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イベントレポート | 採用力で全国4万社の中から受賞した広島県企業の県外人材採用の秘訣とは

ウォンテッドリーは、いいオフィス広島にて、広島県に拠点を持つ採用に関わる経営者及び採用担当者向けにトークイベント「採用力で全国4万社の中から受賞した広島県企業の県外人材採用の秘訣とは」を12月10日(金)に開催しました。

なぜ広島にお邪魔したのか?

ウォンテッドリーは「シゴトでココロオドルひとをふやす」ために、共感を軸にした人と仕事との出会いを首都圏、非首都圏問わず創出してまいりました。地方における人材不足が叫ばれる中、2021年5月に発表された国勢調査結果速報において広島県の県人口の減少幅が過去最高となったという状況を受け、広島県内において自社の魅力を発信し、県外人材の採用に成功されている企業様に着目しました。

広島県の人口、過去最大1.5%減 広島市は増:朝日新聞デジタル
昨年10月時点の県内の人口が5年前と比べ1・5%減った。昨年の 国勢調査 の速報値として、県が18日に発表した。減少率は過去最大。一方、広島市は初めて120万台に達した。 ...
https://www.asahi.com/articles/ASP5W71Z3P5PPITB006.html#:~:text=%E6%B8%9B%E5%B0%91%E7%8E%87%E3%81%AF%E9%81%8E%E5%8E%BB%E6%9C%80%E5%A4%A7,%E5%80%8D%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

今回ご登壇いただいた広島県福山市に本社を置くホテル企業、株式会社サン・クレアは2021年11月4日に開催された、ウォンテッドリー主催の採用と組織づくりをリードするオンラインイベント「FUZE2021」において、全国約41,000社の中から非首都圏地域における採用において成果を上げた企業へと贈られるBEST LOCAL TEAM賞を受賞されています。

採用と組織づくりをリードするオンラインイベント「FUZE2021」Award受賞企業を発表 | Wantedly, Inc.
ウォンテッドリーは、11月4日(木)に開催し1,500名以上が参加した、採用と組織づくりをリードするオンラインイベント「FUZE2021」(フューズ2021) における受賞企業を発表いたします。...
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/358997

本イベントの狙いは、広島県で採用に関わる企業様が、県外の人材採用に関して気付きを得られるような場を提供することを目指しました。都心部の企業と比較すると、相対的に地方企業は「採用に関する情報が少なく、人事同士で共有できていない」傾向にあり、そのような危機感から、今回のイベントが開催される運びとなりました。


イベントレポート

まずイベントの第一部では、株式会社サン・クレアの代表取締役CEO 細羽雅之さん、人事・執行役員 栗田康二さんに、県外採用で成功を収めた理由についてお話を伺い、第二部では、広島県企業を年間300社以上回り、地元企業の採用課題を熟知されている広島県プロフェッショナル人材戦略拠点の村岡健太さんが聞き手としてトークセッションへ参加し、採用活動においての難しさ、悩みについてカジュアルにお話をする場としました。最後に、ウォンテッドリーからは執行役員川口かおりから採用のトレンドについてお話いたしました。


第一部 「サン・クレアはなぜ県外から人材を採用し、成功したのか?」

第一部では、サン・クレア代表の細羽さん、同社人事の栗田さんがサン・クレアの県外採用成功の経緯や、秘訣についてお話されました。

サン・クレアはもともとデニムを製造・販売している会社でしたが、1996年に経営破綻していしまい、その際デニム事業を手放し、当時辛うじて収益をあげていたホテル事業に専念し始めました。しかし、当時運営していたホテルは施設は壊滅的で、社員の士気もなく、ネット上の口コミには厳しい意見が沢山書き込まれている状態でした。

そんな時細羽さんが大切にしたのが、「同じ志を持った仲間を集めること」でした。そういった背景を持つサン・クレアですが、なぜ県外から人材を採用するに至ったのか細羽さんがお話くださりました。

細羽さん:私たちは瀬戸内エリアを中心にホテルを展開しています。それ以外のエリアで採用活動をしようと考えた理由ですが、自分たちの会社にマッチした人材と出会える機会が増えるだろうと考えたからです。ネットを活用すれば、場所に捉われない採用活動ができる。自分たちで私たちはこういう会社です、と発信していけばその理念に共感してくれる人に出会えるチャンスが広がる。そういった意味で、視野を広げて、全国での採用を始めました。

細羽さんのそういった想いで始まった県外での人材採用ですが、人事の栗田さんが実際の採用を行っています。栗田さんは元々人材業界で働いていて、そんな中でサン・クレア初の人事担当者として2018年に入社されています。セミナーでは良く聞かれる質問10個について厳選してお話してくださりました。このレポートでは2つに絞ってご紹介。



Q.採用活動って何からされるんですか?
栗田さん:まずは、会社の目指す方向や存在意義を言語化することから始めます。いわゆる、ミッションやビジョンですね。例えば私たち、サン・クレアは、「宿泊業を通じて、その地域のまちづくりをしていくことを目指す」ことが会社として目指していきたい姿です。会社として目指す方向感を会社全体としてそろえることが大切だと考えています。

Q.採用担当に必要なものは?
栗田さん:「営業スキル」だと思います。自分たちの会社の良い部分・課題と、目の前の候補者が実現していきたい未来をヒアリングしていき候補者の方に対して、会社側が提供できる経験や仕事について提示する。一方でデメリットもあることもきちんと話す。自分たちの会社を徹底的にセールスするんですよね。そういった意味で、「営業スキル」が重要だと考えています。

第二部 トークセッション~採用活動のぶっちゃけ話~

第二部では、広島県プロフェッショナル人材戦略拠点のサブマネージャーである村岡さんと、ウォンテッドリーの執行役員である川口、そしてサン・クレアの細羽さん、栗田さんの4人で、採用活動のぶっちゃけ話というテーマでトークセッションが開かれました。

会社のビジョンが形骸化している企業では、社長に「1年後どうなっていたいか?」と問うてみる
川口:先ほどの栗田さんのお話の中で、採用活動は会社の方向性を言語化するところから始める、とおっしゃられていましたが、会社のビジョンが形骸化していたり、定まっていない企業もあるかと思います。もし栗田さんがそういった会社の人事になった場合はどうしますか?

栗田さん:もし僕だったら、その会社の社長に、「1年後はどこを目指すのか」という質問をしてみると思います。5年後、10年後は考えることが難しかったとしても、時間軸を前にすることで答えを引き出せるかもしれないと考えています。そうして、社長から引き出した答えをそのまま求人票を書くかなと思います。


地方だからこそ県外人材にアピールできることもある?
川口:では、実際に県外人材を採用していきたい!となった場合、地方企業だからこそ、他社と差別化できることは何かあると思いますか?

細羽さん:僕たちは、愛媛県松野町で「水際のロッジ」というホテルを運営しているのですが、そこの周辺の地域は心が洗われるような雄大な自然があるんですよね。だから、都会の方とかはそういった大自然があることをアピールしますね。コロナ禍で部屋に閉じこもることを余儀なくされたからか、そういった環境に魅力を感じる候補者の方は増えている印象はありますね。どの企業においても、その企業ならではの特色はあると思うので、それを如何にうまく表現して候補者の方に訴えかけていくかが重要だと思いますね。

第三部 最新の採用のトレンドって?

最後に、川口から最新の採用トレンドについてお話いたしました。

川口:採用活動において、お伝えしたいのは以下の3つです。

①転職潜在層へアプローチしないと母集団不足に陥ってしまう
実は、「今すぐ転職したい」という明確な転職意欲がある人は一握りなんです。しかし、「転職活動はしていないが、採用担当者と話すことや、身近な人から情報取集をしている人は全体の6割近くいます。そのため、「今すぐは考えていないけれど、いつかは転職してもいいかも」とぼんやり考えている転職潜在層に向けて、積極的に働きかけていかなければ、採用候補者の母数が少なくなってしまう恐れがあります。


②フルリモートで、都内企業が競合になった
コロナ禍でリモート勤務、ウェブ面接が進んだことによって、場所という制約が少しずつなくなりつつあります。県外人材と接点を持つ機会が増えたという意味ではチャンスでもありますが、県内の人材が都心の企業の視野に入れることができるようになったという意味では、「都心部の企業も、自分たち地方企業の競合になった」とも言える状況になっています。


③何のためにやるか?を最重視する世代の台頭
現在の50代から60代くらいの年齢層の方は仕事に求めるものとして、「お給料」の割合が高い傾向にありました。しかし、現在の20代~30代くらいのミレニアム世代は、仕事に求めるものとして、自分の仕事が世の中にとって意義のあるものか、という仕事の「有意義さ」を重視する傾向にあることがわかっています。だから、応募者数を集めるために給料を引き上げて提示していたけれど、思うように応募が集まらない…というのはよく聞く話です。今後は、そういった求職者の仕事に対するニーズを把握していく必要があります。



サン・クレア栗田さん、県庁村岡さんによる、広島人事コミュニティが発足

イベント終了後には、参加者の広島県で採用担当している方々が他社の担当者と懇談をして情報交換をしていたり、登壇者の皆さんに思い思いの質問を投げかけられるなど、採用・人事に関して相談する場所のニーズが伺えました。

ウォンテッドリーとしてはこうして広島にお邪魔してイベントを開催させていただくのは初の試みでしたが、イベントだけでなく継続的に広島の、そして地方の採用の助けになれるような活動は行っていければと思います。お世話になった皆様、ありがとうございました!

株式会社サン・クレアについて

株式会社サン・クレア - SUN-CREA Co.,Ltd. | 考えよう、愛されるホテルとは何か。今までにない新たな宿泊業態をイノベーションするサン・クレアの企業サイトです。直営事業で培った経験とノウハウを生かし、全国のホテル事業者様の戦略パートナーとして同じ目線で課題に向き合い、お客様からも、自分たちからも、ずっと愛されるホテルを創造します。

株式会社サン・クレア - SUN-CREA Co.,Ltd. | 考えよう、愛されるホテルとは何か。
今までにない新たな宿泊業態をイノベーションするサン・クレアの企業サイトです。直営事業で培った経験とノウハウを生かし、全国のホテル事業者様の戦略パートナーとして同じ目線で課題に向き合い、お客様からも、自分たちからも、ずっと愛されるホテルを創造します。
https://sun-crea.biz/

瀬戸内エリアを中心にホテルを7つ展開している企業。過去には負債50億を抱える状況に陥ったこともあったが、事業の選択と集中を経て事業再生。県外から人材を採用することを通じて事業拡大し、現在急成長をしているフェーズにある。

FUZE2023 | 採用と組織づくりをリードするイベント by Wantedly
これからの組織づくりを担うリーダーたちにスポットライトを当てる、ウォンテッドリー主催の1DAYイベント「FUZE2023」。12月6日、原宿にて開催。
https://fuze.wantedly.com/

2021年11月4日に開催された、ウォンテッドリー主催の採用と組織づくりをリードするオンラインイベント「FUZE2021」において、全国約41,000社の中から非首都圏地域における採用において成果を上げた企業へと贈られるBEST LOCAL TEAM賞を受賞。

受賞した栗田さん

登壇者情報

株式会社サン・クレア 代表取締役CEO 細羽雅之氏
日本IBMを経て、25歳で父親の経営破綻した事業整理を引き継ぐ。負債50億円を15年かけて整理・弁済。そのプロセスで蓄積した独自のホテルマネジメントノウハウを元に、2015年、新たにホテル運営会社を設立、起業。現在は会社の運営する「水際のロッジ」の所在地である、人口わずか4000人の松野町に移住し、未経験からお米を収穫している。

株式会社サン・クレア 人事・執行役員 栗田康二氏
大手人材サービス企業にて、人材紹介サービスを用いた企業の採用支援、個人の転職支援に携わる。その後、求人広告や人材紹介サービスなどの、企業側にとって「待ちの採用手法」だけではない採用支援にチャレンジすべく、ITベンチャー企業に転職。企業規模や業種、事業フェーズの違いを問わず、幅広い顧客を担当。2018年11月、会社初の人事として株式会社サン・クレアに入社。2ホテル60名組織から、7ホテル120名組織拡大フェーズの採用活動をリードする。ビジネスSNS「Wantedly」も活用し、中途採用やインターンシップ生の採用など、県内外より20名以上の採用実績がある。

広島県プロフェッショナル人材戦略拠点 サブマネージャー 村岡健太氏
大阪大学大学院修了(工学修士号)後、大手コンサルティングファームにて人事制度構築、中期経営計画策定支援、国家戦略特区プロジェクトに従事。2018年から広島県プロフェッショナル人材戦略拠点(広島県庁)に出向。年間400名の経営者と面談を行い、経営課題・人材採用に関する情報提供や人材紹介会社と連携した採用ソリューションを提供している。「待ちの採用」では地方中小企業での成功事例は少ないため、「攻めの採用」の必要性を説いている。

ウォンテッドリー株式会社 執行役員 川口かおり
早稲田大学卒業後、オリンピック選手のマネジメントに従事、その後、2007年リクルートエージェント(現リクルートキャリア)に入社。人材紹介事業で9年間、大手総合商社、大手消費財メーカー、大手広告会社など多くの日本を代表する企業の中途採用を支援。その後グローバル・ハイキャリア領域の事業開発にマネージャーとして携わり、多くの企業の採用課題と向き合う。テクノロジーでもっと適材適所を生み出したいと考え、2017年10月にウォンテッドリー株式会社に入社。自身も採用にコミットし、組織を1年半で3倍にすることに成功。

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