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総額2.75億円のシリーズAを完了した「ファンビジネス」スタートアップventusが目指す未来

株式会社ventusは、2021年9月に2.75億の資金調達を完了しました。

今後の事業展開を前に、ventusの代表 梅澤がどのようなビジョンを描いているのか、起業の背景やこれまでの事業の振り返りを含めお話しします。

まずは、ventusは何をしている会社なのかをご説明いただけますか?

電子トレカのORICAL(オリカル)という事業をメインに、スポーツエンタメ領域でビジネスを行なっています。

ORICALはスポーツチームやアーティストがデジタル上のトレーディングカードを発行して、ファンの方がコレクションしていく仕組みです。2022年2月現在では、西武ライオンズさん、千葉ロッテマリーンズさん、日本相撲協会さんに導入頂いていて、多くのファンの方に楽しんでいただきながら、しっかりと数字も伸ばすことができています。

今は電子トレカ事業がメインとなっていますが、今後はスポーツ、芸能を中心としたファンビジネスを広く展開していきます。

ファンビジネスをしようと思ったきっかけ、創業に至った背景はどのようなことでしょうか?

まずは自分自身がスポーツのファンだったことですね。会社をやるとしたら絶対この領域だと決めていました。

その中でファンビジネスをやろうと思ったのは、実感として持っていた今の「ファン」の気持ち・行動と、今提供されているファン向けのサービスがあまりマッチしていないのではと感じたからです。

世の中にはファンクラブ系のサービスやプロダクトはたくさんあると思うのですが、「ファンの人がそのコンテンツをどう応援してきたのか」を証明するものや発信する場所が無いなって思ったんですね。

ファンの方たちは、SNS上でファンアカウントを持っていて、普段の自分とは異なる「ファンとしての」人格を持って生きている。その人たちはそれぞれ違う応援の仕方とか、歴史を持っているのに、今のシステムではそれを評価することができていないなと。

要は、例えばファンクラブといっても、今提供されているものはある種、画一的なものになっていて、本当は一人一人違うはずのファンに対して最適なコンテンツを届けることはできていないなと感じました。

ファンの方をできる限り一人一人を個別化して、その人の応援の仕方をきちんと評価して、最適なサービスを提供できるような、そんなサービスが必要だと感じました。


ファンビジネスの中でも、スポーツビジネスの現状をどう捉えていますか?

実は中学生の頃から、自分自身がスポーツ業界に就職したいと思っていました。

ただ、実際にこの業界を志したときに、中にいるスタッフの平均年収がかなり低めだなと感じました。これだと自分自身がすぐに就職したいと中々思いづらかったし、優秀な人材が中々入ってこないだろうなと。

スタートアップという観点で見ても、IPOをするような会社すらほとんどなくて、これはまずいなと思っていました。業界全体においてスタッフの方の年収を上げるためには、ちゃんと現場でプロダクトを作ってお金を作っていけるような会社が存在することが必要だなと感じました。

この危機感も、会社を作ったきっかけの一つです。

よく言われることかと思うのですが、スポーツビジネスで売上を上げるのは難しく、スモールビジネスで落ち着くとか、撤退してしまうケースも多いのかなと感じています。その点について、ventusの現状とこれからはどうでしょうか。

市場の定義を「スポーツビジネス」と捉えてしまうことが原因の一つなのかなと感じています。常にこれまでにない新しいビジネス・プロダクトを0から作って、コンテンツ側に新しい売上の軸を作ってあげることが必要ではないかと考えています。

領域はスポーツやエンタメですが、その中で僕たちがやっているのは、コンテンツの力を用いた新しいビジネスの創出です。その意味で私たちは、電子トレカの事業だけでも、YoYでのトレカ流通額が4倍、毎月売上ベースで見てもMoM120%増加という実績を残してきました。

「スポーツビジネス」にとどまることなく、新しい市場と掛け合わせて、新しいプロダクトを作り出していくこと。決して受託のような形で終わるのではなく、プロダクトを成長させるところまで一緒に責任をもって伸ばして、そこから収益を上げていくこと。

シンプルですが、その二つを大切にして、質の高いビジネスモデル・プロダクトを作り続けていくつもりです。

その中で、事業を電子トレカサービスからスタートした理由はなんでしょうか?

構想としては2017年頃から考えていて、その後形を変えながら進めて、今のものに至るという感じです。

まず一つ目の理由は、世の中に紙のトレカが存在していて、市場がすでに大きかったこと。しかもびっくりすることに、いまだに市場が伸びているんですね。

もう一つは、デジタル上でそのチームを応援している証を作りたいという発想でした。当時「ICO」やら「トークン」というのが瞬間的に流行って、アイディアとしては非常に面白いなと思っていました。ただ、今でもそうなのかなと思うのですが、そのほとんどが投機的な理由で購入されるんですよね。

もっと純粋に、それ自体が欲しいもの、持っているだけで価値があるものとして、電子トレカというアイディアを採用しました。

事業を進める中で、一緒に進めているコンテンツ側の評価はいかがですか?

確実に売上の軸になってきていて、コンテンツ側にとって新しいマネタイズの手段になりつつあるのかなと実感しています。

売上的な観点だけでなく、今まではチケット、グッズの購入データなどをコンテンツ側で追っていた中で、そこでは追えなかったデータが見れることも評価につながっているのかなと。

例えば、これまではファンがどの選手を実際に推しているのか見えづらかったのですが、デジタルトレカはいろんなデザイン、選手の取り上げ方ができるので、さまざまなユーザーデータを取れつつあります。ファン一人ひとりの分析がしやすく、選手の人気が見えてきて、データビジネスとしてもできる可能性が広がりました。

私たちのサービスでは1コンテンツあたり年間2000種類くらいのトレーディングカードを販売していて、販売してわかったデータや傾向をもとに、そのデザインやラインナップを常にアップデートさせています。

ファン側からの評価はいかがですか?

ポジティブな部分もネガティブな部分も含め、直接ファンの方々から反応を頂けていますが、選手のラインナップやデザインなど、「わかっているね」というようなSNS上での意見をいただくことも増えてきました。

ファンの方には、中途半端なコンテンツを発信すると「これじゃない」とすぐにばれてしまいますね。その意味では緊張感がありますが、ここまではコンテンツに寄り添ってプロダクトを作っている成果がファンの皆様からの反応としても出ているのではないかと感じています。

電子トレカの事業を進めている中で、今後の展望はいかがですか?

繰り返しになりますが、私たちの捉え方としては、デジタルコンテンツの中の一つとして、電子トレカがあるだけだと思っています。今後は他のデジタルコンテンツも積極的に検討、開発を進めていきます。

電子トレカとしての発展もたくさん見込んでいます。リアルとデジタルを繋ぐツールとして、2022年中にもたくさんの機能を実装予定です。今のトレンドとして、例えばNFTなどももちろん検討を進めています。

ただ、NFTありきではなく、NFTがファンにとってどのように新しい体験を届けられるのかにフォーカスしています。ファンの方がお金を払うだけの価値があるものはどんなものかを常に考え、手段や技術に囚われないように事業を進めていきたいと思っています。

梅澤さんからみてventusの組織・メンバーの強みはどこにあると思いますか?

開発チームだけでなく、ビジネスサイド、クリエイティブサイドと常に全体でプロダクトづくりをしていることだと思います。営業側から開発・デザイン側に要件を落として終わりではなく、要件定義の部分からできる限り各部署の意見を入れながらプロダクトをつくっています。

全員が全部門に情報共有しているため、自部署しか知らないような状態にはなっていません。プロダクトに対して、エンジニア・デザイナーからも改善点やアイディアが出てくるような文化を作れるように、情報共有の仕方には気を掛けています。

その結果、どの目線から見ても質の高いものを作れているのではないかと感じています。

より高みを目指すために感じる課題はどのようなことでしょうか?

質の高いプロダクトづくりにこだわることは大前提に、今後急速に事業を拡大する中で、クライアントそれぞれによって異なる要求、求めるものにどのように応えていくかが課題です。これからご活用いただくクライアントが増え、事業をスポーツ以外のエンタメまで広げるとなると、複数のトラックを同時に進めていかねばなりません。

実際に組織の成長期を迎える中で、「成長痛」を感じる場面も多いですし、今まで丁寧にやってきたことにこだわりを持ちつつ、仕組み化、効率化を求められていると感じています。

これからはまさに、事業と組織の両面を育てていくフェーズかなと感じています。

事業づくりに関われ、好きを仕事にできて、組織づくりとしてもやりがいを持てる環境なので、仲間になっていただける方がいらっしゃれば、とても嬉しく思います。

最後の質問です。例えば10年後、会社としてどうなっていたいですか?

私個人として、スポーツ・エンタメ業界で働きたかったからこそこのventusという会社を創業したので、スポーツ・エンタメ業界に貢献できる会社を作り上げたいと思っています。

ファンビジネス×デジタル周りで最初に想起されるような会社になって、何か困ったことがあれば最初にご相談いただけるような会社にしていきたいですね。合わせて、先程お話ししたように、スポーツベンチャーではまだほとんど上場した会社はないので、その先駆けになりたいと思っています。

ただもちろん上場することが目的ではなく、あくまでもそれは手段でしかないと感じています。

私たちが会社として大きくなり、スポーツ・エンタメが稼げて儲かる業界であることを証明し、優秀な人が集まれば、業界にとってもプラスになります。優秀な人が集まれば、業界も伸びる、業界が伸びれば目指したい人が増える。そんな正のサイクルを創出していきたいと思っています。

業界の役に立つような様々な事業を創り、そして将来的には人材輩出企業として、ventusに居たから優秀だよねと信用される会社・組織づくりをしていきたいと強く思っています。

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