matsuri technologies株式会社 の全ての求人一覧
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人口減少、空き家の増大、そしてインバウンド需要の急回復。
この三つを「同じ一枚の地図」の上で解こうとしているのが、テクノロジーを用いた次世代の空間活用『StayX』を提供する matsuri technologies だ。
StayXは、民泊・短期賃貸を柔軟に横断して管理できる、宿泊運営DXプラットフォーム。遊休不動産を、宿泊インフラとして再活用することを可能にしている。
2016年の創業以来、民泊・宿泊施設の運用をソフトウェアで刷新し続けてきた吉田は、コロナ禍による業界壊滅という逆境をくぐり抜け、2026年に運用施設数4,000を突破。売上は100億円規模に達し、Forbes Japan「日本の起業家ランキング2026」では3位にも選ばれた。
にもかかわらず、その口調は焦りとは無縁だ。むしろ、ゆっくりと、丁寧に、言葉を選びながら話す。
この事業にここまで本気で向き合う理由はどこにあるのか。
人口減少時代の日本で、持続的な観光立国を支えるために何が必要か。
吉田が見ている景色と、その先に描く未来を聞いた。
——起業を選んだのはなぜですか。
2011年、東日本大震災の年に、吉田は早稲田大学へ入学した。
当時は、スティーブ・ジョブズがiPhoneを世に送り出し、ソフトウェアが世界を大きく変え始めていた時代だった。
「学校が休みになった時間で、仲間と一緒にアプリを開発していました。
何かを作ってみると、それがちゃんと動く。その実感がすごく面白かったんです」
ソフトウェアには、世界を変える力がある。
そう感じたことが、起業の原点になった。
「これは本格的にやってみたいなと思いました。
気づいたら大学に行かなくなっていて、気づいたら会社をやっていました」
最初に立ち上げた会社の名前は「SPW Tech」。
由来は、大好きな漫画『ジョジの奇妙な冒険』に登場する「スピードワゴン財団」だった。
「チンピラが、時代を経て石油王になる。会社をやるって、そういうことだと思ったんです」
吉田はそう言って笑う。
ただ、社名としては少し伝わりにくかった。
「銀行で"スピ"とか呼んでもらえなくて……。
やっぱり、わかりやすい名前にしようと思いました」
次に選んだのが、「matsuri technologies」だった。
その由来もまた、少しユニークだ。
「向井秀徳さんというバンドマンがいて。
ラジオで「祭りスタジオからお送りしました」という言葉が、うどんを食べている時に流れてきたんです。
その時に、"まつり"って、後ろに英語が来ても合うんだなと思いました」
テクノロジーの会社をやるなら、その前には日本人が神話性を感じられる言葉を置きたい。
そうしてたどり着いたのが、「matsuri」だった。
——matsuritが解こうとしている問題を、改めて教えてください。
「シェアリングと不動産・宿泊ディーエックスを通じて、今まで使われていなかった空間をきちんと貸し出せる状態にする、というのがコアにあります。普通の賃貸住宅も、小さい場所に建てられたホテルも、法律の問題やオペレーションの問題で眠ったままになっている場所がたくさんある。そこをソフトウェアで解いていくのが我々の仕事です」
現在の管理部屋数は4,000弱。JICやシンガポールの年金ファンド、大手デベロッパーや銀行など、多様な株主を持つまでに成長した。提供するソリューション「StayX」は、宿泊施設の予約管理から価格最適化、清掃管理まで、運用に関わるほぼすべてのプロセスをソフトウェアで統合する。
そのオペレーションの細部にまでテクノロジーが入り込んでいる点が、matsuritの特徴だ。
「清掃員がゴミを捨てた後にアプリで写真を撃ってもらうと、ゴミ筱が溢れているかどうかがわかる。溢れていたらAIで自動検知して、回収部隊に通知が飛ぶ。こういう細かいところまでソフトウェアで管理できると、賃貸もホテルも民泊も、根本的には全部同じだなと気づくんです。人が入ればどの業態でも同じ問題が起きる。業態が違うから解法が違う、ということはない」
地域コミュニティとの関係構築にも、真摩に向き合ってきた。最初は反対運動が起きることもあったが、説明会を重ね、地域の実情を理解する中で、関係は変わっていったという。
「今では、町内会の持ち寄りにインバウンドの宿泊ゲストを連れていったり、神轏に一緒に参加したりしているんですよ。普通のホテルには、なかなかそういう体験はない。民泊の差別化って、結局はその地域を好きになってもらえるかどうかだと思っていて。それを一つずつ作っていっているところです」
——この事業を続ける根本的な動機は何ですか。
吉田は少し間を置いてから、非常に静かに言った。
「やっぱり、この国の一番大きな課題って、人口減少だと思うんです」
人口を増やす方法は限られている。出生率を上げる、移民を受け入れる、そして観光客を増やす。吉田はそのうちの一つを選んでいる。
「出生率は皆さん頑張った結果、難しそうだという状態になってる。移民はフリクションも多い。その中で観光客を受け入れるというのが現実的で、それをやれる仕事としてインバウンド観光を選んでいます。インバウンドが増えると、旅行消費が増えるというだけじゃなくて、この国の中に流通する「人の数」そのものが増える。そこが根っこにある」
さらに吉田は、インバウンドの増加が日本人の価値観を変えると見ている。
「やっぱり今、円が弱くて、海外に出るとすごく貧しい実感がある。ダラスの空港で水が500円する、みたいな話で。でも国内にいると、安くて美味しいものが食べられているから、あまりその実感がわからない。インバウンドで外から人が来て、この国で稼ぐ経験を積む中で、日本人が自分たちの立ち位置を再認識する瞬間がくると思っていて。心苦しいし、嫌だなということも正直ありますが、直視しないといけないことだと思っています」
——「持続的な観光立国」という言葉の意味を教えてください。
「今『オーバーツーリズムだ』という声がありますが、ベネチアやバルセロナと比べたら全くその状態ではないと思っています。ある一定の場所が過密になっているだけで、国全体としてはまだそうなっていない。ただ、その込み合いをどう解消するかは重要で、ここをITで解かないといけない」
たとえ話が出た。
「上野動物園でパンダを見られる時間帯が変わったら、混み具合が変わりますよね。今ってみんな何となく昂に行こうと思って動くから混む。ITで行動変容を促せば、人は分散できるはずなんです。地元の人も混んだバスには乗りたくないし、観光客だって混んだバスには乗りたくない。みんなが損しているんですよ。観光のITによる制御は、まだ全全できていない。だからこそ、やれることがたくさんある」
そして、もう一つの理由を語った。
「人口が減っていくと、日本人が診れなくなった場所の整備ができなくなっていく。この国には素晴らしい遠産がたくさん散らばっているけれど、人が来なければ維持できない。秋田に行ってほしいし、東北にも行ってほしい。そういう場所に人を送り込むためのインフラを、我々は作りたいと思っています」
2020年3月。
コロナ禍でインバウンド需要は99%消滅した。
月間6,000万円あった売上は、ほぼ一夜にして蕲発。進めていた数十億円規模の大型資金調達も凍結された。
固定費として残ったのは、全国の宿泊施設にかかる賃料だけだった。
社内では、「このままならか月以内に倒産する」という試算が共有されていた。
——あの時、どう判断したんですか。
「株主から、かなり早い段階で現実を突きつけられました。「この先、良いことは一つも起きない。神風は吹かない」と。そこから、“倒産まで100日”と決めて逆算で考え始めました」
選択肢は二つだった。全く違う領域にピボットするか。
あるいは、この領域の中で生き残る方法を探すか。
「コロナが一生続いたとしても成長できる事業が作れるなら、この領域で戦える。それが作れないなら、諸めるしかないと思いました」
突破口は、ある一通の問い合わせだった。
「空港から出られません。階離場所がないと、日本に入国できないと言われました」
当時、水際対策で2週間の自主階離が義務化されたにもかかわらず、帰国者を受け入れる宿泊施設がなかったのだ。
吉田たちは翔日にはハイヤー会社と提携し、帰国者向け階離サービス「一時帰国.com」を立ち上げる。
「初日だけで130件以上の問い合わせが来ました。受け入れを表明していたのが、ほぼ我々だけだったんです」
全国のホテル平均稼働率が20%前後まで落ち込む中、matsuri technologiesはその約3.5倍の稼働率を維持した。
半年の6つの新規事業を立ち上げ、コロナ禍でも粗利黒字化を実現する。
しかし、危機は終わらなかった。
コロナ収束後、大型資金調達の最終段階まで進んでいたタイミングで、リードインベスターが突然撃退したのだ。
「1〜2週間くらい、本当に死を覚悟しました。希望が見えたあとに、それが消える瞬間が、人間は一番絶望するんだと知りました」
それでも、残った既存株主やエンジェル投資家をつなぎ合わせ、超短期間で資金調達を完遂した。
「株主の勇気に救われました。本当に、命の恩人だと思っています」
その後、吉田は撃退を決めた投資家本人とも再会している。
「怒りで震えるかなと思って会いに行ったんですが、不思議と感謝しか出てこなかった。あの逆境が、結果的に我々を鉱えてくれた。あの日のことが、自分の中で「本当にコロナが終わった」と思えた瞬間でした」
2024年にシリーズドDで組13.4億円を調達し、2026年には売上100億円規模・運用施設数4,000室超へ。
国内での成長を続ける一方で、matsuri technologiesは海外展開にも踏み出している。
2025年には、ニューヨーク・マンハッタンでの物件運営を開始。
人口減少時代の観光インフラ構想は、日本国内だけでなく、世界へ広がり始めている。
——英語が全然できないと仰っていましたね。
「そうなんですよ。シンガポールの年金ファンドの投資家に、「敬語がどうとかはどうでもいい。野心が重要だ。Be ambitious」と言われて。それで刷激されてNEXsの海外プログラムに申し込んだら通していただいて。サンフランシスコとニューヨーク両方検討したんですが、最終的にニューヨークに旗が立てられました。東京都の皆様のおかげで本当に感謝しています」
※「NEXs Tokyo」は,東京都が運営する,国内外の広域展開に挑むスタートアップのための事業(スタートアップ総合支援拠点運営事業)。
——最後に、一緒に取り組みたいと思っている人へのメッセージをお願いします。
「人口減少という課題は、10年、20年単位で向き合わないと解けないものだと思っています。
でも逆に言えば、今この瞬間に参加することが、その答えをつくる側に立つということでもある。
地方自治体の方々とも、都市開発でも、まだまだ一緒にできることがあると思っていますし、海外でも、各地域で信頼できるパートナーと出会っていく必要がある。
業種や立場を問わず、この課題を同じ視座で見ながら動ける方と、ぜひ一緒に挑戦したいと思っています」
言葉を選んで、最後にこう付け加えた。
「難しいから面白い、整備されていないからこそチャンスがある——そういう感覚を楽しめる方と、一緒に働きたいと思っています」
人口減少という、日本最大級の課題に向き合う。
不動産・宿泊ディーエックス、宿泊・観光インフラ、空き家活用——
matsuri technologiesの挑戦は、まだ始まったばかりだ。
matsuri technologiesでは、事業開発・エンジニア・プロジェクトマネージャー・オペレーションディレクターなど、複数のポジションで仲間を募集しています!!
吉田 圭汰 / Keita Yoshida
matsuri technologies株式会社 代表取締役。早稲田大学在学中に起業・事業売却を経て、2016年にmatsuri technologiesを創業。2021年よりSaaS型空間運用ソリューション「StayX」を始動。2024年にシリーズDで約13.4億円を調達。2025年、運用宿泊施設数3,000施設突破。Forbes Japan「日本の起業家ランキング2026」3位。東京ベンチャー企業選手権大会2022 優秀賞(産業労働局長賞)受賞。