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ご縁でつながり、受け継いだ思い。世界に挑めるIPへの挑戦──AniTone代表が語る、新会社設立の思い

STPR & すぱすて(SUPER STATE HOLDINGS、以下SPST)の採用担当です。

私たちは2.5次元アイドルグループ「すとぷり」を生み出したプロデュース能力を武器に、世界のエンタメに新たな超大国(=SUPER STATE)を築くべくエンタメ360°全方位への挑戦をしています。

私たちをもっと理解いただくために、事業・サービス・メンバーなどを紹介させていただきます。

第2回はAniTone 代表取締役社長 中村剛之です。

2024年からはM&AやCVC事業を強化して以降、エンタメ超大国の実現、そしてエンタメ業界の更なる発展に向けて、数々の企業がSUPER STATE HOLDINGSに参画しています。2024年設立のAniToneもその1社です。

AniToneはSUPER STATE HOLDINGSグループと連携しながら、アニメ制作や音楽レーベル、番組制作、出版事業を展開し、そこから創出するIP(Intellectual Property)で世界中に最高のエンターテインメントを提供することを目指しています。

代表を務める中村剛之は長年、玩具メーカーのタカラトミーでキャリアを積み、「男児玩具ベイブレード」の新規立ち上げなどを担ってきた人物です。中村さんはなぜ、新たにAniToneを立ち上げることにしたのか。その裏側にある思いについて聞きました。


新たな挑戦をするためSTPRに。
「すとぷり」に感じた、新時代を作るIPの可能性

── AniToneを立ち上げるまでのキャリアを教えてください。

中村:多摩美術大学のグラフィックデザイン学部を卒業した後、玩具メーカーのタカラトミーに入社しました。もともと、アーティストになりたい思いを持っていたのですが、大学に通う中で難しさを感じ、ビジネスの世界でものづくりに携わることにしたんです。

入社後は商品企画・マーケティングを担当する部署に配属され、「男児玩具ベイブレード」の新規立ち上げや事業展開、アニメ化のほか、乳幼児・女児などの商品開発・IP・事業展開を担当しました。ベイブレードは初期の3人チームのメンバーの1人として、単におもちゃをつくることだけにとどまらず、“クロスメディア戦略”を掲げ、ゲームとおもちゃと漫画を組み合わせて、アニメ化までを見据えた上で事業の立ち上げを行っていきました。

ゼロの状態から立ち上げ、ありがたいことに“社会現象”と言われるほどのヒットを生み出すことができました。その後は乳幼児・女児向けの玩具づくりに携わることになり、カラオケを楽しめる「e-kara(イーカラ)」を開発しました。

そのイーカラも“クロスメディア戦略”を軸にビジネス展開していくことで、リリースから半年で80億円の売上を記録するほどのヒット作となり、前半のキャリアの頃は企画開発として商品づくりから“クロスメディア戦略でヒットさせることをやってきました。

後半のキャリアは、主に事業企画や子会社の経営などに携わっています。事業企画として、タカラトミーグループの中期計画の策定、事業分析、事業改善を手がけたほか、タカラトミーのグループ会社で子供衣料の企画製造販売を行う株式会社ティンカーベルの事業再構築を行い、事業分割と会社売却での建て直しも行いました。

その後は、グループ会社のタカラトミーアーツで事業戦略として、他社IPの取得、自社IPのアニメ製作委員会の立ち上げ幹事業務、自社IPライセンスなど幅広くエンタメ事業を経験しました。20年ほどタカラトミーでキャリアを積み、いろんな経験をさせてもらいました。

──そのままタカラトミーでキャリアを積んでいく選択肢もあったと思いますが、なぜ転職しようと考えたのでしょうか?

中村:タカラトミーはすごく良い会社でした。ただ、残りのキャリアを考えるにあたって、50代からもう1回新しいチャレンジがしたい、という意欲があったんです。まだまだ現場でモノづくりがしたい、IPをつくりたい、ヒットを生み出したいという思いが強くあったので、異なる環境に飛び込んでみようと思い、コロプラに転職しました。

ずっと玩具業界でキャリアを積んできたので、一度はソーシャルゲームの会社も経験してみたいという考えがあり、初めての転職先をコロプラにしました。入社後は『白猫プロジェクト』や『魔法使いと黒猫のウィズ』といったゲームのキャラクターコラボを実施したほか、これまでの“クロスメディア戦略”の経験を生かしてアニメ化の準備なども手がけました。

その後も充実した仕事を続けていたのですが、ある日、STPRが人材募集していることを知り「これはぜひ挑戦したい」と思いたち、結果STPRへ移ることに決めました。

──中村さんにとって、STPRのどういった点が魅力的でしたか?

中村:STPRが展開する2.5次元アイドルグループ「すとぷり」のことは5大ドームツアーをやってきたこと含め、「顔出ししない、話題のアイドル」として以前から知っていました。

これまでのキャリアを通して、IPビジネスに長く関わってきましたが“2.5次元アイドル”という新たな切り口にIPの可能性を感じていたのです。

具体的にはイラストや3D姿で配信するバーチャルだけでなく、生身のリアルもあることが面白いと感じていました。誰かがシナリオを書いて演じるキャラクターではなく本物が存在している。お客様(りすなー)の声を聞きながら新しいことに挑戦したり、反応を見ながら変化する。練習したり努力しながら新しいことが出来るようになったり、上手になったりする。

リアルタイムに成長するキャラクターなんて、これまで世界中のどこでも見たことない

SNS時代に登場した新しいアイコンであり、面白いクリエイター集団。

そこに自分がこれまで培ってきたIPやクロスメディアに関する知見やノウハウを提供することで、新しい挑戦をもっと支援できるのではないか。漫画化やアニメ化、映画化などすとぷりを求める声がたくさんあるところへの橋渡しが出来るのではないかと思い、2023年5月にSTPRに入社しました。

入社後はSTPRが保有しているIPのクロスメディア化を軸に映像や出版などに取り組んだほか、他社との協業を目的とした営業も担当してきました。

──2024年夏のすとぷり初のアニメ映画化『劇場版すとぷり』は中村さんの経験も活かせる舞台になりましたね

愛を持っている関係者・STPRスタッフと一緒だから実現できた挑戦

そうなんです。劇場版アニメは、ななもり。が数年前から構想し、海外進出を機に本格始動したものです。私がSTPRにジョインしたタイミングですでに進行しておりました。まず驚いたことは、この規模のアニメ映画を製作しているのに、STPRにはななもり。以外アニメに知見のあるスタッフが1人もいなかったのです!!

同時に業界でも前例の無い、すべてが初めての試みでしたのでプレッシャーも感じました。Vtuberや歌い手、2.5次元アイドルのIP作品化、アニメ化はどうすればいいのか。人間でもあるクリエイターのみなさんの魅力をどう引き出し、活かしながらどうやって物語に仕上げていくのか。普段の6人とは異なる姿だけど、本当の6人らしさはどう描くかなど試行錯誤の連続でした。

莉犬くんはこんなセリフ言わない!など。本人の動画や生配信を研究しながら、脚本やセリフを調整していく作業も2.5次元アイドルのクロスメディア化ならではの体験だったとも思いますし新鮮でした。

これまでの活動を踏まえてキャラや個性をちょっと分かりやすくするなどして、活動を以前から応援してくださっているりすなーの方にも楽しんでもらいながら、知らない方にも楽しんでもらうことを目指しました。生身のクリエイターのあり方と、アニメキャラクターではどうあるべきか、など監督さんチーム一丸で情熱を持って取り組んでくださいました

劇場版、コミック化、ノベル化含めて愛を持っている関係者・STPRスタッフと一緒だから実現できた挑戦です。

毎週更新される劇場版の記録に、業界初の挑戦の成功と、IP化への手応えを得る

結果として全国の映画館で上映され、りすなーのみなさまに応援されながら毎週、観客動員数や興行収入の記録を更新しながら伸びてきた様子に、すとぷりが新しいことに挑戦し、成長し続けるIPであること・唯一無二のIPになれることを証明する事例だと感じていました。

ただこれもまだ事例の一つです。これからもっとたくさんの挑戦や展開を発表していけると思います。

MAGES.の受け入れは、いくつもの偶然とご縁が繋がった運命的なもの

──2024年7月にAniToneを設立しています。どういったきっかけだったのでしょうか?

中村:設立の大きなきっかけは、MAGES.(メージス)が手掛ける事業のうち、コンテンツ事業と番組制作事業をSTPRの親会社であるSUPER STATE HOLDINGSに承継することが決まったことです。

MAGES.のコンテンツ事業は、新規IPの創出を筆頭に、多くのアニメ作品に出資・参画し、アニメ作品のオープニング曲、エンディング曲、劇伴の企画や制作、プロモーションを手がけてきました。

音楽コンテンツの企画や制作、販売までノンストップで行える音楽レーベル機能を持っており、原盤権や出版権を含む楽曲著作権管理などのノウハウもあります。さらには、出版社やゲーム会社、声優事務所等と深い関係を築き、映像コンテンツの制作や音声コンテンツの制作を手がける事業も手がけています。

私がSTPRに入社した際、ななもり。は「グループ内で、コンテンツの制作からプロモーションまで、一貫して実現できる体制に強化したい」と準備をしていたところでした。

MAGES.の受け入れは、いくつもの偶然とご縁が繋がった運命的なもの

MAGES.は多くのファンがいるので、ぜひ来てほしい、一緒になってほしいという会社は多くありました。当社だけが願って叶うものではなかったのです。しかし結果として当社がお迎えすることが出来ました。そこには偶然を越えて運命とも言える条件が揃っていた気がします。

MAGES.は2019年にMAGES.のKADOKAWAグループから独立し、2020年にIP創出力を見込まれて株式会社コロプラが完全子会社化していました。
コロプラは先に紹介した私の前職です。私には本件に関わる方々と当時からつながりがあり、直接相談できる関係性がありました。

またSTPR社内でもまさにアニメやゲーム領域に力を入れ始め、業界への理解や経験のあるメンバーが合流しつつあるタイミングでした。

何よりも、このお話がある前から、ななもり。は志倉千代丸氏さん(株式会社MAGES.代表取締役会長 作詞・作曲家・音楽プロデューサー・事業家)のファンで、すとぷりとして楽曲(リテラシー) も発注して関係もありました。

他からの受け入れのオファーも多数ある中で偶然が重なり、当社には先方と前向きにお話ができる流れが出来ていました。

結果として当社に承継頂ける方向でスムーズに進みました。

その後も、やり取りをしてくれていた担当者の方(小柳さん)も共感してくださり、AniToneにジョインして役員として力を貸してくださることになりました。引き続く御縁には大きな流れを感じざるを得ません。

偶然が重なりつながったこのご縁。MAGES.が積み重ねてきたものを大切にしながら、IPやアニメ領域を中心にSPSTグループを牽引していく挑戦を行っていきます。

──運命を感じてしまいますね。事業について、もう少し詳しく教えていただけますか

AniToneではコンテンツ事業と番組制作事業の2つの事業を受け入れました。AniToneはMAGES.が培ってきたアセットを活用しながら、アニメ制作事業音楽レーベル事業番組制作事業出版事業の4つを軸に事業を展開していく予定です。

アニメ制作事業に関しては、自社IPの創出はもちろんのこと、SUPER STATE HOLDINGSが保有するIPのアニメ化、すでに有名IPを保有する権利元と連携したアニメ制作を実施していきます。また、さまざまなアニメ作品への出資やプロモーション展開も行っていきます。

アニメ作品への出資については、2025年アニメ化予定となっている『アラフォー男の異世界通販生活』 へすでに出資しており、今後件数も増やしていければと思います。

音楽レーベル事業は、ゲームやアニメなど多岐にわたるコンテンツに関連する楽曲や劇伴の企画・制作・販売を手がけるほか、アーティストのマネジメントや音楽スタジオの運営、音楽原盤や音楽出版の管理などを展開していこうと思っています。
 
番組制作事業はゲームやアニメの配信番組、動画、ラジオ番組の制作など、番組制作に関わるすべてのプロセスをワンストップで提供します。

出版事業はコミックやノベル、WEBTOON(フルカラー縦スクロールコミック)の企画・制作・プロデュースを行っていきます。

MAGES.の強みはゼロからIPを創出できる点にあります。私および当社グループがこれまでに培ってきたクロスメディア戦略のノウハウなどを注ぎ込むことで、より規模の大きなビジネスにしていけたらと思っています。

──最後に今後の展望についても教えてください。

運命感じるご縁で得たチャンス。
全てを活かして、世界に挑戦するしかない。

中村グローバルで戦えるIPを日本から生み出していきたいと思っています。日本発のIPを世界に広げていく手法はさまざまあると思いますが、日本の強みであるアニメーションが一つの核になると思ってますし、ウェブトゥーンも一つの核になると思います。

アニメ自体、アニメx音楽で、日本発・アジア発の作品が世界を席巻しているのはみなさんご存知の通りだと思います。

どうやって世界に通じるIPを生み出すのか、どうやって世界に届けるのか
AniTone、STPR、SPSTすべてのメンバーが、これまで得た経験と感覚の全てを投じて、日々考え挑戦し続けています。

アニメーション・音楽・出版は国境を容易に超えられ時代になりました。

数々の思いと歴史とブランド・作品。
それらを受け継いだ会社だからこそできる挑戦をしていきます。

アニメーション・音楽・出版で日本発のIPを生み出し、グローバル展開を実現させます。
これからの展開にぜひご期待ください。

中村 剛之 / Tsuyoshi Nakamura
株式会社AniTone 代表取締役社長 / 株式会社STPR セールス&クロスメディア本部長
1997年 多摩美術大グラフィックデザイン学部卒業後、現タカラトミー入社。企画/マーケティング担当。代表作は「ベイブレード」「e-kara」など多数。他、企業再建や売却、アニメ製作委員会立上幹事など経験。
2022年 株式会社コロプラに移りアニメ製作委員会・音楽制作渉外の統括。
2023年 株式会社STPRに参画し、セールス&クロスメディア本部 本部長としてIP戦略を立案推進。
2024年7月 株式会社AniToneを設立し代表取締役社長就任

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