アンドパッドが新卒エンジニア採用 1 期生となるメンバーが入社をしたのは 2023 年 4 月でした。 それから 1 年、どのような成長を遂げたのか、アンドパッドの開発はどんな模様なのか、また就職活動ではどんなことを考えていたのか、 1 期生の中から高橋、神戸の 2 人と、メンターの市川が対談しました。
IT エンジニアを目指し、就職活動を行う学生の皆さんの参考になれば幸いです。
高橋 悠斗 thehighhigh
ANDPAD図面 開発チーム
大学では材料系を専攻し、マーク・ザッカーバーグの Facebook 起業ストーリーに惹かれ、起業とプロダクト開発を中心としたキャリアを選択。 大学卒業後、アンドパッドに入社し、現在は ANDPAD図面 開発チームに所属。
神戸 基貴 motokikando
ANDPAD黒板 開発チーム
大学・大学院で心理統計を専攻。 インターン先での受託開発業務からプロダクト開発に興味をもち、複数社でバックエンドエンジニアとしてインターンを経験。 大学院修了後、アンドパッドに入社し、 ANDPAD黒板 開発チームで経験を積む。
市川 夕貴 Icchi0425
ANDPAD黒板 開発チーム テックリード / 新卒入社者メンター
大学時代はインターンで iOS アプリを開発。 卒業後はゲーム攻略サイトや求人メディアでフロントエンドエンジニアとして活躍後、 2020 年 8 月にアンドパッドに入社。 ANDPAD黒板 のテックリードを務めるかたわら、エンジニア採用(中途と新卒)と育成に携わる。
プロダクト開発に興味をもってプログラミング未経験からエンジニアのキャリアをスタート
市川: 就職活動を詳しく伺う前に、お二人は学生時代は情報系専攻ではなくプログラミングは未経験だったと聞きました。 まずはプログラミングを始めた経緯から伺えますか?
神戸: 大学で教育系学部の心理統計を専攻していたこともあり、もともとはデータサイエンスに興味を持っていました。 研究の手伝いをする中で R や Python のプログラミング言語に触れる機会があり、ソフトウェア開発にも興味を持ち始めました。 そこから開発ができるアルバイトを探したところ、物流を専門とするスタートアップの募集を見つけ、受託開発のアルバイトを始めました。 そこで、 0 からサービスを生み出せるプロダクト開発の世界って面白い!と思うようになり、就職活動でもエンジニアを目指すようになりました。
市川: プロダクト開発からプログラミングに興味が湧いたのですね。
神戸: そうですね、そのアルバイトを経て、大学院に進学したころからプログラミングを本格的に始めるようになり、大学の講義も関連するものを受講していました。 またアルバイトも、 仕様書の作成や基本設計、 API の開発などを行うようになったり、 インターンでは旅行サイトの開発に携わることができ、社内の DevOps ツールの開発にも取り組みました。
市川: 一貫してバックエンドで、 DevOps 的な開発まで取り組んだのですね。 プログラミング未経験からの成長が速いですね! では、高橋さんにも聞きましょう。 高橋さんもプログラミング未経験だったんですよね?
高橋: 私も専攻は材料系だったので物理や化学の勉強がメインでした。 Python を授業で少し教わっていて、それで触ったことがある程度でしたね。
市川: では、なぜプログラミングを本格的にやろうと思われたのでしょうか?
高橋: もともと子どもの頃から自分が作ったもので人に喜んでもらうのが好きで、大人になったらそういう仕事ができるといいなとぼんやり思っていました。 大学一年生のときに、 「フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) 」(日経 BP 社刊) という本に出会い、マーク・ザッカーバーグの起業ストーリーを読んで、「自分も起業して、たくさんの人に喜んでもらえるものを作りたい」と思うようになりました。 それだったら自分でプロダクトを作れる必要があると思い、プログラミングをきちんと勉強しようとなったのがきっかけです。
市川: 高橋さんもプロダクト開発に興味が湧いて、プログラミングを始めたのですね。
高橋: はい。 しばらく独学で勉強していましたが、実際に業務で学ぶことの方が圧倒的に多いと聞いて、どこかでプロダクト開発のアルバイトができないか探したところ、専門職向けの転職サイトを運営する会社で開発の仕事に就けました。 その会社は Rails を主に使っていて、 1 年半ほどフルタイムでアルバイトをさせてもらい、 主には転職サイトの機能開発を行っていました。 他にも、求人票のデザインや内製の社内営業管理システムの開発など、幅広く任せてもらえて、プロダクトを作る力が身についていきました。 そこで、起業の意欲も変わらずあったので、今の自分でどんなプロダクトが作れるか試そうと、高校生向けの勉強の質問回答サイトをつくって、わからないところを写真で撮ると回答するよ、という Web アプリケーションを私と友人 2 人で思いつき、開発・ローンチしたりしました。
市川: いいですね! その高校生向け質問回答サイトはその後どうなったのですか?
高橋: ある程度使われてはいたのですが、オペレーションの設計が上手くいかず、マネタイズやチームのモチベーション低下など色々問題が出てきたので結局しばらくして閉じることにしました。
市川: なかなか苦いデビュー戦でしたが、学生時代に貴重な経験を積みましたね。
(高橋さん。 撮影はすべて hsbt)
アンドパッドの膨大なコードベースと優秀なエンジニアに圧倒されたインターン
市川: 続いて、就職活動について聞いていきましょう。 まずは就職活動で一番悩ましい企業の選び方を伺えますか?
神戸: 私の場合はプロダクトで業務効率化に取り組んでいる会社を軸に置いていました。 元々アルバイトなどで教育業界のアナログな部分に触れる機会があり、自分で行動を起こして業務効率化を進められる人になりたいと思っていたためです。 もう一つは就職活動中の時にまだまだ開発の経験が浅いと思っていたのでプロダクト開発全体のサイクルに携わりたいというのもポイントでした。
市川: 確かに受託開発の案件だと全体というより、スポットでの開発になることもありますものね。 高橋さんはどうでしょうか?
高橋: やはりプロダクトを作ることと将来的な起業へのこだわりがあったので、プロダクトが解決する社会課題が大きいことと、成長フェーズの企業であること、この 2 つが基準でした。
市川: お二人ともしっかり基準があって素晴らしいですね! そこからアンドパッドに決定されたのですが、なにが決め手になったのでしょうか?
神戸: 当時のアンドパッドの VPoE やエンジニアの方のお話を聞いたり、 Wantedly やテックブログの記事をみて、エンジニアのレベルが高く、プロダクト開発をもりもり進めていそうだと思えたことが大きなポイントでした。
市川: アンドパッドが会社として多くのアウトプットをしていてよかったです。 この記事も今度アンドパッドに就職を考えている学生の参考になればいいですね。 では、高橋さんの就職活動も聞かせてください。
高橋: 実は私の場合、起業を視野に入れていただけに、スタートアップのプレスリリースや資金調達のニュースなどをよく見ていて、アンドパッドのことは施工管理アプリで、日本で最大級のシェアがある企業ということでとても注目していました。 自分が就職活動を開始した時期にちょうど新卒 1 期生を募集するということを知って、即応募し、ほぼアンドパッド中心と言える活動をしていました。
市川: なんと、そこまで熱心なアンドパッドファンだったのですね。 とすると、他の企業への応募などはしなかったのですか?
高橋: 他にも自身の就活軸にあっていた2 社に応募しましたが、アンドパッドの内々定がもらえた時点で辞退して、就職活動を終えました。
入社前インターンで大規模開発を知る
市川: アンドパッド内定後には内定者インターンがありましたが、いかがでしたか?
高橋: 研究室の活動があったので、週 3 ぐらいでインターンをしていました。 ANDPAD検査 、 ANDPAD図面 という2 つのプロダクトのチームで開発をしましたが、 特に ANDPAD検査はこれまでに経験のないほど巨大なリポジトリ(ANDPADの基幹となっているリポジトリ)で開発されていました。そんな中でも先輩エンジニア方は影響範囲を考えながらも丁寧かつスピーディーに実装していて、その凄さに圧倒されたことを今でも覚えています。 さらにメンターとなった先輩エンジニアには、「 4 月に入社するまでにレベルアップするためにどうしたら良いか?」といった相談にも親身に乗っていただき、 「テスト駆動開発」(オーム社 刊)「SQLアンチパターン」(オライリー・ジャパン 刊) などの先輩自身の経験を踏まえたおすすめの本を教えてもらうなど、業務を経験するという点と自身の成長という両方の観点でとても有意義なインターンだったと思います。
市川: 確かにアンドパッドの開発規模はそうそう学生時代に見られるものではないですよね。 私も転職時はとても驚きました。 神戸さんはどうでしたか?
神戸: 私は リアーキテクティングチーム という、先程、高橋さんが話した巨大な Rails の長期的な技術的負債の改善を進める横断開発チームに入りました。 そこで初めて Rails を使ったのですが、様々なアプリケーションが共通で使う写真テーブルのリレーションを置き換える改善作業に携わりました。 それまであまり詳細にコードレビューをもらう経験がなかったのですが、コードレビューを通じて、開発に対しての向き合い方や自動テストの考え方、 Rails の良さを教えていただいたことは今でも活きています。 さらに、インターンをしていた年に、チームのメンターだった kei-s さんや makicamel さんが Kaigi on Rails 2022 に登壇しているのには驚きました!
(神戸さん)
プロダクトの成長を、自分でリードできるようになりたい
市川: 内定者インターンを経て、 2023 年 4 月にアンドパッドに入社されて、実際、開発に携わってみてギャップに感じることはありましたか?
高橋: 毎日の業務を通して、圧倒的なプロダクト志向であることが再確認できました。 かつ、技術志向も圧倒的に強く、神戸さんが入社前のインターンで感じたように、 エンジニア全員のレベルが本当に高いと思います。 普段使っている gem とかをみると、普通にアンドパッドの Rubyist がいるのでびっくりします。 またインターン前から感じていたことでしたが、 ANDPAD は業務アプリケーションなので、 ANDPAD のパフォーマンスや信頼性が密接にユーザーの業務に繋がっています。 情報メディアのような Web サイトの開発とはまた異なった視点が求められる、と感じます。
神戸: 私も同じですね。 いま所属している ANDPAD黒板 の開発チームはチーム一丸となってロードマップを達成するぞ! という同じ目標に向かっている部分がとても良いギャップだと思っています。 チーム内で PdM の方やデザイナー・エンジニアで同じ目標・目線をもっていて、取り組んでいる雰囲気がとても楽しいです。 また、自分はフロントエンドの経験がほとんどなかったのですが、 バックエンドの開発に続いてそのまま Nuxt にもチャレンジさせてくれたのも嬉しかったですね。そのおかげで視野が広がりました。
市川: いい方向のギャップがあってよかったです。 逆に悪い方のギャップもあれば ...
高橋: ネガティブと言えるかどうかはわかりませんが、入社した時点でアンドパッドは従業員数 600名 以上の規模だったので、開発フローや役割などがカチッと決まっているかと思っていました。 それが入社してみると、成長フェーズで日々たくさんの課題やタスクが生まれているので、いつの間にか落ちてしまったり所在があやふやなボールが多々ありました。 そのボールを拾い、推進する人がいることでよりプロダクトの成長が加速していっているので、新卒であれ古参者であれ、リーダーシップが求められるように感じました。
神戸: 悪いということでは全くないですが、会社の中でもチームによって技術や開発の進め方だけでなく雰囲気も違うことを感じます。 これはプロダクトのフェーズやチームのミッションの違いからくるものかも知れません。
市川: お二人が言うように、チームに自主性がある一方で、サイロ化と横断が難しくなるのはマルチプロダクト開発のパターンかも知れません。 では、実際に開発に携わって、どんなところに自身の成長を感じますか?
高橋: これはテックブログでも記事を書いたことですが、ユーザーの業務に直結する、ということを考えるようになって、扱っているデータ量を念頭に置き、パフォーマンスに気をつけて開発できるようになったことです。
高橋: また前段に挙げたボールの話にも関連しますが、新卒であれ役職者であれ関係なく、チーム開発をリードする場面が沢山あります。 私も現在ロードマップに載っているようなリリース時期が決まっている機能の開発を進めていて、 フロントエンド、 iOS のエンジニアも巻き込み、仕様のすり合わせや、先回りしてチケットを精査したり、チームの開発がスムーズに進むように動いています。 学生時代の自分では考えられないことだなと思います。
市川: 頼もしい成長ぶりです。 神戸さんはいかがでしょう?
神戸: ANDPAD黒板の開発チームは100人以上関わるリポジトリの中で開発をしています。 そうすると、やはりリリースのタイミングや影響範囲を考えて開発しなければならないので、 他のチームとの連携や会話をしながら進めるという機会が増えました。 加えてパフォーマンスの面でも、 ANDPAD が業界最大級のシェアを誇るユーザーがいることに加え、毎月、想像を超える量の画像がアップロードされるので、データベースの気持ちを考えて開発をするきっかけになったと感じています。 これは入社前にはなかった観点です。 それに応じて、リファクタリングや権限設定の見直し、検索機能の改善、機能開発できる領域を広げられています。
市川: お二人とも、ただ圧倒されたインターンから着実にプロダクト開発をリードできる存在になっていますね。 そんな成長スピードをもとに、今後どのような成長を遂げたいのか、聞かせてください。
高橋: 所属している ANDPAD図面は幅広い職種の方に使っていただいているプロダクトなので、その分、ロードマップに沢山の開発要件が積まれています。 その中にはお客様の利便性を向上させる大きな機能開発もたくさんあるので、それをリードして開発できるようになりたいと考えています。 そして、ゆくゆくはチームのテックリードとして長い時間軸・広い視点で開発を導けるようになりたいですね。 それと合わせて、 ANDPAD図面 をもっと沢山の人に使ってもらって、喜んでもらいたいと考えています。 プロダクトの成長とともに出てくる課題も変わると思うので、プロダクトのフェーズに合わせてその時に必要なスキルを身につけて自分も一緒にレベルアップして行きたいなと考えています。
市川: アンドパッドは建築・建設業界で働く人を幸せにするプロダクトで "圧倒的" シェア No.1 を目指しているので、その成長と自身の成長が重なるフェーズであることはとてもいいですね。
神戸: 私の場合はまずは業務の範囲を拡げていきたいという思いが根本にあり、その拡げた先で難しいタスク、機能開発に挑戦したいと思っています。
市川: その難しいタスクを解決できるようになった一つの証として、謎現象を解決したテックブログの記事がありますね。 その挑戦の先に狙うのはどんなポジションでしょうか?
神戸: 将来的には自分自身でプロダクト機能の要件を決めて、リードできるような人を目指していきたいと考えています。
過去の自分へのアドバイスは、焦らないこと
市川: では、最後の質問となりますが、過去の就職活動をしている自分へアドバイスやメッセージがあれば、伺えますか?
高橋: 今でもアンドパッドに入社を決めたことに、後悔はしていません。 ユーザーに愛されるプロダクトをしっかり作っている企業であり、建築・建設業界を良くしていくのだ、というスケールの大きさに惹かれ続けています。 就職活動時に自分が考えていた選択の軸が正しかったので、過去の自分には「それを突き通せよ」と言いますね。 ただ、学生時代は今よりももっと勢いに任せてこの想いを伝えようとしていたのでちゃんと言語化しようね、とも言いたいかも(笑)。
その面接で思い出したのが、アンドパッドを含め、選考を受けた企業の面接では「裁量がどれぐらいあるか?」 と必ず質問していたのですが、アンドパッドに入ってみると、むしろ立場関係なく裁量を持って推進するのが当たり前な文化だったので、「気にしないでいいよ」とも伝えたいですね。
神戸: ふりかえると、就職活動中は焦っていたな、と思います。 当時思っていたことは、インターンと就活と研究が重なり落ち着いて考える時間が作れなかったことが原因かもしれません。 でも、焦らず、やるべきことに集中してちょっとずつでも前に進むと、いつか出来るようになってるよ、と過去の自分にアドバイスしたいですね。
市川: 急がば回れということですね。 いいアドバイスです。 今日は忙しい中、ありがとうございました!
高橋 ・ 神戸: ありがとうございました!
新卒 1 期生としてアンドパッドに入社した 2 人に、就職活動からアンドパッド入社の動機、そして、これまでの成長ストーリーを語ってもらいました。
エンジニアを目指す学生の方に、今後のキャリアを考える一つのインプットとして、アンドパッドにはプロダクトがまだまだ成長する環境があり、その成長に合わせて自身の成長が重なるというキャリアを築けることを覚えていただけると、とてもうれしいです。
そして、ビジネスのドメイン知識と、プログラミングなどの専門技術のどちらも貪欲に高めたいと思われた学生の方は、ぜひカジュアル面談や選考にご応募ください!