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TOEIC満点をとるまでの4000時間の英語学習を、ふりかえり&反省してみた

※代表立石のnoteより転載

大学1年生のとき、僕のTOEICの点数は280点でした。それから7〜8年間ほど、合計4000時間以上を英語学習に費やして、990点満点をとりました。英検1級も取得しました。
今回は、そこまでの道のりを振り返ってみようと思います。
いままでやってきた勉強法で「これがよかった!」「これはイマイチだった」といったこともお伝えしたいと思います。いろいろ赤裸々に言いすぎている気もしますが、あくまで僕個人の体験談ということで、ご容赦ください……!
英語を勉強中の方や、これから勉強する方にとって、少しでも参考になればうれしいです!

TOEIC990点までの道のり

4000時間の内訳はこんな感じです。

まずは時系列でざっくり振り返ってみますね。

僕の場合、そもそも英語は本当に苦手で。「be動詞」がどういうものかすらわかっていないような状態でした。だから最初は「中学3年間の英文法を10時間で復習する本」というのを買って、本当に初歩的な文法をやりました。

そのあとは「LADO」という、NOVAみたいな感じのスクールに行きました。最初のレベル分けでは、いちばん下のレベルでした。「What is your name?」みたいな、本当にベーシックな英会話の授業です。1クール数十時間ある授業を、4クールぐらい繰り返して。100万円ぐらいかかりました。

あとは、会社が用意してくれた内定者研修にも参加していました。Phoenixという会社の先生が3対1のグループでレッスンしてくれる。この人は非常にいい先生でした。文法よりも、プレゼンで使うフレーズみたいなものを教えてくださるんです。「Let’s move on to the next page」とか。すごい実践的だな、と思った覚えがあります。
このあたりで、やっと受験英語プラスアルファぐらいのレベルにはなったと思います。TOEICも700~800点ぐらいはとれるようになりました。

ニューヨーク研修でひとことも話せなかった

新卒で入社したのは、外資の投資銀行でした。それで、入社3ヶ月目ぐらいに「ニューヨーク研修」があったんです。大学の大教室みたいなところに、全世界の新卒が集合して講義を受ける。200人ぐらい集まっていました。ヨーロッパとかアメリカ、ブラジルや中国の人もいました。もちろんすべて英語、宿題も英語です。

これがもう、まったくついて行けなくて。

入社前にそこそこ勉強していたので「まあこのぐらいできたら大丈夫でしょ」と思っていたんです。でも、英語ってそんなに甘くなかった。授業中はとにかく「頼むから俺にはあててくれるな」と祈りながら、必死で存在感を消していました。悔しいし恥ずかしいし……。改めて「本気で英語やらなきゃヤバいな」と決意したんです。

先生が毎回変わるスクールはよくない

それで、50万円ぐらいかけて通ったのが「ベルリッツ」でした。
ベルリッツはご存知の方も多いと思いますが、マン・ツー・マンの英会話教室です。ビジネスマン向けで、けっこう価格も高いんですよね。ただ、そのぶん効果がありそうな雰囲気で。でも、個人的にはあまり効果にはつながらず。というのも、授業のたびに先生が変わってしまうんです。だから毎回、自己紹介に冒頭の10分ぐらいを使うことになる。継続的に寄り添ってくれる人もいないので「伸びてるのかな……?」と不安になってしまって。あと、とにかく価格が高かった。結局「お金が払えん」となって、やめてしまいました。

破格のマンツーマンも試してみた

それから「English Village」という、ほんとうに破格の安さのマンツーマンレッスンに通いました。1時間で1500円ぐらいだったと思います。
ここは、運もあったと思いますが、かなりいろんな先生がいました。趣味のバンドの話しかしない先生だったり、元軍人で軍隊英語ばかり教えてくる先生にあたったこともあります。笑
出会いは面白い一方でこれでは仕事に使う英語力はつかないな、と思い、2ヶ月くらいですぐに辞めてしまいました。

短期留学はコスパ悪い

このあたりで、ちょっと重めの病気になりまして。会社も休職することになったので、そのあいだTOEICの勉強を書籍でやっていました。あとは治療の合間に、語学留学に3回行きました。ただこれは「英語力を上げる」という点ではあまり効果がなくて。
1ヶ月ずつ、短期で細切れに行ってしまったのがよくなかったんですよね。1ヶ月だと友達も作りにくく、やっと慣れてきたかな……という頃に帰国してしまうので、けっきょくそんなに身につかないんです。
もちろん「ネイティブ環境で話す勇気がつく」というメリットもあります。でも、コスパ的にはあまりよくないなあと感じました。

2回目のニューヨーク研修

そのあと「ニューヨーク研修」がもういちどあったんです。それで、ネイティブからするとぜんぜんではあるものの、新卒のときよりはマシになっているのを実感しました。

新卒のときは、海外の同僚からはまったく相手にされていませんでした。それに比べるとこのときは「こいつは英語はヘタだけど、言ってることはけっこう正しいから、聞こう」みたいな感じで。「みんな黙れ、立石が話すぞ」って。これはすごく嬉しかったですね。「英語でコミュニケーションがとれるって楽しい。もっと話せるようになりたい」と、モチベーションにもなりました。

TOEFLは、英語力UPというより留学のため

そのあと「TOEFLの勉強をしたらもっと伸びるのかな……」と思って「AGOS」という塾にも行きました。でもこれは、途中で挫折というか、サボってしまって……。50万円払ったのですが、20時間くらいしか行かず。もったいないことをしてしまいました。

もちろん、TOEFLの勉強もめちゃくちゃ意味はあるんです。ただ、TOEFLって基本的には「留学する人が受ける試験」なんですよね。だから「海外でMBAを取りたい」みたいな人にとってはすごく大切なんです。僕はそこにはあまり興味がなくて、純粋に「英語力を上げたい」という動機でした。それだと、TOEFLはちょっと難しすぎたんです。留学する気もないのに、そんなモチベーションでやって続くわけがありませんでした。

いちばん続いたのは、仲よしの先生との英会話

いちばん長く続いたのは、サイパン出身の先生との英会話でした。いつから始めたか正確に覚えていないのですが、5年ぐらいやってましたね。毎週末に会って、2時間ぐらい話していました。
続いた理由はシンプルで、すごく楽しかったからです。彼女は僕と同じ年で、日本語はあまり上手じゃないんですけど、すごくいい人で。お互いに恋愛の相談とかをしょっちゅうしていました(笑)。

英会話はやっぱり、1人の先生にずっと寄り添ってもらうほうがいいと思います。先生との距離が近くなるので、やっぱり勇気を持って話せます。先生も「僕がどれぐらいのレベルの英語力か」を完全に理解しているから、すごく話しやすい。それがすごく楽でした。

このあと、仕事で1年半ほど香港駐在に行きました。ただ、同僚は日本人ばかりで、そんなに英語力に直結したわけではなかったです。でも、座学でTOEICの勉強はずっとしていました。
このあたりで、950点ぐらいはとれるようになったと思います。

留学から帰ってきた直後になぜかECCへ

そのあとカルフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine)というアメリカの大学に行って、3ヶ月間勉強しました。これはかなり効果を感じましたね。朝から晩まで、英語でマーケティングについて学んで。長期で滞在したので、終盤はかなり話せるようになっている感覚がありました。日本に帰国後「これでさすがに英語できるようになるかな」と思いました。

ですが、まだぜんぜんダメだったんです。ネイティブ環境ではなくなった途端に、どんどん話せなくなっていって。だから留学から帰ってきて、慌ててECCに入ったんです。せっかく留学に行ったのに。なんというか、自分にがっかりしてしまう出来事でした。「英語」は、ものすごく高い山です。いくらやっても、まだまだ足りない。もしUC Irvineにもう1年いたら、けっこういい線いってたとは思うんですけど。大変ですね、ほんとに。。

で、すぐに「やっぱりダメだ」となって。ECCはグループレッスンだったので、自分の話す時間が少なかったんです。仲間がいる方が続けられる方もいると思うんですが、僕の場合は、その割に費用がかさむよな、と思ってしまった。仕事も忙しくなってきて、通学し続けるのも難しくなってしまいました。ホント、迷走してますよね 笑。

その後しばらくは、日本人の先生をネットで見つけて、毎朝スカイプでレッスンをしてもらっていました。当時、自宅のあった品川から銀座のオフィスまで、歩くとちょうど1時間ぐらいなんです。1時間のレッスンをやりながら、歩いて会社に通っていました。このときはかなり体重が落ちましたね。笑

発音のレッスンはもっと早くやればよかった

そこから、発音の専門の先生を見つけてレッスンを受けました。自分がうまく発音できると、聞き取れるようになるんです。それを知っていたので、もっと発音をよくしようと思うようになりました。これはすごく効果的でした。

後悔しているのは、発音のレッスンをもっと早くやっておけばよかったということ。タイミングとしては、初めて留学する前ぐらい。そこでやっておけば、その後の学習効率がもっと上がっていたと思います。

「フォニックス」という発音の学習法をご存知でしょうか。言葉の単位を最小限にして学んでいく方法で。たとえば、kだと「クッ」、aは「エー」「アー」と発音する。韓国の英語教育とかだと、これを徹底的にやるらしいんですよね。でもぼくは留学したときになってやっと、thがダメだとか、vがダメだとか、rがダメだとかいろいろ指摘してもらえて。

発音を先にやっておかないと、聞き取りもできません。だから本当は、これを先にやればもっと効率的だったと思っています。

文法は気にしすぎなくていい

日本では英語を勉強するとき、まず文法などの座学から入りますよね。たしかに文法は英会話のベースになります。ただ、あまり複雑な文法に関しては、英会話には必要はないと思います。

たとえば、分詞構文とか。読むときには要るんですけどね。しゃべるときは、現在進行形、過去形、現在完了形ぐらいまでで大丈夫です。
過去完了とかは、正直あまり使いません。完了進行形や、特殊な「if」構文とかもそこまで使わないイメージです。
あとは三人称単数の「s」は、いまだに僕もめちゃくちゃ漏れます。あれはもう、あまり気にしていてもしょうがないです。三人称単数なんかつけなくても、ぜんぜん伝わりますから。

だから、基本の文章が読めるレベルまで文法を学んだら、あとは英会話の勉強をしたほうがいいと思います。英会話の方が楽しいですし。文法は、TOEICをやっていれば自然と入ってくるはずです。TOEICの勉強をしていると、けっこう文法の勉強をすることになりますから。

アメリカ留学中に驚いたのですが、他国の留学生って、けっこう文法がめちゃくちゃだったりするんです。
逆に日本人って、文法力はすごく高い。学校でやってきてるので。でもだからこそ、文法の間違いをすごく気にします。でも英会話では、テストみたいに「文法がアウトだったらアウト」なんてことはありません。だから、間違いなんて気にせずしゃべっていい。結果的にそのほうが練習できるので、それはすごくいいなと思いました。

インプットとアウトプットの両立が大事

あと、留学をすると「海外にいれば自然と英語できるようになるのかな」と思って勉強しなくなってしまったりします。これはいちばんダメです。実際に「語学留学を1年したけど、まったく喋れません」みたいな人もけっこういます。やっぱり、家でちゃんと座学をやってない人は、あまり伸びないんですよね。

家で座学をやって、しゃべってアウトプットする。インプットとアウトプットのバランスが、ものすごく大事です。だからやっぱり「よく理解できていない英語を、シャワーみたいに聞く」勉強法も効果がありません。インプットをちゃんとせずに行く留学も同じです。「なにを言ってるかわからないけど、とりあえず聞いておこう」みたいな状態を続けることになる。それだと、やっぱり意味がないんです。

文脈のなかで学ぶと身につきやすい

いろんな学習法を試しましたが、いちばん効果を実感したのは、3ヶ月間の留学でした。留学のメリットは「ぜんぶの会話に文脈があること」です。文脈で学ぶことって、すごく大事なんですよね。
日本での勉強だと、文章とか文字だけ見てやらないといけません。でも向こうで生活しながら学ぶ英語は「あそこのスタバ行こうよ」とか、そういう感じ。文脈があるおかげで、すぐに頭に入ってきます。

たとえばタクシーに乗っていて「ここで止まってほしい」ってときは「Pull over」と言います。でも教科書で「Pull over」と読んでも、しっくりきませんよね。なんでこんな言い回しなんだ? と。でも実際にタクシーに乗りながら「Pull over the car」と言うと「あ~、寄せるっていうことなんだ!」みたいに思えます。向こうにいると、そういうイメージが湧きやすいんです。そこが、圧倒的に有利ですよね。

だから、行けるなら海外に行っちゃったほうがいいと思います。それも、早いうちに。

TOEIC満点は「通過点」でしかない!

TOEICで満点をとったのは、アメリカ留学から帰ってきたころでした。30歳過ぎぐらい。英語学習を始めてから、7〜8年ぐらいかかりました。
ただ、TOEICで満点を取っても「英語ができるようになった」わけじゃなかったんです。

やっぱり、TOEICのリスニングの英語って、実際の会話と比べるとめちゃめちゃ遅いし、綺麗なんですよね。文法も正しいし、ちゃんと体系立っていて。使う言葉も熟語とかはあまりなくて、簡単な単語が多い。当たり前かもしれませんが、リスニング問題みたいに喋るネイティブの人って、いないんです。だから試験のリスニングで点数が取れても、ネイティブが喋ってることは、ほんとに全然わからない。

僕もずっと勘違いしていたんです。英語を勉強し始めたばかりの時は「TOEICで7、800点とれりゃ、英語ペラペラなんだろうな」と思っていました。990点満点が取れたら、もう「頂上」だと思ってたんです。
それが僕の英語学習における、最大のミスでした。「じゃあ、TOEIC何点だったらネイティブレベルなの?」と聞かれたら、僕は「2000点」って答えます。笑 990点は、実はまだ半分ぐらいなんですよね。

「英語学習の道は途方もなく長い」という事実

実は、TOEIC満点よりも英検1級のほうがぜんぜん難しいんです。だからそのあと「英検1級とったら、さすがに勉強は終わりだろうな」と思って英検1級をとりました。そうしたら、そのときの英語の先生に「英検1級は、実は終わりじゃなくて始まりです」と言われて。「マジかよ~」と思いましたね。笑
たしかに、英検1級をとったぐらいで「ようやくちゃんと英語の勉強が始められるな」という感覚はありました。洋書が読めたり、TEDとかがある程度聞けるようになったり。
それでも、海外のニュース番組とかはけっこうきついんですよね。そのぐらいのレベルなんです。いまだに勉強は継続していて、そろそろ5000時間を突破しそうなのですが、それでもまだぜんぜんダメだなと思います。

「道のりが長すぎる!」って思いますよね。でもこれは、声を大にして伝えなきゃいけないと思っています。英語って、本当に長い道のりなんです。普通にやっていたら、永遠に頂上になんてたどり着けないぐらいに。この事実って、意外と知られていないんですよね。

だからこそ、時間もお金もメンタルも、なるべく節約したほうがいい。僕は英語学習のために、4000時間以上、金額でいうと600万円以上かけてきました。そんな時間とお金、みんながみんな使えるものではありません。
それを「AIでなんとか効率化するしかない!」というのが、僕が「AI英会話アプリ」をつくっている理由なんです。

なるべくコスパのいい勉強を

長くなってしまいましたが、大事なポイントをまとめるとこんな感じです。

・TOEIC満点は、ゴールではない!
・発音の練習は、なるべく早くやったほうがいい
・マンツーマン英会話は、先生が固定のところを選ぶべし
・難しい文法は、英会話には必要ない
・インプットとアウトプットを両立すべし
・いちばん効果があったのは長期留学(文脈で英語を覚えられるから)

僕自身はかなり遠回りをしてしまったなあと思うのですが、このnoteを読んでくださった方には少しでも、効率的に英語を学んでほしいと願っています!

画像引用:https://storyset.com/education

うちの会社で開発している『AI英会話 スピークバディ』は、僕の英会話学習の苦労をもとに創りはじめたアプリです。留学に行かなくても、ストーリーに紐付けて、文脈のなかで英語を学べる。AIが相手なので、ネイティブと話すときのプレッシャーもありません。

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