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私はずっと、仕事にメンヘラだったんだ

株式会社CRAZY(以下、CRAZY)は、「人々が愛し合うための機会と勇気を提供し、パートナーシップの分断を解消する」をパーパスに掲げ、運営しています。

そのパーパスを叶える手段のひとつが、IWAI OMOTESANDO(以下、IWAI)。結婚式をはじめとする、さまざまなお祝いの機会を提供する場です。

今回は、IWAIで結婚式のプロデュースを行っている、チーフプロデューサー 大谷 亜沙美さんのCRAZY入社前後の変化について聞いてみました。

前職では、ブライダル系の広告営業をしていた大谷さん。着実に実績をあげ、ベストプレイヤーに選ばれたこともあるんだそう。そんな彼女がなぜ、IWAIのプロデューサーとして働くことになったのか。IWAIで働き始めて、どんな変化があったのか。お話しを伺いました。

接客を極めたくて、ブライダル業界を志すも…

―まずは、現在の仕事内容を教えてください。

大谷:IWAIのプロデューサーチームをとりまとめる、チーフプロデューサーをしています。プロデューサーは、結婚式を実施するおふたりの人生と向き合い、結婚式当日まで伴走するお仕事です。結婚式当日のプログラムや、ドレスや引き出物などのアイテム選定を決めるサポートももちろんします。ただそれ以上に、何時間も、ときには何日もかけておふたりの人生をヒアリングし、表面的ではない「ふたりが結婚式で実現したいこと」を引き出す。そこに重きをおいています。

―大谷さんは、CRAZYに転職する以前はどんなお仕事をしていたんですか?

大谷:ブライダルに特化した広告を展開するベンチャー企業で、広告営業をしていました。学生の頃にレストランのアルバイトをしていて、その影響で「“次”がないブライダル業界で、接客をしてみたい」と考え、ブライダルプランナーを志すようになりましたが、プランナーとしての就職は叶わず……。

それでもブライダル業界に関わりたかったので、結婚式場がお客様となる、ブライダルの広告営業として採用してくれた会社への入社を決めました。職種は違えど、ブライダル業界で活躍したい、成長したい一心で頑張っていたら、都内でも大手の結婚式場の営業を任されるようになって。退職前には、ベストプレイヤー賞もいただいたんですよ。

前職時代

―順調にステップアップしていったのですね。なのに転職を考えるようになった理由は?

大谷:やっぱり、結婚式をつくるという夢を諦められなかったんです。学生時代に自分の意思で諦めたはずなのに、いつの間にか夢を叶えられていない原因を環境や会社のせいにするようになっていて……。そんな自分を変えたくて、転職を考えるようになりました。

自分の人生に向き合わないと、人の人生にも向き合えない

―転職先として、CRAZYを選んだ理由は?

大谷:素直に「ここで働きたい」と思えたからです。ブライダルの広告営業として、結婚式場は何百件も見てきました。その中で、「人生を祝う場所」という言葉を掲げたIWAIがどうしても気になって。

―なぜ、「人生を祝う」という言葉に惹かれたのでしょうか。

大谷:その当時、祖父が亡くなってお葬式を行ったんです。会場には600人以上集まり、祖父を偲んでいました。その様子を見て、「こんなにたくさんの人たちに送り出してもらえる人生って素敵だな」「おじいちゃんはおじいちゃんの人生をやりきったんだな」と感じて。お葬式は、祖父のこれまでの人生を祝う時間なんだな、と思えたんです。

そして、人生を祝う場所はお葬式だけじゃない。結婚式も、人生を祝う機会だと思ったんですよね。自分の人生を振り返って、称える。それを生きている間にできるって素晴らしいことだな、そんな結婚式のサポートがしたいな、と。でも、それに気づいてもすぐには転職を決断できませんでした。

―やりたいことは、CRAZYにあると気づいたのに?

大谷:肩書とか、社会的地位とか、いろんなことに囚われていたんです。CRAZYの採用面談で、「あなたにとっての幸せは何?」と聞かれて。そのときの私は、昇格や昇給が何よりも大事だったし、それを最優先させることに何の疑問も持っていませんでした。そう答えたところ、「このままじゃ幸せになれないよ」、「自分にとっての幸せは何かを、ちゃんと見つけたほうがいい」と言われましたね。

―当時、その言葉には納得できましたか?

大谷:全然(笑)!上を目指すことの何がだめなんだろう、と思いました。当時の私は理解できなかったから、選考はそこで辞退しました。結局やりたいことよりも、“良い条件”を提示してくれた会社への転職を決めたんです。

でも、選考から何ヶ月経過しても、あの日かけられた言葉が頭から離れなくて。まずは社会的地位がどうこうじゃなく、私自身の人生に向き合わないと、人の人生には向き合えないのかもしれない。そう思って、採用面談から1年越しでCRAZYに入社することを決めたんです。

仕事を言い訳にして、自分も周りも大切にできていなかった

―そして、プロデューサーとしてCRAZYに転職するのですね。

大谷:はい。ずっと憧れだった仕事に就けたので、本当に嬉しかったですね。もっと成果を出して貢献しなきゃと、転職して数年間は寝食を忘れて働いていました。それが結果にもつながりチーフに昇格して、順調に成長できていると思っていたんです。

CRAZYに入社し、全力でおふたりに向き合い続けた日々

―思っていた、とは?

大谷:あるとき、代表の森さんから「働きすぎ」「誰にもみられていないからって、プライベートをサボらないで」と言われて……。CRAZYに入社するまで、仕事のためならプライベートを犠牲にすることも厭わなかったし、その結果評価された仕事もたくさんありました。成果さえ出していれば、誰にも迷惑をかけない。誰にも何も言われない。その価値観のまま、CRAZYでも働いていたんです。

次第に、周りにも同じ価値観で働くことを求めるようになってしまって。「私は一日中仕事のことを考えているのに、なんであなたは休んでいるの?」「私は成果のためなら睡眠を削るのに、なんで仕事を終えていないあなたがしっかり眠っているの?」と、プライベートを大事にする仲間を見て、イライラを募らせていました。今思うと、ずっと仕事に依存していたんですよね。

―仕事に依存していた?

大谷:私は田舎で生まれ育ったのですが、「田舎なんて成長できる場所じゃない」と自分の生まれを否定して上京してきました。だから、「一人で頑張らなきゃ」「そのためには仕事で成果を出さなきゃ」と意固地になっていたんです。

地元や家族とは自分から距離をとり、成長ばかり気にしてイライラしている私から、友達は離れていってしまって。実は、一度離婚もしているんですよ。そして残ったのは仕事だけ。これで仕事まで離れていったら、と思うと怖くてしょうがなかった。仕事で成果を出さなきゃ私がいる意味がないと、自分にも周りにもきつくあたっていました。

―代表から「プライベートをサボらないで」と言われて、どう感じたのでしょう。

大谷:最初は、「会社のためにプライベートを犠牲にして頑張っているのに、なんでこんなこと言われないといけないんだろう」と思いました。今までの努力を否定された気分で、正直良い気持ちはしなかった。

でも、「今のままじゃいけない」って思いもあったんですよね。それなら、納得はできていないけど、森さんの言葉を一度受け入れてみようと思って。夜や休日はパソコンを見ないとか、少しずつ仕事から離れてみたんです。最初は仕事がしたいのにできなくて、すごく辛かった。でも、その分自分と向き合う時間ができて。そうしたら、森さんが伝えたかったことがだんだん分かってきたんです。

―森さんが伝えたかったこと、とは。

大谷:自分を大事にしなさい。自分の人生を愛しなさいって言いたかったんだろうなって。そうすることで余白ができて、一緒に働く仲間やお客さまも大事にできるようになる。そのための一歩として、まずは仕事をセーブすることを提案してくれたんだなと、今振り返ると思います。

CRAZYには、人の可能性を信じたい人たちが集まっている

―あえて仕事と少し距離をおいたことで、変化したことはありますか。

大谷:たくさんあります!まず、日々の生活に幸せを見つけられるようになりました。好きな食材を選んで調理するとか、家をきれいにするとか、好きな雑貨を飾るとか。ひとつひとつはとても些細なことです。でも、誰かの評価は関係なく、自分が「好き」「したい」と思えることができるようになったのは、私としては大きな一歩だと思っています。

自分を愛する「暮らし」


また、家族との関係にも変化がありました。サラリーマンの父と飲食店を営んでいる母は、365日ずっと忙しかった。学校の夏休み明けに家族旅行の話で盛り上がる友人たちを見て、「うちにはよその家にある楽しい時間がこれっぽちもない」と思っていました。その結果、「家族が嫌だ」と本質から目を背けて、逃げるように上京してしまって……。

でも、CRAZYで「向き合うこと」の大切さを知ったから、思い切って家族と向き合ってみたんです。そうしたら、ずっと愛されていたことが分かって。たしかにお出かけには行けなかったけど、日々の姿をたくさん写真に残してくれていた。実家には、100冊以上のアルバムがあるんですよ。そして、今でも写真は増え続けているんです。これに気づけたのも、仕事と距離をおいて、自分と向き合う余裕が持てるようになったからですね。

実家に並ぶ、100冊以上のアルバム

―仕事では変化はありましたか。

大谷:自分を受け入れられるようになったら、周りの人たちも受け入れられるようになりました。もし部下がミスをしたとしても、責めるのではなく一緒に振り返れるようになりましたね。その方がチーム全体のミスが減り、効率的に動けたり、チャレンジしやすくなったりすることも分かりました。私やチームメンバーだけでなく、結婚式をあげるおふたりや、ゲストにとっても良いことですよね。

―大きな変化があったのですね。大谷さんの思う「CRAZYで活躍できる人」とはどんな人かを教えてください。

大谷:「人の可能性を信じたい人」ですかね。私自身もそうだったから分かるのですが、人は簡単には変わりません。それでも森さんがしてくれたように、可能性を信じてきっかけを与え続けられる人。そして、そのきっかけを受け止められる人なら、きっと活躍できると思います。

―最後に、今あらためて「あなたにとっての幸せは?」と問われたら、何と答えますか。

大谷:「誰かと一緒にいること」ですかね。あんなに1人で生きることにこだわっていたのに、今は誰かと一緒が心地よい。チームで仕事を頑張ることもそうだし、プライベートでは結婚して、いつか子どもがほしいな、と思えるようになりましたね。

これが私にとっての本当の幸せかは、正直わかりません。でも、「私の幸せってなんだろう?」と自分に向き合えるようになったのは、大きな変化だと思っています。

執筆:仲奈々
企画・編集:池田瑞姫
撮影:kuppography
デザイン:岩田優里

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