プロフィール
木村 功之介
取締役
株式会社ツナグバ取締役。新卒で三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社し、法人・個人営業に従事。営業成績優秀者として全国表彰を経験する。その後SaaSのスタートアップに入社し、フィールドセールスとして従事。2021年にツナグバを設立し、取締役に就任。ツナグバの事業統括を担いつつファイナンス業務に従事し、キャリアアドバイザーとして累計3,000名以上の転職サポートを実施。
「会社を経営したい」という思いで、大手証券からスタートアップへ
ー 最初に、これまでの経歴を教えてください。
学生の時から「将来は自分で会社を経営したい」と考えており、金融に関する知識をつけるために、大学時代にFP検定2級を取得しました。個人で株式投資もやっていましたね。企業経営には金融に関する知識と営業力、そして経営者との人脈が必要だと思い、就活では金融業界に狙いを定めていました。
2018年に新卒で三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社し、個人向けと法人向けの営業を経験しました。とくに個人向けでは、富裕層のお客様に向けて株式や債券といった金融商品をご提案していました。1年目で、同期200名以上の中で一番早く5,000万円以上の大口契約を獲得し、表彰。その後も半年間は毎月のように表彰していただき、最終的には同期で売上成績5位以内になり、全国表彰も経験しました。
入社当初に配属されたのは東京の支店だったので、「地方転勤を命じられたら、それを機に退職しよう」と考えていました。入社から3年目に地方異動の辞令があり、退職を決めたのですが、当時は起業するか、外資系金融やM&A仲介など金融スキルと経営者とのコミュニケーション力が磨かれる会社に転職するか、まだ決めかねていました。
ちょうどそのタイミングで、もともと友人だったツナグバ創業者の森から「会社の登記が決まった」という話を聞いたんです。森は当時、創業メンバーとして営業力がある人材を探していました。この時期は本当にいろいろな人に会って話を聞きましたが、その中で一番自分が「挑戦したい」と思えたのがツナグバでした。「会社経営に携われるなら、業界や事業内容は未経験でも構わない」と考えていたこともあり、創業3人目のメンバーとしてツナグバに飛び込みました。
ー ツナグバ入社後は、どんな仕事をされていたのでしょうか。
ツナグバ設立当初は売上が少なく、私も運営資金を得るために別のスタートアップでセールスとして半年ほど勤務しました。次第にツナグバでも安定的に売上が出るようになったためその会社は退職したのですが、想定していたとはいえ創業時は大変なこともありましたね。
キャリアアドバイザーとして働くのも初めての経験でした。最初に感じたのは、それまでの顧客層との違いです。前職では富裕層が対象だったため、年齢も比較的高く、人生経験が豊富な方が多い傾向がありました。また商品の特徴上、ポートフォリオを組んでロジカルに、確実性の高い未来を提示する話し方が好まれました。一方、ツナグバでお会いする求職者は20代と若いため社会経験も多くなく、業界や職種などの知識もあまり豊富でない方がほとんどです。そのため、前職まで得意としていた「可愛がられる」スタンスから、「引っ張っていく」スタンスへと変えました。今は、求職者が大事にしているポイントをしっかり把握し、論理以上に感情に訴えつつ、必要な場面では背中を押すことを大事にしています。
転職は金融商品の購入以上に人生に関わることなので、その決断を促すほうが大変な分、やりがいを感じます。とくにキャリアについては、業界や働き方に関して先入観を持っている方も多いので、客観的な事実をお伝えすることもキャリアアドバイザーの大切な役割だと思っています。
成長に欠かせない2つのポイント
ー 働く中で印象に残っていることを教えてください。
毎年全社で忘年会や表彰式を開催していますが、そのたびに「人数が増えたな」「この1年でこんなメンバーが入社して、会社もいろいろなことがあったな」と感じますね。表彰式は、その1年で活躍したメンバーを讃える場。個人売上の最高記録が年々更新されるなど、定量的な面だけでなく、自分が育成を担当したメンバーや後輩が教える立場になっているのを見るのが本当に嬉しいですね。メンバーの成長を感じますし、「頼もしくなったな」と嬉しく思っています。前職は東京の支店だけで100名ほど在籍しており、全社でベクトルを合わせなくても会社は成り立っていました。今は「全員が同じ目標を追いかけている」という実感があり、自分にとっては今の環境が合っているなと感じます。
もちろんスタートアップなので、順風満帆なときだけでなく、経営が大変な時期もありました。経営の観点や予測の見立てが甘く、正直かなり大変な時期もありましたが、その都度、改善するために考えた試作が成功したり、融資が決まったりと難局を乗り越えてきました。私は基本的にポジティブなので、そうしたピンチのときこそ成長できると思っていますし、成長の機会に恵まれる環境にいられることはラッキーだと思っています。
ー ツナグバではどんな方が活躍していますか?
一緒に働く方に求めるのは、スキル以上にマインドです。私がとくに大事にしているのは、素直さと、ポジティブさの2つです。
まず素直さについて。自分が知らないことについて学ぶことを忘れず、相手に敬意を持つことは、成長し続けるために欠かせません。たまに「プライドが邪魔して、同い年や後輩に質問できない」「うまくいっている人を素直に賞賛できない」という人にお会いしますが、本当にもったいないと思いますね。自分の成長のために「なんでも吸収しよう」という姿勢が一番重要ではないでしょうか。業界や職種問わず、成果と素直さは連動していると考えています。
次にポジティブさですが、これはどんなときも前向きにとらえることを指します。物事はなんでも表裏一体、つまり自分の考え方次第で状況はどうとでも変わるのです。環境のせいにしそうなときも「成長のチャンス」と考えたり、苦手意識があるからこそ「可能性を広げられる」と考えて挑戦できる人は成長スピードが速いし、ツナグバの社風に合っていると思いますね。
素直さとポジティブさを兼ね備えたメンバーがツナグバでも活躍していますが、そうしたメンバーにはできるだけ早くマネジメント経験を積んでほしいので、昇給も昇格も大手と比べて圧倒的に速いという特徴があります。将来的に経営に関わってみたいと考える方にも、同様のチャンスがあると思いますよ。
創業の今だからこそ、チャンスはあふれている
ー 最後に、ツナグバの今後の展望を教えてください。
ツナグバは20代のキャリア構築支援をビジョンに掲げています。そのため、20代の可能性を広げるという軸で、現在の人材紹介サービスだけでなく、今後はコーチングなどさまざまな支援の選択肢を考えています。さらには、レガシーな業界の課題解決も考えています。人材紹介だけでなく、SaaSプロダクトの開発などを通じて効率化を実現し、人手不足の課題を解決できないかと検討しています。
こうした新規事業は「何をするか」を考えるところから意志のある方に一緒に入っていただきたいと思っており、興味がある方はぜひ面談で教えてほしいですね。今の創業フェーズだからこそできる醍醐味だと思っています。
今後、AIの活用により、求職者と会社の精度高いマッチングなどもできるようになるかもしれません。その分、AIがカバーできない付加価値はより大きくなっていくでしょう。ツナグバはその付加価値をお客様に提供し続けたいと考えています。売上の面では、ひとつのゴールとして100億円超を目指しており、ひとりでも多くの可能性をつないでいきたいと考えています。
大きな会社で働くのは決して悪いことではありませんが、「自分が歯車の一部に思えてしまう」「目の前の仕事にやりがいや責任感を持ちづらい」という人もいるのではないでしょうか。ツナグバでは、自分たち一人ひとりの成長が会社の成長に直接関わるからこそ、メンバー全員が責任感を持って仕事に臨んでいます。私自身、経営陣のひとりとして1つの判断で会社が大きく変わることを日々感じていますし、その責任の大きさがやりがいにつながっています。大げさに聞こえるかもしれませんが、人生が充実し、「生きている」という実感を得られています。
社会が変化するスピードはどんどん速くなっており、個人でも変化し続けられる環境に身を置くことが今後さらに大事になってきます。すでに成熟している会社よりも、右肩上がりで成長し、変化し続ける会社に身を置いたほうが、個人としての価値も高まると思います。メンバーと切磋琢磨しながら、自分が成長することで会社を大きくしたいと考える方にお会いできることを楽しみにしています。