こんにちは。カスタマーサクセス部の高尾です。
前回のエントリーでは、CtoCサービスのカスタマーサクセスについて発信させていただきました。
今回はカスタマーサクセスを語る上では欠かせない、CSAT(顧客満足度)について書きたいと思います。CSATは測定するのが当たり前過ぎるので、改めて自分でもその意義を言語化したいと思い、書いてみました。
CSATはCustomer Satisfactionの略語として、カスタマーサクセスの領域に関わらずビジネス全般でよく目にします。
スペースマーケットのカスタマーサクセス部でもCSATはもちろん測定をしていて、主にお問い合わせのサポートに対するカスタマーの満足度、を図る指標として導入しています。
ちなみに、サービス全体に対する満足度を図る指標としてはNPSを導入しており、こちらの指標については改めて発信したいと考えています。
1:CSATはなぜ重要なのか
カスタマーサクセスは、カスタマーからの要望や声を直接受けたり、カスタマーに向けて情報を発信するなど、カスタマーのサービス体験価値を構成している、とても重要な役割です。
CSATは、そのカスタマー体験価値の向上をカスタマーサクセスがサポートできているのか測定する、大切な指標の一つになります。
スペースマーケットの場合、CSATはお問い合わせのサポートに対するカスタマーからの「満足・不満足」の回答割合で測定しています。「満足・不満足」の回答は、お問い合わせに対するサポートが終了した段階でアンケートをお送りし、カスタマーからは任意で回答を頂いています。
スペースマーケットでは、お問い合わせに対する満足・不満足はつまり、「サービスの仕様や機能、ルール」もしくは「カスタマーサクセスチームの対応」への評価だと考えています。
なので、カスタマーからの満足・不満足という回答には
サービスの仕様や機能、ルールなどに対する満足度
カスタマーサクセスチームの対応に対する満足度
の大きく二つの要素が含まれていて、サービス全般としてはサービスの仕様や機能、ルールに対する満足という側面がとても重要になります。
2:CSATをどう捉えて、何に活かすのか
CSATの捉え方は各サービスによってさまざまだと思います。
前項にも書きましたが、スペースマーケットとしては、以下の2点を図るための指標と位置付けています。
サービスの仕様や機能、ルールなどに対する満足度
カスタマーサクセスチームの対応に対する満足度
数値の捉え方としては、「社会における、サービスの位置付けや見られ方を測るバロメーター」だと考え、日々モニタリングしています。
例えば、先日見たテレビ番組に、こういう話がありました。
京都のある老舗唐辛子屋さんがあり、いつの時期からか常連のお客さん達から、「最近辛子の辛さを少し落とした?」「辛さのパンチが少し弱くなった気がする」という声が増えてきた時期があったそうです。
その唐辛子屋さんいわく、「辛さや他調味料との調合比率は一切変えていない」んだそうです。
変わっていたのは唐辛子の味ではなく、消費者の舌だったという話です。
(冒頭の唐辛子のイラストはすみません、この話のため挿入しました)
これは、サービスの提供内容は変わらなくても、サービスを使う消費者の目は変わり続けるという話に通じると思います。
例えばこれまでは、こういうサービスの内容、ご説明で納得いただいていた内容が、半年後には多くが「不満」の回答という形で返ってきたときは、サービスとカスタマーの感覚とがずれている可能性があるというシグナルだと思います。
私もスペースマーケットのプロダクトに関わり続けて6年ほどなので、その成長プロセスを身を持って体験してきました。成長を続ける中で、社会から求められるサービスのレベルはどんどん変化してきたんですね。
その変わり続ける消費者の目を察知できる指標の一つがCSATだと思っています。
3:CSATが下がった時の対処法
当たり前の話ですが、CSATはサービスサイドでコントロールできるものではないので、上がる局面もあれば、下がる局面もあります。
そして、もし下落している局面があるとすると、そのときはサービス利用者の感覚に対して、サービスの仕様や機能もしくは、カスタマーサクセスのサポート対応方法が変化できていない、追いついてない可能性があるときです。
スペースマーケットのカスタマーサクセスでも感じるのは、例えばAという仕様とその説明に対して多くは満足をいただいていた内容が、半年後にはAという内容だと不満足という回答をいただく時が多くなる、ということがあります。
こういうときはまさに、サービス利用者の感覚の変化にサービスサイドの感覚が追いついていない時だと思います。
このとき、スペースマーケットのカスタマーサクセスでは以下の2点を実施します。
- サポート内容について、チームで振り返りを行い徹底的な議論で改善する
(お送りしているメッセージや雛形のレビュー、対応時間、解決までにかかった時間などを振り返り)
- プロダクトチームとも連携して、サービスの機能改善を起案
などを行います。
我々が意識しているのは、上記の施策はスピーディーに行うこと、かつ施策の実行は短期的な目線でなく、中長期的な目線で行うことです。
せっかくご意見を返してくださったカスタマーに対して、アクションを先送りすることは非常に失礼なことですし、改善の遅れはサービスの成長に対してもリスクを追うことになると考え、実行しています。
4:CSATが向上した事例
スペースマーケットのカスタマーサクセスでもCSATが下落傾向になるときが、昨年に何度かありました。
その時は、サービス利用者との感覚のずれなどを意識しながら、スピーディーに打ち手を探ります。
合わせて、必ずやるのは、お問い合わせの回答に対するメンバー間での相互レビューです。
相互レビューを行う時に気をつけるのは、レビューする側とされる側を固定しないことで、これはとても重要だと思います。
ベテランのメンバーが若手メンバーに対してレビューを依頼することも多々ありますが、これは他者の視点を入れて文章を再構築することは経験に関わらず非常に重要で、壁打ちをすることで物事が整理できることも多くあるからです。
また、役割を固定すると組織が固くなってしまって、組織としての柔軟性が失われてしまうリスクがあり、そのリスクを組織的に回避するための目的もあります。
チームとしてカスタマーの声に真摯に向き合い、サービスとして、カスタマーサクセスとして改善を続けるとCSATは向上する結果になることが多いですが、現状に満足せずこれからもカスタマーサクセスチームとして成長を続けたいと考えています。
CSATについて、スペースマーケットの事例も交えながら書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
これからもスペースマーケットはカスタマーから頂く貴重なお声を元に、サービスとカスタマーサクセスチームの対応を磨き、成長をを続けていきたいと考えています。