インドでの日本語教育普及事業
フィリピンでの活動を通して、探究活動を通したキャリア形成について興味を抱くようになりました。そこで今度は「自分自身が教材になる」体験をしてみたいと考え、インド渡航を決めました。 日本語教育についてはまったくの未経験でしたが、大学で学んでいる第二言語習得論を大いに適用することができ、より刺激的で高い実践力が求められる環境で活動しております。また、カリキュラムを作るうえで自文化の再認識やグローバルな視点を会得したりなど、得るものは本当に多いです。 一つ苦労したのは、教育とビジネスの融合です。この事業は、日本の提携先の学校へ、日本進学を希望するインド人学生を送り出すことより、その仲介手数料を利益としていただくという構造です。ローカルスクールでの日本語授業はその種まきという立ち位置でした。今まで教育をビジネスと結び付ける経験がなかった私にとっては、関心の差が激しいのに加えて、目標が日本語能力試験N5レベル合格と高く設定されていたため、その教育の価値が見えず、苦労しました。 そこで、思い切って「試験合格を目標としない日本語教育」に切り替えることを直接社長に提案し、実際にそれを実行しました。ベースになっているのは、それまで実践してきた探究活動です。言語を学ぶことは大切ですが、それ以上に異文化理解の能力はこのグローバル社会で、もっと大切であると考えております。日本語を「学ぶ対象」ではなく、「知るための道具」と定義することで、自文化の再認識や多様な文化に対する理解を促進することに成功しました。 結果的に日本進学を希望する学生の増加はあまり見られませんでしたが、日本進学に対する情熱がより高く、継続的な学習が見込まれる学生を育成することができました。また、希望しない学生の中でも、多様な価値観に対する理解が進みました。 この経験から、「よりたくさんの人の目が触れる」考え方に加え、「特定層の安定化」にも焦点をあてるビジネスモデルを、自らの気づきから学習と実践が行えました。 また成約までいかなくとも、付加価値を与えられることができるという、大事な視点について自ら学べました。