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エンジニアのバリューを最大限発揮させるために助けすぎないフラットなマネジメントを

エンジニアリングとビジネス、両方の知見を深めたい。

学生時代から考え続けてきたスキルセットの重要性を、自分のパーソナリティーと照らし合わせ、プレーヤー以外でのエンジニアリング領域に関係するキャリアも考え続けてきた鈴木。

大小様々な案件の立ち上げに携わり、その過程を目にしてきたからこそ、あらためて、今、両軸の知識を持ってエンジニアの価値を引き出すマネジメントに終始できています。

チーム全体で最適化を目指す

鈴木 和幸
Quipper Ltd. Engineering Manager

鈴木:大学で情報系の学部に入学したので、周りにはエンジニアリングスキルがずば抜けた人たちも多くいました。自分はこうはなれないと思う一方、それはそれでいいと思っていて。結局、自分が手を動かすエンジニアではなくても、納得感をもってプロダクトを完成させることや、チームとしてユーザーに価値を届けることに責任を持ちたい、という思いが強いんです。自分の立ち位置、ポジション問わず、プロダクトの価値を最大化するために働きかけられたらと思っているんです。

エンジニアリングマネージャーに求められるのは、ヒューマンスキルと、優れたエンジニアリングスキル。技術者としてリードを取り、チーム内でも信頼感が厚い人が抜擢されてきました。

鈴木のエンジニアマネージャー就任が決まったのは、2018年の冬。リクルートホールディングスから転籍して2年が経ったタイミングでした。

鈴木:正直、あんまり予想はしていませんでした。まだまだ新米のエンジニアリングマネージャーですが、チームが自律した状態を目指せたらと思っています。

エンジニアリングマネージャーの主な職務はピープルマネジメントだが、漠然とした業務内容を紐解くと、メンバーのモチベーションを高める仕組みづくりやキャリアサポートの他、同僚とのペアプログラミングやキャパオーバーで溢れそうな案件のフォローなど、技術力を活かした業務もこなしています。

鈴木:当然、実務に携わるプレーヤーは技術力が日々上がっていくので、自分の知識が追いつかない箇所もでてきます。ともすれば、引け目に感じそうですが、僕の役割は上からのマネジメントすることではなく、みんなで回す仕組みを考えて、整えていくことだと思っているんです。Quipperはもともとオーナーシップのある人たちばかりなので、手を出しすぎず、溢れた部分だけを僕が拾っていく体制でいいかなと。ボールを奪うことは、個々がオーナーシップを発揮する機会を奪うことにもなってしまうとも思うんです。

プロダクトの完成には、適切なフィードバックが必要

鈴木:僕自身が大事にしているスタートアップの方法論のひとつに、リーンスタートアップという、プロジェクトを進めながら、効果検証を行う手法があります。仮説をもとに作成した最低限のプロダクトを用い、いち早くユーザーからフィードバックを受け、プロダクトを改善し続けることで成長させる手法です。

リーンスタートアップの重要なファクターであるフィードバックを重視するのは、鈴木の職歴も関係しています。

鈴木:新卒で、リクルートホールディングスの新規事業開発の部署にエンジニアとして配属されました。当時は、アプリ全盛期で、大小様々なアプリやサービスをどんどん立ち上げていました。その後、リクルートの投資先と事業開発を行う部署と、インドで投資を行う部署とに1年ずつ在籍しました。これらの部署ではエンジニアとしてプロダクト開発をすることはしておらず、リクルートが投資している海外企業とどのように協業できるかという視点からの事業開発や、投資先をバリューアップするという文脈でのプロダクト開発のコンサルティングが主な仕事でした。新卒からの4年間で、自社内での新規事業立ち上げにも関わりましたし、外部のビジネスパートナーとして、外からプロダクト開発の手伝いもしてきましたが、どれもプロダクトマーケットフィットする前に撤退することになったり、パートナーの信頼を構築するのに時間がかかり、思うようにプロダクトに関わることができなかったりの連続でした。そんなわけで、なかなか結果も出せず、結局、自分は何をしていたんだっけ、と。そんなことを考え、もう少し、自分なりの強みを生かした働き方があるんじゃないかと悩んでいました。

悩む日々から解放される糸口になったのが、リクルートによるQuipperの買収。エンジニア組織としての信頼や、プロダクトの意義を感じ、社内の転職制度を使い、転籍を決意します。

鈴木:自分自身、大学に行って人生が動いたと思う一人なので、教育の価値というものは確かに感じます。Quipperに入って、真正面から日本の教育現場に向かい合っている今は、その思いをより強くしています。

本質からブレない開発戦略と、ユーザーとのコミュニケーション

Quipperでは、デザイナーやエンジニアが不定期に教育現場を訪れ、直接ユーザーの話をヒアリングする機会を設けています。エンドユーザーと直接対話することができるため、ニーズに即したフィードバックを素早くプロダクトに反映できています。

鈴木:毎年、期のはじめにその年のプロダクトのビジョンを決めるミーティングをプロダクトチーム全員でしているんです。その場で市場での事業のの立ち位置や顧客である先生たちが求めているもの、このプロダクトで実現したい方向性をみんなで確認し合っています。期中の開発方針についても、営業部長やプロダクトオーナー、エンジニアがオープンにコミュニケーションして物事を進めています。いずれにしても、開発者が納得して開発に取り組める透明性のあるやり方を意識しています。

かつて、Quipperでは、toB向けプロダクトならではの課題に行き当たり、プロダクトの方向性が曖昧になった時期があります。

鈴木:法人向けの契約は1件あたりのインパクトが大きいので、顧客からの期待値も大きく、たくさんの要望をいただきます。ただ、そうした要望に答えるばかりになってしまうと、終わらない受託案件のようになってしまう。それは、理想的なあり方じゃないんです。自分たちが作りたい世界をきちんと定義した上で、顧客と向き合いながらフィードバックを積み重ねてプロダクトを作っていく、そういう開発の仕方を目指したいと思っています。

学校の運営と密接に関わっているというサービスの性質上、ローンチしたいタイミングを一度逃すと、次の機会は、翌年になってしまいます。

鈴木:極力プロダクトのリリースや変更が柔軟にできるように、プロダクトマネージャーやカスタマーのサポートセンターの人たちと協力しています。リリーススケジュールを決めて進めるプロジェクトももちろんありますが、そういったものについては見積もりをきちんとして無理のないスケジュールを切ったり、Darklaunch のようなリリース手法を取り入れたりして戦っています。*1

顧客からのフィードバックを得ながら、オーナーシップを持ったチームで目指す世界を作っていける。Quipperでは、そんな組織を実現しています。

*1: DarklaunchについてはRailsDM 2019での弊社 ujihisa の発表をご覧ください。 https://speakerdeck.com/ujihisa/almost-microservices

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