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皆さん明けましておめでとうございます!株式会社アクル 採用担当です。
弊社は、「決済に関わるあらゆる課題を解決していく」をMissionに、不正検知・認証システム「ASUKA」をはじめ複数サービスを提供するスタートアップです。
と一言でお伝えしても事業内容が複雑な部分や、イメージが付きづらい部分があると思います。
そこで今回は、代表の近藤にアクル創業時のエピソードから、今後の事業構想までインタビューにてお話いただきました!
ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
ーーまずはじめに、アクルの創業時について教えてください。
当社の設立は2016年です。取締役である私と渡辺と栗田は、もともと同じ会社で働いておりまして、そこで提供していたサービスというのが当社でも今提供しているサービスの1つである、チャージバックの保証サービスでした。簡単に言うとカードの不正利用対策のソリューションですね。
チャージバックとは...
クレジットカードを保有するお客様が不正使用などの理由により利用代金の支払に同意しない場合に、クレジットカード会社がその代金の売上を取消しすることです。
その結果、販売元である加盟店様はクレジットカード会社に利用代金を返金しなければならず、さらに商品も戻ることはないため、損害が発生します。
そこで在籍していた企業でさまざまな事情があり、3人で同領域で会社を設立することになりました。
ーー当時はチャージバック保証サービスのみでの立ち上げだったんですね。どういった背景でASUKAをリリースするに至ったのですか?
はい。前職がさまざまな理由でお客様が離れていってしまいたのですが、私たちはお客様とも連携ができており、事業が被ってしまっていることも問題がなかったので、チャージバックの保証サービスを核として2017年3月に本格的にスタートしました。
その後どう今に至るかというところですが、チャージバックの保証サービスを提供し始めた頃は、クレジットカードの不正利用が年々増えつつありましたが、特に番号盗用と呼ばれる不正が深刻でした。
カード番号と有効期限期限/セキュリティコードさえあればだれでもオンラインで他人になりすまして購入できてしまうんですね。
そうすると誰が被害を受けるかというと消費者さまではなくメーカーなのです。
チャージバックが発生することにより、売上が取り消しになってしまいます。
弊社が展開するチャージバックの保証サービスは、「そのお店で不正利用が発覚したら補償します。」というサービスです。
毎月ご利用料金を頂戴し、チャージバックが発生した場合、アクルが支払いをする。
ですが、2017年時点で不正の件数が多すぎて払い出し超過のようになりました。
商品として設計が限界を迎えていたので、世の中にある不正検知システムを使用し、その上で不正が発生した場合は補償を行う。というスタイルに変更しました。
ですが、そこでも問題が起きます。
どの不正検知システムを利用すべきかを弊社からも紹介するのですが、一般的な不正検知システムは従量課金制のため費用が高額になる、という理由で使用してもらえないことが殆どだったのです。また、導入までに3ヶ月〜半年ほど掛かるのが当たり前のシステムのため「今目の前で不正が炎上しているのに3ヶ月や半年後なんて変わっているかもしれないし待てない」というお声をいただくことも多かったです。
ある時、とある社長さまから「それだったら近藤さんのところでシステムを作ってよ」とお声がけいただきました。
アクルがシステムの課題を誰より分かっているんだからそれを作ってくれたら導入するよ、ということですね。
そこでお客様のお声に応える形で開発がスタートしたのが「ASUKA」の始まりでした。
2017年5〜6月くらいと設立から間もない頃の出来事です。
現時点でカードの不正利用は国内だけでも311億円まで増えているので、そういった課題感を抱えていらっしゃる加盟店様の助けになりたいというのが創業から現在までの強烈なミッションになっていますね。
ーー先駆者ではなく、後発だからこそサービス利用者さまの課題が見えている中でプロダクト開発ができているんですね。競合企業さまはいるのでしょうか?
いらっしゃいますね。
例えば外資系の不正検知業者さまが約5〜6社ほど日本国内のマーケティングに力を入れています。
国内でも不正検知システムを提供している企業さまや、不正検知システムのベンダーではないのですが、カードブランドがオフィシャルで提供している3Dセキュアも比較対象とされることがあります。
ですので、外資系ベンダー・国内ベンダー・3Dセキュアが大まかな競合グループになるイメージですね。
ーー先ほどお話いただいた導入までの期間や予算感以外に、競合にはないアクル独自の強みはどういった点でしょうか。
前提として、弊社のコンセプトは「競争しない」ということです。
先ほどお話した競合企業さまはいずれも近い特徴をお持ちで、違いはあるようでないんですよね。
ですので弊社は、他社さまと同じグループには所属しない別の島を作ってそこでお客様に比較をしていただくという戦略をとっています。
比較の仕方にはさまざまな尺度があると思います。
例えばAPIでの開発ではなくJavaScriptで、導入までに3ヶ月〜半年かかることなく1〜2週間のみ、独自の認証画面等、そういった他社さまにはない特徴で差別化を図っています。
一方で他社さまが弊社と同じような強みを出せるかというと、それはなかなか簡単ではないんですよね。
というのも不正検知サービスは費用感が高いので、規模の大きい企業さまをターゲットにしていることが多いです。
弊社は中間的なところにいるので全く競合さまがいないわけではありませんが、上手く棲み分けができているのかと思いますね。
ーー外資系ベンダーのお話も出ていますが、世界的に課題が発生しているのでしょうか?
不正がいちばん起きているエリアは北米です。
アメリカが最も第三者利用のチャージバックが発生しています。
被害総額は日本円で年間1兆円ほどと、日本(年間300〜400億円ほど)より圧倒的に多いです。
先ほどお伝えした、外資系の不正検知システムが高いというのもマーケットサイドが全然違うのでお客さまの対象も全く違ってきますね。
ですが、最近では日本でも増えてきていますし、この課題の究極的な原因はクレジットカードのシステム自体にあります。
ーーシステム自体にですか?
クレジットカードは元々対面用に設計されていて、突然スタンダードになったECへの対策が後手になってしまっています。
急ぎ3Dセキュアという認証システムを開発し運用していますが、これも完璧ではなくて穴が複数あると考えています。
だからこそ、カード会社が穴を真剣に埋めるまでこの問題はずっと続くと思いますので、向こう5年は終息せず、同時にASUKAのニーズも存在し続けると考えていますね。
ただ、10、20年続くかというと決済システムは凄いスピードで変わりつつもあるので、まずはASUKAを普及させてクレジットカードの不正利用を根絶し、その後は新規のビジネスを生み出していかなければならないと思っています。
ーー今後の事業戦略についてより具体的に教えてください。
先ほどお伝えした通り、まずはASUKAを普及させていくことが第一優先になります。
その他ですが、ASUKAはクレジットカードに対する不正対策ソリューションなんですが、決済にはさまざまな形があって不正の形もまた、さまざまなものがあります。
例えば転売の対策をしたい事業者さまへ向けて、転売対策ツールを提供するなど、現在提供しているサービスに近くて新しい領域の事業を今後3~4年で増やしていくというのがまず一つの戦略、ASUKAだけに頼っていくのは非常にリスクがありますので、身近な領域でビジネスを広げていこうと考えています。
そして最終的には、クレジットカードに代わる不正が起こり得ない決済手段を弊社から提供する、という壮大な目標があります。今はまだ中長期的な理想ですね。
現実的な点では、先ほどもお伝えした通り近い領域でビジネスを広げていくということと、弊社は決済出身の人間で占められていますので決済の課題解決というところでいろんなビジネスの展開を考えています。
なので、ミッションにも書いてあるんですけれども、決済にかかわる課題を解決するという原点を持ちながらそれに付随するサービスとを中長期で展開できればと考えております。
ーーそれでは最後に、読者の方へ一言お願いいたします。
アクルには「破壊と創造を通して、全てのステークホルダーの成長に貢献する」というパーパスがあります。
私たちの年代はちょうど就職氷河期と呼ばれ、経済が下り坂に入る入口のところでしたが、その時から日本は何も変わっていないと感じることがあります。
だからこそ、アクルとして何ができるのかなと考えたときに、もう一度日本を再生させたいという根本的な思いと、それぞれが自立して成長していける環境を作っていかなければならないですし、アクルで一緒に働く上で成長というものを個人としても意識して欲しいですし、お客さまにも成長してもらいたいと考えています。
会社もまだまだ成長過程ですので、「決済にかかわる課題」という世界的な問題に一緒に挑戦していければと思っておりますので、ぜひご連絡いただけますと幸いです。