社員インタビュー|目指すのは、ユーザーに支持され続けるプロダクト。〜ビジネス・プロダクト・ユーザーを繋ぎプロダクトバリューを最大化するプロダクトマネージャーの仕事とは〜
こんにちは!社員インタビューシリーズ第3回は、HashPaletteにてプロダクトマネージャーを務める大西 翔一郎(おおにし しょういちろう)さんにインタビューしました。
HashPaletteでのプロダクトマネージャーを選んだ理由や業務内容、一緒に働くメンバーについて語っていただきましたので、ぜひ最後までご覧ください!
プロフィール|大西翔一郎
2011年 九州大学大学院修了、TIS株式会社に入社。クレジットカード会社の基幹システムの保守開発を数年担当し、米国シリコンバレーの子会社TIS Venturesへ出向。Fintechを中心としたビジネストレンドのレポーティング・スタートアップ提携に携わる。帰国後、ブロックチェーン事業を推進する全社横断の部門に所属し、セキュリティトークンの事業企画などに携わる。副業では暗号資産・ブロックチェーンについての情報を公開するサービスにレポートを寄稿。2022年3月、株式会社HashPortに入社。現在はNFT事業を推進する子会社HashPaletteにてプロダクトマネージャーを務める。
ー入社までの経験を教えてください。
前職でのシリコンバレー駐在を終え、帰国後は新規技術×顧客の新規ビジネス創出を担当しました。当時はXR領域におけるペイメントサービスの企画立ち上げなどを行っていたのですが、元々はクレジットカードやFintechのリサーチをしていたこともあり、ブロックチェーンや暗号資産に興味を持つようになりました。送金手段として暗号資産はどう使われていくんだろう、だったり、DeFiが既存の金融サービスの代替になっていくのかなと、考えていました。
その後ブロックチェーン事業を推進する全社横断の部門に異動し、最後の2年間は、セキュリティトークンの事業企画を担当していました。
ーどうしてHashPaletteでプロダクトマネージャーの道を選んだのでしょうか?
私の最初のキャリアはシステムエンジニアからスタートしたのですが、ビジネスリサーチや、事業開発の仕事も経験した結果、『自分がプロダクトオーナーとなって自社プロダクトの開発をやりたい』と思ったんです。せっかくやるなら、スタートアップに転職し、前例がない事業や領域であっても、スピード感を持って世の中にプロダクトを出せる環境で挑戦したいと思い転職を考えるようになりました。
HashPaletteとの初めての出会いは、前職の時に仕事で参加したブロックチェーン関連の展示会でした。独自ブロックチェーンのPalette Chainの紹介を受け、「日本の市場・規制環境で戦えるとても良く考えられたプロダクトだ」と感銘を受けました。転職活動を始めたときに再びHashPaletteの会社名を耳にし、「あの時の会社だ!」と縁を感じましたね。
選考を受け、面接を重ねる中で、新しいプロダクトをどんどん世の中に送り出すアグレッシブさや、そのスピードの速さに共感しました。自社でブロックチェーンやウォレット、NFTのマーケットプレイスを開発したりと、技術基盤から自分達でプロダクトを出すという思考も魅力に感じました。
入社後も、前職では『では持ち帰って1週間後の打ち合わせで…』となるようなことをミーティングのその場で決断を求められたり、冗長な承認プロセスがなかったりと、私が求めていたスピード感がここにあると感じました。
裁量が大きい分責任も伴うのですが、業界、事業ともに新しい挑戦をしているわけなので、検討を重ね判断した結果の失敗であれば変に責められることはありません。少しの勇気があればいろいろな挑戦ができることは非常に刺激的な環境だと思います。
一緒に働くメンバーについても、全員がモチベーションを高く保ち続けるのは簡単なことではありませんが、HashPaletteに入社する方は、この事業がやりたい!という熱い想いを持っているので、こういった志の高い方々と働くことができるのは、これまでにない経験ですね。
ー大西さんの業務内容や役割を教えてください!
プロダクトマネージャーとしてNFTマーケットプレイスのPLT Placeをはじめとするプロダクトのマネジメントを担当しています。
具体的にはスクラム開発におけるプロダクトオーナーの役割です。エンジニア・デザイナーで構成されるスクラムチームに入って開発の要件出しと、その優先度の決定をしています。開発要件が決まったらエンジニアがコストを見積もることができるので、ビジネスバリューとコストを天秤にかけながら、開発優先度を考えていきます。
要件を決めていくにあたって当然ビジネスサイドの要望を実現することが重要ですので、ビジネスサイドのミーティングに出ることは頻繁にありますし、認識齟齬がないように密にコミュニケーションをとっています。
要望を深掘りすると、実はやらなくてもいいことだったり、別の方法が適している場合もあります。「これできませんか?」という要望は多くありますが、「なんでやりたいのか?」を突き詰めると、実はやらなくてもいいことだったりするんです。そういうところを解き明かして人的資源が最適に配置されるように気を配っています。こういった部分は、前職のシステムエンジニア時代のクライアントワークの経験が活きていると思っています。
最終的には出来上がったものを受け入れテストし、問題がなければリリース承認し、実際のプロダクトとして世の中に出すところまでを担当しています。
ープロダクトマネージャーとして苦労したポイントはありますか?
私が入社したタイミングではエンジニアサイドとビジネスサイドを繋ぐ役割の方がいなかったので、単純なコミュニケーションでも苦労している様子でした。お互い自分達の言語でしか話すことができてなかったので(笑)。「助けてあげたいな」という気持ちになりましたね。
この点は新たなツールの導入や、意識的なことですが共通言語で話すことを心がけてミーティングを行うなど周囲のメンバーと協力しながら改善に繋げていきました。
また、入社当時にはなかったプロダクトロードマップを作ることも、大変なことの一つでした。プロダクトロードマップとは、開発するプロダクトがいつどのような機能的価値を提供できるようになるかを可視化したものです。やはり、プロダクトロードマップがないと、ビジネスサイドは不安になるんです。我々はスタートアップなので、プロダクトは当然完成形ではなく、ユーザーの声や市場トレンドを踏まえて徐々に機能が実装されていくことになります。今できていること・将来できるようになることが可視化されていれば、ビジネスサイドは顧客に自信を持って説明・提案できるようになります。今できていることだけが可視化されている状態だと、提案の幅は限定的になります。特にアライアンスであれば同じ将来に向かって一緒に歩いてもらうような提案をすべきですし、プロダクトの将来像を可視化することは事業の成長にとって必要不可欠です。
また、ロードマップがあるからこそ、ビジネスサイドから不明点を質問してもらえますし、エンジニアサイドとしては「これはいつできる」「これはまだできない」と回答できるということで、会話の基準が構築できました。それにより業務が進めやすくなったと感じていますし、チームも徐々にいい方向へ変化していると感じますね。
ー一緒に働くチームメンバーについて教えてください。
現在は、私がプロダクトマネージャーですので、プロダクトの『What/When(なにを・いつ作るか)』を一任されていて、『Who/How(誰が・どのように作るか)』は、エンジニアにお願いしています。
とはいえ、プロダクトがユーザーにとって価値あるものであるためにはという点に関してはメンバーひとりひとりがしっかり考えて、チームで一体となってプロダクトを作る意識が必要です。お互いの立場や視点を想像しながら意見を言ってくれるメンバーの存在にとても助けられています。
もしメンバーが単純に言われたことをやるだけの人だった場合、HashPaletteにおいてもですが、スクラム開発を実践しているチームにはフィットしないと思います。理想的なプロダクトのあり方を、具体と抽象を行き来しながら、適切に解釈し周りと協力して行動できる人が今のHashPaletteに求められているような気がします。
また、ビジネスチームのメンバーに関してはプロ集団だと考えています。私がこの会社に入社するまで、ここまでWeb3やNFTについて深い知識を持ち、実務遂行能力がある人たちがいることを知りませんでした。
優秀なエンジニアチームとビジネスチーム、ユーザーに価値を提供するという目標は共通しています。それぞれの力を最大限に発揮できるように、プロダクトという圧倒的に明確な基軸で組織の目線を合わせることも、プロダクトマネージャーの重要なミッションだと思っています。
ー仕事の上で大事にしていることは?
”できないことはやらない”ということでしょうか。少しディフェンシブに聞こえるかもしれませんが(笑)。
前職のシステムエンジニア時代は、『顧客の要件を実現する』ことがミッションでしたので、それに対してできない約束をすることは、自分たちも顧客も不幸になります。特にクレジットカードというミッションクリティカルなシステムを扱っており、水も漏らさぬ厳密さを求められていましたので、常に慎重な判断を心がけていました。
例えば、上司から「これできる?」と聞かれて気持ちよく「できます!」と答えるのも良いかもしれませんが、スケジュールやタスク量をしっかり考慮して「できません」と言える方が大切だと思います。上司からすると、今から調整開始するのと、期日になって間に合わないことが分かってから調整するのとでは当然前者の方がいいですからね。プロダクト開発においては顧客やステークホルダーへ約束が実現できなければ、当然信頼を失うことになります。特に弊社のプロダクトは暗号資産やNFTのような資産性の高いものを扱っているので、金融システムと同様の意識が求められます。
一方で、仕事を進める上では、「やるべきこと」「やれること」「やりたいこと」の3象限があると思います。
忙しかったり、余裕が無くなってきたりすると、どうしても「やるべきこと」よりも「やれること」に考え方が寄ってしまい、ともすればビジネスバリューが軽視されるケースがあると思います。先程金融システムと同様の慎重さが必要と言いましたが、一方でスピードの早いWeb3業界でしっかりとビジネス機会を捉えるためには、アグレッシブに「やるべきこと」にチャレンジする精神も必要です。慎重さと大胆さのバランスを適切に取れる人が、今のHashPaletteに求められていると感じます。
ープロダクトマネージャーとしての今後のビジョンを教えてください!
もともとプロダクトマネージャーとして、世の中にプロダクトがしっかり出ていく企業で働きたいと思っており、それはPLT Placeをリリースすることができたので、すでに叶えることができたと感じています。
ただ、今はPLT Place自体に魅力を感じてユーザーに利用されているというよりは、PLT Placeで販売されているコンテンツに影響力があってユーザーに利用されているという印象があります。
販売されているNFTはもちろん魅力的なのですが、今後はPLT Placeというプロダクト自体の魅力をより高めていき、ユーザーの方に『このプロダクトがいい!』と思っていただき、日常的に使われて、継続的に収益を生み出せるよう、育てていけたらと考えています。