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【前編】M&Aってどうやって始まるの?スペースマーケット初のM&Aの一部始終を聞いてみた。

スペースマーケットは、2021年7月1日に、初のM&Aを行いました。
これに伴い、レンタルスペースの企画・運営、スペースの運営代行等を行う、株式会社スペースモールが子会社となりました!🎉

プラットフォームの運営をメインに行ってきたスペースマーケットに、スペースモールが持つ運営側のノウハウを合わせることで、利用者の体験価値をもっともっと高めることが期待できます。スペースマーケットのミッション「スペースシェアをあたりまえに」を実現するための大きな一歩となりました。💪

しかし、実は本M&Aプロジェクト、社内でも極秘に進んでいたこともあり、詳しいことを知る人はほとんどいません。

そこで今回は、極秘にM&Aプロジェクトを進めてきたであろう張本人、CFOの徳光さんに、社員もなかなか知らないであろうM&Aの一部始終について、インタビューしてみたいと思います!👀

はじまりは「一緒にやれることないっすか?」から

―そもそもこのM&Aの話、いつ頃から話が上がってたんですか?🤔

2020年の年末くらいからですね。「一緒にやれることないっすか?」ってうちから声をかけた感じです。

そもそも、うちとスペースモール代表の小泉さんとはもともとお付き合いがあって、出会いは5年前の2016年なんですよ。小泉さんがスペースの運営代行業を立ち上げて、スペースマーケットに掲載してくれていたんですが、それが非常にうまくいっていて。ホスト向けセミナーなんかにも登壇してもらったりしていたんです。

▲小泉さんのホスト詳細画面。優良ホストに対して送られる称号であるトップホストの記載あり

実は、スペースマーケットでも、ホストの理解を深めようと試験的に自社でスペースを運営していた時期がありました。しばらく運営して「うちはプラットフォームの成長に注力しよう!」と方針転換したんですが、その時も、運営していたスペースを引き継いで対応してもらったりしていたんです。

スペースモールは、コロナ禍でも成長を続けていた

―なるほど、数年前からとても良いお付き合いを続けていたんですね!

そうなんです。このような感じでお付き合いをしているスペースの運営代行会社さんはいくつかあるんですが、スペースモールさんは圧倒的に良いスペースを運営している会社の1つなんですよね。ゲストからの評価も高くて。ぼくも実際に何回もスペースモールさんの運営するスペースを使っています。😊

スペースモールの運営するペース一覧を見てみると、たしかにとても評価が高いのが分かります。そして100件以上のスペースを運営されているんですね!すごい数です。


▲スペースモールの運営するスペースの一部。どれも評価が高くレビュー件数も多い

そうなんですよ。スペースマーケットの成長とともにスペースモールの成長をずっとそばで見ていたんですが、彼らの成長って本当にすごいんですよ。特に去年(2020年)なんて、コロナの影響でほとんどのスペース運営者が厳しい状況だったと思うんですが、なんと彼らは伸びてたんですよ!うちだって厳しかったというのに・・・(笑)。もうその様子は、ただただすごいな、という感じでした。

―へ〜。それはすごいですね!ノウハウが気になりすぎます(笑)。ちなみに、このタイミングのM&Aになったのには、なにか理由があるんですか?

本当は、2019年12月の上場後すぐに動き出したかったんです。上場して、キャッシュが潤沢になりましたからね!現金のまま眠らせておくのはもったいない。投資の考え方と一緒ですね。
だけど、上場してすぐのタイミングでコロナ禍になってしまったので、動くに動けなかったんです。
2020年の終わり頃に、やっと動き出せるかも、という感じで動き出して、そこから進めていった結果、このタイミングで発表できた、という感じです。

「良いスペースを揃えていかないと顧客体験は良くならない」という課題感

―とても初歩的な質問なんですが、そもそもなぜM&Aしたのでしょうか?「一緒になにかやる」「協業」という意味なら、今までも他社と行ってきたように、M&Aでなくても実現できる気がします。そこをあえてM&Aという手法をとった理由って何なんでしょうか?🤔

まず、スペースマーケットには現在、多くのキャッシュが手元にあります。先ほども少し触れましたが、このキャッシュを使わないで眠らせておくのはもったいない。投資して、働かせて、さらなる利益を生むために使ったほうがいいんですね。

その使いみちとして、たとえばTVCMを放映するとか、クーポンを配るとか、いろいろな方法があります。その中で、現在のスペースマーケットに一番効果的なのはどれか、と考えたときに出てきた選択肢がM&Aだった、というわけです。

M&Aというのは、お金は必要になりますが、一気に新しい事業を取り入れることができるため、ゼロから立ち上げるより圧倒的にスピード感が早くなります。特に、スペースモールさんの事業は、うちでも実際取り組んだことがあるので、立ち上げの難しさも理解していました。

そして、スペースマーケットの課題として、「プラットフォームをさらに使いやすくしていくことはもちろんだけど、良いスペースを揃えていかないと顧客体験は良くならないよね」というのがあって。

実は、スペースマーケットに掲載されているスペースは、ありがたいことに創業以来、多くのホストの自然流入によって増えていて、それに甘んじてこちらから能動的に良いスペースを増やすっていうアクションを取れていなかったんです。もちろん、CSでのサポート等は行っていましたが、もっとやれることがある、と思っていたんです。

だからこそ、その領域に長けたスペースモールをM&Aしたい、と思ったんです。良いスペースを増やしていくよ!という、決意の表れでもありますね。

「子会社」との協業は、進み具合が全然違う

協業って意味だとM&Aじゃなくても良い、というのはたしかにその通りです。けれども、現在うちにキャッシュがあることもありますし、やっぱり、子会社として一緒に何かをやるのと、まったくの他社同士でやるのとでは進み具合って全然違いますよね。いままで2つの船だったのもが、同じ1つの船になるわけですから、より実のある協業ができるってわけです。まさに一心同体ですね!

―なるほどです。たしかに、いままでの協業とはかなり温度感が異なる気はします。

法律上、親会社は子会社に命令ができる関係性になりますからね。とはいえ、事業の進め方については、基本的には独立して進めることにしているんですよ。

一般的に、M&Aをしたあとの事業の進め方として、2社をごっちゃに混ぜてどちらかというと親会社の企業文化に合わせて運営していくパターンと、それぞれの企業文化を残したまま運営していくパターンの大きく2パターンがあるんですが、今回の場合は、後者を選択した、という感じです。どちらのパターンにもメリット・デメリットはあるのですが、今回の場合は、後者のほうが事業が成長すると判断したんです。

―たしかに、M&Aで、親会社が子会社にいろいろ命令しまくってたら子会社社長が疲れていなくなっちゃうパターンとか、たまに聞きますもんね(笑)。

そう。うちの場合は、そもそもスペースモールさんをリスペクトしていますし、良さをそのまま保ったまま成長してほしいと思っているんです。ですので、お財布やオフィス、社内規定などは別のまま、それぞれが独立運営のままとしています。

あとは、プラットフォームの公平性を守る観点もあります!スペースマーケットにはたくさんのホストがスペースを掲載してくれていますが、特定のホスト、つまりスペースモールだけを優遇するのはプラットフォームとして公平性が保たれないことになってしまう。だからこそ、独立運営にしているというのもあります。

とはいえ、せっかくM&Aしたわけですから、同じ方向を向いて事業を進めたいですよね。その点については、現在スペースマーケットから2名、橋渡し役を配置しています。

―たしかに、いくら独立運営とはいえ、橋渡しがなければ子会社である意味もなくなってしまいますもんね。これからどんな相乗効果が出てくるのか楽しみです!

そうですね。あ、あともう1つ、M&Aするメリットとしては、子会社であるスペースモールが成長したら、うちの業績も成長するっていう点ですよね!連結決算になりますから!

―それはつまり、スペースモールが伸びることが見込めた・・・ってことですね?🤔

そりゃあねえ、そうじゃなきゃM&Aしませんよ(笑)。だってコロナ禍でも成長してるくらいすごいんですから。

―いやーでも正直、びっくりしましたよ!2019年12月に上場してから「今後はM&Aをやっていきたい」と聞いてはいましたが、世の中への開示と同タイミングで知った社内のメンバーも多かったので。大手だと自社のニュースを外部から聞く、なんてこともありますが、まだ60名程度の規模感の会社だから、びっくりっていうか。

いやーそうですよね。うちは上場企業とは言えまだ小規模だし、皆で一丸となって事業を進めているから、事後の発表だと驚きますよね。😥

でも、上場企業のM&Aは、インサイダー情報として管理の徹底が義務付けられているんです。
ちょっとさみしいかもしれませんが、こういった面も会社の成長の1つなんだ!と感じ取っていただけると、ありがたいなあと思います。

今回はここまで。聞きたいことがありすぎて、かなり序盤の話だけでずいぶんなボリュームになってしまいました・・・(笑)。実際どんなタイムラインでプロジェクトが進んでいたのか等のインタビューについては、後編に続きます!


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