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今回は、アソビュー株式会社でPdMとして活躍する楢崎裕斗に、これまでのキャリアと仕事への想いを伺いました。新卒で営業職を経験し、その後はデジタルマーケティング、SEOのスペシャリストとしてフリーランスで活動してきました。アソビュー社も支援先の1社であったのですが、転機により社員としてジョインすることに。そんな彼の数々の激動の現場を乗り越えてきた軌跡をインタビューしました。
「目の前の課題を解決する」という飽くなき探究心と、常に挑戦し続ける姿勢は、多くのビジネスパーソンにとって刺激となるはずです。
まさかの「出禁」から始まった異色のキャリア
楢崎のキャリアは、新卒で入社した小さな代理店での営業から始まりました。新人研修の最後に、クライアントである弁護士事務所の現場での強烈なエピソードが、楢崎のキャリアのスタートラインでした。
「弁護士さんのカバン持ちとして、1日の業務や課題を学ぶために現場に行ったんですが、相性が合わなかったのか、先生からまさかの出禁になってしまって(笑)。楢崎には営業させられないからどうしたものかと先輩等を悩ませた、というのが新卒1ヶ月目の出来事でしたね」
その後楢崎は、社内の既存顧客サポート部署に異動。そこで、医師向けのウェブサイト運用に携わる中で、集客に関する相談を受けるようになります。
「当時、僕も集客の方法なんて全くわからなかったんですけど、とりあえず会って話を聞いてみたんです。そしたら『今まで広告やチラシで全然ダメだった』という話を聞いて。それを上司に報告したら、『お前がそれできるようにならなきゃいけないんだ』と言われて。そこから、いわゆる集客やデジタルマーケティングの世界に足を踏み入れることになりました」
デジタルマーケティングの最前線で培った「課題解決力」
その後、会社の業績不振を機に転職を決意し、専門性を深めるためSEOやデジタルマーケのコンサルタントとして大企業のクライアントに対峙することになります。
「じつはこれまでの経験から、それなりにわかるだろう、と思っていました。ところが最初のクライアント企業は誰もが知っているような超大手サービスを展開する企業で、月間1億セッションを超えるような巨大サイトのトラフィックを前に、これ以上何をどう伸ばせばいいのか検討もつかず、苦しむ日々でした。この時、新人時代に出禁になった時以来の、クライアントと直接向き合う役割で、クライアントの前では全く話せなくなってしまいました。額から汗が止まらず、動悸に息切れ…。事前準備の資料は100点満点でも、喋れないんです」
上司もその異変に気づき、楢崎はクライアント対応から外れ、ひたすら社内での改善業務やリサーチに没頭します。
その後、専門性の高い知見を武器にフリーランスとして数多くの企業のSEO、デジタルマーケティングのコンサルとして活躍を続けていました。
アソビューとの出会い、そして社員として入社を決めた理由
フリーランスとして多忙な日々を送っていた楢崎ですが、現在のアソビューとの接点は、前職時代にまで遡ります。
「イベントで宮本さん(現執行役員)と偶然会ったんです。お互い人見知りなので、影でひっそりしていたら、たまたま喋るようになって。当時、宮本さんがアソビュー!のSEOを第一線でやっている時期だったので、話がめちゃくちゃ合って、ちょくちょく連絡を取るようになりました」
3〜4年前、コロナ禍が落ち着き、アソビュー!がサービスを再活性化させようとしていた時期に、宮本から「アソビュー!のSEOを請け負えないか」と連絡が来ます。これを機に、楢崎は業務委託としてアソビュー!の集客やトラフィック改善に携わることになります。
その後、楢崎が業務委託から社員としてアソビュー社への入社を決めたのは、結婚と子どもの誕生がきっかけでした。
「フリーランスだと、スキルセットはあっても、興味のない仕事も正直たくさんありました。もちろん生活のためではあったんですけど、『ちゃんと面白い仕事やりたいな』という思いが強くなって。」
そんな中で、楢崎は自身もユーザーとしてサービスを利用し、子供が大きくなるにつれてユーザーとしてもより身近な存在になっていくアソビューに、大きな可能性を感じていました。
「アプリをリリースしたものの、社内にアプリのグロースや、マーケティング担当者が不在だとききました。ユーザー当事者で知見もある僕なら、一番貢献できると思いました。SEOだけでなく、本来やっていたマーケティングやグロースの経験も活かせるはずだと。それで山野さんと当時住んでいた京都で面談ののち、入社が決まりました」
楢崎は、2023年1月にアソビューへ正式入社。入社後、サービスをユーザーとして改めて体験し、「何にもできてないじゃん!」と「やばさ」と同時にある種のワクワク感を感じたと言います。
「正直、全てが整っていて、順調そのものだったらすぐ辞めてたと思いますね。つまらないって言って。やばいところにこそ燃えるタイプなんです」
プロダクトの「救命救急医」として、目の前の課題に立ち向かう
入社後、楢崎は横峯(現執行役員)の直下でサービス全体の課題解決に奔走します。SEO、マーケティング、そして既存プロダクトの運用改善など、まさに欠番を埋めるような形で、様々な業務を横断的に担当しました。
「本当に、事業運営の中で一番課題があるところをちゃんと詰めていくような役割でした。まだ入社当初はPdMという仕事は一切やっていませんでしたね」
その後、社内体制の変更に伴い、楢崎はついにPdMとして、アソビュー!のWebとアプリの両方を統括する立場に就任します。コードを書いた経験も、デザインに携わった経験もない中で、この役割を担うことになったのは、彼の「課題解決力」と「事業をグロースさせる」という観点が評価されたからでした。
一般的なPdMのキャリアパスは、エンジニアやデザイナーから経験を積んでいくことが多い中で、楢崎のようなキャリアは稀有な存在です。しかし、だからこそ彼は、事業全体の課題を見極め、解決へと導くことができるポテンシャルを秘めています。
「めちゃくちゃマイナスの状態をゼロにしました、という方がモチベーションが上がるんです。綺麗なところはどうぞ、って感じですね。今の状態がある程度落ち着いて、型ができたら、また別の『やばいこと』をやりたい」
楢崎は、自身の役割をプロダクトの「救命救急医」と例えます。
「まさにドクターヘリにのった救命救急医のように、命を繋ぐこと、つまりはサービスが抱える最も差し迫った課題を解決することに集中したいんです。喫緊のクリティカルな課題解決後、よりサービスプラスに持っていく部分は、もっと適任がいるのでそちらに任せたいですね」
ゲストが多様であるが故に、まだそれぞれのゲストにきめ細やかなサービスが提供できていない、伸びしろだらけのアソビュー!のような環境こそ、楢崎の探究心と好奇心は満たされます。
「多種多様なゲストがいて、家族連れもいれば、一人で利用する人もいる。そんな中で、それぞれに対してサービスができていない、まだ『ない』ことだらけの方が楽しいですね」
楢崎の今後の挑戦は、自身のスキルセットやこれまでの知見を周囲に伝播させていくことだといいます。
「明確に今のアソビューにはPdM人材が不足しています。僕と同じようなことができる人を増やして、サービスの成長を引っ張っていけるような人材をもっと増やしたい。
僕はもっとやばい課題があるところに身を置きたいですね」
楢崎のような、常に渦中に飛び込み、ゼロからイチを救い出す「プロダクトの救命医」の存在は、アソビュー!の成長にとって不可欠です。彼の今後の活躍にも目が離せません。
撮影:加藤源也