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こんにちは、キャディインターン生の山口です。今回は、インターン生が聞く!キャディ社員インタビュー第9弾。エンジニアの山下裕晃さんにインタビューさせていただきました。
山下さんは慶應大学商学部卒業後、新卒でソフトウェアの品質保証を専門的に扱う、株式会社SHIFTに入社。SET(Software Engineer in Test)として活躍。開発サイクルの円滑化によるQCDの底上げが重要と考え、DevOpsエンジニアへとキャリアをシフト。その後、急速に普及しているAPI(Application Programming Interface)を自動テストで検査するサービスの企画・設計・開発リード・営業・サポートまで一貫して行い、サービスの立ち上げを経験。
2019年8月よりキャディへ参画し、現在バックエンドエンジニア兼DevOpsエンジニアとしてご活躍されています。今回は山下さんの転職の動機や現在の業務、また今後の展望までお話をお伺いしました。
本質的な課題解決のために全体最適を追求するDevOpsエンジニアへ
ーー本日は宜しくお願い致します。ファーストキャリアはエンジニアですが、実は商学部ご出身なんですね。
そうなんです。就職活動の軸として「誰かにとっての当たり前を守りつつ、構造的な問題を解決できる仕事がしたい」と考えていて、銀行や小売などの基幹システムから、アプリ、ゲームまで幅広いソフトウェアの品質保証を手掛ける株式会社SHIFTに就職しました。当初はクライアントの課題に対するコンサルティング業務を担当する予定で入社したのですが、なんと社長の鶴の一声で技術開発部に配属になって(笑)それが私とエンジニアリングの出会いでした。
最初に担当したのはSETという、システムの品質を検査するソフトウェアテストを自動化する業務でした。右も左も分からないところからのスタートだったため、とにかく自分で案件全体をこなせるようにコーディングからインフラ、ソフトウェアテスト技法まで勉強し1年後には案件を任せていただけるまでになりました。
エンジニアとしての基礎ができていく中で、テストの自動化だけでは、開発サイクル全体を改善できず、部分的なインパクトしか起こせないことがわかってきました。部分最適を幾ら積み重ねても全体最適には繋がらず、結果としてクライアントが求める本質的な課題解決には繋がらないと考え、開発サイクル全体を見てより本質的な課題にアプローチしていきたいと思うようになりました。そこでDevOpsエンジニアにキャリアシフトしたんです。
ーーDevOpsエンジニアですか。どのような役割を果たすポジションなのでしょうか?
DevOpsエンジニアは、顧客に届くプロダクトの価値を最大化するために、企画から開発、リリースを行い、顧客からフィードバックが返ってくるまでの時間を短縮することで改善サイクルを強くしていくための仕組みを作るポジションです。具体的には、それまでリリースサイクルが長かったのを、開発スタイルにアジャイルの考えを取り入れた上で、継続的にビルドやデプロイ、テストなどを短いスパンで行える仕組み(継続的デリバリー環境)を整えることで、常に細かくフィードバックを受けられる体制にしました。
このようにDevOpsの導入支援を行いながら様々な案件を担当する中で、全体のトレンドとして、より早く柔軟な開発を行うためにシステム自体を細かくして開発するマイクロサービスアーキテクチャーを取り入れようとしてしている会社が多いことを実感しました。この手法をとるために、細かい単位で開発されたシステム間で通信するためのAPIも普及していましたが、それに適したテスト手法が存在しない状態でした。そこで汎用的なAPIの自動テストツールを企画し、設計から、開発、運用、導入支援まで携わりました。導入を行うことで得た資金を使って開発を行い、サービスを成長させていきながら運用できるメンバーの育成も担当するなど、一つのツール・事業の立ち上げを経験することができました。
様々なクライアントの課題や要望を咀嚼し抽象化した上でどう開発に落としこんでいくべきかを考えたことに加え、企画からの一連の流れを経験したことで、エンジニアとしてだけでなくビジネスマンとしての成長にも繋がりました。
「面接後眠れなかった」自分の転職軸と完璧に合致したキャディ
ーーひとつの業務にとらわれない、様々な経験をなさったのですね。ではなぜ転職を考えられたのでしょうか?
より社会の構造的な問題を根幹から変えられる仕事をしていきたいと考えたのがきっかけですね。前職では最初、クライアントごとの課題解決をサポートしていました。サポート範囲を広げるためにサービスを開発しましたが、それでもまだまだ一部の会社の一部の業務だけを改善するという部分最適に留まっていました。しかし、それは元々の想いである「誰かにとっての当たり前を守りつつ、構造的な問題を解決する仕事」という軸には遠くモヤモヤを感じ、構造全体の変革を目指す事業に携わってみたいと考えるようになりました。
また当時、会社の方針として将来に向けて新たな領域に挑戦をすることより、軌道に乗ってきた事業をより広く届けることに重きを置いていました。既存の事業では先ほど述べていたような構造変革を起こすことが出来ないと考え、転職を決意しました。その後は「社会のインフラになれる事業」や「社会の構造的な問題を解決する事業」という視点で転職先を探し、基本的にBtoBの会社を対象に転職活動を行いました。
ーーなるほど。転職にあたって様々な業界を見ていらっしゃったと思うのですが、キャディへの決め手はなんだったのでしょうか?
面接の際、CTOの小橋とCEOの加藤それぞれに会ったのですが、面接が終ってからもその日は頭が興奮して寝れなくなったんです(笑) 他にも幾つか面接を受けましたが、あんなに鋭い質問をたくさん受け、頭をフルに使った面接はなかったためとても印象的でした。
キャディの事業モデルは製造業の発注者・受注者どちらかに偏るのではなく、製造業全体のポテンシャルを解放することをミッションにしています。狙っている市場も180兆円規模の巨大市場で世の中の広範囲に関わる業界です。まさに「社会のインフラ」や「構造的な問題の解決」といった自分の転職のキーワードに完璧に合致する素晴らしい事業モデルだと感じ、キャディへのジョインを決意しました。
ーー面接後眠れない、というのは強烈な印象だったのでしょうね。では入社されてからは具体的にどのような業務を担当されているのでしょうか?
最初は会社に価値を出せる業務ということで、CI/CD (ソフトウェアの変更を検知し自動でビルドやテスト、デプロイなどを行うことで常に本番環境にリリースできる状態にする開発の手法) や、IaC (実際にソフトウェアが動作する環境をコード化し、自動で構築可能にすることで再現性を持たせ、どこでも誰でも同じ環境での開発やテストを可能にする手法) をメインとしたDevOpsエンジニアを担当しました。前職のクライアントの中には、何年も技術的な負債をそのままにしてしまったことで上場など規模を拡大する際に苦労する会社が多くありました。自分がキャディで開発する際は、そういった負債を抱えないよう将来的に5~10倍の開発組織、機能拡張が行われても耐えられる設計をすることを心がけました。
現在はサプライチェーンの管理を行う社内向けプロダクトのAPI開発を行っています。この開発にも前職で培ったノウハウを用いて開発を行うことができ、自分の強みを活かせていると感じています。
製造業の調達、特にキャディが扱っている少量多品種の加工品市場では統一のルールがなく、一つの事象に対して複数のパターンが並行して存在している複雑な構造をしています。実際に現場でどのようなオペレーションが行われているのかイメージする必要があるため、現在はビジネスサイドと連携しながら、考え得るパターンを一つずつ洗い出し、知らない知識を常にキャッチアップしながら開発に取り組んでいます。
新たな技術にオープンだから、常にチャンスと学びがある
ーー前職の経験を活かした業務を担当されているのですね。働く環境としてのキャディはいかがでしょう?
キャディのエンジニアチームは、新たなツールや技術を勉強し、どんどん取り入れていこうというカルチャーを強く持っています。企業にありがちな予算や技術的制約がほぼなく、新たなツールや技術をオープンに取り入れられる環境です。周囲のエンジニアの方は皆さん経験豊富かつ勉強熱心な方々で、常に新しい技術の情報交換も行われています。新しいツール・技術を導入する分、開発フェーズを一つ進めていくだけでもとても難しいですが、新たな経験も多くエンジニアとしての学びも多いです。
ーー今後どのような挑戦をしていこうと考えていらっしゃるのでしょうか?
現在は開発など技術的なスキル向上に取り組んでいますが、今後は課題を解決できるサービスを作れる人になりたいですね。現在は課題を見つけて発言はできても、具体的な解決策となるプロダクトの設計には、まだ十分に時間を割けていないと感じています。今年度中には徐々にPdMのような仕事の機会もいただき、自分でプロダクト案の策定から設計、さらには技術力を活かした開発のリードまで全て行えるようなスキルを養っていきたいと考えています。
ーー最後にどんな方がキャディにフィットすると思いますか?
自分なりの強みを持ちながら、HRT(Humility, Respect, Trust)を大事にされている方ですね。キャディのバリューの中にも「至誠」や「一丸」といったチームワークを大切にする考え方があるため、HRTを大切にされている方は考え方としてフィットすると思います。また雰囲気は良いけど、ただ慣れあっている状態というのも企業として不健全であるため、自分の強みを持って主体的に動ける方と一緒に働けたら嬉しいです。
Photo by Yu Ueki