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創業112年、中四国を代表する老舗ベンチャー企業の4代目ってどんな人?

父である先代社長との思い出

石井:実は先代である父とは、会社の在り方や社員に求めること、事務機業界が今後目指していきたい未来など、理念や価値観が私とは180度違いました。

そのため意見が会わず、衝突もしたこともしばしばありましたね。正直、当時は喧嘩ばかりしていたかもしれません。

今でこそ “後継者教育” という言葉を耳にすることが増えてきましたが、当時の私は、父から教育らしい教育をしてもらうこともありませんでした。そのため、自ら外部研修に参加したり、実績を出すために必死で営業活動したりと、認めてもらうのに必死だった記憶があります。

しかしそれも、私が石井事務機センター(現ワークスマイルラボ)を承継してからは変わりました。認めてくれたんですかね、基本的には、会社の全て任せてくれるようになりました。

今はそれなりに会社の知名度も上がり、おかげさまで多くのメディアや新聞へ掲載いただく機会も増えたのですが、どうやら父は、それを周りに自慢しているみたいです。(笑)

そういったことに興味がない人だと思っていたので、意外な一面を見た気がします。


石井社長の幼少期、学生時代のエピソード

幼い頃、私はおじいちゃんっ子でした。

祖父は、ワクスマの前身である、石井弘文堂の創業社長でした。
優しく、時には厳しく、従業員を本当に大事にしている、そんな祖父だったということを、鮮明に覚えています。
今思えば、そんな祖父の背中見て育ったことが、私の理念や理想の原点だったのかもしれません。

高校卒業後は、地元岡山を出たい一心で東京の大学へ入学。この頃の私は、正直めちゃめちゃ遊んでいました(笑)

“家業を継ぐ”

なんて、当時は正直考えていなかったですね。
「卒業後どうするんだ」って、父に問われた時に初めて、その選択肢が頭に過ったように思います。

ただ、この時はそんな大きいビジョンや夢があったわけでもなんでもなくて、「就活面倒だし、社長になったら楽してお金稼げるし、それもいいかな」なんて、ただただ楽観視していた自分がいましたね。

この甘い考えは、その後打ち砕かれますが…

父である先代社長と、自分との違い

父は、“会社なんて儲かればいいんだ” という考えを持っていた人でした。

もちろん、いい会社にしたい、永続経営していきたいという思いは共通でありましたが、父の経営スタイルは昔ながらのワンマンであり、今以上に企業を発展させるという思いは微塵もありませんでしたね。

そんな背景もあり、私はなかなか父に認めてもらうことができませんでした。

私は、今まで頑張ってくれた社員、そしてこれから入ってくる社員も含め、みんなが活躍できる舞台を作っていきたいと強く思っています。その先には必ず地方創生というビジョンがあり、それを実現するには、今のワクスマの形を進化させていくことが、必要不可欠だと確信しています。

今でこそ父と衝突したり争うことはありませんが、父を反面教師にしたことが、自分の成長へと繋がったのだと思いますね。

若い世代へのメッセージ

「自分ができること」より、「自分がやりたいこと」が何かを見つけ、そこにフォーカスを当てた方がいいんじゃないですかね。

“チャレンジするのが怖い”、“安定した生活がしたい”って言う意見が目立ってるなと、ここ数年感じるのですが、その思考のベースって、「自分ができること」をする、って考えが前提にあると思うんですよ。

でも、その枠を取っ払って、本当に「自分がやりたいこと」は何かを見つけると、可能性はどんどん広がっていくと思うんですよね。これって、すごく大事で。

私自身がそうだったように、「自分がやりたい、やってみせる」って思いが強くあったからこそ、周りのいろんな反発や障害をも乗り越え、今のワクスマを築いてこれたんだと実感しています。

何歳になっても“挑戦する勇気”を持って、目の前のチャンスを掴んでいって欲しいと思っています。

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