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創業8年目、代表・大関が見据えるビッグゲートと地域活性化事業のこれから

震災をきっかけに石巻へ移住。そこから見えてきた地域の真の課題

ーーまずは、ご自身の経歴を教えてください。

千葉県出身の現在48歳です。株式会社ビッグゲートの代表の他、株式会社シカベンチャー(北海道鹿部町)の代表、一般社団法人全国道の駅支援機構の理事、そして先日立ち上げたばかりのみついしょうじ株式会社(北海道新ひだか町)、みさと産地型商社株式会社(宮崎県美郷町)の取締役を兼任しています。

ーービッグゲート創業までに、どんな経緯があったのでしょうか?

創業前は、株式会社CSK(現SCSK株式会社)をはじめ、複数のIT企業で営業として働いていました。大学も仕事も東京だったので、地方とはまったく縁がなかったのですが、2011年の東日本大震災をきっかけに地方へ行く機会ができたのです。2011年2月、日本アイ・ビー・エム株式会社(IBM)へ転職が決まり、ITを使って都市を効率的に運営するスマーターシティをつくるセクションで営業を行う予定でした。でも、3月に震災が起き、知り合いの石巻市の魚屋から現地が大変なことになっていると聞いて、5月に一緒に石巻へ連れて行ってもらいました。当時の石巻は、建物はほとんど壊れて更地状態、被災地を何とかしようといろいろな人達が全国から集まり、さらに国からは支援金が支給されていました。スマーターシティとして都市を新しく作り直すには条件の揃った場所だったので、IBMの石巻事業所を開設し、IBM社内からリソースを引っ張ってきていろいろ取り組み始めました。開始当初は、現地の人から「何しに来たんだ。用がないなら帰れ」と言われたりもしましたが、2,3年経って住民票も移し、地元になじみはじめた頃です。現地の実態を知れば知るほど、地元の人にとってはスマーターシティよりも魚が売れない方が切実な問題だとわかったのですね。そんな矢先、ふるさと納税制度を知りました。この制度を使えば自治体が地元の事業者から物を買えるし、困っている水産加工業者を助けられるのではと思い、2014年にビッグゲートを設立して地域活性化型ふるさと納税事業をスタートさせました。

ーー今、ビッグゲートではどんな事業を展開していますか?

創業時は、ふるさと納税制度はまだ一般的ではなかったので、取り組まれていないお客様に制度活用のご提案をしていました。現在はすでに制度を活用されているお客様も多いのでそうしたお客様向けに、コンサルティング及び自社開発の業務支援システムを活用した運営サポートをしています。それから、関連会社であるシカベンチャーなどを通して、道の駅の再生事業や一次産業支援などにも取り組み、ITを活用して地域課題を解決する事業を展開しています。

ICTの力で、未だ存在する東京と地方の障壁を低くしたい

ーーどのようなMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を掲げていますか?

ビッグゲートのミッションは、「ICTを活用して地域課題を解決し、地域を豊かにすること」です。今日、物流も移動手段も高度化し、日本中どこへでも行けるし、仕事ができます。地方が持っていたハンディキャップは昔と比べて相当小さくなっていますが、そのことを地方の人達が認識しておらず、メリットをうまく享受できていない現状があります。そこを弊社が、「こういうやり方をしたらうまくいくのでは」と提案して地域が豊かになる。これがビジョンですね。弊社が関わることで、東京と地方の障壁が低くなり、地方の人も引け目など感じることなく、地元に自信をもって普通に東京と地元を行き来してビジネスなどができる。それを実現させる会社でありたいですね。

バリューについては、「多様性」「人のせいにしない」「変わり続ける」、この3つを掲げています。「こんなこと知らないでしょ」といった上から目線の意識は相手に伝わります。まず相手を尊重し、違う考え方を受け入れて一緒に考えてくことができなければ、地方での仕事は務まりません。それから、人のせいにしないで自分達でビジネスをドライブしていかないと、人に提案するなんてできないので、自分達で何ができるかを常に考えるようにしています。また、同じ場所にとどまることはリスクだと思っているので、新しいことにどんどんチャレンジして変わり続けていくこと。これは、弊社の社風でもありますね。

ーー独自の社内ルールなどはありますか?

鉄壁のルールがあります。それは、ミスが起きた時に個人を責めないこと。罪を憎んで人を憎まずではないですが、責めたらミスを報告したくなくなって、責められる前に自分で何とかしようとするでしょう。そうすると、だいたい状況が悪化してしまうので、悪い報告があがってきても個人を責めない。報告してくれたことに「ありがとう」と言って、正確な状況を聞いて、その上で、対処の仕方をみんなで考えるようにしています。

ーー社員は、どんな方達ですか?

いろんな人材がいますが、自分のことは自分でコントロールできる、大人な人が多いです。自分に与えられた役割や仕事はしっかりこなそうとしますし、わからないことがあれば教えを乞う。そういったことがちゃんとできる人材が集まっていると思います。

資産は人以外に何もないような会社なので、彼らが一番いいパフォーマンスを出せるような環境を提供するのが僕の仕事です。

ーー目指す会社づくりについて教えてください。

社員にはよく伝えていることですが、永遠に続く会社はありません。うちの社員のほとんどは僕よりも年下ですし、彼らが定年退職するまで自分が現役ではいないでしょう。だから、会社というのは“場”だと思っています。もし会社がつぶれたり、本人が退職をしたとしても、彼らがその後も活躍していけるようにステージを提供していくのが会社であり、僕が彼らに約束できることです。社員も年齢を重ねていきますし、会社全体がステップアップして規模を拡大していかないと新しい仕事もできなくなってしまう。新しいことにトライして、社員全員に新たな場を提供し続けるというのが、結果的に会社の成長につながると思っていますし、それが会社づくりだと考えています。

それから、事業をやるためには人とお金が必要ですが、どんなに正しい事業でもしかめっ面でやっていたらだめですよね。みんなできゃっきゃと楽しくやって、「ちょうどいい所にきた、手伝ってよ」という方が一緒になれる。正しいことを正しく、真面目にいうことは誰にでもできます。いかにわかりやすく、楽しく行っていけるか。これも会社づくりにおいて結構大事なことだと思っています。

再現性のあるビジネスで、ポテンシャルを秘めた地方をより豊かに

ーー今後、どのように事業を展開していく予定ですか?

今まさに、いろいろ開発中ですが、ふるさと納税事業だけではなく、新しいサービスを作っていきたいと思っています。たとえば、各地の道の駅には共通の課題があるので、それに対して使えるソリューションを開発したり、リモートワークも使い勝手が悪い部分もあるので、自分たちがほしいと思うツールを作って提供などもしていきたいですね。

ビジネスでとても大事なのは、再現性です。提供する商品やサービスは、他に展開できるものでないといけません。弊社はシステム屋なので、その点にはこだわりがあります。だから、弊社では受託開発はしないんですよ。受託開発は同じものを作らないし、スケールもしない。まさに時間の切り売りなので嫌なんです。僕はもともとIT畑でソフトウェアなどを売っていましたが、ソフトウェアなんていうのは、まさに再現性の塊で収益性も高い。それが僕の原体験としてあるので、そういった再現性のある仕事をしたいと考えています。

ーー地方は、さらなる可能性を秘めていると思いますか?

事業者の立場でいうと、地方は可能性以外の何物でもありません。会社を運営するコストは都会よりも抑えられますし。昔あったような、距離による遅延や物流の時差、情報の不足など、そういったデメリットもありません。

東京にいる子達が地方に戻るっていう話は結構あります。地方は仕事がない、刺激がないという話がありますが、だったらちゃんと刺激のある、面白い仕事をやればいい。地域で道の駅を再生しますという事業があったら、まわりでやっていない面白い手法を使って再生をする。その事業責任者を任せるといったら、それはそれで面白いでしょう。なんだったら暖簾分けして仕事を渡したりすれば、地方を出てしまった優秀な子が戻ってくるかもしれませんよね。

安く仕入れて高く売る、知っている人が知らない人に売るなどもそうですが、差があるからビジネスが成り立ちます。今、東京都市部と地方の間で、知っていると知らないの差はありますが、それ以外の部分でだんだんとその差は埋まってきています。でも、まだ存在する差を見つけることができれば、ビジネスチャンスが生まれると思います。

ーーこれからのビジネス展開がますます楽しみなビッグゲートですが、どんな人に来てほしいですか?

健全な野心と向上心を持っている人ですね。たとえば、自分で将来事業をやりたいなど、チャレンジする欲を持っている人。役職としては、現地に行って事業を責任もってまわせるプロジェクトリーダーです。それから、素直で前向き、プラス思考で勉強好き。有名な会社の方が言っていましたが(笑)、それは正しいと思いますし、そういう人が来てくれたら最高ですね。

もし、うちに入ったら、今まで経験してきたことの3倍増しくらいの濃厚な経験ができると思います。責任をもってがんばって事業運営をしてもらいますが、失敗したら責任は僕がとります。これは僕の信念でもありますが、上に立つ人は責任をとるのが仕事ですから。

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