自分の能力や時間を、意味のあることに費やしていきたいと考える人は多いでしょう。当社CDO(Chief Data Officer)の半田豊和もその一人です。メガベンチャーであるDeNAでデータのプロとしてデータ分析や事業づくりの腕を磨いた後、その経験値を生かす次なるフィールドとして、ClipLineを選択しました。その理由と、プロダクト開発部がこれから目指すもの、その実現に向けて求める人材特性などについて紹介します。
<プロフィール>
半田 豊和 Toyokazu Handa
プロダクト開発部部長 兼 Chief Data Officer
自然言語処理技術・検索エンジン技術に強みを持つスタートアップ企業にてソフトウェアエンジニアを経て、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。ゲーム事業、オートモーティブ事業、ソーシャルライブ事業において分析基盤エンジニア、データアナリスト、AIプロダクトマネージャとしてデータ活用を推進。これらの業務を組織化した分析推進部を立ち上げ部門責任者を務めた。2021年3月にClipLine株式会社に参画、CDOに就任。データ活用によるビジネスとテクノロジー両輪での価値創出を担う。
社会インフラを支えるやりがいと、自社サービスへの憧れを抱いた20代
「常に目の前の組織の中であえて手薄なところを選んで身を置いてきました」
そう語るのは、プロダクト開発部部長兼CDOの半田豊和です。
半田は、独立系SIerでソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートし、DeNAを経てClipLineにジョインしています。現在CDOでもある彼がキャリア選択の上で軸としてきたことが、冒頭の発言。「組織が目標実現に向かう中で、今自分が何をすることが最も価値が出せて、組織が強くなるのか?」を常に考えてきたといいます。
半田「そうすることで、その領域では常に自分がそのチームの主戦力という状況になりますよね。そうやって前線でプレッシャーと負荷にさらされて得られるフィードバックが、仕事を面白くしてくれるし、自分の成長にもつながると考えてきました」
経済学部から未経験SEとしてキャリアをスタートした半田は独立系SIerで金融系の大規模受託開発を担当。ここで開発の基礎、デザイン設計、データベース設計などを学ぶことになります。
「社会インフラになるものを作るというやりがいがあった」と語る一方で、受託案件だけでなく、自社サービス・プロダクトを自分たちの手でつくりあげ、それを世に問うていくことへの憧れも感じ始めたのがこの頃。
その後、研究開発セクションに移り、そこでの新規事業がスピンオフベンチャーとして独立。半田もそちらに移ることになりました。そこでは研究開発、企画、アプリ開発、インフラ開発、広告最適化といったことまで、幅広く経験していきます。
半田「この時期が僕の社会人経験における大きな青春でした。いろいろなことに挑戦していく気持ち、仕事を楽しむメンタリティが培われたように思います。データ分析に携わり始めたのもこの頃で、データを扱う面白さを感じ始めていました」
大学入学からClipLine入社までを振り返る
メガベンチャーでデータ領域に注力。事業づくりの主体として幅を広げた30代
20代で幅広い業務経験を積んだ半田は、30歳直前になり転職。選んだのはメガベンチャーのDeNA。受託開発ではなく自社サービスを展開している点、それを大きくできるケイパビリティを持った企業であることが決め手でした。
ここで半田は、さらにデータエンジニアとしての経験を広げ、専門領域を確立していきます。データ分析基盤の構築、BI開発など、より事業に入り込みながらデータ分析を行い、施策立案~実行を繰り返す日々。
組織の中で求められている、かつ比較的手薄で、自分がバリューを発揮できる領域に身を置き続ける意識により、半田はその軸足をデータアナリストとしての役割に移していきます。経験値も溜まり、「事業や組織をつくっていく主体」として、社外への発信や勉強会の開催・参加も増えていきました。
半田がDeNAの中で最も印象に残っていると語るのがオートモーティブ事業の立ち上げです。タクシー配車サービスとして浸透した『GO』のもとになる事業を立ち上げました。
半田「タクシーは成熟産業で、DXの必要性があるにもかかわらず、規制やしがらみが多くなかなか進んでこなかった領域です。グローバルを見れば、自動運転といった技術的な進化や、Uberのような仕組みとしての変化があります。このギャップをテクノロジーで埋めていき、社会にインパクトを与えられる事業はやりがいがありました」
40代であえて新たな挑戦を選ぶ。惹かれたClipLineのポテンシャル
DeNA時代の同僚の誘いで、副業としてClipLineのプロダクト開発を手伝うようになった半田。40歳を迎えて、キャリアを改めて考え、自分たちで事業を企画し、構築し、推進していくこと、それによって世の中の役に立つことにもう1度チャレンジしようと決意しました。
ClipLineの事業は、これまで半田がやりがいをもって取り組んできた仕事に通じるものがあったのです。
半田「接客をはじめとするハイクオリティな日本のサービス業が、生産性という意味では非常に低い状態になっていて、人手不足も叫ばれている。ここをDXで改善していくことにはとても意味があると思えました。
さらに、自分がバリューを出せる領域でもあると感じられたのです。当時から展開していた動画型実行支援システム『ClipLine』(現『ABILI Clip』)に、自分が経験してきたデータ分析や可視化の知見を組み合わせたら、プロダクトとしての価値はもっともっと高まっていくのではないかと。
また、ClipLineの描く将来像の実現に向けては、さまざまなプロダクトを出していく必要がありました。それらがうまく機能するためにも、BIツールの開発やデータ統合などは大いに貢献できると感じ、正社員でジョインすることにしました」
ClipLineが手掛けるサービス『ABILI』の将来像は、「サービスプロフィットチェーン」の考え方をもとに描かれています。
「サービスプロフィットチェーン」とは、
従業員満足度(ES)が高まれば、商品・サービスの質が向上する→商品・サービスの質が高まれば、お客様満足度(CS)が向上する→お客様満足度(CS)が高まれば、より多くの商品・サービスが利用されて企業利益が増えるという全体の相互作用と循環の考え方です。
私たちは、この全体の流れをつなげ、PDCAを回すことを支援するツールとして、プロダクトやソリューションの開発を行っているのです。
半田の入社以降、『ABILI Clip』に加えて、多拠点ビジネス特化型経営ダッシュボード『ABILI Board』、顧客満足度調査・アンケートツール『ABILI Voice』、コンテンツ制作・施策実行支援『ABILI Partner』とラインナップを強化しています。
街を歩けばたくさん目にするサービス業のすぐ裏側に、自分たちのプロダクトがある
半田は現在、『ABILI Board』の開発、顧客提案、デリバリーまでを推進。『ABILI Clip』と『ABILI Voice』の開発チームのマネージャーも兼ねています。
半田が今、仕事をする上での楽しさ、面白さと考えることは大きく3つあります。
半田「1つ目は、日々、お客さんに提案しながら仮説検証をするそのプロセスです。具体的に何を作っていけばいいか、どんなものが価値あるデータ活用なのかなど、考え続けることは苦しいこともありますが、同時に楽しいところでもあります。
2つ目は、サービス業向けのプロダクトをつくっているということ。完全なBtoBプロダクトでは、生活者としての自分からは距離があるのですが、ClipLineがつくるのはBtoBtoC。飲食店や小売店など、街を歩けばたくさん目にするサービス業のすぐ裏側に、自分たちのプロダクトがあって、業務改善されていると感じられます。
単に市場規模や想定される売上規模だけを考えれば、もっと儲かる領域や事業はたくさんあると思います。ただ、少なくとも僕は自分の能力や時間を、意味のあることに費やしていきたい。その点で、生活者としての接点があるサービス業向けのプロダクトづくりはやりがいがあります。
3つ目は組織的な特徴です。ClipLineはスタートアップでありながら、比較的平均年齢が高く、落ち着いた雰囲気があります。浮足立たずに物事に取り組める人の多い環境は自分に合っていたと思います」
まだまだ事業はスタート地点。求めるのは推進力とお客様への想像力を持った人材
目下、半田が重点的に取り組んでいこうとしているのは、各プロダクト・ソリューションで収集したデータを統合して、サービスプロフィットチェーン全般を総合的に支えていく仕組みづくりです。会社として特に注力しているコンサルティング事業と、経営ダッシュボード『ABILI Board』を連動させることでさらに相乗効果を生み出すというミッションもあります。
描いている未来に対し、現在地はまだまだスタート地点だと半田は言います。『ABILI Clip』に『ABILI Board』が加わることで、新たな事業機会が生まれます。今現在多くの引き合いもいただいており、成長を今まさに始めたところです。
半田「お客様の業務改善や利益創出の役に立っている状態をつくること。これは僕らが描いている未来ですし、ClipLineはそこに対して価値を出せると思っています。今はまず、実例をもっと増やしていくことが重要です。将来的にはプロダクトの海外進出も見据えて、事業成長させていきたいと思います」
当社のミッションは「『できる』をふやす」。事業を通じて、人々の能力や価値の向上を実現することが存在意義となります。その実現に近づくためのツールとして各プロダクトがあり、半田をはじめとする開発メンバーは、1人でも多くの「できるをふやす」ことを考え、プロダクトを磨き続けているのです。
当社の開発メンバーは少数精鋭。自走できるメンバーがコンパクトな体制でスピーディーに動き、最大のインパクトを出すことが強みのチームです。
開発メンバーで実施したハッカソン 半田は後列左
ClipLineでは、技術的な熟練度はもちろん、「プロダクトを通じたお客様の成功」を心から考え、想像し、試行錯誤できることを大切にしています。
プロダクトを直接デリバリーするのは、当社CS担当者や、お客様自身。そうなるとエンジニアからは少し距離があるのですが、実際の現場を想像できるかどうかで、プロダクトの価値は大きく変わります。「これは現場でどう使われるのか」「これによってお客様の業務がどう変わるのか」。これらを常に問いながらPDCAを回す姿勢を重要だと考えているのです。
チームを率いる半田は「今後一緒に働きたい人」について、このように語ります。
半田「主体的に熱を持って推進していく、ある程度グイグイ進められる人がいいですね。僕たちがやりたいのは、世の中をデータの力で良くしていくこと。その実現方法にはいろいろな可能性があるので、今それを模索しながらあれこれ試しているところです。それが苦しくもあり、楽しくもあるポイントです。
サービスプロフィットチェーンを全面的に支えるためには、まだまだ歩き出したばかりのフェーズです。実生活に近いサービス業の課題解決に取り組むことに意義を感じつつ、お客様の成功を心から喜び、一緒に探索しながら楽しめる人と仕事をしたいと思っています」
最後までお読みいただきありがとうございました。
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