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リーガルブレイン構想とプロフェッショナルテックを推進する開発当事者に〝テックカンパニー〟弁護士ドットコムの魅力を聞きました
ユーザーと弁護士をつなぐプラットフォームとして、また法律相談ポータルサイトとして知られる弁護士ドットコム。実は、電子契約サービス「クラウドサイン」や「チャット法律相談(α)」「弁護士ドットコムLIBRARY AIアシスタント(α版)」など、最新技術を駆使して自社サービスを開発するテックカンパニーの顔を持つのをご存じでしょうか。今回はそんな弁護士ドットコムの中で、リーガルテックから他の専門家領域まで技術的に牽引する「Professional Tech Lab(プロフェッショナル・テック・ラボ)」を率いる市橋立と、エンジニアの伊藤嘉洋に、知られざる弁護士ドットコムの魅力を聞きました。
<プロフィール>
執行役員
技術戦略室長 兼 クラウドサイン事業本部副本部長
市橋 立(写真右)
2005年、東京大学大学院工学系研究科卒業。同年アクセンチュア株式会社に入社、戦略グループ通信ハイテク事業本部コンサルタントとして新事業戦略・事業戦略・マーケティング戦略の立案および業務改革支援などに携わる。起業を経て、2014年1月、弁護士ドットコムに入社。技術戦略室長として全社のエンジニアおよびデザイナーを統括し、2020年6月からクラウドサインのプロダクト開発も統括する。
技術戦略室
Professional Tech Lab
エンジニア
伊藤嘉洋(写真左)
複数の企業でサーバーサイド開発に携わり、2020年11月、弁護士ドットコムに入社。電子契約サービス「クラウドサイン」の開発を経て、2023年2月、Professional Tech Labの設立に伴い異動。異動から1年足らずの間に「チャット法律相談(α版)」と「弁護士ドットコムLIBRARY AIアシスタント(α版)」をローンチさせた功績により19期上期MVPを獲得。設計からインフラ構築、実装までこなすオールラウンドプレイヤー。
Legal TechからProfessional Techへ。生成AIの登場で広がる可能性
——市橋さんはどのような役割を担っているのですか?
市橋:
デザインやエンジニアを横断的に支援する技術戦略室の室長と、クラウドサインのプロダクト責任者、ここにいるエンジニアの伊藤も所属する「Professional Tech Lab(プロフェッショナル・テック・ラボ)」のマネジメントに携わっています。プロダクト戦略の立案と実行、技術選定や実装の支援が主な役割です。
——伊藤さんはいかがですか?
伊藤:
Professional Tech Labで、AI関連のプロダクト開発に携わっています。もともとはWebサービスのサーバーサイドエンジニアでしたが、弁護士ドットコムに入社して2年ほどクラウドサインの開発に携わるなかで、インフラ構築やフロントエンドの実装にも携わるようになり、Professional Tech Labに来てからは、AIや機械学習が守備範囲に加わりました。
——2人が所属するProfessional Tech Labについて教えてください。どんな組織なのでしょう?
市橋:
まず、Professional Tech Labの設立の経緯からお話しします。Lab発足の契機になったのは、2022年11月末に世界を驚かせたChatGPTの登場です。以前から社内ではAIの可能性を模索していたのですが、技術的な制約や限界が足かせとなりプロダクト実装に踏み切れませんでした。この状況を変えたのがChatGPTです。自然言語で膨大なデータから必要な情報を引き出せるChatGPTは、いまだ発展途上とはいえ大きなポテンシャルを秘めています。そこでいちはやくLabを設立し、具体的な活用法の検討に入ることにしたわけです。今後Professional Tech Labは、ChatGPTに代表されるLLM(大規模言語モデル)を活用し、プロフェッショナルの業務を革新するプロダクトをリリースする計画です。
——Professional Tech Labの「プロフェッショナル」とは、具体的に何を指すのでしょう?
市橋:
これまで弁護士ドットコムは主に弁護士や企業の法務部、税理士向けのサービスを手がけてきました。むろんそれは今後も変わりありません。しかし、ChatGPTに代表される優れた生成AIソリューションの登場によって、法曹領域以外へのサービス提供がにわかに現実味を帯びはじめました。従来、Legal Tech Labと呼んでいた組織をProfessional Tech Labに改組したのは、弁護士や企業の法務部に加え、税理士や医師、弁理士、ITエンジニア、Webデザイナー、ファイナンシャルプランナーなどを「プロフェッショナル」と位置づけ、サービスを提供するためなんです。
——生成AIは、高度な専門知識が求められる人々の仕事を奪うという話をよく耳にします。Professional Tech Labではどのようなアプローチで生成AIを活用するのですか?
市橋:
AIの発達が専門家の仕事を奪う可能性はあるとはいえ、数年ですべての職種がAIに置き換わるというシナリオは現実的とはいえません。生成AIのポテンシャルは計り知れませんが、技術的な限界により誤った情報を提示する可能性がいまだ残されている以上、専門家によるチェックは欠かせないからです。われわれが目指すのは、膨大なデータを扱うプロフェッショナルの業務の効率化や高度化であり、多大な時間と手間を要する作業からの解放です。ですから「専門家いらず」のサービスではなく、あくまでもプロフェッショナルをサポートするためにAIを活用していこうと考えています。
想像以上にテックカンパニー。それが弁護士ドットコムの本質
——伊藤さんとAIの関わりについて聞かせてください。
伊藤:
これまでサーバーサイドエンジニアとして、複数の会社で開発に携わってきましたが、Professional Tech Labに加わるまで、機械学習やLLMはもちろん、AIに関わったことはありませんでした。
——それは意外です。では市橋さんはなぜ、伊藤さんをProfessional Tech Labの創設メンバーのひとりに選んだのでしょう?
市橋:
クラウドサイン時代から、開発チームのなかでも信頼が厚く、幅広い技術に対する対応力や技術力の高さはもちろん、「どうやったら顧客に価値を届けられるか」という志向を持っていたからです。AIに関する経験がなかったとしても、伊藤ならきっとキャッチアップして成果を残してくれると考え創設メンバーに選びました。その見立てが正しかったのは、伊藤の活躍で、2023年5月に「チャット法律相談(α)」、9月には「弁護士ドットコムLIBRARY AIアシスタント(α版)」を続けてリリースできたことでも明らかです。半年の間に2つのプロダクトを出せるだけの実力の持ち主だからこそ、Professional Tech Labの創設メンバーに選びました。
——AIに関する経験がないなか、よくぞ2つものプロダクトをリリースできましたね。伊藤さんは未経験の領域を開拓することに対しては前向きなタイプなんでしょうか
伊藤:
そうですね。知らない技術を習得したり、探索したりするのは比較的好きなほうだと思います。いま市橋が挙げた2つのプロダクトは、弁護士資格を持つ社長の元榮と密に相談を重ねて設計、実装に取り組みました。使い手の心情や利用シーンを理解している当事者から助言を受けながらプロダクトづくりに携われるのは貴重な経験です。楽しみながら仕事ができました。
——エンジニアに限らず、多くの人たちにとって弁護士ドットコムは法律相談ポータルサイトや法律メディアのイメージが強いのではないかと思います。多少お堅いイメージがあるのですが、開発者にとってはどんな会社ですか?
市橋:
当社の事情をよくご存じない方からすると、非常に堅苦しい会社だと思われてしまうのですが、実態はかなり異なります。アジャイルやDevOpsを取り入れた開発を推進していますし、基本的にエンジニアは、フルリモート、裁量労働制のもとで働けます。ご覧の通り服装も自由です。就業時間の20%を興味関心のある領域に費やせるルールを利用して、技術的負債の解消やプロトタイプづくりに勤しむメンバーも少なくありません。そもそも弁護士ドットコムのミッションは『「プロフェッショナル・テック」で、次の常識をつくる』です。名実ともに先進的なテックカンパニーと遜色ない環境とカルチャーを備えていると自負しています。
伊藤:
私も入社するまではメディアのイメージが強かったのですが、入ってみると想像以上にエンジニアが多くて驚きました。輪読会や勉強会が頻繁に開かれていますし、成長意欲の高い人が集まっている印象です。エンジニアに限らず、デザイナー、プロダクトマネジャーを含めて自走できるメンバーが揃っているだけに、個人に与えられる裁量の幅もかなり広い印象があります。裁量が与えられていることで信頼されているなと感じますし、よりよいプロダクトをつくりたい人にとってもってこいの環境です。
——ちなみにProfessional Tech Labにはどんなメンバーが集まっているのでしょう?
市橋:
社内異動以外ですと、自社サービス開発に携わっていた方が多いですが、経歴はさまざまです。共通している点を挙げるなら「社会に役立つプロダクトの開発に携わりたい」「生成AIの可能性を追求したい」という方が多いですね。当社には、判例データのように他社が持っていない膨大なデータがたくさんあります。そこに惹かれて当社を選んでくださる方も少なくありません。
伊藤:
弁護士ドットコムはこの領域の先駆者でありリーディングカンパニーです。技術領域や担当分野にとらわれず、「やりたい」という熱意を評価して任せる風土がありますし、若手、ベテラン関係なく活躍できるチャンスもあります。弁護士ドットコムに非常に優秀な人たちが集まるのは、ここでしか携われない仕事を求めているからだと思います。
ますます加速する生成AIを活用したプロダクトのリリース
——伊藤さんも転職経験者ですよね。改めて弁護士ドットコムの魅力を教えてもらえますか?
伊藤:
新しい技術にチャレンジすることにためらいがないのは魅力です。長く同じプロダクトに携わっていると、どうしても利用する技術が固定化されてしまいがちですが、弁護士ドットコムはエンジニアの挑戦や前向きな取り組みを許容する懐の深さがあるので、成長意欲がとても刺激されます。今後も新たなプロダクトのリリースが控えており、習得すべき技術やキャッチアップすべき事柄も少なくありません。それだけにエンジニアとして働きがいある職場だなと感じます。
——市橋さん、今後の展望を聞かせてください。
市橋:
当社は「リーガルブレイン」という構想を打ち出しており、弁護士に向けた「Copilot for Lawyers」や、企業の法務部に向けた「Copilot for legal」や、一般の方々に向けてリリース済みの「チャット法律相談」など、幅広いターゲットに様々な法律サービスを展開していくことを考えています。それらを支えるのが、当社独自のデータも含めたリーガルナレッジと、生成AIなどを活用したプロダクト開発力の組み合わせです。
生成AIがブームになって「生成AIをどう使うか」というアプローチで取り組む企業もあるかと思いますが、当社の場合は解決したい課題が明確にあり、それを生成AIも含めた技術でどう解決するかというアプローチをとります。技術への興味はもちろん、それを用いてどう顧客課題を解決していくかに興味を持ったWebエンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーの採用に力を注いでいるところです。
——開発現場の最前線で活躍中の伊藤さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
伊藤:
社内には社長を筆頭に弁護士資格を持つメンバーもいますし、業界の黎明期から挑戦を重ねてきた歴史もあります。この環境を生かしてプロフェッショナル領域のさらなる効率化と高度化を実現したいという方に来てもらえたら嬉しいですね。新しい技術を試しては壊し、試しては壊しを繰り返すことでしか新しい常識は生み出せません。Webサービスの開発に携わった経験がある方で、この領域に可能性を感じてくれる方とぜひ一緒に働きたいです。
——市橋さんはいかがでしょう?
市橋:
社内にはAIや法律のエキスパートがすでにいますから、AIに関する経験がなくても、ドメイン知識がなくても構いません。われわれのアイデアをWebサービスとして具現化できる経験と能力がある方にきてほしいですね。2023年12月には企業の法務部向けの資料検索サービス「BUSINESS LAWYERS LIBRARY(ビジネスロイヤーズライブラリー)」がリリースされ、2024年は、次の新たなサービスのローンチが予定されています。既存サービスについても高頻度でアップデートしていきたいので、ひとりでも多くのエンジニア、デザイナー、プロダクトマネジャーが必要です。いままでにない事業を生み出したいと思う方、これまでにない利便性を備えたプロフェッショナル向けのサービスに携わりたい方、ぜひ一緒にチャレンジしましょう。