ビア・マーグス ービールに魅せられた修道士
中世ドイツの修道院を舞台に繰り広げられる ビール醸造にまつわるミステリー ビール醸造所で働く語り手。ある時醸造所内で、机の引き出しに古い書物を発見する。読んでいくとそれはなんと13世紀から代々ビール醸造家に受け継がれてきた当時の醸造家による手記であった。 13世紀のドイツ。貧しい農家の長男に生まれたニクラスは、母親と一緒にビール造りをするのが好きだった。もっとビールを造りたいと運よく修道院に入ることができ、一人前の醸造家になるべく修行を始める。当時ビール醸造技術が進んでいたヴァイエンシュテファン修道院、ザンクト・ガレン修道院へと移っていき、どんどんビール造りの腕を上げていくニクラス。だが行く先々には困難も待ち受けていた……。 ある時ニクラスとの意見の食い違いが元で仲たがいし、ニクラスを逆恨みしどこまでも執拗に追い詰める幼なじみのベルナルト。生涯をかけた2人の果し合いの行方は? 中世ドイツのビール造り、中世の世界が垣間見られる、そして主人公ニクラスの波乱万丈な人生と運命をミステリータッチで描く小説。