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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
CINRAから年始のご挨拶として、たくさんの素敵な方々の「言葉」を集めたコンテンツをお届けしています。よかったらぜひご覧ください。
→Words 2017 from CINRA, Inc.
さて、3回目の投稿となりました。 よろしくお願いします。
今回は、新年早々のホットなニュースについてです。
フィンランドでベーシックインカムの試験導入がはじまりました!
ベーシックインカムを試験導入、2千人対象 フィンランド -CNN.co.jp
ベーシックインカムとは、一定の金額が国から支給されるというもの。今回フィンランドが実施したのは、金額にすると毎月560ユーロ(約68,000円)、2年間の期間限定、対象者は失業手当か所得補給金を受給していた2000人をランダムに選ぶということで、あくまで試験段階のようです(こういうのをランダムに選んでしまえるところに何か大きな差のようなものを感じますが、、、)。
ベーシックインカムは、生活保護や失業手当と違って、就業しているかどうかや、収入の多さに関わらずもらうことができるものです。もちろん、社会保障が手厚い国家として知られるフィンランドの施策なので、これがこのまますぐに世界的に広がっていくとは思えません。実際のところは、「そんなことしたら財政を圧迫するし、そもそもみんな働く気が失せて、結果的に経済効率が悪化する」というネガティブな意見も多いと思います。「そんなこと、戦後の数十年ですでに結論出てるじゃん、またやんの?」と。
ベーシックインカム導入による経済効果?
では、ベーシックインカムの何がよいのか?
一般的には少子高齢化対策とか、行政処理が簡略化されることによる人件費削減と言われているようです。かなりデリケートなトピックでもあるので、それぞれの立場によってメリットやデメリットや賛否があるのだと思います。
たとえば、こんな人も出てきたりするんじゃないでしょうか。
「うまくいくかわからないけど、やってみよう」
→失敗しても生活ができなくなるリスクが減るため、チャレンジしやすくなる
「どれだけがんばってもつらいから、転職してみよう」
→退職・転職ハードルが下がり、人材の最適な配置が加速する
「そんなにお金いらないから、無理に働かなくてもいいや」
→つまらないと思っている(=生産性が低い状態)仕事が社会全体から減る
こんな風にして、ベーシックインカムが、「易きに流れる」のではなく、「その人がもつ力を最大に発揮できる場所にたどり着きやすくする」もしくは「好ましいライフスタイルを手にしやすくなる」ための施策として機能すれば、社会全体の生産性があがり、かなりの経済効果を期待できるかもしれません。
「本気で覚悟のあるやつはそんなものなくても動く」
的なマッチョな話しはさておき、可能性としては十分に考えられる話しです。
「働きたい人だけ働く」社会はくる?
昨年日本で起きてしまった過労・残業による悲しい出来事や問題は、日本社会がまさにこうした動きの逆を突っ走ってきたことが露呈されたという意味で、象徴的な年になりました(もちろんこの問題は、中小企業の経営者として、まったくもって他人事ではありません)。
そもそも、仕事をめぐる議論は、この5年くらいでものすごく増えました。「働き方」というワードを耳にする機会が急増したように思います。ただ、昨年までのそれと、今年以降のそれは、ちょっと質が変わるのではないかと思っています。
2016年までの「働き方」をめぐる議論は、これまでの大企業的な仕事観(学歴主義、年功序列、終身雇用など)のカウンターとして、ダブルワークや副業、地方移住とか、「労働の多様性(どう働くか?)」についての話しが多かったように思います。
2017年以降は、「労働の目的(なぜ働いているのか?)」についての議論が深まっていくように思います。
もちろん、これは労働時間の是正や人工知能などのテクノロジーによる仕事の代替・消滅などと切っても切り離せません。
会社も、個人も、「ご飯を食べるため」以外の仕事する理由を明確にすることで、働くことがより自発的なものになっていったり、規模の大小に関わらず共感するビジョンを持つ会社に人が集まりやすくなるという動きが、より加速しそうです。
そうした動きと、先のベーシックインカムの導入やテクノロジーによる仕事の代替がある程度進んでくると、そう遠くない未来に、「働きたい人だけが働く社会」がきちゃうかもしれません。ユートピア!
逆に、思いっきり資本主義的な見方をすれば、仕事を代替されなかった優秀な人・企業「だけ」がとびきり豊かになれる超格差社会の到来かもしれません。ディストピア!
どっちに転んでいくかは専門家の方にお任せするとして、労働環境どころか、「人間にとって仕事とは何か?」という定義が急速に変わっていることは明らかで、未来から見て「どこからその変化がはじまったか?」と考えれば、きっと2016年、2017年あたりになるんじゃないでしょうか。
***
さて、年末年始休みにありがちな、「(大して賢くもないのに)やたら未来を想像したがるマクロ欲求」をぶちまけてしまいました。こういうの、私だけなんでしょうか……。
ひるがえって、現実に戻ります。
今、2017年1月6日。
社内でみんな、バタバタと働いています。。
正直を申し上げて、現時点で、自分や自社がそうした変化をいち早くキャッチし、変化の先端にいられるかといえば、まったくもってお恥ずかしい状況です。
よく最終的には「自戒!」などを添えて謙遜で締める投稿がありますが、今回は残念ながらそのパターンではありません。
すでに先をいく先輩企業のみなさんにいろいろ教えていただきながら、これから、少しずつ着実に変えていこうと思っています。
本年もよろしくお願いいたします!
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Cover Photo by: Nariko Nakamura