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「長期戦は覚悟の上」元ヤフーのプロダクトマネージャーが、Why を起点に“リアル×テック”で巨大な製造業の課題に挑む。

こんにちは。キャディインターン生の山口です^^

今回は、インターン生が聞く!キャディ社員インタビュー第5弾。プロダクトマネージャーの笹口直哉さんにインタビューさせていただきました。

笹口さんは慶応義塾大学法学部から新卒でSlerに就職し、常駐派遣のJavaエンジニアとして活躍。その後株式会社ミスミグループ本社に転職し、社内SE、そして事業部にて商品担当としてビジネスサイドを経験。ITとビジネス、両方の経験を活かしてヤフー株式会社に転職し、プロダクトマネジメントチームの立ち上げをご経験されました。

そして2019年6月、キャディのPdM(プロダクトマネージャー)としてジョインされた笹口さん。大手IT企業のプロダクトマネジャーから、なぜ創業2年目のベンチャーへ転職されたのでしょうか。笹口さんのキャリアの振り返りから現在の業務までお話をお伺いしました。

ビジネスを理解し、本当に必要な要件を定義できる人材になりたいと考えた

ーー本日は宜しくお願い致します。笹口さんは法学部ご出身ですが、ファーストキャリアがSlerだったんですよね?

そうなんです。新卒で独立系のSlerに就職し、お客様先に常駐して主にJavaやC#を使った業務システムのエンジニアリングを行っていました。学生時代は全くエンジニアリングの勉強をしていなかったので、コードを書くこと自体が本当に大変で。しかしプログラミングから実装まで行う現場を経験し、開発に必要な情報や、開発可能かどうかのあたりづけ、納期に対する開発スケジュールの見立てなど、エンジニアとしての視点を学ぶことができました。

しかし要件通りに開発してもお客様のニーズに合わず、何度も手戻りが発生したり、現場で「こんなシステムじゃ使えない」とユーザーの方に言われたことがあったんです。あくまで常駐派遣のエンジニアだった私は上流の要件定義には携われておらず、開発の仕方は知っていても、その要件がどうして必要なのか、その背景までは知らないまま開発していたことに気が付きました。そこできちんとビジネスを理解し、本当に必要な要件を定義できる人材になりたいと考え、縁あって機械部品の製造・販売を行うミスミに社内SEとして転職しました。

ーーなるほど。製造業との出会いですね。ミスミではどのようなことをされていたのですか?

最初は社内SEとして、海外の現地法人が使う基幹システムを担当しました。そのうち、基幹システムの刷新プロジェクトが立ち上がり、データ移行や現地法人へのトレーニング担当などを経て、システムリリース後には一人で全社のヘルプデスクを担当しました。

毎日数十件の質問を裁いても終わらないほどの質問量でしたが、この仕事を経験したおかげで、どの部署がどのようなことをしているのか、短期間で会社全体についての理解が進みました。

社内SEとして要件定義をしているうちに、「Whyの部分を知る」ためには「ビジネスサイドの視点」も身につける必要があると気が付いたんです。システム開発の多くは、例えばコスト削減や粗利の改善など、事業上の要求から発生します。当時の私はビジネス経験がなく、要件の背景にあるビジネスロジックを腹落ちして理解することができませんでした。その要件が正しいかどうかを結局は自分で判断できない、これでは背景をわからず開発していた頃と同じだと思い、ビジネスを経験するために事業部へと異動しました。

事業部では商品担当者として、自分が担当する商品について売り上げなどのKPIから、商品ひとつひとつの納期や品質不良の対策まで全責任を持っていました。子会社の工場で3カ月間、実際に旋盤を使って金属加工をした経験もあります。またある時は、どうしてもその日に商品が必要というお客様先に不良品をお届けしてしまい、急いで商品を東京から京都まで新幹線とレンタカーを使ってハンドキャリーしたこともありました。そういった「お客様第一主義」の姿勢はビジネスサイドの最前線でお客様と接していたからこそ得られた感覚だと思います。

ーーエンジニアの視点だけでなく、ビジネスの視点も得られたんですね。しかしそこからなぜヤフー株式会社へと転職されたのでしょうか。

30歳を迎えるにあたり、ふと自分のキャリアを考えた時、ミスミに関する知識は増えているものの、社会全体について学べていない、と焦りを感じたんです。働いていく中でミスミに関係すること以外も、広く深く学びたいという欲求が募ってきました。

そんな中、いわゆるテックは移り変わりがとても早く、ミスミで働いていた4年弱の間にもすごいスピードで新たな言語、技術が登場していたんです。そこでもう一度テックサイド、エンジニア観点を成長させることができる環境に身をおきたいと考えるようになり、最新技術に触れることができる会社に転職することを決めました。

ーーそれで大手IT企業であるヤフーに転職されたのですね。

はい。ヤフーには検索広告のプロダクトマネージャーとしてジョインしました。実は私が所属した事業部には、プロジェクトマネージャーはいましたが、私が入るまでプロダクトマネージャーが存在していなかったんです。(一般的に、あるプロダクト開発おいて「What / Why」に責任を持つのがプロダクトマネージャー、「When / How」に責任を持つのがプロジェクトマネージャーと言われます)

入社当時、プロジェクトの機能要件だけでなく、中期計画やそのプロダクトのグロースに責任をもつプロダクトごとのマネージャーの必要性が高まっていました。そこで入社から10カ月が経った頃、私をリーダーとするプロダクトマネジメントチームが発足され、主務兼務合わせて合計14人のチームを率いることに。プロダクトマネージャーの役割を明確化するために他のマネージャー陣と話し合いを重ね、言語化し、それを社内へ共有することで社内でのプロダクトマネージャーというポジションを確立しました。

私が担当した検索連動型広告では、四四半期連続で売上の二桁成長を達成しました。その際エンジニアとしての開発に関する知識と、ビジネス側の売り上げ、グロースの見通しという2つの視点がとても必要であったため、前職までの知見を活かすことができました。

【IT×リアル】長く大変な道のりでも挑戦したいと感じた

ーー順調にキャリアを積まれている中で、なぜ転職を?

ある程度プロダクトマネージャーとしてチームも自分の仕事もオペレーションできるようになっていく中で、自分の成長にストップがかかってきている感覚があったんです。昇進の話もありましたが、仕事内容が当時行っていたこととさほど変わらないなと感じ、お断りしたんです。その時に、外に出ようと転職を決意しました。

ーー大手IT企業から製造業ベンチャー、かなり振れ幅が広い転職かと思うのですが、なぜキャディへの転職をなさったのですか?

大手ということもあり、既に完成しているプロダクトが多く、新規プロダクトの立ち上げを経験する機会がなかったんです。プロダクトマネージャーとして、できているプロダクトをより良いものに改善していく仕事もやりがいはありますが、経験として一からプロダクト開発に関わりたいという思いがありました。そしてそれができる転職先としてスタートアップを視野に入れていました。

ちょうどその時に、知人からキャディの話を聞いたんです。インダストリー4.0(第四次産業革命)のコンセプトに深く共感し、リアル × テックに常に関心があった私にとっては、製造業ベンチャーであるキャディの事業構想はとても興味深い話でした。

またミスミ時代に得た製造業に関する知見から、キャディの事業構想が実現できたら、本当にキャディのミッションである「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」を叶えられるとも思いました。しかし一方で製造業の受発注プラットフォームを作り上げるのはかなり長く大変な道のりであることも容易に想像できたんです。聞いた当初は、実現できたらすごいけど、たぶん無理だと思っていました(笑)

しかし実際にCEOの加藤とCTOの小橋に会った際に、「この二人は難しいといって諦めるタイプじゃないな」と感じたんです。確かに長く大変な道のりではありますが、諦めなければいつか辿り着ける道のりでもあります。製造業を相手にするということは「泥臭いことを愚直に改善し、これを繰り返し行い続ける」必要があり、その細かな作業に長期戦で挑んで行かなければならない。それでも、諦めずに青臭く理想を追い続けることのできる2人が経営者であればいつか必ず実現できると確信し、キャディにジョインすることを決めました。

難しいプロダクト・会社への影響度の高さ。だから真に自分の力が試されている

ーーなるほど。実際入社された後はどのようなことをされているのでしょうか?

現在はお客様からご依頼頂いた図面を見積もるための原価計算のプロダクトを担当しています。まだ開発中ですが、社内で行っている見積業務の効率を大幅に改善することを目指している重要なプロダクトです。

製造業のデジタル化を考えたときにネックになっていることの一つが、たくさんの異なるプロトコル(言語)が存在していることだと思っています。例えば加工法の中に「無電解ニッケルめっき」というめっき方法があるのですが、同じ意味の名前で「カニゼンメッキ」という言い方もされます。小さな違いですが、デジタル化においては共通のプロトコルであることが好まれるため、この複数の言語をルール化し統一する必要があるんです。こういった違いは製造業界の中にたくさん存在しているため、地道にそれらをつぶしてルールを考える必要があります。正解やお手本がなく、一から自分たちで考え実行に移していくプロセスを経験できます。私自身、コア部分から開発に関わった経験がないためとてもチャレンジングですが、その分やりがいも大きいですね。

ーー大手とベンチャーという規模の違う会社の中で同じプロダクトマネジメントという仕事をされていますが、キャディのPdM(プロダクトマネジメント)の特徴どんなところに感じますか?

経営者との距離が本当に近いと思います。大手だとどうしても経営者との距離は遠くなりがちですが、ベンチャーでは経営者と直接コミュニケーションを取りながらプロダクトを開発していきます。今回のプロダクトもそうですが、会社全体に関わるプロダクトの開発であるため、ひとつひとつの意思決定が会社に及ぼす影響度が高く、とても責任があります。だから自分の力を真に試される環境ですし、常に勉強をし続ける必要を感じています。

またIT化が進んでいない製造業界には多くの「前例がない」プロダクトの開発が必要です。だからこそ、PDCAを高速で回しトライアンドエラーを積み重ねていくことで、お客様にとってもパートナーにとっても真に役に立つプロダクトにしていかなければなりません。関係する要素がとても複雑な分、製造業界はチャレンジングな業界だと思いますね。

ーー最後に、どのような方と一緒に働きたいですか?

難しい挑戦なので、それを一緒に楽しめるような人と一緒に働きたいですね。技術が好きだけど、技術はあくまでWhatやWhyを達成するための道具であると考えられる人、かつそのWhatやWhyが難しければ難しいほどワクワクする人に応募いただければと!

Photo by Yu Ueki

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