【代表 白圡氏インタビュー】「まるでディズニーランドのように」。顧客のユニークなビジョンを実現するため”アトラクション”を作り続けるその本質に迫る
― プラットフォームをチームで成長させることで、個々も成長し、個々が成長することでプラットフォームが成長する ―
上記はWantedlyに掲載されている会社概要「なぜやるのか」の項目より引用したものである。
ユニークビジョンは2008年の創業以来、オウンドメディアとソーシャルメディアに特化した戦略と技術力を通して、企業と消費者とを結ぶサービスを展開してきた。営業組織が整っていなかった時代からコンサルティング・企画・開発・運用に至るまで一律ワンパッケージ化で提供してきたという事実からも、ユニークビジョン社が保有する技術力の高さを計り知ることができるだろう。
しかし、その技術力を持って増長することなどは決してない。数多くの企業が個々に描く「ユニークなビジョン」の実現のために提供できるソリューションのひとつが技術力であったというだけなのである。
そしてその技術力を生かし、いつまでも企業と消費者を楽しませるため、常に成長し続けている。
今回はそんなユニークビジョンの代表である白圡 良之氏にインタビューを敢行した。気心の知れたインタビュアーと共に、「ユニークビジョンの本質」に迫っていこう。
ユニークビジョン株式会社 代表取締役 白圡 良之
1973年生まれ。大学卒業後、ITコンサルティング会社、ケータイ小説サイト運営会社への参画を経て、2006年にフューチャースコープの創業メンバーに加わり、2008年に独立してユニークビジョンを創業
仕事がなかったので毎日合宿のような形式で意見交換やら事業の提案やらをしていました
― 起業をされたきっかけは何だったのでしょうか。
もともと「35歳で独立する」というのは心の中で決めていたんです。当時僕は34歳で。前職を退任していた時期ということもあって、思い切って起業しました。
ー 当初からすでに現在のITコンサルティングのサービスをやっていこうと決めていたのでしょうか。
いえ。たしかに独立前はITコンサルティングやWEBメディアなどに携わっていたのですが、ユニークビジョンではもともと教育事業をやろうとしてたんです。しかし、なかなか仕事にならなかったんですよね。創業してからしばらくの間仕事がない状態が続いていたので「プー太郎」だと間違われることもありました(笑)。それから今でも続いているIT分野に方向転換して、一日でも早いサービスローンチを目指して毎日開発合宿のようなことをやっていました。あとは受託開発のお話しをいただいたりだとか。
― 私も当時のユニークビジョンの動きを見ていましたが、とても勢いがありましたよね。
なんで過去形なんですか(笑)
― (笑)。勢いがあったけどまだ若く、計画性がないように見えたので大丈夫かなぁという印象もありました。
余計なお世話ですね(笑)
― それが今ではここまで大きな会社になりました。
おかげさまで、2017年に10年目を迎えることができました!
創業10周年を迎えた今年、ユニークビジョンは北参道から新宿三丁目のオフィスへと移転した
― 現状の社員数は何名ほどなのでしょうか。
今だと20人ですね。その内の7割がエンジニア職になります。あとはディレクター職が数名です。
ー 現状の主軸事業だと、どのようなものがあるのでしょう。
アプリやWEBの受託開発案件とクラウド型のソーシャルメディア統合管理ツール『Beluga』、そしてそこから派生した『Belugaキャンペーン』が主軸のサービスになっています。『Belugaキャンペーン』は2011年から提供している『Beluga』を基盤としたTwitterキャンペーン構築サービスとして2014年より開発を始めました。現状大変多くのお問い合わせをいただいております。
― その当時、私が勤めていた会社内で「Twitterのデータを可視化したい」という話が出ていて、確かその頃からユニークビジョンの話が出ていたような気がします
なんで声かけてくれなかったんですか(笑)
まぁでも、たしかに当時は競合と言える企業もいらっしゃらなかったですし、統合管理ツールとしてリリースしたのは弊社が一番最初なんじゃないかと思います。
当時は先ほども話したように仕事がなかったので毎日合宿のような形式で意見交換やら事業の提案やらをしていました。Twitterを見ていて、「キーワードがどれくらい呟かれているのかを見たい」と思ったのがきっかけだったんです。キーワードのボリュームがグラフで見られるような仕組みなんかを作れたら面白いんじゃないかと思ったり。
粛々と作ってきたサービスでしたが、大変ありがたいことに、これまで累計250以上の企業様にご利用いただいております。
2011年より提供している『Beluga』のロゴにはチャーミングなシロイルカを起用している
― やはりユニークビジョンの大きな特徴としては並びないその技術力だと思うのですが、そんなユニークビジョンの企業風土はどのようなものなのでしょうか。
僕は良く社内に向けて「付加価値の高いものを作ろう」と言っています。言われたものを作るだけでは意味がありません。それは大きなズレを生むこともあります。
例えばクライアント企業様のご意向と矛盾した開発を行ってしまったら、クライアントに貢献できないだけではなく、当社のメンバーも良い経験になりません。
そういう風にならないために、日頃からエンジニア同士でのコミュニケーションが頻繁に行われています。コミュニケーションの量でいえばほかの開発会社と比べても多いと胸を張って言えるくらいです。そのような風土からも、新オフィスにはカフェスペースを設置しました。これまで以上にカジュアルに、しかしより濃密な議論ができると感じています。
そして、エンジニア全員で勉強会を開いたりしてみんなで知見を高めているのが特徴ですね。しかもほぼ全員が「周りの人間より詳しくないと思われたくない」という意気込みで学ぼうとしています。「ロジカルシンキング・やる気・人の良さ」を重視していますし、今後もそこは変わらないですね。
新オフィスにはカフェスペースを完備。付加価値の向上を目指し、日々議論が行われている。
― 本日は創業秘話から現在の風土まで、色々とお話しいただきありがとうございました。
最後に、白圡さんの考える「ユニークビジョンらしさ」とはなにかを教えていただけますでしょうか。
やはり ”付加価値を高める仕組みを作り続けるところ” ですね。僕は「ディズニーランド経営」という表現を用いるんですが、ディズニーランドって、入園料を払うときに高いのでちょっと嫌ですよね。でもそんなことを忘れてしまうくらいディズニーランドはめちゃくちゃ楽しい。みんな満足して帰ります。ある程度の金額を払ってくれて、多くの人がリピートしてくれます。これを続けられれば、利益が生まれます。
その利益を再投資して、また新しいアトラクションを作ることができます。入園料はディズニーランドへの期待で、その期待を次のアトラクションとして、お客さんに還元するという流れを作り続けることで、ディズニーランドが多くの人にとって楽しい場所になります。
そういったように、弊社もアトラクションを増やしていきたいんです。
それが企業様の「ユニークなビジョン」を実現させる最適な手段であるとも思っています。
― ありがとうございました!