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ヤマップ2番目のメンバー、CTOが明かす YAMAP誕生秘話と今、そして未来

2023年1月、累計350万ダウンロードを突破した登山地図GPSアプリ「YAMAP」。代表の春山さんがこのアプリを着想した2011年からシステム面をバックアップしリードしてきたのが、CTO(最高技術責任者)の樋口浩平さんです。2013年リリース後に同社2番目のメンバーとしてジョインし、10年にわたり会社の中枢を担ってきた浩平さんに、これまであまり語られなかったYAMAP誕生のストーリーから会社の今、そして未来まで伺いました。

# 目次

▶原体験は学生時代にECサイトを作ったこと

▶YAMAPの構想を聞き、プロトタイプを制作

▶データドリブンで、みんなで進む道を決める

▶事業内容・制度・カルチャーまで稀有な存在

▶スキルとカルチャー、ビジョンフィットが大切

▶「地球とつながるよろこび。」を伝えたい

原体験は学生時代にECサイトを作ったこと

―入社されるまでの話を聞かせてください。浩平さんは福岡県太宰府市出身とのこと。九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)に進学したのはなぜですか。

浩平「ものづくりに興味があったからです。将来はクリエイティブな仕事をしたいと思い、映像やCGなど幅広く学べる芸工大を選びました。

在学中、今の仕事につながる出来事がありました。高校生のときにバンドでギターを弾くなど音楽が好きで、大学生になるとCDショップでアルバイトを始めました。すると店長が『インターネットで通販をしたい』というので、僕がホームページと仕組みを作ることに。1999年当時はEC黎明期で、芸工大には遊び感覚でホームページを作る人が結構いて、僕もできたんです。実際にCDのネット通販を始めると、1日120万円ほど売れたことも。自分が作ったシステムが機能し、全国の人が買ってくれて、インターネットってすごいなと思いました。」


―それでIT企業に就職されたのでしょうか。

浩平「はい、大学院を修了後、福岡本社のシステム開発会社に入社し、システム開発者として10年ほど勤務しました。携わった主なプロジェクトは、ドラッグストアのPOSシステムやセキュリティ系ソフトウェアの開発、航空券予約システムの開発など。仕事自体は面白かったけれど、依頼に応じて作るので、クリエイティビティはなかった気がします。」

YAMAPの構想を聞き、プロトタイプを制作



―ヤマップと関わるようになったきっかけは。

浩平「29歳で結婚したのですが、実は妻の弟がCEOの春山なんです。当時、春山はアラスカから帰国して、東京でグラフィック雑誌の編集をした後、2010年に福岡へ。妻の実家でたまに会う感じでした。

そんな中、2011年夏に実家で春山から『こんなアプリを作りたいけど作れる?』と尋ねられました。聞けば、くじゅうの山の中に行ったとき、GPSは圏外でも使えると気付いたので、電波の届かない山の中でも現在地がわかる登山地図アプリを作りたいと。『趣味でやるのかビジネスでやるのか』を問うと『ビジネスとしてやりたい』と意志が明確でした。

システム開発の経験から『こうしたら作れると思うよ』と伝えたところ、『開発メンバーを集めて作ってもらうつもりだから、その人たちに説明するためにプロトタイプを作ってもらえないか』と頼まれて。そこで、仕事の傍ら、今の地図エディタのようなウェブアプリを作り、作った登山道データをダウンロードしてアプリで表示すればできるはずと伝えて渡しました。」


―おー、すごい。春山さんが描いたYAMAPの構想を実現できると判断し、最初の一歩をサポートしたのが浩平さんなのですね。しかも親族だったとは…。

浩平「春山は業務委託で開発メンバーを集めて、開発をスタート。その時期、僕はほとんど関わっていません。それから1年半後の2012年12月、『完成間近だけどバグが多発するので、テストと修正を手伝ってほしい』と頼まれて、手伝い始めました。ただ、前の会社で働いていたので、毎晩20時から24時くらいまでデバッグしてコツコツと修正。2013年3月、ローンチにこぎつけました。」


―どんな気持ちで手伝っていたのでしょうか。

浩平「最初に話を聞いたときからみんなの役に立つアプリという確信があり、面白そうだったのでやってみようと思いました。そもそもエンジニアは自己研鑽や趣味として、仕事外でプログラムを書くことが多い。ですから僕にとっては、ごく自然にやっている感覚でした。」


データドリブンで、みんなで進む道を決める

―春山さんが立ち上げたヤマップに、初めて参画したメンバーが浩平さんとのこと。2013年11月、前職を辞めてヤマップに入ったのはなぜでしょう。

浩平「ローンチ後も修正や機能の追加を担当していたのですが、毎日仕事の後にやるだけでは追い付かなくなってきたからです。自分がやらなければサービスが終わるのはもったいないと思い、転職を決めました。

アプリが新聞に掲載されたことでユーザーが増え、スタートアップバトルに出たり、Androidアプリを作ったり、プレミアム会員制度をスタートしたり。2014年10月にはグッドデザイン賞ベスト100を受賞しました。

それからメンバーが少しずつ増えて、春山の自宅からオフィスを移転し、事業も増えていきました。今では約100人のメンバーで、アプリをはじめSTORE、メディア、アウトドア事業開発といった複数の事業を展開しています。」


―メンバー2人の時代から会社の変遷を見てこられて、今では会社全体の戦略を決める「戦略ミーティング」に約20人が参加すると聞きました。大人数ですね。

浩平「社内は事業部が細かく分かれていて、各責任者が集まり、今後の方向や今注力することなどを話し合います。ウェブ上に誰でもアジェンダを書き込めるようになっていて、もちろん新たな提案も可能です。戦略ミーティングには誰でも参加することができます。

会社の意思決定は、いつもデータドリブン。何かをする場合は、どこに課題があって、それをすることでどう変わるのか、示されたデータで判断します。客観的なデータを見て決めるので、納得感を持って合意に至ることができます。」

事業内容・制度・カルチャーまで稀有な存在



―浩平さんはCTOということで、開発グループには何人所属し、どんな感じで働いているのでしょうか。

浩平「開発グループのメンバーは45人で、エンジニア36人、デザイナー6人、カスタマーサポート3人。30代が多く、日本国内どこに住んでも良い制度を取り入れているので、住んでいるところはさまざま。基本的にみんな在宅で働いています。創業当初から残業をしない方針で、それぞれが生産性高く働き、基本的に夕方17時18時には仕事を終えています。」


―ヤマップでエンジニアとして働く魅力について教えてください。

浩平「大きく3つあると思います。まず、自分たちがサービスを作っているので、裁量があること。次に、ユーザーさんに近くユーザーさんの声を聞けること。そして、社会貢献性が高いサービスであることです。

いろいろなスタートアップ企業のCTOと話しますが、ヤマップみたいな会社は稀有だと感じます。身体を動かすアプリであるとか、事業内容やカルチャー、僕らがよく言う『八方よし』や社会貢献性など。だから、やっていて面白く、やりがいを感じられるのではないでしょうか。」

スキルとカルチャー、ビジョンフィットが大切



―浩平さんは採用に関わられていて、ヤマップにどんな人が向いていると思いますか。

浩平「言葉にするのはなかなか難しいのですが、話してみて『この人は合いそう』という感覚があります。会社としてベースにしているのは、HRT、つまりHumility(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)を大切にしたコミュニケーションを取れること。あとは、受け身ではなく自分から仕事を探して作るような、積極性というか前のめり感のある人に向いていると感じます。」


―面接ではどんなことを話されるのでしょう。

浩平「転職したいということは何かしらの変化を求めているので、次の職場に期待していることを聞いて、それをヤマップで達成できるか考えます。どんなにいい人でも、ここで希望を達成できないなら合わないということなので。

面接のポイントは3つ。まず『スキルフィット』として、ヤマップが求めているスキルを応募者が持っているか、反対に応募者が伸ばしたいスキルをヤマップで伸ばせるか。次に、ヤマップのカルチャーになじめるかという『カルチャーフィット』。情報をオープンにする、データで決める、細かいルールが決まっていないところなどは、お堅い会社で働いてきた人にはギャップがあるかもしれません。最後に大切なのは『パーパスフィット』。ヤマップのパーパスに共感いただけるかという点です。ヤマップでは最近パーパスをリニューアルして打ち出しました。」

「地球とつながるよろこび。」を伝えたい



―新たに掲げられたパーパスは「地球とつながるよろこび。」ですね。春山さんの代表メッセージ「自然経験を通して五感を磨き、いのちの全体性や世界とのつながりを感じながら、この地球(ほし)で生き、遊び、愛し、学び、助け合い、仕事をする。人類が幸せに暮らすことと、山を含めた地球環境が豊かになることをつなげていく」というのはとてもシンプルで力強く、印象的です。

浩平「ありがとうございます。みんなで話し合ってパーパスを定めました。私たちは『地球とつながるよろこび。』を事業として具体化し、多くの人々へ届けて、人と地球環境が共に豊かになる世界の実現を目指しています。」


―山だけでなく地球全体まで広がるのですね。浩平さんは登山が好きだったのですか。

浩平「子どもの頃に小学校の裏山で秘密基地を作ったり、遠足で登山をしたりして、山が身近にある生活でした。でも、自ら山に登った経験はなく、ヤマップにジョインしてから登ってみて面白さを知りました。普段は近くの低山に登っていますが、数年前の北アルプスや最近始めた沢登りがとても良かったので、これから幅が広がりそうです。

もともと登山はきついというイメージがあって避けていたのですが、やってみたらもちろんきついけれど、森の中で途中から無心になり、終わった後にはマインドフルネス感がある。他の趣味であるJリーグ観戦や現代美術展めぐりとは、全く違いました。」


―なるほど、もともと登山をしていなかったからこその視点も生かせそうですね。

浩平「そんな個人的な経験も踏まえて、『地球とつながるよろこび。』を届けるため、今700万人と言われている登山人口のすそ野を広げていければと考えています。ヤマップは地図アプリの会社だと思われがちですが、それは僕らがやっていることのごく一部。もっと広い世界観やパーパスを知ってもらった上で、もし共感し自分ごと化して一緒に取り組もうと考えてくれる人がいれば、ぜひカジュアル面談でお会いしたいですね。」


                                  (文=佐々木恵美)

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