「使えない」「届かない」「選べない」
STYZは、ドネーションプラットフォームの「Syncable(シンカブル)」、インクルーシブデザイン事業の「CULUMU(クルム)」、AI・アプリケーション開発を担う「STYZ Tech(スタイズテック)」の3つの事業を展開しています。
それぞれに共通するのは、ひとりの経験から社会の問いを捉え、本人や関係者と仕組みをつくり、実装後も検証を続けることです。
目の前のひとりの経験から見えてくる小さな違和感には、環境や制度、サービスの前提によって生まれている、まだ社会が課題として認識していない構造が隠れていることがあります。
けれど、その経験に触れるだけでは、社会の仕組みは変わりません。対話から問いが見えても、よいアイデアを考えても、誰かの善意に頼るだけでは続かない。
本人や関係者と問いを確かめ、事業として続く仕組みをともにつくり、実際に使われた後も検証と改善を重ねて、初めて社会の選択肢になります。
問いを見つける。仕組みで解決する。社会に実装する。
これは、STYZがVisionに掲げる「あらゆる境遇を打破できる社会」に向けて、「民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる」というMissionを実装するためのプロセスです。
3つの事業をつなぐ起点にあるのが、目の前のひとりの経験から、まだ見えていない社会の問いをともに捉える「N=1」という考え方。この記事ではそれぞれの事業の概要と、それらがどのように繋がっているのかをお示しします。
目次
STYZが「N=1」を事業の起点にする理由
STYZが使う「N=1」は、世界でひとりだけが困っている問題という意味ではありません。
多くの人が同じ制約の中にいても、それが当たり前とされ、課題として認識されていないことがあります。
経験が語られていても、社会的な問いとして受け止められていない。市場や制度から見ると、小さすぎる問題に見える。
そうして見過ごされてきた経験や、環境との間にあるバリアが、たまたま目の前のひとりを通じて見える状態。それが、私たちの捉えるN=1です。
ひとりの経験を、そのまま全員の答えにするわけではありません。その経験をもとに、本人や関係者と仮説を立て、他の当事者の経験、支援の現場、企業の事業条件、技術上の制約と照らし合わせる。N=1は結論ではなく、まだ見えていない構造へ入っていく入口です。
STYZの3事業:Syncable・CULUMU・STYZ Techの役割
Syncable:NPO・NGOと寄付者をつなぐドネーションプラットフォーム
寄付者が、関心を寄付という行動へ移すまでには、「どの団体を信頼すればよいのか」「寄付がどのように役立つのか」「一度きりではなく関わり続けられるのか」といった迷いや障壁があります。
Syncableでは、寄付者と団体の日々の接点を通じて、関心が行動に変わり、活動への参加が続いていくための条件を探ります。
その視点を起点に、STYZの各プロダクトが、社会課題への関心をどのように行動へつなげていけるのかを考えます。
CULUMU:当事者と企業が共創するインクルーシブデザイン事業
CULUMUは、当事者駆動型のデザインファームです。
障害のある人、高齢者、海外にルーツを持つ人など、これまで企画や設計に経験や知見が十分反映されてこなかった人々に、プロジェクトに応じて、問いの設定、企画、設計、検証などの段階から参画いただく。
企業と当事者が同じ場で対話し、「何をつくるか」の前に「そもそも何を問うべきか」を考え直します。
ここでの仕事は、当事者の要望をそのまま仕様に置き換えることでも、STYZだけが経験を解釈することでもありません。
経験の背景を本人や関係者とともに読み解き、当事者、専門家、企業それぞれの知見を持ち寄る。企業が持つ目的や制約とも接続しながら、異なる状況にも応用できる価値の仮説をともにつくります。対話、リサーチ、構想、プロトタイプ、検証を行き来しながら、問いの解像度を上げていきます。
目指すのは、当事者の経験を企業の事業機会へ置き換えることではありません。環境や制度、サービスの側にある前提やバリアを見直し、当事者にとって参加・利用できる選択肢が広がること。
同時に、企業にとっても、これまで捉えられていなかった利用者や課題が見え、企画や意思決定が更新される。その両方が生まれる仕組みを、ともに考えます。
STYZ Tech:AI・アプリ開発で構想を実装するテクノロジー事業
STYZ Techは、アプリケーション開発とAI活用を中心に、企業のプロダクトや業務の変革を支援します。
技術的に作れるかどうかだけでなく、誰が、どの場面で、何のために使うのかを問い直す。構想やプロトタイプを、品質、運用、継続性まで含めたシステムへ落とし込む。AIも、導入そのものを目的にせず、人が担う判断や体験をどう支えるかという文脈で扱います。
デザインによって問いを広げ、エンジニアリングによって実現可能性を確かめる。実装から得た制約や発見が、もう一度問いを磨く材料になる。この往復が、アイデアを「よい提案」で終わらせないために欠かせません。
STYZの3事業はどう連携するのか
3つの事業の関係を、私たちは「問いを見つける→仕組みで解決する→社会実装する」という循環で捉えています。
実務では、STYZだけが問いを見つけて解決するのではなく、本人や関係者と問いを捉え、複数の知見と事業条件を持ち寄って仕組みをつくり、社会で使いながら検証するプロセスです。実装後に見えてきた経験は、次の問いへ繋がっていきます。
ただし、すべてのプロジェクトがSyncableから始まり、CULUMUを経て、STYZ Techへ渡るわけではありません。
CULUMUが課題設定やUX設計をリードし、実装段階からSTYZ Techが加わることがあります。STYZ Techが起点となる案件にデザイナーが参加することも、提案段階からPM、デザイナー、エンジニア、営業・コンサルタントが一緒にチームを組むこともあります。
大切なのは、社内の組織図どおりに仕事を流すことではなく、目の前の問いに必要な専門性を選び、チームを組み替えることです。
3つの事業が同じ会社にある意味は、何でも一社で請け負うことではありません。社会課題の現場との接点、当事者や関係者と問いをつくる力、仕組みとして実装する力を行き来しながら、問いを途中で手放さず、社会で機能するところまで近づけることにあります。
STYZではどのような仕事・経験に関われるのか
STYZで働くからといって、全員が3つの事業を兼務するわけではありません。まず必要なのは、デザイン、エンジニアリング、PM、事業開発、セールス、コンサルティングなど、それぞれの専門性です。
そのうえで、プロジェクトに必要な場面では、互いの専門性と役割を尊重しながら、隣接する領域にも踏み込みます。
デザイナーが、デザインを作る前に事業条件や実装制約を理解する。エンジニアが、決められた要件を作るだけでなく、利用者の体験や問いの妥当性から考える。
PMや営業が、納期と予算を整えるだけでなく、当事者、企業、開発チームの異なる言葉をつなぐ。
自分の専門性を手放すのではなく、他の専門家と対等に協働できるところまで開いていく仕事です。
そこで得られる可能性があるのは、単一の成果物を完成させる経験だけではありません。
- 経験から見えてきた課題を、本人や関係者と検証できる問いへ変えていく経験
- 当事者の経験、社会性、事業性、技術的実現性を同時に扱う経験
- 構想とプロトタイプと実装を往復し、判断を更新する経験
- 異なる専門家とチームを組み、課題に合わせて進め方を設計する経験
- 自分の専門性を、プロダクトやクライアントワークの先にある社会実装へつなぐ経験
事業の境界に問いを置き、必要な人と一緒に解きにいけることは、STYZで働くひとつの特徴です。
社会性・事業性・実装可能性を両立する難しさ
N=1の経験に向き合っても、すぐに正解は出ません。ひとりの経験を尊重することと、異なる状況にも応用できる仕組みにすることは、同じではないからです。
社会的に望ましいことが、そのまま事業として持続するとも限りません。企業の目的、予算、スケジュール、技術、運用を無視すれば、実装されない提案になります。反対に、効率や事業性だけを優先すれば、起点となった経験や、そこから見えてきた課題を再び取りこぼすかもしれません。
さらに、専門家同士が対等に働くチームでは、自分の判断を言葉にし、他領域からの問いに開き、ときには前提から組み替える必要があります。
役割分担や専門性の境界を曖昧にするのではなく、それぞれの責任を尊重したうえで、どこを一緒に考えるべきかを対話し続ける仕事です。その調整を含めて、負荷の高い場面もあります。
一方で、社会課題への思いだけでなく、専門性を使って現実の制約を越えたい人。完成した正解を運ぶより、問いそのものを更新したい人。構想を提案で終わらせず、使われるところまで見届けたい人にとっては、取り組む意味のある難しさだと私たちは考えています。
「人と社会の仕組みがつながっていない場所」での挑戦
STYZが探しているのは、最初からあらゆる社会課題に詳しく、何でもできる人ではありません。
ひとつの専門性を持ちながら、その力がまだ届いていない人や領域に目を向けられること。分からないことを分かったふりをせず、当事者や他の専門家とともに問い直せること。そして、考えるだけでなく、試し、仕組みにし、社会へ届けようとすることを大切にしています。
Syncable、CULUMU、STYZ Techのどこから入っても、向き合うのは「人と社会の仕組みが、まだつながっていない場所」です。
この記事を読んで、3つの事業のどこかに自分の専門性が重なると感じた方も、まだ職種までは決めきれないけれど仕事の実態を確かめたい方も、まずはお話ししませんか。
カジュアル面談では、STYZの理念への共感だけでなく、いまの専門性をどういった問いに生かせそうか、どんな難しさがありそうかも率直にお伝えします。
あなたの専門性や経験から見える問いを、ぜひ聞かせてください。
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