こんにちは!ゲシピ人事のNikoshiです。
今回は、2020年に「eスポーツ英会話®」のコーチ第一号としてゲシピにジョインをし、現在はCQOとしてサービスクオリティを支えるYasさんにインタビューしました🎤
CQOの就任から約一年半、どんな思いでゲシピに向き合っているのか。入社当時から現在までを振り返りながら、Yasさんの抱える葛藤や熱い想いを率直に語っていただきました。
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宗行 康裕|Yasuhiro Muneyuki
2015年に在住地のオーストラリアのGriffith Universityにてマルチメディア学部を卒業後、フリーランスでグラフィックデザイナーをしながら現地の大学病院で医療関係職に7年ほど勤務。2020年にeスポーツ英会話®︎のコーチ第一号としてレッスンを提供しながらカリキュラム開発に従事開始。2022年よりゲシピ株式会社にジョイン。2023年1月よりCQO(最高品質管理責任者)に就任。
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コーチ第一号として挑んだ試行錯誤の道。変化がもたらした新たな気づき。
── 入社当初はゲシピでどのようなことをしていたんですか?
正社員として正式にジョインする前から、一人目のコーチとして「eスポーツ英会話」の基盤作りに携わり、正式リリース後もCEOの真鍋さんと日々サービスの改良や改善に取り組んでいました。正社員になったタイミングからは、サービスクオリティの向上に向けた取り組みが本格的に始まり、真鍋さんと僕が中心となって、コンテンツの改善や新しいアイディアの試作に注力していましたね。
当時はレッスンを3〜4クラスを受け持っていましたが、現在は1クラスのみに絞り、そのなかで、仮説追求や新たな取り組みを進めています。コーチの仕事は事業構築の一環として重要だと考えているので、今後も続けたいと思っています。
── スタートアップらしい混沌とした状況から、eスポーツ英会話の方向性を固めて現在の形に至るまで、どのようなことがありましたか?
eスポーツ英会話を構築し始めた当初は、「ゲームを使って英語を教えるなら、こういう形であるべきだ」という自分なりの軸をもとに形を作りあげて行きました。ただ、自分のなかで方向性が完全に定まっていたわけではなく、どちらかというと「こういうものを作りたい」という思いが先行していました。
その後、事業の成長に伴い、真鍋さんがビジョンを具体化したことで、会社全体の方向性や目指すべき姿がより明確になったと感じています。「メタバース教育事業」や「グローバル展開」といった現在のビジョンも、当初はなかったと思いますが、コーチが増えたタイミングで具体的なイメージが固まっていったのではないかと思います。
僕自身も、多様なバックボーンを持つコーチが増えたことで、新しい視点や気づきがありました。そのなかで、全員が自分と同じ教育理念やスタイルでレッスンを提供することは難しいと実感しましたね。この経験を通じて、より幅広い方向性を見据えられるようになりましたし、それに応じてコーチの教育や育成、レッスンの内容も変化していきました。
この変化は、自分にとって大きな分岐点の一つになったと感じています。
未完成のサービスにかける思い。成長過程で直面した葛藤と歯痒さ
── その点はYasさんとしても大きな気づきになったと思いますが、苦悩や葛藤もあったのではないですか...?
僕は生徒たちのことが本当に大好きですし、愛しているので、レッスンにおいても「気持ち」がすごく優先的に出るんですが、彼らが笑顔で楽しんでくれること、そして一緒に楽しめることが、僕にとっての「愛」だと思っています。
ただ、「愛を持って教える」という感覚は人それぞれ違うので、それを言葉にして伝えるのはすごく難しいですね。
それに、後輩たちのなかには「仕事としての面白さや楽しさ」を重視してジョインしてくれたメンバーも多いと思うので、「子どもたちのために」という思いに対しては、温度差を感じることも少なくありません。
改めて「何のためにeスポーツ英会話をやっているのか」を考えたときに、僕は子どもたちの未来のためだと思っています。ただ、こうした考え方は、経営層やアーリーフェーズにジョインしたメンバーに限られる部分もあるかもしれません。この事業のポテンシャルや革命的な可能性を信じて時間や情熱を注いできたからこそ、思いに差が出るのは自然かもしれませんが、それでも葛藤する部分はありますね。
とはいえ、僕らがスタートアップの企業であることに変わりはありません。レッスン自体にも未開拓な部分が多く、たくさんの可能性が残っています。eスポーツ英会話を「完成されたサービス」として捉えるのと、「未完成のものをより良くしていこう」と思って取り組むのでは大きな差が出ると思っています。
もちろん、こうした思いを発信し続けることで共感してくれるメンバーも増えると思いますが、現在の組織構造や仕組みでは、その姿勢を行動に移すのが難しい部分があるのかもしれないので、その点に関しては少し歯痒さも感じています。
── 会社が成長しているからこそ感じる歯痒さですね。
そうですね。会社として掲げている夢や目標を達成するためには、物事を定量的に見ていく必要もあると思います。ただ、コーチの仕事は数値だけで測ることが難しく、「この生徒はよく笑うから、こんなアプローチで積極的に英語を使ってもらおう」といった感覚的な部分も多いです。
サービス水準を体現するためには、定量化する必要もあると考えていますが、eスポーツ英会話の本質は”人と人とのつながり”にあると思っています。積極的に英語を使ってもらい、その楽しさを知ってもらうことが大切です。そのためには、コーチ一人ひとりがスタートアップの一員としてレッスンを追求し続けることが重要だと思っています。
▶︎ 写真左:Yasさん/写真右:Akiコーチ
「苦手」を「好き」に。コーチという仕事が持つ大きな価値。
── eスポーツ英会話の本質について触れてもらいましたが、もう少し詳しくお話しを伺いたいです。
苦手意識を持っていたものを楽しいと感じられるようになることが、究極の価値だと思っています。これは人生における新しい発見や「やってみたらめっちゃ楽しい!」という感覚と同じだと思うんです。
その自然な体験が、実は社会にとってすごく役に立つことだと、本人たちは気づいていないことが多いんですよね。eスポーツ英会話では、無意識的に楽しい環境のなかで英語を覚えることができる点にとても大きな価値があると思います。
もう一つは、コーチとの信頼関係です。人と人とのつながりという話をしましたが、他の習い事ではあまり見られないような関係性がここにはあると思っています。当初掲げていた「近所の公園で遊んでくれるお兄さん・お姉さん」というイメージからは大きく変わっていないかもしれません。習い事ではどうしても「先生と生徒」の関係になりがちですが、ほどよい距離感で接することができていることは、eスポーツ英会話ならではの価値だと思っています。
他のコーチからもよく話を聞きますし、僕も実体験としてあるんですが、レッスン時にプライベートで嬉しかったことを報告してくれることがあるんです。それって、人としてすごく嬉しい瞬間ですし、関係性が築けているからこそだと思っています。
── なるほど。サービスはもちろんですが、コーチという仕事もとても価値あるものですね...!
生徒たちにとって英語が楽しくなる瞬間というのは、まさに”苦手なものを克服したとき”だと思うんですよね。その手助けをしてあげられることこそが、コーチとしての大きな価値だと感じています。”嫌いなもの”を”好き”にしてあげることは、その子たちの人生において、きっと忘れられない経験を提供していることになると思うんです。
例えば、初級から中級、上級と段階を経て英語が上達し、「もっと本格的に英語を学びたいから海外留学に行ってきます!」「海外の大学に進学します!」と進路を選ぶ生徒が出てきたとして、その道を切り拓くきっかけを作ったのがコーチだとしたら、それは本当に誇らしいことだと思います。
また、コーチとしての価値は、コーチ自身が等身大の自分を見つめることで、より明確になる部分があると感じています。苦手なことに挑戦したり、嫌いなものを克服したりすることって、大人でも難しいですよね。人生経験を積んできた大人でさえ難しいことのサポートができることは、コーチとして非常に気持ちのよい瞬間だと思います。
さらに言えば、この記事を読んでくださっている方々の思い出のなかにも、人生に価値を与えてくれた人、深く感謝している人がきっといるはずです。その”存在”が生徒たちにとっての”コーチ”であるかもしれないと考えると、少し誇らしい気持ちになりますよね。
僕は、コーチという仕事には、この業界におけるパイオニア的な価値があると強く感じています。eスポーツやゲーム関連の「仕事」というと、今でも限られた狭き門の世界ですが、その幅を広げているのは間違いなくコーチのみなさんです。かつて誰かが学校の「先生」という職業を切り開いたように、メタバース教育事業における指導者として新たな道を築き、開拓しているのがコーチのみなさんなんです。これは本当に素晴らしいことだと思います。
Yasさんのインタビューを通して、eスポーツ英会話の魅力やその本質、そしてコーチとしての価値がどれだけ深いものであるかを改めて感じました。また、未完成のサービスだからこその葛藤や挑戦があった一方で、それを乗り越えて成長していく過程がとても印象的でした。
次回の後編では、CQOの就任から約一年半がたった今、Yasさんが感じている課題や、今後ゲシピで実現していきたいことを深掘りしていきます。お楽しみに...!