こんにちは!Wantedly コーポレート担当執行役員の兼平(@kaneto_t)です。
2018年の記事でWantedlyの経営管理システムやフローがどうなっているかを説明しました。それから2年。どのように進化してきたのかをお伝えしたいと思います。
経理財務
まずは、経理財務を中心としたシステムとフローのアップデートです。
一番大きく変わったところは、会計システムを「MFクラウド会計」から「freee」に切り替えたことです。「なぜfreeeにしたの?」「どういう進化をしてる?」といったことが気になる方は是非各パートも読んでみてください。
財務会計
冒頭の説明の通り、一番大きく変わったところは、2019年9月から「freee」に切り替えたことです。銀行口座やクレジットカードの自動連携といった便利な要素はそのままに、購買などの内部統制の強化を目的に切り替えました。また、APIの活用による業務効率の改善も期待していました。
決算期に合わせ運用を開始し、運用2年目になっています。時系列のデータが蓄積されてきたことで、freee内で行うことができる分析の幅が拡がってきており、ますます便利になっています。
連結決算は引き続きGoogleスプレッドシートを活用しています。日本円、シンガポールドル、香港ドルと複数通貨に対応でき、連結決算まで対応可能な会計ソフト・ERPとなると、現時点では不要な機能も多くなってしまうため、Wantedlyの企業規模での導入はなかなか難しいと考えています。
購買
稟議の申請・承認を「GitHub」から「freee」に変更しました。これにより稟議と支払依頼の紐付けが簡単になり内部統制が強化されています。
Slack連携によって意思決定のスピードが向上したことも大きなメリットです。
また、稟議、支払依頼だけでなく、押印などその他の申請もワークフローを活用しており、会社全体の効率化に寄与しています。今後も、ワークフローがどんどん使いやすくなっていくことを期待しています。
経費精算
経費精算は引き続き「MFクラウド経費」を利用しています。財務会計側が変わっても連携出来るため、利用料や使い勝手、社内のスイッチングコストを総合的に判断して継続利用を決定しました。
労務関連
労務周りのサービスの変更はありません。この期間のトピックとしては、Wantedlyでは多くのサービスを使うため、入退社の度に発生する大量のアカウント管理の負荷を軽減したことです。自社で開発した「Welcome Wantedly」という「GitHub」の登録をベースとした仕組みを運用することで大幅な工数削減を実現できました。給与計算は引き続き外部の社会保険労務士の方に行って頂いています。
請求
請求プロセスはオペレーションチームが担ってくれています。ウォンテッドリーでは、契約管理や請求業務を行うチームをオペレーションチームと読んでいて、コーポレートチームに所属しています。お客様の問い合わせ対応や、営業上のコミュニケーションなどを考えると、どこで業務を分割すべきか、どこに組織を置くべきか、悩ましい状況になることもありビジネスチームと連携しながら常にアップデートしています。
課金モデルがサブスクリプションであること、事業がスケールし様々なニーズ、売り方が出てきていることなどの内部的な要因、収益認識に関する会計基準など外部の要請もあり、契約管理のシステムを見直していくフェーズになっています。
管理会計
予実の管理など管理会計では、メインのツールは引き続きGoogleスプレッドシートを活用しています。「freee」のタグやAPIを活用したり、元となるデータを比較・加工しやすいような形式に整備するなど、地道な努力を重ねてきた結果、集計スピードが早くなり、分析が高度化してきています。
BIツールは全社でDOMOからLookerに移行しました。Lookerのデータを参照したり、時にはBigQueryを叩いてデータを集めてきて、非財務情報を含めた管理を行っています。
監査・開示
もともとペーパーレス化は進んでいましたが、新型コロナウイルスの影響がある中でも比較的スムーズにリモートワーク移行し、決算・開示を乗り切りました。
監査法人に「freee」のデータを直接見てもらうようにアカウントを付与していることや、「Dropbox」などのツールを利用したコミュニケーションを行うことで、平時に近い環境を維持することができたことがリモート決算を支えています。
リモート決算で取り組んだことや、ボトルネックになったことなど詳細を知りたい方は是非こちらをご覧ください。
海外
会計システムは引き続き「quickbooks」を利用していますが、海外事業の進捗、管理体制の変化に伴い、運用方法を変更しています。具体的には香港事業の進展に伴い、香港についても「quickbooks」を使用するようになりました。
経費精算は「Expensify」を引き続き使用していますが、新しいツールの導入も行っており、2019年に給与管理の「Talenox」を導入しています。
Wantedlyでは、海外事業の経理機能を日本側で一元管理しています。ツール選定の背景など、もう少し詳しいことが知りたい方は是非こちらもご確認ください。
法務
法務のシステムも改善が進んでいます。
以前、お伝えした「電子契約率9割を達成したリーガルチームDX推進の取り組み」にある通り、これまで使用してきたGitHubは継承しつつ、「Hubble」の導入や「freee」の活用を進めています。また、自動化ツールの「Zapier」を活用し、法務に置いてもクイックかつ効率的なコミュニケーションを実現しています。詳細は是非こちらをご覧ください。
最後に
ツールの活用を通じて効率的なシステム・フローをつくることでリーンなコーポレートチームをつくってきました。一方で、エンゲージメント事業の開始やJ-SOXの本格適用など求められることが増えてきています。
そこで、スケールする会社を支えるコーポレートチームを一緒につくってくれる方を募集しています。これまでは人数も少なく、各分野のプロフェッショナルを採用してきましたが、今後は、領域にとらわれず多彩なチャレンジをしたい人、ポテンシャルのある第二新卒の方や、司法試験や会計士、税理士試験などの受験に集中していて社会人経験はないがこれからコーポレートでキャリアを作っていきたい人の採用も始めました。
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