアンプが使われていても音が消え、非常放送が聞こえるようになるんです。こうして最終点検の際に、音響担当者の方と一緒にスピーカーが正常に復旧するかどうかを確認する作業は、非常に面白みや達成感があります。「自分にしかできないことをしているな」と実感しますね。

ーー現場への派遣人数は案件ごとに決まる感じでしょうか?

現場の規模に左右されますが、当社は主にグループホームやデイサービスといった施設を担当することも多く、これは比較的小規模です。そういった場合は、基本的に2~3名で動くことが多いですね。

ただ、大きな現場だと話が変わってきます。例えば、テーマパークなどにエネルギーを供給する施設や連続した大規模病院のような現場では、6~7名で対応することもあります。こういう場合は、知識のあるメンバーをリーダーにして、準備万全の体制で臨むようにしています。

ーー業務で重視している点や大切にしていることをお教えください。

「消防設備」というのは、普段動かない、使わない設備なんです。それを半年に1回、あるいは年に1回の点検で、「いざという時」に確実に作動するかどうかを確認する必要があります。それこそ普段は「お守り」みたいなものですが、非常時には適切な性能を発揮しなければいけません。そういう意味で、これは非常に重要な仕事だと感じています。

また、消防設備の点検は、「終わった後に形が残らない仕事」です。例えば消火器ひとつにしても、お客様には点検をしたかどうかが見た目では分かりません。ですので、形に残らない分、丁寧な対応によってお客様からの信頼を得ることが大事だと考えています。私は「当たり前のことを当たり前にやる」という信念を持って業務に当たっています。

新卒社員の成長を支える、段階的なサポート体制

ーー貴社で叶えられるスキルアップについてもお聞かせください。入社後に取得された資格などはありますか?

私の場合は入社前にすでに消防設備士の全設備と、電気工事士二種を取得していました。入社後には、定期報告で使う「防火設備検査員」「特定建築物調査員」、消防関係の業務で必要な「防火対象物点検資格者」を追加で取得しました。あと、業務上必須ではありませんでしたが、元々保有していた電気工事士二種からレベルアップするために、電気工事士一種も取得しています。

ーーたくさんお持ちですね…!取得にはやはり苦労されましたか?

これらの資格は講義を受けてしっかり学べば、比較的簡単に取得できるものです。しかし、電気工事士一種だけは別でした。二種だけでは対応できない高圧電流の作業にも対応するため、1年かけて勉強し、ようやく取得できたんです。これは大きなスキルアップになり、自信にもなりました。

ーーそこまでして、なぜ一種も取得されたんでしょう。

正直なところ、会社から求められた訳ではなく、ただ自分が、自分のスキルを高めたい、知識を蓄えたいという想いが強くて、意地で取りましたね(笑)

ーー素晴らしい向上心です。実際に、業務にも影響はありましたか?

例えば、自家発電設備の高圧領域を扱えるようになり、二種で扱える200Vや600Vよりも数倍高い、6600Vや7000Vの作業も可能になりました。今まで触れなかった高圧の配線や引き込み設備の整備に携われるようになり、業務の幅が広がったと感じています。

ーー新卒入社の方でも得られるサポートや、教育環境についてもお聞かせください。

新卒社員を対象にしたサポート体制について、消防事業部では、1年を4つの区間に分け、3ヶ月ごとに具体的な目標を設定し、段階的に成長できるようサポートしています。

例えば「火災受信機の操作」や「マンションの点検完了までの独立作業」など、現場での技術習得が中心に組み立てられています。

また、各新卒社員には専任のメンターがつき、3ヶ月ごとの進捗を確認します。目標達成が難しい場合は、現場での作業内容を調整しながら、着実にスキルアップが図れるようにしています。こうした取り組みにより、新卒社員の自立をサポートすると共に、チーム全体のスキル向上も目指しています。

人生の価値が向上する、ゆとりのある労働環境

ーーそれでは、牧野さんが思う会社の好きなところや文化についてお話しください。

やはり自分の時間や休暇の充実度だと思います。私自身は中途で入社しましたが、同業界の様々な企業の実情を理解した上で、当社に転職した際、本当に驚いたのは完全週休2日制が実現されている点ですね。

ーーそれは業界的にも珍しいのでしょうか。

かなり珍しいと思います。前職でも土日出勤が当たり前で、毎日夜の9時まで働くのが常でした。

しかし、当社では2025年までに完全週休2日制を達成する目標を掲げていたにも関わらず、実際にはそれを前倒しで2023年に達成したんです。そういった改革のスピード感も、若い社員にとっての魅力の一つだと思います。

ーー前職に比べて労働環境が改善され、生活はどのように変化しましたか?

自分の時間が増えることで、仕事の量が減り、休暇が充実している分、生活の質が向上しました。結果として、働く時間が短くても給料が変わらないため、「人生の価値」が上がったと実感しています。家族との時間や趣味に使える時間も増え、月曜日からすっきりした状態で仕事に臨めるようになりました。

さらに、有給が取りやすい仕組みも整っていて、必要なときに家族との時間を確保できます。また、会社として、男性・女性関係なくどんどん育児休暇を利用してほしいという方針で、私自身も取得しました。

ーー素晴らしい取り組みですね。現在はプライベートで何をして楽しまれていますか?

実は昔からキャンプが好きで、自然の中で過ごす時間を楽しんでいます。あとは、体を動かすことも好きで、ジムで筋トレをする感覚で格闘技のジムにも通っています。それに、犬も飼っているので、犬の散歩をしながら何も考えずにダラダラする時間が大好きなんです。

ーーありがとうございます。それでは最後に、どんな方と一緒に働きたいと思いますか?

やはり仕事柄、チャレンジ精神は常に必要だと思います。私たちは様々な設備を扱っているので、その構造や仕組みについて理解し、消防法の知識なども学ぶ必要があります。チャレンジ精神がなければ、挫けてしまうこともあるかもしれませんが、それを乗り越えれば、自分のものにできるという実感が得られると思います。

自分の知識と技術で点検できるようになると、設備を扱う楽しさが増してきます。自分が点検した建物を通りかかった時には、「自分が守っている場所なんだ」というやりがいを感じることができます。

そういった、安全を支えるやりがいに共感していただける方と、ぜひ一緒に働きたいですね!


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