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農場オペレーターとして特訓を経て研究開発メンバーに。子育てと両立しながら専門技術を磨くワークスタイルとは?

社員インタビュー第二弾は、研究開発センターのメンバーであり、ワーキングマザーとしても活躍されている辰巳さやかさん

辰巳さんは、まだOishii Farmのメンバーが10名程だった時に農場オペレーターとして入社。様々な業務の経験を経て、現在は研究開発センターのメンバーとして活躍されています。またワーキングマザーとしても活躍されているので、仕事のスタイルについてもお話していただきました。

ー まずは簡単にこれまでの経歴について教えてください

大学では医療技術を学び、臨床検査技師の国家資格を取得しました。同期は製薬会社の研究職や、治験関係の仕事に就いた人が多かったのですが、私は大学のベンチャー企業に就職しました。まずは食品の機能や効果を評価する臨床評価の仕事を担当し、その後は同じ会社で医療品の治験のモニターをしました。製薬会社が作った薬を治験する際に、病院と製薬会社の橋渡し役として、治験の説明、必要なデータ集めや治験のスケジュール管理などをしていました。

その後は病院に勤め、治験コーディネーターをしました。患者さんに寄り添い、どのようなデータをとって解析をするのか、と言った治験の説明をし、副作用を防ぐために血液データなどの変化を追っていました。食品関係でも医療関係でも、摂取することによって人にどのような変化が現れるのか、ということを観察する仕事に携わってきていました。


Oishii Farmに参画したきっかけは?

ー どのようなタイミングで渡米されたのですか?また、どのようなきっかけでOishii Farmに入社されたのでしょうか。

2016年に、主人の研究留学のために家族でアメリカに来ました。その頃は既に1歳になる娘がおり、2人目をアメリカに来てから出産したこともあって、最初の約3年間は2児の育児に専念していたんです。

Oishii Farmを知るきっかけとなったのは、2人目が1歳半になり、そろそろ仕事に復帰したいなと思っていたタイミングです。ある日、日本人の友達から連絡をもらいました。「ニュージャージーのカーニーに日本のイチゴの農園があるって今テレビでやっているよ!」と言うのです。カーニーは私が住んでいた場所でしたが、日本の農園がこの地域にあるなんて知りませんでした。その後調べてみたら、本当にOishii Farmという日本の農場があったのです。何度か調べていくうちに興味が湧いてきて、色々と検索していたら、ちょうど農場オペレーターの募集広告が出ていました。老若男女問いません、英語が苦手な方でも大丈夫です、というキャッチフレーズにも誘われて、自分にも出来るかもしれない、やってみたい、と思うようになったんです。

ー 調べていくうちに興味が湧いてきた、とのことですが、Oishii Farmのどんなところが辰巳さんの興味を引き付けたのでしょうか?

そのとき友達が見ていた日本のテレビ番組は報道ステーションだったのですが、CEOの古賀さんが植物工場を立ち上げて日本のイチゴをアメリカに広めようとしているその姿が、とても恰好良かったのです。アメリカでは外国人なのに、この外国の地で、日本のモノを信じてアメリカに届けようとするその姿勢に感銘を受けました。3年間アメリカに住んできて、フルーツ全般に言えることですが、特にイチゴは本当に美味しくない、と思っていました。私は、アメリカはこんなものだろう、日本農家の技術は際立っている、と自分を納得させていました。それなのに、この方はそれでは終わらなかった。だったら自分が広めよう、と踏み込んでいることに感動しましたし、面白そうだと思いました。

そのような経緯で応募したところ、採用して頂き、まずは農場オペレーターとして2019年4月から働きはじめたのが始まりです。

実際にどのようなお仕事をされていますか?

ー まずは農場オペレーターとしてOishii Farmに入社されて、どのような仕事をされていたのでしょうか

最初はひたすら植物の手入れ、栽培と収穫をしていたのですが、農場全体の管理が出来る人を育てるという企画が上がり、私と同じタイミングで入社した他の同期2人と一緒に、3人全員で数か月以内に1人で管理できるようになること、というミッションが与えられました。それは、植物の手入れをすることだけではなく、オペレーション計画や改善、肥料の調整や、水漏れなどのトラブルへの対応等、あらゆる対応力が求められました。当時はまだエンジニアが一人しかいない小さなチームでしたので、ドリッパーのチューブを取り替えたりと、細かいところまで自分たちで対応していました。

同じ時期に、今度は別のミッションで「自分たちで案を考え、何か実験をして、夏の終わりに報告すること」というお題が与えられました。まだ研究開発センターをちょうど立ち上げているようなタイミングでしたね。私は肥料の実験を選びました。肥料を変えてみてどうなるかの検証です。同期3人で、夏の間中、必死になって実験しました。今考えれば、他の同期2人は20代の男の子たちだったので、もう合宿の青春のようで楽しかったです。(笑)

ー すごい特訓ですね!次のミッションはなんでしょうか!

この最初の5か月の特訓期間を経て、今度は、メインの農場とは別にあるコンテナ農場を一人ひとつを担当するミッションを割り当てられました。これまでは、既存の農場を回すオペレーションでしたが、これからは一つのコンテナを各自が各自の思い通りに運営して、誰が一番美味しいイチゴを多く作れるかやってみる、ということでした。

データの管理、植物の成長状態やイチゴの糖度をよく観察しました。条件によってどのようなイチゴの結果になったか、3週間前の手入れに原因があったかもしれない、と因果関係を理解しながら、試行錯誤を繰り返す。例えば、同期と比べて、私は念入りに手入れしていたので、ぱっと見わたしのイチゴはとても綺麗。それなのに、隣の同期のイチゴはあまり手入れされていないように見えるイチゴの方が糖度が少し高い。「なぜ?私の方がこんなに手入れしているのに!」と思ったとき、「もしかして手抜きに見えて、わざと葉っぱを残しているな」ということに気づくのです。

このように、比較検証を繰り返し、同期とはライバル競争しながらも、話し合いながらより美味しいイチゴを作る方法を模索していきました。これを半年間ほどやったところで、入社して1年が経っていました。この1年間で、赤ちゃんの苗を入れるところから、実を付けるところまでの過程もすべて自分で経験しました。イチゴの成長段階によって手入れの仕方も変わってくるので、たくさんのことを吸収することができました。それはもう「自分の育てたイチゴが一番可愛い!」というほどイチゴに愛着が湧いてきますよね。


ー その1年間の特訓を経て、現在は研究開発センターで活躍されているのですよね。どのような仕事を担当されているのでしょうか

ちょうど研究開発センターに移るお話を頂き、農場運営から移行しました。研究開発は興味があったので、とても嬉しいお話でした。新しく移ってから最初に取り組んだのは、組織培養という研究室レベルで行うイチゴの培養でした。試験管やプレートの中で、米粒のイチゴから苗を育てていく。必要な技術を教えてもらいながら、練習を繰り返し、一人で育てられるようになりました。

また、研究開発センターに複数ある実験室の一つを使って一つの実験を担当しました。実験計画を自分で立てて、何を調査するかも考え、データを取って検証。肥料をリサイクルする実験を選び、リサイクルすることでどのような害があるか、色々な項目を調査し結論を導き出しました。

現在は、複数の実験室を持って同時進行しています。植物の変化を捉えるため条件を変えて、結果を見て、データを取る。葉っぱの色は変わっていないか、植物が弱ってきていないか等、日々研究を積み重ねています。チームメンバーがいるので一人ではないけれど、かなりの部分を任せてくれて、悩んだ時には的確なアドバイスをくれる。本当に上司に恵まれたと思っています。これまで学んだことの集大成として、実験に活かせています。


入社前に不安などはありましたか?

ー 入社されてから本当に激動の2年間でしたね!とても逞しく色々な分野に挑戦されてきていますが、Oishii Farmに入る前には不安などはありましたか?

まず、アメリカで働くのが初めてなので、英語の心配がありました。もう一つは、子育てをしながら働くことが日米合わせて初めてだったので、本当に共働きができるのか、という心配でした。

言語に関しては、最初に聞いていた通り、英語、日本語共に得意な方々がいたのでフォローしてもらえていたし、ゆっくり話してもらったり、同じ単語が出てきていることに気づいたので、案外やってみたらついていけるものだと思いました。最低限生活が出来れば良いくらいの英語力しかありませんでしたが、日常会話レベルでもなんとかなる、という自信がつきました。(笑) また、無理やりにでも、英語を話しているうちに慣れてきて、英語力も成長したと感じます。特に研究開発センターに移ってからは英語でプレゼンする機会があったりと、とても良い経験になっています。

子育てをしながら働くことに関しては、社内にパパは居ましたが、ワーキングマザーが他に誰もいなかったので理解してもらえるのか、という不安がありました。下の子がまだ1歳で夜中に何度も起きるような生活で最初はとても辛かったですが、それでも社内のみなさんにはとても理解をしてもらい、温かく受け入れてもらいました。みなさん子供がいないので想像することも難しかったと思いますが、残業をすることがないように仕事も調整もしてくれましたし、最大限の尊重をしてくれ、とても有難かったです。夏の実験をまとめあげる時には理系魂が出てしまい、かなり家でまとめていましたが。(笑)

ー 最近は社内に女性社員も増えてきていますが、ワーキングマザーとして、女性として働きやすい職場でしょうか

女性にも働きやすい職場だと思います。女性だからという理由で不利な思いや悔しい思いをしたことは今まで一度もないです。女性だからどうという発想になったこともないですし、性別をもって何かを判断をする人も誰もいないと思います。今となっては農業チームは半数近くが女性ですし、私のような小さい子供がいるママさんから、大きなお子さんがいるママまで、本当に色んなメンバーが増えてきました。

ー 昨年のコロナの時には、お子さんの保育園が閉鎖して大変だったのではないですか

コロナの時にも会社には柔軟に対応してもらいました。最初にコロナが悪化した時には、公立の学校が全て閉鎖してしまったんですが、そのうち私学の保育園も一斉に閉鎖。3-6月は本当にどうしようもなくなりました。農場管理も研究開発も、相手は植物なので、リモートワークには限界がありました。その時には、夫と半日交代で仕事に行くことで対応し、育児と両立させてもらいました。

6月に保育園が再開、9月に公立幼稚園も再開しましたが、11月にコロナ悪化によりすべてリモート授業に変更。リモート授業に対応してくれる保育園もなかなか見つからず、ようやく見つけたところは週3日のみでした。どうしても家で子供を見ながら仕事をしないとならない日には、リモートでデスクワークをしながら進めさせてもらっています。

会社によっては窮屈な思いをすることもあるかもしれないですが、引け目を感じることがないように、配慮してくれています。状況を理解して柔軟に対応をしてくれ、本当に有難いです。

ー Oishii Farmで働く魅力、面白さを教えてください

アメリカに来て、アメリカ人のママ友との交流しかなく、日本人と巡り合うことができていなかったのですが、Oishii Farmに入ったことで日本人の同僚と働くことができたり、日本人だけではなく英語で話せる国籍の違う同僚たちを得られたこともとても貴重な経験になっています。何よりアメリカで日本のイチゴを栽培することで日本との繋がりも感じながら海外生活を送ることができています。

また、社内には、最初の募集広告に老若男女とあった通り、色々な年齢の人がいるので、幅広い年代の方々とお話する機会も増えて、貴重な財産になっていると思います。年上も年下も関係なく、垣根なく和気あいあいと会話をしながら、お互い刺激し合いながら切磋琢磨しています。

これから挑戦してみたいこと、野望を教えてください!

ー これから挑戦してみたいことは?

これまで、色々なことを学ばせてもらい出来る限り吸収してきましたが、習得した技術だけでは研究開発としては不十分だと思うので、Oishii Farmでもまだ誰もやっていないことを自分で調べて自分で考えて、何か新しいことを自分で実験して提案していきたいと思っています。私が大学で学んできたことは医療で、農学部出身ではないし植物のことは専門家じゃないし…と一歩引いていたところがありましたが、そうではなくて、そろそろ自分で考える時期に来たと感じています。受け身ではなく、そろそろ攻めていきたいと思っています!

ー 最後に、こんな人と一緒に働きたい、というのがあれば教えてください

元々色々なことを知っている方とお話しているとヒントをもらうことができて新しい発想が広がるので、色々なことに興味を持って挑戦してきた人に、是非入ってきてほしいなと思います。

もちろん、これから挑戦したいと思っている人もです!挑戦してみて見つかることもたくさんあるはずなので、恐れずになんでもチャレンジしてもらえたら、会社にとっても利益になる発見が出てくると思っています。幅広く興味を持ってチャレンジ出来る人と働きたいです。

私たちがやっていることは新しいことなので、自分は専門家じゃない、ということは全く引け目に感じる必要がなく、専門分野ではない人も、きちんとスタートラインに立てる環境だと思います。むしろ、専門外の人の知識が役に立っていることも実際たくさんあるので、色々な分野の方々が一緒に挑戦している場所だと思います。

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