ライティングセミナーについて、今回が最終章の「実践編」になります!
授業で学んだことを元に、最後30分くらい時間を使って『忘れられない景色』をテーマに文章作成を行いました。
シズル感や五感を使った表現など、できるだけリアルに情景が浮かぶように意識して作成しています。
少し恥ずかしいですが、読者の皆様を私の思い出の旅にお連れできればと思いますので、しばしお付き合いくださいませ。
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ーーー 忘れられない景色 ーーー
丸ノ内線後楽園駅を下車し、改札をくぐったその先には、今も昔も変わらぬ景色がある。
中学時代の放課後に通いつめた「礫川公園」だ。
繰り返し流れ落ちる噴水の音色に耳を傾けたことなんてなかったけど、それはきっといつもこの場所に笑い声が絶えなかったから。
学校終わり、真っ直ぐに坂を下れば辿り着く場所なのに、裏道をぐるっと回り、アツアツの肉まんをこっそり買って公園に持って行ってたっけ。
先生や親の目を盗んでそこにいる感覚は、ちょっとハラハラするような緊張感と、自分達だけの特別な空間にいるような優越感が隣り合わせだった。
今日はあの公園に寄ろう!という約束をするわけでもなく、それぞれが思い思いに集う場所。
アスレチックはほとんどないけど、木々に囲まれただだっ広い広場の中心に、一つの空き缶を置くだけで楽しめた。
カサカサと動く草むらの中で声をひそめ、今か今かと出て行くタイミングを見計らう。
勢い良く飛び出し、砂ぼこりをあげながら真っ直ぐとターゲットの元へ。
「カーン!」という高い音を上げて空き缶を蹴り上げる快感と、周りから聞こえてくる歓声。
誰もが経験するなんてことない遊びだけど、どうして今もまだ心に残る思い出なんだろう。
日が暮れるまで、キコキコといったりきたり、ブランコの上で何時間語り合ったっけ。
気付けばベンチに座っていた人達も、何人も入れ代わっているような。
なんでもないその公園は、僕たちにとって掛け替えのない秘密基地。
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お読み頂きありがとうございました(^^)
今回のテーマから、きっと誰もが行ったことのある公園や、そこで過ごした時間など、共感しやすいエピソードを題材にして「読ませる文章」に近づけられるようにしました。
また先生から教えて頂いたもう一つのテクニックを取り入れています。
物語の始まりとして、読み手はいきなり現地から入るより、そこに連れていかれる方がその世界観に入りやすくなるそうです。
そのため冒頭は最初から公園内でなく、そこに辿り着くまでの経路から書き始めてみました。
楽しい思い出はいつも、振り返るとどこか切なさが入り混じる、そんな雰囲気が伝わっていれば幸いです。
”言葉”という人間の最大の武器を活かせるよう、今後とも表現力豊かに発信していきたいと思います。