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『理想の組織を創り、世界を目指す』失敗から学んだ採用に掛ける想い

戦略は組織に従う

ディチャーム株式会社で代表をしております大久保です。

私が採用にかける思いに関して、本日はお話したいと思います。

今でこそ高齢者向けビジネスはHealth Techなど呼ばれ優秀な人にも注目されるようになりましたが、僕が起業した2000年頃、高齢者向けビジネスという概念は全くなく、高齢者向けのサービスはすべて無料の福祉という概念に支配されていました。ビジネスでこの世界に参入しようという人はいませんでした。

そのお陰で全く門外漢の私も試行錯誤は繰り返しましたが、事業は順調に成長していきました。
他方、誰も注目しないので、この業界で働きたいという人も皆無でした。そのため採用はとても苦労し、苦労したというより諦め、いかに人に依存することなく成長するか、仕組化するかを徹底して考えました。
事業が小さなうちは順調に成長していき、新しいアイデアが次々と浮かび、それをどんどん進めていきました。
しかし、会社が成長するに従い頭の中に描いた成長ストーリーと現実がどんどん乖離していきます。戦略は正しいはずなのに。
実現するだけのシナジーや競争優位性もある。それなのに、なぜか組織ができていなかったのです。一人で考えてやれることなど知れており、実現するための組織を組成出来ていませんでした。
まさに戦略は組織に従うです。

組織作りで迷走

僕の組織の理想像は、事業目的・目標をみんなが共有し、その実現に向け一人一人が創意工夫して自走できる集団です。私たちの事業は前例がありませんから他社のマネはできません。すべて自分たちが考えなければいけません。仮説を立て、実行し、検証し、修正していく。いわゆるPDCAを全員が高速で実効できる集団です。
しかし、前述の通り、そもそもそんな優秀な人材はなかなか採用できません。
そこで、新卒採用を強化しました。その結果とても優秀な学生が採用できました。ただここに落とし穴がありました。最初3名から始まった新卒採用ですが、優秀だったので、調子にのって翌年は7名、その翌年も7名、その次は15名。15名を2年続けて採用しました。その結果平均年齢26歳。社員の8割がたが新卒1~3年という状態でした。とても勢いがありましたが問題も抱えていました。

① 優秀若手に過度の期待と負荷

確かに皆さん優秀だったので事業に勢いが一瞬つきました。私としては、やりたいアイデアは次々わいてくるので、優秀な若手を抜擢と称し、どんどん仕事を任していきました。ただ、任すといっても人材の能力と業務の難易度が適切であったかというと、そうではありませんでしたし、その後のフォローも不十分でした。その結果優秀な若手であればあるほど過度の重圧がかかっていきました。

② リーダー不在

後輩がどんどん入ってくるので、一年もたてば仕事の経験やスキルが不十分な若手でもすぐ部下を持つことになりました。その結果上司も部下もストレスフルな状況になりました。

③ 経験不足

新卒採用を強化したのは、複数の友人が、「若手は任せるととてもうまくいくよ」というアドバイスによるものでした。しかし、彼らとは、①組織の厚み(当社はほとんどが新人で指導してくれる上司が僕しかいなかった)②ビジネスモデル(人材や広告系のベンチャーの場合は行動量の管理ができれば新人も大いに活躍できますが、私たちはまだ世の中にない新しいビジネスモデルを0から作っているベンチャーで、誰もが正しい答えがない中試行錯誤しなければならない状態)が異なっており、新卒がすぐに活躍できる状態ではありませんでした。さらに先輩(中間管理層)が不足している状態であると判断し、慌てて管理職を採用した結果、混乱に拍車がかかってしまいました。
結果、組織が崩壊し新卒(中途も)のほとんどが辞めてしまいました。幸いなことに、現場のサービスは大変好評であるので、売上は順調に伸びております。
しかし、まだやりたいことの数%も達成できていません。現状の事業をベースに次のステージに向かうためメンバーを現在募集しています。

リーダーの重要性

組織がただの人の集まりか、強い組織になれるかは、結局リーダー次第だと思います。
志や価値観を共有し、そのうえで裁量を持って組織を率いることができるリーダーが何人いるか。これが重要です。以前はマネジャーの採用にあたり慌てて何ができるかだけで採用してしまい結果組織が混乱してしまいました。その失敗を繰り返さないためにも何ができるかも大事ですが、仕事を通じて何がしたいか。なぜその仕事がしたいのか。人生をどう生きたいのかといった価値観が共有できるリーダーをまず集めたいと思っています。

これらから何がしたいのか

ビジネスモデルや戦略はもちろんありますが、それは時間の経過や環境の変化により変化します。
『 本質的になにがしたいのか 』
社会問題の事業での解決であり、我々がフォーカスしているのは一人一人の高齢者がそれぞれ自分の人生を最後まで尊厳を持って自分らしく生きるお手伝いです。

その中で「①Tech化」 「②世界へ」 「③従業員幸福度の最大化」がキーワードだと考えています。

①Tech化

テクノロジーの進化は本来社会的な弱者にも本来大きな恩恵をもたらします。iPhoneを初めて見たときこれで高齢者でもコンピュータが使えるようになると確信しました。
しかし、実際はリテラシーの差により、テクノロジーの進化が弱者をより弱者にしてしまう面も否定できません。
我々は今後サービスを開発・提供するにあたり、テクノロジーを最大限活用し、より便利により安価にサービスを提供することでシニアにテクノロジーの進化の恩恵を伝えていきたいと思っています。

②世界へ

いまわれわれ世代が取り組むべきは、次に世界で稼げる産業の創出です。
世界最速で進む高齢社会である日本は、別の視点で見れば世界で最初に高齢社会マーケットに遭遇することができます。これをチャンスにしなければいけません。

③従業員幸福度の最大化

産業構造が変わり、働く環境が変わっても、一番強い組織はその構成員の満足度(幸福度)がもっとも高い会社であることは変わりません。
ただ、価値観が多様化する中で、今は皆が従業員幸福度を最大にする方法を模索している時代なのだと思います。いままでの数多くの失敗から学んだことは、構成員の幸福度最大化と会社の社会的価値の最大化の両立は可能であるという事です。また、それを達成できる会社を作りたいと思っています。

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