CRAZYに入社するまで
Q.どんな幼少期/学生時代でしたか?
「人が怖い。でも、人の温かさを信じたい」
これまでの私は、この二つの感情の間で揺れ動いてきたように思います。
幼少期は、人との関わりに恐怖を感じる子どもでした。きっかけは、小学生の時に同級生からかけられた心ない言葉。教室で誰かがコソコソ話をしていると「私の悪口を言っているんじゃないか」と疑心暗鬼に陥ってしまい、小学校の途中から不登校になってしまいました。
そんな私を見て、がっかりしたような顔をする両親。教育方針のすれ違いからか、父と母の喧嘩もどんどん増えていきました。「こんなに身近な人ですら、何を考えているか分からない」「人と関わるのが怖い」という気持ちは日に日に膨らんできました。
転機となったのが、中学3年生の時の親友たちとの出会いです。まだ出会って間もない私に、彼女たちは「こんな話ができるのは、里沙だけだよ」と言って、嬉しいことも悲しいことも打ち明けてくれた。どうして彼女たちがこんなに私を信用してくれているのか分からなかったけれど、すごく温かい気持ちになったのを今でも覚えています。
彼女たちとの出会いを通じて、少しずつ「やっぱり人を信じたい」「もっと人と関わりたい」と思うようになっていきました。そこで大学を機に「お客さんと関わる機会が多い」と聞いていたスターバックスでアルバイトを始めることに。
最初は失敗ばかりでした。レジ打ちは遅いし、表情は硬くてお客様への声がけもたどたどしい。それでも続けられたのは、先輩たちがお客さまや仲間に「想い」を届ける姿を間近で見て、憧れたからです。
そして少しずつですが、お客さまの目や仕草を見て「どんな言葉を伝えようか」と考えられるようになっていきました。そうしたら、私の声がけで柔らかい笑顔を見せてくださるお客さまがどんどん増えてきて……!
お客さまの人生の中の、たった数秒のやりとりです。でも、その数秒に込めた想いで、目の前の人の一日を少し豊かにできるかもしれない。そうして、接客業の楽しさにどんどんのめり込んでいきました。
Q.CRAZYに入社するまでは、どんなキャリアを歩んできましたか?
スターバックスでの経験を通じて「一瞬の関わりでも、誰かの人生を豊かにできる可能性がある。じゃあそれが数時間、数日という関わりになったら?」と考えるようになりました。そこで気になったのが、ブライダル業界です。
大学時代、CRAZYのメンバーが登壇しているイベントを目にしたことがありました。「あのときの会社、ブライダル事業をやっていたな」と思い出し、アルバイトの募集をしていないか問い合わせることに。それからスターバックスと並行して、CRAZY WEDDINGのキャスト(サービスアルバイト)として働き始めました。
そこで見た景色は、驚きの連続でした。ここでは、肩書も役職も関係なく、全員で「妥協しない、最高の一日をつくる」というゴールを目指していました。たとえば、配膳スタッフの私たちにも「おふたりはどんな想いで結婚式を挙げるのか」「どんな人生を歩んできたのか」「今日この場で、ゲストに何を伝えたいのか」を共有されるんです。だから、数時間の関わりでも、一つひとつの結婚式が思い入れ深いものになる。
実際、おふたりの背景を事前に知っているから、お会いするのは式当日が初めてなのに、入場のシーンで感極まって、なぜかスタッフの私が泣いてしまう、なんてことが何度もありました。
それでも、私は新卒ではCRAZYではなく、別の会社に入社しました。
CRAZYを選ばなかった理由はいくつかあります。一度は生まれ育った東京を離れてみたかったこと、ブライダル以外の世界を見てみたかったこと。でも何より、人を信じる環境としてはものすごく理想的だと思えたからこそ「怖かった」のかもしれません。
社員としてもっと深く関わるようになったら、人の温かさだけでなく、嫌な面もみえてしまうかもしれない。そのとき、私は「それでも人を信じたい」と思い続けられるだろうか。
人が怖い気持ちは、まだ払拭できずにいる。でも、人と向き合う接客の仕事が好き、という気持ちも嘘じゃない。そうして私は、新卒でリゾート施設を運営する大手の会社に入社しました。
しかし、最初に配属されたのは、ほとんどお客さまと関わる機会のないキッチンでのお仕事。「私の提供した食事の先にいるお客さまに喜んでもらいたい」と、自分なりに頑張っていました。でも、限られたスタッフで、日々たくさんのお客さまがいらっしゃる現場を回すには、お客さま一人ひとりとじっくり向き合う丁寧さより、いかに早く及第点の業務を遂行できるかといった効率の良さが重視されていました。
もちろん、効率化も会社にとっては大事なことです。効率を上げなければ利益は出ないし、スタッフも疲弊してしまいますから。でも、マニュアル通りに無難に仕事をこなす自分の姿を俯瞰して「私のやりたいことって、これなんだっけ?」と思う私がいたのも事実です。
Q.働く場所として、CRAZYに興味を持ったきっかけは?
「理想と現実に折り合いをつけるのも、社会人として大事なことなんだ」
そう自分に言い聞かせて、日々仕事をこなしていた時、かつてアルバイトをしていたCRAZYから、周年イベントの招待状が届きました。そのイベントで目にしたのは、登壇者たちが自分の言葉で、人生を、愛を、熱く語る姿でした。
周年イベントの様子
「私が理想を諦めている一方で、こんなに理想に向かって頑張っている人たちがいるんだ」
そう思って、苦しくなりました。いろんなことを諦めた私は、ここでは働けない。それでも、いちファンとして、CRAZYのことは応援し続けたい。そう自分に言い聞かせて、会場を後にしました。
しかしその後、私がCRAZYでアルバイトで働いていたときにお世話になったメンバーから連絡を偶然もらって。久しぶりだけど温かいメッセージに、なぜか涙が溢れてきました。「もう大人だから」って夢や理想を諦めたつもりになっていただけで、やっぱり心のどこかで「諦めたくない」「信じたい」って思い続けていたのかもしれないと感じた瞬間でした。この連絡で心が動いたことが、CRAZYの選考を進むきっかけになりました。
CRAZY入社の決め手
Q.CRAZYへの入社を決めた理由を教えてください。
最終的な決め手となったのは、面談を重ねていく中で「CRAZYは、本当に一人ひとりに向き合える場所だ」と確信できたことでした。面談で、これまで誰にも言えなかった「弱さ」や「願い」をすべてさらけ出したんです。効率重視の環境で、心を閉じようとしたこと。人が怖いけれど、それでも人の可能性を信じたいと思っていること。
私の面談を担当してくれた人たちは、真剣に私の想いを聞いてくれました。私の想いを否定せず、意見や考えを押し付けることもしない。ただ、私という人間を丸ごと受け止めてくれた。それが、とにかく嬉しかったのを覚えています。
「人が怖い」と自分の殻に閉じこもっていた幼少期。それでも、人が好き、人と向き合いたいと思って選んだスターバックスのアルバイト。そこで感じた「たった数秒で人の人生を豊かにできる」という確信。前職で感じた「効率化よりも、寄り添いを重視したい」という葛藤。これまで、たくさん悩み、躓いてきました。でもそこには、私がずっと大切にしたかった「願い」そのものが詰まっていました。
それに気づかせてくれたCRAZYでなら、きっと私らしく、人と向き合っていける。人と向き合うのはまだ怖さもあるけど、そんな自分も受け入れながら、前に進んでいけそう。そう思って、入社を決意しました。
CRAZYで働いてみて
Q.実際にCRAZYに入社してみて、どうですか?
入社して半年。今、私はIWAIのディレクターとして働いています。IWAIのディレクターは、配膳や案内といったサービスそのものはもちろん、その空間や温度感までディレクションするのがお仕事です。そして、「目の前のおふたりやゲストにとって何がベストか」「そのために、一人の人間として何ができるか」を突き詰めることを大事にしています。
パーティ前の打ち合わせの様子
たとえば、パーティー終了後、お着替えを待つご親族のもとにご挨拶に伺った時のことです。話が盛り上がり、気づけば私とご親族でその日の感動を熱く語り合っていました。最後には、私とご親族で肩を組んで記念撮影までして(笑)。
通常なら「いちスタッフが何を勝手なことをしているんだ」「お客さまに失礼じゃないか」と注意される場面かもしれません。でも、お客さまを心から笑顔にできたなら、IWAIではその対応が「正解」なんです。
またある時、パーティー中に一人のキャストが担当していたご親族と意気投合し、会場の片付け中に「最後に一言、控室にご挨拶に行きたい」と言ったことがありました。すでに式は結んでいるから、利益は発生しません。費用対効果や効率を重視するなら、全員で撤収・片付けを進めるのが正しいはずです。でも、周りのメンバーは迷わずこう言いました。
「片付けは私たちがやっておくから、挨拶しておいで!」
こんなふうに、当たり前に「人と向き合うこと」を大事にする人たちが集まっているのが、CRAZYなんです。
Q.これまでの経験はCRAZYでの仕事にどう活きていますか?
正直、これまでのキャリアを「遠回りだった」と思ったこともありました。でも今は、すべてがつながっていると感じています。
スターバックスで学んだ、一瞬のアイコンタクトでお客様の心を掴む力。 前職で、効率化重視の上司の顔色を伺う中で磨かれた(笑)、言葉以外の表情や仕草から相手の感情を読み取るノンバーバルコミュニケーションの力。
そのすべてが、今はお客さまの言葉にならない想いを汲み取るための武器になっています。 「人が怖い」からこそ敏感に察知していたアンテナが、今では「人のため」に使えているんです。
そして何より、心を閉じようとした痛みを知っていること。 組織の中で自分の想いを押し殺す苦しさを知っているからこそ、私は目の前のお客様の「本当はこうしたい」という小さな声にも気づけるんじゃないかなって。
挫折も、迷いも、決して無駄じゃなかった。今は、そう思っています。
キャストの仲間との一枚
Q.最後に、これからの意気込みを聞かせてください。
まだ、人への怖さが完全になくなったわけではありません。でも、今の私は「自分が一番の自分の味方」でいられています。それは、弱い自分も含めて「里沙は里沙だよ」と受け入れてくれる、そんな仲間の存在を信じられるようになったからです。
これまでの経験に無駄なことはないし、決して無駄にはしません。だからこそ、これからは私が誰かの味方になりたい。「みんな違って、みんないい」「ひとりじゃないよ」と伝えていきたいんです。
そんな覚悟を持って、結婚式という非日常の場だけでなく、日常の中でも、ふとした瞬間に人と人がつながり、温かさを感じられるような仕掛けを作っていきたい。そして、ときには背中を押せる人でありたい。そんな人になっていきたいと考えています。